アブストラクト
代数
- 阿部 秀斗 (Abe Shuto) 名古屋大学 多元数理科学研究科多元数理科学専攻
- Automorphism groups of Fano conic bundle threefolds
- Let \(X\) be a double cover of \(\mathbb{P}^1\times \mathbb{P}^2\) branched in a smooth \((2,
2)\)-divisor. Then \(X\) is a smooth Fano threefold of No. 2.18 in the Mori-Mukai
classification. We prove that the automorphism group of a general Fano threefold of No. 2.18 is
a cyclic group of order 2. In addition, we introduce some results for automorphism groups of
smooth Fano threefolds of No. 2.18 with singular quartics.
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- 赤木 亮太 (Akagi Ryota) 名古屋大学 大学院多元数理科学研究科多元数理科学専攻
- 団代数から定まる扇とCoxeter構造
- 団代数とは, 2000年ごろに導入された可換環のクラスで, 非常に興味深い組み合わせ構造を有する. その代数的構造から\(g\)ベクトル扇と呼ばれる扇構造が導入される. 私は,
この\(g\)ベクトル扇の構造を, 団代数が定義される部分より広いクラスに拡張した. そうすることで, \(g\)ベクトル扇の中にコクセター群で生じる現象が散見され,
重要な背景構造を予感させる観察が得られる. 講演では, この\(g\)ベクトル扇とコクセター群における類似現象を, いくつかの予想とともに紹介する.
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- 赤坂 奎茉 (Akasaka Keima) 千葉大学 融合理工学府数学情報科学専攻数学・情報数理学コース
- (Op)lax Twisted Arrow \((\infty,n)\)-categories and Their Dualizability
- We introduce (op)lax twisted arrow constructions for \((\infty,n)\)-categories. Building on
work of Johnson-Freyd and Scheimbauer, who defined (op)lax arrow \((\infty,n)\)-categories, we
propose twisted variants of their constructions, which also recover the classical twisted arrow
\((\infty,1)\)-category of Lurie and others in the case \(n=1\). Moreover, we establish a
relationship between full dualizability in a given \((\infty,n)\)-category and full
dualizability in the three associated twisted arrow \((\infty,n)\)-categories.
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- 安藤 遼哉 (Ando Ryoya) 東京理科大学 創域理工学研究科数理科学専攻
- Generalizations of Regular Sequences and Grade, and Problems Related to Applications
- 近年の可換環論において、Noetherとは限らない環上の加群についてのホモロジー代数的な考察の重要度は年々高まっている。本講演では、正則列、grade
といった概念の一般化とその応用について紹介し、講演者が得た結果とそれに関連する問題を提唱する。
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- 安澤 拓真 (Anzawa Takumi) 名古屋大学 多元数理科学研究科多元数理科学専攻
- 随伴多重ゼータ値にまつわるLie代数について
- Racinet(‘02)によって構成されたダブルシャッフル群はmotivic Galois群と同型であると予想されており、現在でも活発に研究が行われている。
Jarossay(‘14)はダブルシャッフル群の随伴類似を提案し、ダブルシャッフル群とその随伴類似の間の同型を問題として提唱した。本講演ではこの問いを精密化する枠組みを与え関連するLie代数を構成したため、それについて報告する。
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- 新井 利沙 (Arai Risa) お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科理学専攻数学コース
- Skew braceにおける\(n\)-isoclinismについて
- Skew braceとは, 集合 \(B\)に, それぞれの演算に関して群になるような2つの二項演算\(\cdot, \circ\)が定義され, brace relationを満たす
\((B, \cdot, \circ)\)のことをいう. また群論において, \(n\)-isoclinismという概念が定義されている. 本発表では, skew brace
における\(n\)-isoclinismの定義を提案する.
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- 趙 瑛希 (Cho Yongfi) 東京科学大学 大学院情報理工学院数理・計算科学系
- モノイダル圏のコホモロジー
- 本講演ではモノイダル圏のコホモロジーについて入門的に解説する. まずモノイダル圏の定義と基本的な例を紹介する. 次に, 群のコホモロジーから圏のコホモロジーへの一般化を概観し,
その流れの中でモノイダル圏のコホモロジーの定義を説明する. 最後に射影表現との関係などの応用例にも触れる.
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- 出口 絢結 (Deguchi Ayu) 名古屋大学 大学院情報学研究科数理情報学専攻
- 素数生成多項式と虚2次体の類数との関係について
- 虚\(2\)次体\(K\)の類数\(h_K\)と素数生成多項式の値の素因子の個数\(\Omega_K\)との関係は古くからよく知られている(\(h_K=1\iff\Omega_K=1\)).
この事実は,類数が\(2,\ 3\)の場合にも同様の定式化がなされている. 本講演では, 類数が\(4,\
5\)の場合の定式化を試みる.種の理論により,類数が\(4\)ならば,判別式\(d_K\)のもつ異なる素因子の個数は\(2\)個または\(3\)個であり,類数が\(5\)ならば,\(d_K\)は素数でなければならない.主結果は一般リーマン予想の仮定の下で,\(d_K\)が異なる素因子を\(3\)個もつとき,
\[ h_K=4\iff \Omega_K=3 \] である.また,\(d_K\)が異なる素因子を\(2\)個もつ場合や類数が\(5\)の場合の予想も述べる.
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- 遠藤 維人 (Endo Koreto) 東京科学大学 大学院理学院数学系数学コース
- R行列と箙Hecke--Cliffordスーパー代数の表現論
- 近年,量子群に対する圏化理論の建設を目的として箙Hecke代数(KLR代数)が導入された.その表現論は量子アフィン代数とのSchur--Weyl双対性などと結びつき,現在も活発に研究されている.本講演では,箙Hecke代数のスーパー代数への一般化の1つである箙Hecke--Cliffordスーパー代数の表現論について得られた結果を紹介する.時間が許せば,その応用として量子アフィンスーパー代数とのSchur--Weyl双対性についても述べる.
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- 林 和輝 (Hayashi Kazuki) 東京科学大学 理学院
- パーフェクトイド塔におけるFontaineのモノイダル写像
- P.
Scholzeにより導入されたパーフェクトイド理論は正標数の世界と混標数の世界を結ぶ画期的な枠組みであり、Fontaineのモノイダル写像はその中枢をなす。一方、非ネーター的で扱いの難しいパーフェクトイド環を近似する概念として、パーフェクトイド塔が導入された。本講演では、パーフェクトイド塔に対しFontaineのモノイダル写像の応用により得られた結果について報告する。本講演は伊城慎之介氏(群馬工高専)と下元数馬氏(東京科学大学)との共同研究に基づく。
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- 石塚 康介 (Ishizuka Kosuke) 東北大学 大学院理学研究科数学専攻
- アフィノイド集合上の strictly injective analytic element について
- Escassut とSarmant は, hyper-infraconnected set 上の strictly injective analytic element は,
一つの因子が他の項を支配するような一次の有理関数の無限積で表示できるかという問題を提案した. この問題は今まで未解決であったが, infraconnected affinoid set
上で成り立つことが初等的な p-進解析の手法で証明されたので, それを報告する. 証明の鍵は, strictly injective analytic element を
Mittag-Leffler term により特徴づけたことである. この主張は, よく知られている閉円盤上の analytic function が strictly injective
になる特徴づけを拡張したものになっている.
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- 松下 光虹 (Matsushita Koji) 東京大学 大学院数理科学研究科
- エッジ環のpseudo-Gorenstein性について
- 標準的次数付き環において、そのh多項式は重要な不変量であり、次数付き環の様々な性質を反映する。h多項式の最高次係数が1であるような次数付き環をpseudo-Gorensteinといい、これはGorensteinの一般化になっている。本講演は、エッジ環と呼ばれるグラフから生起する次数付き環のpseudo-Gorenstein性について議論する。本研究は、畑佐悠太氏と小脇修和氏との共同研究に基づく。
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- 宮下 空 (Miyashita Sora) 大阪大学 大学院情報科学研究科情報基礎数学専攻
- Canonical traces of graded fiber products: applications to Stanley--Reisner rings
- Recent work by Miyashita and Varbaro classified the canonical traces of Stanley–Reisner rings
that are Gorenstein on the punctured spectrum, under the Cohen--Macaulay assumption. We aim to
generalize the result to the non--Cohen--Macaulay case. First, we establish an explicit formula
for the canonical trace of graded fiber products of Noetherian rings and apply it to
Stanley--Reisner rings of disconnected simplicial complexes. This allows us to reduce the
problem to the case of connected simplicial complexes. In that case, we succeed in weakening the
Cohen–Macaulay assumption in their result to the Serre's condition \((S_2)\), obtaining a
similar classification. Finally, by combining these results, we provide a description of the
canonical trace of a Stanley–Reisner ring satisfying \((S_2)\).
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- 宮澤 優 (Miyazawa Yu) 東京理科大学 大学院理学研究科数学専攻
- 重さ1のモジュラー形式のHecke体について
- モジュラー形式fに対して、そのFourier係数を有理数体に添加して得られる体をfのHecke体という。本講演では、fが重さ1の正規化されたHecke固有新形式でfに付随するGalois表現の射影像が二面体群D_nと同型なものに対して、そのようなfのHecke体の分類について説明する。
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- 中村 大祐 (Nakamura Daisuke) 岡山理科大学 大学院理工学研究科自然科学専攻数理科学コース
- lifting of quantum linear spaceの表現圏上の完全加群圏について
- 完全加群圏は半単純なテンソル圏上の加群圏の理論を非半単純なテンソル圏上に拡張する目的でEtingof-Ostrikにより導入された.特に直既約な完全加群圏の分類は盛んに行われており,講演者らは小さな量子群u_q(sl_2)の表現圏上の直既約完全加群圏の分類を完了している.
本講演では,上述の分類における手法がu_q(sl_2)を含む良いクラスのホップ代数に対して一般化可能であることを説明する.
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- 伍 軒宏 (Ng Hin Wang) 芝浦工業大学 大学院理工学研究科機能制御システム専攻
- \(\operatorname{Rep}(u_q(\mathfrak{sl}_2))\)上の加群圏のピボタル性
- テンソル圏 \(\mathcal{C}\) に対し, 環上の加群の類似として \(\mathcal{C}\)-加群圏が定義される. 共形場理論への応用などを動機として,
\(\mathcal{C}\)-加群圏の相対セール関手およびピボタル構造が定義されている. 本研究では, \(\mathcal{C}\) を \(1\) の奇数乗根 \(q\)
に対する小さな量子群 \(u_q(\mathfrak{sl}_2)\) の表現圏とするとき, \(\mathcal{C}\)-加群圏に対してこれらの構造を計算する. 応用として,
\(\mathcal{C}\) における単純対称フロベニウス代数の具体例を構成する.
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- 新居 里紗 (Nii Risa) 九州大学 大学院数理学府数理学専攻
- 有限群の既約表現を用いた群行列式の因数分解
- 群行列式とは、有限群の正則表現から定まる群行列の行列式である。群行列式は、有限群の既約表現を用いて因数分解ができることが知られている。本講演では、いくつかの具体例に対して、基礎体を実数体、複素数体の場合それぞれで、有限群の既約表現を考え、群行列式の因数分解を考察する。
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- 大島 秀一 (Ohshima Syuichi) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- Nuclear Dimension of Groupoid C*-algebras
- 核型次元が有限であることはC*環が分類可能であるための条件であるが一般に核型次元の計算は難しい.そこで核型次元を計算しやすい他の量で評価するという研究が行われてきた.本発表では亜群の塔次元というものを定義し,核型次元が塔次元を用いて評価できるということを発表する.この塔次元は位相力学系で知られている塔次元を参考に定義された.
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- 尾﨑 太河 (Ozaki Taiga) 東京科学大学 理学院数学コース
- Higher-dimensional Teter rings via the canonical trace ideal
- 我々は、次数付き環に対して高次元Teter環を定義し、canonical trace
idealを用いた解析を行った。本講演では、環がTeter環となるための十分条件を与え、標準次数付きの場合にはその特徴付けを与える。その結果として、いくつかのnearly
Gorenstein環の族がTeter環となることが従う。さらに、数値半群環がTeter環になるための必要十分条件を与える。
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- 關山 輝流 (Sekiyama Hikaru) 慶應義塾大学 理工学研究科基礎理工学専攻数理科学専修
- 逆半群作用に付随するKS亜群及びKS接合積
- 逆半群論と亜群論の間の深い関係の一つに、逆半群に付随する普遍亜群と呼ばれる、もとの逆半群の性質を反映したエタール亜群の構成が知られている。本発表では、逆半群に対するこの構成を、KS接合積と呼ばれるC*環の構成を通して、空間への逆半群作用に対して一般化する。
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- 田平 みずほ (TABIRA MIZUHO) お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科理学専攻数学コース
- 加法群がアーベル群である位数\(p^3\)のbi-skew braceの分類
- \((A,+,\circ)\)がskew braceであるとは加法群\((A,+)\)と乗法群\((A,\circ)\)の演算がbrace
relationを満たすもののことをいう.\((A,+,\circ)\)と\((A,\circ,+)\)がともにskew braceであるとき,\((A,+,\circ)\)はbi-skew
braceであるという.Bachillerにより加法群がアーベル群である位数\(p^3\)のskew
braceの分類はなされている.本講演では,Bachillerの分類から,演算\(\circ\)と対応する写像\(\gamma\)を用いてbi-skew
braceの分類を試みた結果を報告する.
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- 髙木 颯斗 (Takagi Hayato) 名古屋大学 大学院多元数理科学研究科多元数理科学専攻
- Degree two unirational parametrizations over the real field
- In this talk, I will discuss when a geometrically rational real surface admits a unirational
parametrization of degree two. Such questions have been studied in a more general setting by
Andrey Trepalin, and in the above case a complete answer has been obtained. We provide a
different proof of this result based on the classification of involutions in the real plane
Cremona group given by Cheltsov-Mangolte-Yasinsky-Zimmermann, and I will explain our approach.
This is joint work with Brendan Hassett and Sho Tanimoto.
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- 髙橋 統士 (Takahashi Toshi) 名古屋工業大学 大学院工学研究科工学専攻情報数理プログラム
- ある3変数3次不定方程式の整数解について
- \(34^{3}+10^{3}+67^{3}=341067\)のような例を見つけるために,3変数3次不定方程式\(x^{3}+y^{3}+z^{3}=10^{2n}x+10^{n}y+z\)の整数解を計算機実験により求め,解の系列をいくつか発見したのでそれを紹介する.なお,2変数2次不定方程式\(x^{2}+y^{2}=10^{n}x+y\)は,\(10^{2n}+1\)を素因数分解できれば解けることが知られている.
本講演ではさらに,\(m\)変数\(m\)次不定方程式\(\sum_{i=0}^{m-1}x_{i}^{m}=\sum_{i=0}^{m-1}10^{ni}x_{i}\)についても言及する.
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- 武田 晃典 (Takeda Akinori) 名古屋工業大学 大学院工学研究科工学専攻情報数理プログラム
- Kaprekar数の置換による分類
- Kaprekar数とは,\(6174=7641-1467\)のように,その数の各桁の数字を降順に並べた数と昇順に並べた数との差が元の数に等しくなる自然数である. 一般の自然数\(t \geq
2\)に対しても,同様に\(t\)進Kaprekar数が定義できる.\(t = 10\)あるいは\(t = 2,
3\)などの場合には,すべての\(t\)進Kaprekar数が決定されているが,一般の\(t\)においては,そのような結果は知られていないようだ.
本発表では,Kaprekar数を並び替える際の置換に着目して,\(t\)進Kaprekar数を分類する試みを紹介する.
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- 田中 大地 (Tanaka Daichi) 東北大学 理学研究科数学専攻
- Maass wave form の構成とその Petersson 内積
- Maassは1949年に狭義類数1の実2次体上のHecke指標からHecke eigen Maass wave cusp
formを構成した。本講演ではMaassの構成を一般実2次体のHecke指標に拡張し, そのPetersson内積を明示的に計算することができたのでその結果を紹介する. 特に,
dihedral Artin表現に対応する場合は実2次体上のヒルベルト類体、環類体のregulatorの言葉で Petersson内積が 記述されてることも紹介したい。
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- 田中 一希 (TANAKA KAZUKI) 東京都立大学 大学院理学研究科数理科学専攻
- 有限体係数のパラメトリックイデアルの根基計算について
- 包括的 Gr\"{o}bner 基底系はパラメトリックイデアルに対する Gr\"{o}bner 基底の役割を果たす概念で、1992 年に Weispfenning
によって定義された。この登場により、近年では多項式環のイデアルに関する各種アルゴリズムをパラメータ付きのものへと拡張する研究が進められている。本講演では、Matsumoto
の根基計算アルゴリズムをもとに、包括的 Gr\"{o}bner 基底系を⽤いた有限体係数のパラメトリックイデアルの根基計算アルゴリズムを構成する。
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- 寺田 怜央 (Terada Reo) 九州大学 大学院マス・フォア・イノベーション連係学府
- Apostol M\"{o}bius関数の和について
- 解析的整数論において, M\"{o}bius関数はとても基本的で重要である. 1977年にApostolはこの関数の一般化として位数kのM\"{o}bius関数を定義し,
その部分和に対して漸近評価を与えた. また2001年にBegeはこの関数の部分和(及び制限された部分和)に対して予想を与えた. 本発表ではこの予想に対して部分的に肯定的解決を与える. さらに,
2乗平均の評価についても紹介する.
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- 栃谷 悠紀 (Tochitani Yuki) 東京都立大学 理学研究科数理科学専攻
- Autoequivalences of derived categories of bielliptic surfaces
- bielliptic surface Xの連接層の導来圏に対して、標数が 0 の場合には、Xと導来同値な代数多様体の同型類はX自身に限ることが知られている。標数が 5
以上の場合についても同様の結果が示されている。また、自己同値群の生成元について、標数が 0
の場合にある特殊な型に限って決定されている。今回はこれらの結果を任意標数上のすべてのbielliptic surfaceの場合に拡張した。
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- 内海 凌 (Uchiumi Ryo) 大阪大学 大学院理学研究科数学専攻
- 超平面配置の特性準多項式と有限群作用
- 整数係数で定義される超平面配置に対して,対応する mod \(q\) 配置の補空間の数え上げ関数として特性準多項式が定義される. これは,\(q\)
に関する準多項式であり,超平面配置の最も重要な不変量である特性多項式を含んでいる. 超平面配置に有限群の作用が与えられたとき,mod \(q\) 補空間に関する置換指標も \(q\)
に関する(群の指標を含んだ)準多項式となる. 本講演では,この置換指標に関するいくつかの性質を紹介する.
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- 山田 雄斗 (Yamada Yuto) 東京科学大学 理学院数学系数学コース
- 正標数のBerkovich幾何
- 近年Berkovich幾何、つまり、Banach環を基とする幾何の発展が著しい。とくに、ScholzeによりBerkovich幾何を用いた、標数等に依らないモチーフの構成が提案されて、Voevodskyのモチーフとの関連も示されている。今回は、これを用いた「圏論的な」関数の構成を、手順を追って説明する。また、これが古典的な合同ゼータ関数と一致することも紹介する。
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- 山村 惠晃 (Yamamura Yoshiaki) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- 数論的な体に対する準高次Kummer忠実性
- 遠アーベル幾何学においてKummer忠実体は重要な役割を果たす。近年、そのvariantとして(準)高次Kummer忠実体が定義されたとともに、劣\(p\)進体が準高次Kummer忠実か?という自然な問題が生まれた。本講演では、この問題を肯定的に解決し、その過程で得られたいくつかの結果を紹介する。さらに、高次局所体に対する準高次Kummer忠実性について考察する。
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- 山中 渓太 (Yamanaka Keita) 千葉大学 大学院融合理工学府数学情報科学専攻
- 高次元Wittベクトルのstrict p-環構造
- 近年, 松田氏により高次元のWitt環が定義された。これは\(r\)次元の級数\(l(T)\)が特定の関数等式を満たす場合に, その係数行列を用いてWitt環を定義できるというものである。
古典的なWitt環は完備離散付値環の一種(strict \(p\)-ring)として特徴付けられる。本講演ではこの性質を高次元の場合に一般化する。
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- 吉澤 遼河 (Yoshizawa Ryoga) 東京理科大学 大学院理学研究科数学専攻
- Slash operatorによるヘッケ体の変化
- \(f\in\mathcal{S}_k(\Gamma_1(N))\)という
newformについて\(\text{SL}_2(\mathbf{Z})\)の元によるヘッケ体の変化が知られている.この講演ではこの結果を,平方自由な\(N\)に対して\(f\in\mathcal{S}_k(N,\chi)\)
というnewformに関して拡張した結果を紹介する.
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- 張 婧雅 (ZHANG JINGYA) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- On the Second Homology of Cactus Groups
- We use Hopf's formula to show that the second integral homology of cactus groups are elementary
abelian 2-groups of finite rank. Consequently, the second rational homology of cactus groups are
trivial.
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- JIA ZELIN (ジャ ぜリン) 名古屋大学 多元数理科学研究科多元数理科学専攻
- Tropicalization and cluster asymptotic phenomenon of generalized Markov equations
- The generalized Markov equations are deeply connected with the generalized cluster algebras of
Markov type. We construct a deformed Fock-Goncharov tropicalization for the generalized Markov
equations and prove that their tropicalized tree structure is essentially the same as that of
the classical Euclid tree. We then define the generalized Euclid tree and prove that it
converges to the classical Euclid tree up to a scalar multiple. Moreover, by means of cluster
mutations, we exhibit an asymptotic phenomenon, up to some limit \(q\), between the logarithmic
generalized Markov tree and the classical Euclid tree. A rationality conjecture of \(q\) is then
put forward. We also propose a generalized Markov uniqueness conjecture for the generalized
Markov equations, which illustrates an application of the asymptotic phenomenon.
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- 松川 寿人 (Matsukawa Hisato) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- 表現論と代数幾何における松井スペクトラムの応用
- tba
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幾何
- 新井 克典 (Arai Katsunori) 大阪大学 大学院理学研究科数学専攻
- Non-admissibleなカンドルについて
- カンドルは結び目理論におけるReidemeister変形に対応する代数系である。群の共役作用から定まる共役カンドルはカンドルの典型例であり、共役カンドルへの単射準同形が存在するカンドルはadmissibleであるという。本講演では、与えられたカンドルがnon-admissibleであるための十分条件を与え、non-admissibleなカンドルのリストを作成した。本講演は姫野圭佑氏(広島大学)、甲斐涼哉氏(大阪公立大学)との共同研究に基づく。
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- 馬場 健太郎 (Bamba Kentaro) 京都産業大学 大学院理学研究科数学専攻
- Closed Space curves with singularities, generated by periodic curvature and torsion
- フェンチェルの定理により、閉曲線はその(絶対)全曲率が \(2\pi\)
以上である。一方、曲率関数や捩率関数をどのような周期関数として与えれば閉曲線となるかという逆問題は閉曲線問題と呼ばれる。本講演では、周期的な曲率関数および捩率関数によって生成される「空間閉曲線および特異点付き閉曲線の構成法」について考察する。本研究は京都産業大学の緒方勇太氏との共同研究である。
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- 林 弘幸 (Hayashi Hiroyuki) 神戸大学 大学院理学研究科数学専攻
- 有限重複度を持つ線織面の特異点
- R^3
上の線織面の研究は、微分幾何学における古典的なテーマの一つである。線織面には一般に特異点が現れ、とくに非柱面的な線織面上には、良い性質をもつ特異点が現れる。一方で、非柱面的な線織面でなく,かつ柱面的でもない線織面も存在する。本研究では、そのような場合を統一的に扱う概念として「擬柱面的線織面」を新たに定義する。この概念により、柱面ではない解析的線織面を包括的に議論できるようになる。本発表では、そのような線織面上に現れる特異点の性質について述べる。
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- 姫野 圭佑 (Himeno Keisuke) 広島大学 先進理工系科学研究科先進理工系科学専攻数学プログラム
- twist positive knot の braid index と bridge index
- 結び目には braid index と bridge index と呼ばれる幾何的な不変量が存在する。どちらも一般には決定が難しいが、定義より bridge index は braid index
以下という関係が従う。一般にはこれらは一致しないが、twist positive knot
と呼ばれる結び目のクラスではこれらが一致することを示したので、これを紹介する。証明には結び目フレアホモロジー理論を用いる。
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- 飯野 郁 (Iino Kaoru) 横浜国立大学 理工学府数物・電子情報系理工学専攻数学教育分野
- 等長的な m-type edge と対称性
- カスプ辺は波面に現れる安定特異点の一つである.このカスプ辺を含む特異点のクラスとして \(m\)-type edge が Martins et al. (2024)
により導入された.本講演では,与えられた実解析的かつジェネリックな \(m\)-type edge に対し,特異曲線の像と第一基本形式を共有する \(m\)-type edge
の右同値類と合同類の個数の分類を与える.\(m\)
が偶数の場合には Honda et al. (2020) のカスプ辺に対する結果の一般化が得られ,\(m\) が奇数の場合には,カスプ辺の場合では現れなかった第一基本形式の対称性
(non-effective symmetry)
が分類において重要な役割を果たすことを示す.
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- 伊坂 麻琴 (Isaka Makoto) 横浜国立大学 大学院理工学府数物電子情報系理工学専攻
- 反ド・ジッター空間の時間的平均曲率1曲面における特異点の双対性
- 本講演では,3次元反ド・ジッター空間の特異点を許容する時間的平均曲率\(1\)曲面(時間的\CMC1曲面)のクラスとして,時間的\CMC1面を導入し,特異点に関する結果を紹介する.
特に,折り目特異点が生じないこと,また一般化錐状特異点が共役曲面における \((2,5)\)-カスプ辺と対応することを述べる。
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- 岩下 沙絵子 (Iwashita Saeko) 日本女子大学 / 理化学研究所 大学院理学研究科数理・物性構造科学専攻/革新知能統合研究センター数理科学チーム
- Combinatorial de Rham cohomology group and discrete Morse homology group
- 単体複体上の組み合わせ微分形式とは, 多様体上の微分形式の離散化の一つであり, 2000年頃にFormanにより導入された概念である.
これを用いて微分形式が関わる諸定理の離散類似の構成が行われており,
本研究もその流れに沿うものである. 本発表では組み合わせ微分形式から得られるde Rhamコホモロジー群と, 離散Morse関数から構成される離散Morseホモロジー群の関係について述べる.
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- 甲斐 涼哉 (Kai Ryoya) 大阪公立大学 大学院理学研究科数学専攻
- 全ての有限カンドルを含むカンドルの構成
- Cayleyの定理は群論の初等的な結果で,任意の有限群は対称群のある部分群と同型であることを主張している.したがって,対称群の帰納極限は任意の有限群を含む.本講演では,対称群と似た振る舞いをするカンドルを構成し,そのようなカンドルの帰納極限として,任意の有限カンドルを含むカンドルを構成する.さらに,これらのカンドルのいくつかの応用についても述べる.
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- 角田 真一朗 (KAKUTA Shinichiro) 早稲田大学 大学院基幹理工学研究科数学応用数理専攻
- The volume conjecture of the coloured Jones invariants with arbitrary colours
- Volume conjectures relate quantum invariants to hyperbolic geometry. Particularly, Chen and Yang
formulated a
volume conjecture of quantum invariants for 3-manifolds, and Murakami reconsidered it with colours
given by
sequences relating to deformation of hyperbolic structure of link complement. In this talk, I will
present the
conjecture proposed by Murakami about the coloured Jones invariants and our approach. Main results
are proofs for
the figure-eight knot and the Borromean rings with certain conditions. To consider the asymptotic
behaviours and
calculate the limits for our proofs, we analyze the potential functions associated with the coloured
Jones
invariants.
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- 北山 陽菜 (Kitayama Hina) 大阪公立大学 大学院理学研究科数学専攻
- 冪零リー代数上の代数的リッチソリトンとサイクルを持つクイバー
- クイバーとはループと多重辺を許す点と矢印で表された有向グラフである. 先行研究ではクイバーから冪零リー代数を作る方法が確立され,
またサイクルを持たないクイバーから得られる冪零リー代数は常に代数的リッチソリトンを持つことが示された. 本講演ではまず, 先行研究の構成方法を拡張し,
サイクルを持つクイバーから冪零リー代数を構成する方法を紹介する.
また得られた冪零リー代数が代数的リッチソリトンを許容するための条件について, 得られた結果を紹介する.
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- 小池 悠耶 (Koike Yuya) 岡山理科大学 大学院理工学研究科自然科学専攻数理科学コース
- Classification of locally standard T-pseudomanifolds over convex polytopes
- Toric topology has developed following the work of Davis and Januszkiewicz in 1991. Quasitoric
manifolds,
introduced by them, are classified up to equivariant homeomorphism by combinatorial objects called
characteristic
pairs. In this talk, we introduce locally standard \(T\)-pseudomanifolds over convex polytopes,
which generalize
quasitoric manifolds, and present a classification theorem up to (weakly) equivariant homeomorphism.
This extends
the Davis-Januszkiewicz classification of quasitoric manifolds. This is joint work with Shintaro
Kuroki.
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- 松本 洵 (Matsumoto Jun) 東京科学大学 理学院数学系数学コース
- 特異点付きアファイン極大曲面の特別なクラスと極小曲面論との関係
- アファイン極大曲面は,ユークリッド空\間内の極小曲面のアファイン微分幾何的類似物であり,特異点が頻繁に現れる.特異点付きのアファイン極大曲面はアファイン極大写像とよばれ,Weierstrass型の複素表現公式を持つ.しかし,この表現公式は他の同様の表現を持つ曲面に比べ扱いが難しい.本講演では,{\bf
アファイン極大面}というアファイン極大写像のサブクラスを定義し,極小曲面論との関係を紹介する.
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- 松本 周也 (Matsumoto Shuya) 東京大学 数理科学研究科
- Secondary Characteristic Classes in CR Geometry
- 岡潔らの結果によれば、複素領域が正則関数の定義域として自然であるかどうか(正則性)は、その境界が満たす幾何学的条件(擬凸性)によって特徴づけられます。こうした境界を微分幾何学的に調べる理論が CR
幾何学です。
本講演では、Chern–Simons 理論を用いて CR 多様体の 2 次特性数を定義し、それが CR
幾何学において古くから知られている不変量を体系的に一般化するものであることを紹介します。さらに、Kähler–Einstein
計量から得られる領域の双正則不変量との比較を通じて、この 2 次特性数の整数性が、CR 多様体をユークリッド空間に超曲面として埋め込む際の障害を与えることを説明します。
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- 松嶋 柚希 (Matsushima Yuki) 東京都立大学 大学院理学研究科数理科学専攻
- 同じJones多項式をもつ結び目の無限族について
- 3次元球面\(S^3\)内の成分\(n\)の絡み目とは,1次元球面\(S^1\)の\(n\)個の非行和の\(S^3\)への埋め込みの像のことをいい,特に成分数が1の絡み目のことを結び目という.
一般に,2つの結び目の多項式不変量が異なれば、それらは異なる結び目であるが,その逆は正しいとは限らない.
本研究では,結び目の図式の中でも特に対称性をもつものに着目し,その多項式不変量を計算することで,同一の多項式不変量をもつ異なる結び目の無限族を構成した.
本講演では,この結び目の無限族について紹介する.
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- 三木 亮介 (Miki Ryosuke) 大阪大学 大学院理学研究科数学専攻
- Augmented quandle and crossed module of a knotted surface exterior
- It is well known a handle decomposition of the exterior of a knotted surface can be read from its
banded link
presentation. Using this fact, J.F. Martins established a method to compute the relative homotopy
group of a knotted
surface exterior. Moreover, it is well known that the quandle is a very powerful tool in knot
theory. In this talk,
I will introduce a quandle related to the relative homotopy group of a knotted surface exterior with
a handle
decomposition read from its banded link presentation, and introduce a quandle crossed module
involving this quandle.
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- 中川 幹太 (Nakagawa Kanta) 東京都立大学 理学研究科数理科学専攻
- 3 次元射影空間の一点ブローアップの導来圏の強例外生成系に対応するラグランジュ切断の構成
- 二木-梶浦はモースホモトピーの圏を介することで、射影空間に対するホモロジカルミラー対称性を証明する手法を構成した。その手法では、射影空間の導来圏の強例外生成系に対して、モースホモトピーの圏の対象であるラグランジュ切断を構成している。本公演では、3次元射影空間の一点ブローアップに対して、その構成を具体的に計算する。
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- 中西 隼斗 (Nakanishi Hayato) 千葉大学 大学院融合理工学府数学情報科学専攻
- Multi-valued Morse homotopy for the SYZ mirror of the complex projective plane
- 複素射影平面を複素多様体として考えた場合のホモロジー的ミラー対称性をSYZ構成とモースホモトピーを用いて考える。SYZ構成のもとでは、正則直線束はミラー側のトーラス束のラグランジュ切断に対応することが知られており、正則ベクトル束はラグランジュ多重切断に対応すると期待されている。本講演では、Oh-Suen(2024)により構成されたラグランジュ多重切断を用いてモースホモトピーの圏を拡張を行う。
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- 大家 佳奈子 (Oie Kanako) 奈良女子大学 大学院人間文化総合科学研究科自然科学専攻
- On quasi-strongly keen Heegaard splittings
- 本講演では、Hempel距離を実現する頂点の組が一意であり、さらにそれらを結ぶ測地線が有限本しか存在しないという性質をもつ quasi-strongly keen Heegaard
splitting
について紹介する。特に距離2、種数3以上の場合には、すべての quasi-strongly keen Heegaard splitting が実際には strongly keen
であり、対応する頂点の組を結ぶ測地線がただ1本だけ存在することを示す。
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- 小澤 裕子 (Ozawa Yuko) 明治大学 大学院先端数理科学研究科先端メディアサイエンス専攻
- ハンドル体結び目の補空間の基本群の\(SL(2; \mathbb{Z}/p\mathbb{Z})\)-表現の個数について
- 種数\(1\)のハンドル体結び目は結び目と同一視できる。このことから、ハンドル体結び目は結び目の種数による一般化であると考えられる。結び目群の\(SL(2;
\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})\)-表現の個数については、いくつかの性質が知られている。本講演では、種数\(2\)のハンドル体結び目の補空間の基本群の\(SL(2;
\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})\)-表現の個数に関する性質を紹介する。
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- 佐野 宗輝 (Sano Shuki) 東京科学大学 理学院数学系数学コース
- Weierstrass型表現を持つ曲面の近似定理
- 極小曲面は、Weierstrassの表現公式と呼ばれる公式によって複素解析と密接に繋がっている。近年、Alarc\'{o}n, Forstneri\v{c},
L\'{o}pezによって複素解析の近似定理が極小曲面論に拡張された。
Weierstrass型の表現公式をもつ曲面は、極小曲面以外にも存在し、そうした曲面に対しても近似定理を示すことができる。本公演では、極大面と呼ばれる、特異点をもつ曲面に対する近似定理を紹介する。
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- 志方 魁 (Shikata Kakeru) 北海道大学 理学院数学専攻
- 対称カンドルの付随群
- 本講演では、鎌田聖一氏により導入された対称カンドル\((Q,\rho)\)の付随群\(\operatorname{As}(Q,\rho)\)について得られた性質を報告する.
\(\operatorname{As}(Q,\rho)\)から, 台カンドル\(Q\)の付随群\(\operatorname{As}(Q)\)への自然な全射は,
自由アーベル群を核とする中心拡大となる. また,
\(\operatorname{As}(Q,\rho)\)は「ねじれWirtinger表示」を持つ群として特徴づけられる. さらに,
\((Q,\rho)\)の\(\operatorname{As}(Q,\rho)\)への埋め込み可能性と\(Q\)の\(\operatorname{As}(Q)\)への埋め込み可能性の同値や,
対称カンドルの1次ホモロジーと付随群のアーベル化の同型, 台カンドルの2次ホモロジーの計算公式などについても紹介する. 本研究は, 秋田利之氏(北海道大学)との共同研究である.
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- 進 泰盛 (Shin Taisei) 京都大学 大学院理学研究科 数学・数理解析専攻 数理解析系
- 超平面配置の補空間における基本群のコホモロジー次元について
- 代数多様体のエタール基本群とそれに付随する情報から、もとの代数多様体の情報を復元できるかという問題は遠アーベル幾何学における中心的なテーマである。付随する情報の一つとして、代数多様体に対応する複素解析空間の基本群(より正確にはその副有限完備化)がある。本発表では、\(n\)次元複素射影空間内の本質的な超平面配置に関して、補空間の基本群とその副有限完備化のコホモロジー次元は\(n\)以上であるという結果について紹介する。
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- 髙橋 慶多 (Takahashi Keita) 東京科学大学 理学院数学系数学コース
- ローレンツ幾何における完備性について
- リーマン多様体に定まる自然な距離に関する完備性が測地的完備性等と同値になることは,Hopf–Rinowの定理として知られる.一方,ローレンツ多様体では同様に距離を定められないため,Beemは新たな完備性条件を導入し,それらの同値性を示した.本講演では,計量が一般に\(C^1\)級にしかならないローレンツ多様体と,より一般のLorentzian
length spaceを対象に,Beemによる結果を拡張する.
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- 田邊 真郷 (Tanabe Masato) 北海道大学 大学院理学研究院数学部門
- Thom polynomials relative to prescribed maps on submanifolds
- Thom多項式の理論は、可微分写像に現れる特異点の数え上げと、多様体の位相不変量とを深く結びつけてきた。近年、この応用として、境界付近で非特異な写像の内部に現れる特異点と、境界上への制限写像の不変量とを関連づける公式が複数得られている。本講演では、それらを統一するための概念として相対版Thom多項式を導入し、その表現公式を紹介する。また、既存の公式の一部が再導出・一般化できたので、これについても紹介したい。
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- 津野 玄親 (Tsuno Haruchika) 大阪大学 大学院理学研究科数学専攻
- 自明な射影平面結び目上の2次元3-ブレイドの標準形
- 球面の自明な円板束内に埋め込まれた2次元多様体で、球面を分岐被覆する曲面の構造を持つものを(球面上の)2次元ブレイドと呼ぶ。
任意の絡み目が閉ブレイドの表示を持つのと同様に、任意の向き付け可能な曲面絡み目は2次元ブレイドの表示を持つことが知られている。
本講演では、2次元ブレイドの向き付け不可能な拡張として射影平面上の2次元ブレイドを導入し、それらのうち次数が3のものは標準形という単純な形まで変形できることを示す。
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- 上田 亮太 (Ueda Ryota) 大阪大学 大学院理学研究科数学専攻
- virtualized Delta unknotting numberが1である無限個の仮想結び目と任意の\(n\)-writhe列
- 仮想結び目理論では,さまざまな結び目解消操作が研究されている.また,\(n\)-writheは非零整数\(n\)に対して定まる仮想結び目の不変量である.Ohyama--Sakuraiにより,virtualizationによる解消数が1であり,\(n\)-writheが特定の条件をみたす仮想結び目の無限族が構成された.本講演では,virtualized
Delta moveを用いて,同様の性質をもつ無限個の仮想結び目の構成について紹介する.
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- 植田 雄大 (Ueda Yudai) 京都大学 数理解析研究所
- 一般化Iwakiri-Satoh 2-knotのカンドルコサイクル不変量
- \(n\)成分の絡み目\(L\)と\(n\)個の結び目\(K_i (i=1,2,...,n)\)に対して2次元結び目を次のように定める.
\(\mathbb{R}^3\)に標準的に埋め込まれた\(S^2\)上の\(L\)の図式それぞれの成分に対し, \(i\)番目の成分の管状近傍を\((K_i\)のタングル図式\()\times
S^1\)に置き換える.
このようにして表される図式を持つ2次元結び目を一般化Iwakiri-Satoh 2-knotという. 一般化Iwakiri-Satoh 2-knotはdeform-spun knotであり,
twist-roll-spun
knotは一般化Iwakiri-Satoh 2-knotである. 本講演では一般化Iwakiri-Satoh 2-knotの四面体カンドルに対するカンドルコサイクル不変量を\(L\)および\(K_i
(i=1,2,...,n)\)の不変量で表せることを紹介する.
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- 和久田 葵 (Wakuda Aoi) 東京大学 大学院数理科学研究科
- Separability criteria for loops via the Goldman bracket
- 本講演では、Goldman
括弧積を用いて、向き付け可能な曲面上の二つの自由ホモトピー類が互いに交わらない代表を持つかどうかを判定するための代数的な判定法を与える。さらにその応用として、単純閉曲線に対して双曲幾何を用いる
Kabiraj の手法を単純とは限らない場合にまで拡張することで、未解決である a pair of pants の Goldman リー代数の中心を決定する。
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- 薮口 怜央 (Yabuguchi Reo) 岡山大学 大学院環境生命自然科学研究科
- Trisections and Lefschetz fibrations with \((-n)\)-sections
- A trisection introduced by Gay and Kirby is roughly speaking a decomposition of a 4-manifold into
three
4-dimensional 1-handlebodies. Castro and Ozbagci explicitly constructed a trisection of a Lefschetz
fibration over
\(S^2\) with (-1)-section from vanishing cycles of the Lefschetz fibration. In this talk, we
consider a trisection
arising from a Lefschetz fibration over \(S^2\) with (-n)-section for any integer n by using a
method similar to
that of Castro and Ozbagci. This talk is based on a joint work with Tsukasa Isoshima (Keio
University).
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- 山下 裕理 (Yamashita Yuri) 大阪公立大学 大学院理学研究科数学専攻
- リー群上の左不変擬リーマン計量の幾何と閉軌道空間
- 幾何学において,特別な計量の分類は重要な課題である. 本研究では,リー群上の特別な左不 変擬リーマン計量を考える. 与えられたリー群に対して,その上の左不変擬リーマン計量全 体の空間には,
スカラー倍と自己同型による自然な群作用がある. この群作用による軌道空 間をモジュライ空間とよぶ. しかし一般的に, モジュライ空間はハウスドルフではなく複雑 である.
我々は,この軌道空間の中でも特に,閉軌道全体のなす空間である閉軌道空間に焦点 をあてて研究を行っている. 本講演では, 「特別な計量の存在・非存在を調べるには閉軌道
空間上の計量のみを見れば十分である」という結果を紹介する.
また,いくつかのリー群に 対して, 閉軌道空間を決定した結果について述べる. この結果は,閉軌道空間の特別な点と特 別な計量の関係を示唆する.
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- 山内 優太 (Yamauchi Yuta) 横浜国立大学 大学院理工学府数物・電子情報系理工学専攻数学教育分野
- 等積アファインはめ込みの絶対全曲率の最小性と凸性の関係について
- 本講演の内容は非退化とは限らないアファインはめ込みの絶対全曲率の最小性と凸性の関係について述べることである.Koike (2001) により,一般余次元の equiaffine
immersionについての
Chern–Lashof 型不等式が得られている.本講演では,絶対全曲率が最小値\(2\)をとるとき像が必ず \((n+1)\)
次元アファイン部分空間に含まれることを示し,凸超曲面であることと同値になるという結果について紹介する.
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- 柳田 聖登 (Yanagida Kiyoto) 東京科学大学 理学院数学系数学コース
- \(\mathbb{R}^N\)内の曲線に現れる特異点の判定条件の構成法
- パラメータ表示された曲線\(\gamma (t)\)に現れる特異点(\(\gamma^{\prime} (c) = 0\)となる点\(t =
c\))を\(\mathcal{A}\)-同値という同値関係に関して分類することを考える.これまで,\((2,
3)\)-カスプなどの代表的な特異点に対し判定条件が構成されてきたが,これらは平面曲線に限られており,また種類ごとの議論にとどまっていた.本講演では,これを一般次元に拡張し,\(\mathbb{R}^N\)(\(N
\geq
2\))内の曲線に現れる特異点について,判定条件を構成する系統的な枠組みと,それを用いて得られる判定条件の例を解説する.
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- 好川 智也 (Yoshikawa Tomoya) 岡山大学 大学院環境生命自然科学研究科環境生命自然科学専攻
- 非有向Lefschetzファイバー空間の向き付け二重被覆について
- Lefschetzファイバー空間とは曲面の写像類群と3・4次元トポロジーをつなげる架け橋となる,非常に興味深いファイバー空間である.近年,Lefschetzファイバー空間を用いて非有向な4次元多様体を研究しようとする動きがある.本講演では,2つの非有向Lefschetzファイバー空間が同型であるための必要十分条件を,向きづけ二重被覆を活用した議論を通して紹介する.
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- 曾 思浩 (Zeng Sihao) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- On spacelike minimal Lagrangian surfaces in the complex hyperbolic quadric \(Q_{2}^{*}\)
- In this talk, we present our results on spacelike minimal Lagrangian surfaces in the two
dimensional complex
hyperbolic quadric Q_{2}^{*}. We will show the equivalence between minimality and flatness of a
family of
connections and describe the associated isometric \(\mathbb S^{1}\)-family, and establish a precise
correspondence
with spacelike maximal surfaces in \(\mathbb H^{3}_{1}\) through their Gauss maps. By applying loop
group method, we
construct explicit families including \(\mathbb R\)-equivariant and radially symmetric examples.
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解析
- 赤瀬 康平 (Akase Kohei) 大阪大学 理学研究科数学専攻
- 2次の微分型非線形項をもつ非線形シュレディンガー方程式の初期値問題の適切性について
- 微分を1つ含む2次の非線形項をもつ非線形シュレディンガー方程式の初期値問題について考察する。本発表では、空間1次元の場合に、Ozawa (1998)
において導入された、ソボレフ空間に原始関数の有界性を付加条件として課した空間を用いて得られる結果について報告する。
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- 青木 大地 (Aoki Daichi) 早稲田大学 大学院先進理工学研究科物理応用物理学専攻
- Intrinsic Harnack estimates for fully nonlinear parabolic equations with superlinear growth in the
gradient variable
- Arya(2022)は完全非線形放物型方程式に対する解の内在的Harnack不等式を, 勾配変数に関してある増大条件を課すことで導出した. さらに, Arya-Julin
(2025)はその結果を応用してヘルダー評価を得た.
本講演では, これらの先行研究におけるHarnack不等式とヘルダー評価を示すための仮定が緩和できることを報告する.
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- 荒木 康太 (Araki Kouta) 日本大学 大学院理工学研究科数学専攻
- 非線形拡散を持つFokker-Planck 方程式における時間局所解の存在性
- 本講演では,ノイマン境界条件のもとで,空間不均一な非線形拡散を持つFokker-Planck方程式を考察する.この方程式は多孔質媒質型の非線形性を持つ自由エネルギーに空間不均一性を導入し,エネルギー散逸則,連続の方程式をもとに,導出されたものである.
先のMCYR21では,時間大域的古典解の存在を仮定した上での自由エネルギーの長時間挙動について報告した.本講演では,その仮定の前提となる時間局所解の存在について得られたことを報告する.
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- 新屋 健勝 (Araya Kensho) 東京大学 数理科学研究科数理科学専攻
- A one-dimensional Stefan problem for the heat equation with a nonlinear boundary condition
- We study the one-dimensional one-phase Stefan problem for the heat equation with a nonlinear
boundary condition. We
show that all solutions fall into one of three distinct types: global-in-time solutions with
exponential decay,
global-in-time solutions with non- exponential decay, and finite-time blow-up solutions. The
classification depends
on the size of the initial function. Furthermore, we describe the behavior of solutions at the
blow-up time.
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- 濱松 寛地 (Hamamatsu Kanchi) 名古屋大学 大学院多元数理科学研究科
- Self-propelled motionを行う球体に対するstarting problem
- 3次元空間において、無限遠に広がる非圧縮性粘性流体とself-propelled motionを行う球体との連成運動を考える。球体がself-propelled
motionを行うとは、球体の運動が外力の作用に依らず、球体自身に内在する運動メカニズムと流体との相互作用によってのみ定まることをいう。球体が初期時刻で静止した状態から、内在する運動メカニズムを表す境界上の速度が徐々に上昇し、ある時刻以降で時刻に依らない関数となる場合に、球体と流体の連成運動が\(t\to\infty\)で定常解に収束するかについて考察する。
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- 廣瀬 和也 (Hirose Kazuya) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- Hamilton--Jacobi方程式の粘性解に対する下からの勾配評価
- 本稿では,解自身にも依存し得る凸かつリプシッツ連続なハミルトニアンをもつ1階放物型Hamilton--Jacobi方程式の粘性解に対する下からの勾配評価に関する結果を紹介する.我々は二つの異なる方法によって勾配評価を導く.第一の方法は偏微分方程式に基づく手法であり,粘性解とBarron--Jensen解の同値性,解の下限畳み込みの性質,そして局所比較原理を用いる.この方法により,[Ley,
2001]の結果を改良し,より鋭い評価を得るとともに,その有効範囲をより大きな領域へ拡張する.第二の方法は力学的手法であり,ハミルトン系の軌道に沿って初期勾配の発展を追跡するものである.この考え方は[Hamamuki-H.,
2023]で導入されたものであり,本研究ではこれをHerglotzの変分原理に基づいて接触ハミルトン系へと拡張する.なお,本研究の一部は,浜向直氏(北海道大学)との共同研究によるものである.
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- 伊庭 滉基 (Iba Kohki) 大阪大学 大学院理学研究科数学専攻
- レヴィ過程に対する処罰問題と条件付問題
- 確率過程とは、時間の経過とともにランダムに変化する現象を数理的に記述するものである。レヴィ過程はブラウン運動やポアソン過程などの代表的な確率過程を含むより広い確率過程のクラスである。本講演ではレヴィ過程に「特定の集合に行かない」という条件の下でのふるまいを考える条件付問題と「特定の集合に行きづらくする」という条件の下でのふるまいを考える処罰問題について紹介する。
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- 稲吉 凌 (Inayoshi Ryo) 名城大学 大学院理工学研究科数学専攻
- Operator information quantities of semigroups acting on white noise functionals
- この講演では,作用素エントロピーの拡張である作用素情報量の発展を述べる.特に作用素情報量をホワイトノイズ理論の舞台で超汎関数の空間上に拡張して構成することで作用素値微分方程式による特徴づけを与える.さらに,個数作用素の半群の作用素情報量が超関数値
Ornstein-Uhlenbeck 過程を中心とするホワイトノイズデルタ超関数による確率表現が得られることも示す.最後に最新の成果を発表する.
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- 亀高 樹弥 (Kametaka Mikiya) 龍谷大学 大学院先端理工学研究科
- 非整数階時間微分を含む非線形拡散方程式のL^1-solutionの時間大域存在性及び一意性について
- 本講演では, 非整数階時間微分を含む非線形拡散方程式の初期値問題に対し, \(L^1\)-solutionの時間大域存在性及び一意性について論じる. さらに, 非整数階時間微分を含むFast
diffusion
equationに対して質量保存則を証明し, 全ての非負な\(L^1\)-solution が有限時刻で消滅しないことについて示す.
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- 金井 拓海 (Kanai Takumi) 東京理科大学 大学院理学研究科数学専攻
- Characterization of the wave front set of solutions to the fractional Schrödinger equation with
potentials
- 本講演では,ポテンシャル \(V(x)\) を持つ分数冪 Schrödinger 方程式 \( i\partial_t u = (-\Delta)^{\theta/2} u + V(x)u,
\quad 0<\theta<2 \) の初期値問題について考察する.通常のラプラシアン(\(\theta=2\)
の場合に相当)と劣二次増大のポテンシャルを持つSchrödinger方程式については,既に解の波面集合を特徴づける定理が示されている.本講演では,分数冪ラプラシアンの次数に応じたポテンシャルの増大度の条件下で,分数冪Schrödinger方程式の解の波面集合を特徴づける定理について紹介する.本研究は東京理科大学の杉山裕介氏と村松亮氏との共同研究に基づく.
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- 倉本 結衣 (KURAMOTO Yui) お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科理学専攻数学コース
- 時間遅れの方程式を用いた薬物動態の数理モデルに関する研究
- 「体内の薬の動き」を数理的に扱うのが薬物動態学(Pharmacokinetics,
PK)であり,投与された薬物が吸収・分布・代謝・排泄され,最終的に生体内から除去されるまでの全過程を対象とする.このとき,薬の濃度変化を時間の関数として記述するために薬物動態の数理モデルが用いられる.PKモデルは,薬物の体内での動態を微分方程式で表現し,投与後の薬物濃度の時間推移を予測するために用いられる.このモデルに時間遅れを入れ,平衡点とその安定性を調べる.
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- 草場 竜之介 (Kusaba Ryunosuke) 早稲田大学 大学院先進理工学研究科物理学及応用物理学専攻
- A remark on the commutation relations between the complex Ginzburg--Landau semigroup and monomial
weights
- 本講演では,複素Ginzburg--Landau半群と重み函数の交換関係を考える.まず,交換関係の明示公式を基礎として,複素Ginzburg--Landau半群の重み付き評価を精密化する.次に,得られた交換関係の明示公式とその評価を,優藤田冪を持つ複素Ginzburg--Landau型方程式へ応用し,時間大域解の重み付き評価を導出するための新たな方法論を確立する.尚,本講演は黄益
教授(中国・南京師範大学)と小澤徹 教授(早稲田大学)との共同研究に基づく.
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- 森村 晃子 (Morimura Akiko) 日本女子大学 大学院理学研究科数理・物性構造科学専攻
- An improved error estimate for finite volume approximations of the Richards equation
- Richards方程式は, 多孔質媒体内の水分移動を記述する代表的な方程式の一つであり, 質量保存則とDarcy則から導かれる拡散方程式である. 本研究で扱うRichards方程式は,
含水率が未知関数に依存するため,
時間微分項が非線形であるという特徴を持つ. 講演者の以前の研究では, この方程式の初期値境界値問題に対する強解の存在と一意性を示し, 有限体積法に基づく近似解の誤差評価も導出した. 本講演では,
この誤差評価の改良について報告する.
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- 小川 実里 (Ogawa Misato) お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科理学専攻数学領域
- 分布型時間遅れを考慮したバーガーズ方程式の時間大域解について
- 交通流の数理モデルとして知られるバーガーズ方程式は、遅延項を導入することで、運転手が周囲の混雑状況から判断し行動するまでの時間遅延を考慮した数理モデルとできる。そうした時間遅延を考慮したバーガーズ方程式の中で、本講演では、一般のL^p関数をカーネルにもつ分布型時間を遅れを考慮したバーガーズ方程式を考え、その時間大域解の存在と一意性、減衰評価について、半群理論を用いて得られた結果を紹介する。
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- 岡 優丞 (Oka Yusuke) 東京大学 大学院数理科学研究科数理科学専攻
- Lorentz--Morrey空間における非斉次項付き半線形熱方程式の可解性
- 特異な非斉次項を有する冪乗型半線形熱方程式の可解性を考える.具体的には,非斉次項の属する関数空間であって,方程式の時間局所解を構成できるようなもののうち,なるべく広いものを取ることを考える.本講演では解の空間として「Lorentz空間に基づくMorrey空間」を導入し,「最大の可積分指数」を有する空間での解の存在を示す.また,この空間の導入によって得られる利点を既存の研究と比較しつつ説明する.
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- 櫻井 奏音 (Sakurai Kanon) お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学科理学専攻数学コース
- 半空間におけるStokes方程式のレゾルベント問題とその近似解表示に対する数学的解析
- 本研究の対象は,半空間において連続の式
abla \cdot u = 0 の近似
abla \cdot u = \varepsilon \Delta p - \varepsilon
abla \cdot f
を導入したストークス方程式のレゾルベント問題を考察する。既存手法に基づいて近似問題の解表示を行い、従来と同様の評価の成立を検証することを目的とする。レゾルベント解析に基づく線形理論の拡張や近似モデルを用いた数値解析や境界層問題への応用につながると期待される.
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- 佐藤 卓弥 (Sato Takuya) 東京大学 大学院数理科学研究科数理科学専攻
- クリスタライン曲率流に対する birth and spread 型の等高面方程式について
- クリスタライン曲率流は,界面が辺と角を持った多角形の形状を維持したまま時間発展するような特異性の高い幾何学流であり,等高面法による解析にはテスト関数の非局所的な量を用いて定義される粘性解を導入する必要がある.本講演では,クリスタライン曲率流について,界面運動と結晶核生成の効果を同時に加味したモデルであるbirth
and spread 型の等高面方程式に対し,粘性解の概念を導入し,well-posed 性や非自明な具体例の構成について述べる.
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- 須部 絢斗 (Sube Kento) 早稲田大学 大学院基幹理工学研究科数学応用数理専攻
- Well-posedness and analyticity of solutions to the stationary MHD equations
- 全空間におけるMHD方程式の定常問題を考察する.本講演の目的は,スケール不変な斉次Besov空間における解の存在,一意性,正則性,および解析性を示すことである.特に解析性に関しては,parameter
trickと呼ばれる手法を用いる.この手法は,半線形あるいは準線形放物型方程式の解の時空間解析性を証明するための洗練された方法として知られている.本講演では,このparameter
trickがMHD方程式のような非線形楕円型方程式にも有効であることを明らかにする.
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- 鷹島 愛里菜 (Takashima Erina) お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科理学専攻数学コース
- 時間遅れの方程式を用いたロタウイルス感染症の数理モデルに関する研究
- SIRモデルは、感染症の流行過程を説明する数理モデルとして広く知られている。本研究では、ワクチン接種人口を考慮したSVIRモデルを対象とする。モデルに時間遅れの項を導入することで、ウイルスに感染してから発症するまでの潜伏期間を反映した数理モデルを構築できる。本講演では、このモデルにおける平衡点の存在とその安定性について、得られた結果を紹介する。
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- 竹迫 大起 (Takesako Daiki) 中央大学 理工学研究科数学専攻
- Compactness of commutators generated by VMO functions and fractional integral operator on Morrey
spaces
- 本講演では既存のVMO関数と分数冪積分作用素が生成する多重線形なcommutatorのMorrey空間上のコンパクト性の結果を改良したものについて紹介する。具体的にはMorrey空間の閉部分空間の分解を用いることで、このようなcommutatorが\(C_c^{\infty}({\mathbb
R}^n)\)で近似できる閉部分空間へのコンパクト作用素になっていることを示す。
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- 丹戸 渉 (Tando Wataru) 早稲田大学 大学院先進理工学研究科物理学及応用物理学専攻
- 劣線形冪を伴う非線形シュレディンガー方程式系に対する解の有限時間消滅
- 本講演では,劣線形冪を伴う非線形シュレディンガー方程式系の初期値境界値問題を,空間1次元または空間2次元の有界領域上で考える.まず,コーシー列と完備性の議論に基づき,近似方程式に対する解の列の極限として,考えている初期値境界値問題の時間大域解を構成する.さらに,(修正)エネルギー法によって時間大域解が有限時刻で消滅することを示す.なお,本講演は小澤徹教授(早稲田大学)との共同研究に基づく.
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- 田代 紀一 (Tashiro Kiichi) 東京科学大学 理学院数学系数学コース
- 自由境界Allen--Cahnエネルギーの特異極限について
- 自由境界Allen--Cahn方程式はAllen--Cahn方程式の本質的な情報を保持しつつ取り扱いが容易になっていることから、近年注目を集めている。本講演では、2000年の重要な仕事の一つであるHutchinson--Tonegawa
(CVPDE)による結果を自由境界版に拡張した結果を報告する。本研究はバーゼル大学のJingeon An氏との共同研究に基づく。
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- 上野 祐一 (Ueno Yuichi) 皇學館大学 教育学部教育学科
- 高階Painlev¥'{e} 系の量子化
- 本講演では、高階Painlev¥'e系の量子化について紹介する。正則性を利用して、高階Painlev¥'e系の量子ハミルトニアンを決定する。これらの結果は、正則性の手法が量子状況においても有用であることを示している。
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- 鵜飼 直孝 (UKAI Naotaka) 千葉大学 融合理工学府数学情報科学専攻
- 状態依存型エネルギーに対する擬放物型勾配系
- 本研究は,「画像工学」と「材料科学」に共通する数学的構造に着目し,両者を包含する抽象的枠組みの構築を目的とする.具体的には,方位調整を考慮した白黒画像処理モデルと結晶粒界運動モデルを対象に,エネルギー最小化の観点から汎関数を導入する.この汎関数は既存の自由エネルギーの特性を含み,解析的安定性を確保する平滑化項を加えた構成となっている.本発表では,この汎関数に基づく偏微分方程式系について得られた成果を報告する.
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- 王 暁文 (Wang Xiaowen) 早稲田大学 大学院先進理工研究科物理学及応用物理学専攻
- Hölder estimates on the gradient of viscosity solutions of degenerate Bellman type equations
involving
\(p\)-Laplacian type operators
- We establish the interior \(C^{1,\sigma}\) estimate for viscosity solutions to some degenerate
Bellman type
equations involving \(p\)-Laplacian type operators. We prove equicontinuity estimate of rescaled
solutions via
doubling argument and weak Harnack inequality, and then apply improvement of flatness iteration to
obtain the
interior \(C^{1,\sigma}\) estimate for some \(\sigma\in(0,1)\).
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- Wiranata BennyPrasetya Made (Wiranata BennyPrasetya Made) Okinawa
Institute of
Science and Technology Geometric PDE Unit
- Monge solutions of time-dependent Hamilton-Jacobi equations in metric spaces
- In this talk, we introduce a notion of Monge solutions for time-dependent Hamilton-Jacobi equations
in metric
spaces. The key idea is to reformulate the equation as a stationary problem under the assumption of
Lipschitz
regularity for the initial data. We establish the uniqueness and existence of bounded Lipschitz
Monge solutions to
the initial value problem and discuss their equivalence with existing notions of metric viscosity
solutions.
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- 山ノ井 太朗 (Yamanoi Taro) 東京理科大学 大学院理学研究科数学専攻
- 空間1次元準線形波動方程式の古典解の最大存在時刻の評価
- 本講演では次の空間1次元の準線形波動方程式を考える。 \begin{equation*} \begin{cases} u_{tt} - (c(u)^2u_x)_x = 0 \\
u(0,x)=\varepsilon
\varphi(x)\,\,,\,\,u_t(0,x)=\varepsilon \psi(x) \end{cases} \end{equation*}
ここで\(\,\,\,c(u)=(1+A|u|^{p-2}u)^{\frac{1}{2}}\,\,A>0\,\,,\,\,p>2\)である。初期データのサイズ\(\varepsilon>0\)が十分小さい時の古典解の最大存在時刻の下からと上からの評価を与える。本研究は東京理科大学の杉山裕介氏との共同研究に基づく。
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数理科学
- 岸本 勇太 (Kishimoto Yuta) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- 順列エントロピーとモジュラリティ解析に基づくてんかん焦点ネットワーク抽出
- てんかんは,脳内における異常な電気活動によって反復的な発作を引き起こす神経疾患である.抗てんかん薬が効かない難治性てんかんにおいては,外科的切除が治療の選択肢となる場合があるが,機能温存の観点から切除範囲を可能な限り限定する必要がある.本研究では,順列エントロピーがてんかん焦点の同定に有効であることを示す.さらに,順列エントロピーの相関に基づいて電極間ネットワークを構築し,モジュラリティに基づくコミュニティ分割を行うことで,てんかん原性領域の抽出が可能であることを示す.
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- 小島 瑛貴 (Kojima Eiki) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- ランダム力学系におけるカオス的確率共鳴
- Duffing方程式やMackey-Glass方程式といった決定論力学系にノイズを加えると、特定のノイズ強度で系の周期応答が最大化される確率共鳴(SR)という現象が生じる。SRについてはこれまで主に確率過程論的な解析がなされており、力学系理論の文脈で解析されてこなかったため、共鳴時のカオス性や分岐構造については未解明であった。本発表では、ランダム力学系理論に基づく解析により、共鳴時に最大Lyapunov指数が負となるstable
SRと正となるchaotic SRの2種類の確率共鳴が存在することを示す。
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- 鴻池 真斗 (Konoike Masato) 大阪大学 大学院情報科学研究科情報基礎数学専攻
- D型Shi配置の制限の特性準多項式
- 東谷, 中島は, B 型 Shi 配置について, ある 1 つの超平面で制限した場合の特性準多項式を計算した. 本講演では, D 型 Shi 配置に対して, 同様に 1
つの超平面で制限したときの特性準多項式を紹介する. さらに, D 型 Shi 配置から特定の超平面を削除した際に, 特性準多項式の周期崩壊がいつ起こるのかを紹介する.
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- 小谷 崇文 (KOTANI Takafumi) 東京理科大学 大学院理学研究科応用数学専攻
- 最小次数3以上の2-連結グラフの有限集合を生成する禁止部分グラフ条件
- グラフの族\(\mathcal{H}\)に対して,グラフ\(G\)が\(\mathcal{H}\)に属するグラフを誘導部分グラフとして含まないとき,\(G\)は\(\mathcal{H}\)-freeであるという.\(\mathcal{G}_2^{(3)}(\mathcal{H})\)
は 最小次数\(3\)以上の\(2\)-連結 \(\mathcal{H}\)-freeグラフ全体の集合を表すものとする.本研究では,\(|\mathcal{H}|=3\)
かつ\(\mathcal{G}_2^{(3)}(\mathcal{H})\)が有限となる族\(\mathcal{H}\)の特徴づけを行う.特に,\(\{K_3,K_{2,2}\}
\subseteq \mathcal{H}\)の場合を除いて,そのような族\(\mathcal{H}\)を決定した.
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- 骆 麒麟 (LUO QILIN) 神戸大学 システム情報学研究科システム情報学専攻
- SEIR-SEI数理モデルの骨格と機械学習残差補正を統合したデング熱流行予測のハイブリッド手法:短期・長期予測における線形・非線形性の比較と動的増分学習
- 本研究は、デング熱の予測精度向上を目指し、メカニズムモデルと深層学習を融合したハイブリッドフレームワークを提案する。まず、季節性を考慮したSEIR-SEIモデルにより伝播ダイナミクスを再現し、パラメータを較正する。次に、LSTMを用いて、モデル予測と観測値間の対数残差
を学習し、本手法により、数理モデルの解釈可能性とデータ駆動型モデルの高い予測能力が両立される。
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- 米田 豊 (Maita Yutaka) 京都大学 大学院理学研究科数学・数理科学専攻数理解析系
- Coherent doctrines in categorical nonstandard analysis
- 超準解析は、分析したい構造の「よい」初等拡大を用いて「無限大・無限小」の概念を利用可能にする強力な手法である。しかしながら、初等拡大を定義する過程で超フィルターの存在性に依存するため、非構成的であるとして批判に晒されてもきた。
本講演では、超準解析における非構成性を回避するためのMoerdijkとPalmgrenによる層理論的手法を一般化し、構成的述語論理の一定の性質を満たす理論を「超準化」するためのレシピを定義する。
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- 松村 英樹 (Matsumura Hideki) 東京都立大学 理学研究科数理科学専攻
- 組合せデザインと高次元PTE問題
- 代数的組合せ論においてデザインとは、「全体を近似する良い部分集合」である。一方、加法的整数論においてProuhet—Tarry—Escott(PTE)問題とは、ある次数までの冪和が一致するような整数の多重集合を求めるディオファントス問題である。本講演では「組合せデザイン」という離散的な空間上のデザインから高次元PTE問題の解を構成する手法を紹介する。本研究は稲垣宗矩氏、澤正憲氏、内田幸寛氏との共同研究である。
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- 本橋 樹 (Motohashi Natsume) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- Phase-field型自己駆動体運動モデルの特異摂動解析
- 物体が外部の物理・化学的性質を変化させることで,自発的な運動を持続的に行うことを自己駆動体運動と呼ぶ.我々はphase-field法を応用した自己駆動体運動モデルに着目した.このモデルは液滴運動と固体運動を単一のモデルで再現できることが示唆されているが,数学解析は行われていなかった.本研究では非局所項を伴う反応拡散系に対する特異摂動法の適用方法を考察し,一次元定常パルス解の存在証明を行う.
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- 村上 真悟 (Murakami Shingo) 九州大学 大学院マス・フォア・イノベーション連係学府
- 統計的因果推論を活用した、訴訟における因果関係の判断枠組み
- 講演者は、弁護士資格を有する数学科の大学院生として、訴訟における因果関係の判断枠組みについて研究している。実務上用いられている指標は、そのままでは因果関係の成立する確率を示すものと解釈することはできず、一定の仮定が必要である。本公演では、実務の判断枠組みがそのような仮定を検討することなく用いられていることを指摘し、実務における判断の暗黙の前提を明らかにする。その上で、当該仮定が成り立たない一般の場合にも妥当する判断枠組みを提案する。
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- 長山 ゆい (Nagayama Yui) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- 非局所移流項を持つ反応拡散方程式に対する分岐解析
- 動物の群れ形成や細胞のコロニー形成で観察される周囲の環境に応じた移動を記述するために,周囲から受ける影響をカーネル関数とのたたみこみで表現した非局所移流項を持つモデルが提案されている.本発表では,カーネルの変形によって空間非一様なパターンが現れることを厳密に示した結果のほか,線形化安定性解析だけでは見えない解構造である分岐の向きや多重安定性とカーネル形状との関係について,分岐解析の観点から得られた結果を報告する.
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- 坂本 信仁 (SAKAMOTO Masahiro) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- エッジ置換により生成される部分自己相似グラフのフラクタル次元評価
- 反復関数系は縮小写像の反復によりその極限集合として自己相似構造を持つフラクタル集合を生成する。エッジを特定のグラフで再帰的に置換するエッジ置換グラフモデルは、局所構造の入れ子として自己相似構造を持ち、置換先のグラフの種類を複数に増やすことで部分自己相似構造を持つグラフが得られる。
本研究では、こうした部分自己相似構造を持つグラフモデルに対して、フラクタル次元としてボックスカバリング次元および一般化次元を解析的に導出し、置換モデルの単位構造が次元の評価にどのように寄与するのかを明らかにした。
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- 舘川 暁斗 (TATEKAWA AKITO) 明治大学 大学院先端数理科学研究科現象数理学専攻
- 二重 K4 格子のボロノイ領域とジャイロイドの関係
- ジャイロイドは A. Schoen によって 1970 年に発見された 3 方向の周期性をもつ極小曲面で ある. 我々は, ジャイロイドと二重 K4 格子は同じ Ia ̄3d
の空間対称性を持つことに着目し, 二重 K4 格子の辺を細かく分割してボロノイ領域をとっていくと, ジャイロイドに収束する という仮説を立て,数値的に検証を行った.
辺の分割を細かくするごとに,ボロノイ領域の 頂点を表す点群と, 厳密に計算されたジャイロイドとの Hausdorff 距離が小さくなることが 示された.
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- 德田 華比斗 (Tokuda Kaito) 筑波大学 理工情報生命学術院数理物質科学研究群数学学位プログラム
- 巨大基数とゲーム
- ZFC集合論において、ZFCではその存在が証明できないような強力な性質を備えた基数のことを巨大基数と呼ぶ。本講演では、初めに巨大基数のうちよく知られているものを定義し、次にHoly-Schlichtによってゲームを用いて新たに定義された巨大基数の性質を見る。ゲームが決定的であるとは一方のプレイヤーが必勝戦略を持つことを言う。本講演はこのゲームの決定性に着目する。
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- 和田 康司 (Wada Koji) 北海道大学 大学院理学院数学専攻
- On the type of attractor ruin of GCMs found by the clustering algorithm
- In this talk, we consider the intermittency of the globally coupled chaotic maps (Kaneko,
1990). In a certain parameter region, this system exhibits intermittency, a nonlinear phenomenon
in which it switches between periodic-like and chaotic states. Nikodem Mierski and Paweł
Pilarczyk (2025) proposed a method to detect attractor ruin in intermittent trajectories using a
clustering algorithm. However, the details did not show the property of the phenomenon. We
report the distribution characteristics of the residence time during the intermittent phase. In
particular, this system exhibits, in a sense, “strong” or “weak” attractor ruin, and we discuss
the possibility that the domain of initial values can be classified based on the dynamics on
these attractor ruins.
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