概要
- 微分積分学の基礎を学ぶ。1変数関数のテイラー展開を計算でき、2変数関数の偏導関数、テイラー展開を理解することが目標である。
- 成績は中間期末試験の成績で判定し、合否は中間期末試験の成績に平常点を付加して判定する。平常点は宿題とレポートの成績から決める。宿題は1問2点(1回の宿題に2問あれば合計4点)、レポートは1回10点とする。
- 宿題はこのホームページに掲載する。レポート用紙等に解答して提出。特に断らない限り、宿題は次回の授業開始前に教卓へ提出しておくこと。全然わからない場合でも、何かしら答えて提出するように。0点の宿題でも提出してあれば出欠確認システムの情報と合わせて出席とみなす。学生証は入室時と退出時にカードリーダーにか ざすように。
- 遅れて提出した宿題とレポートの平常点は半分とする。もちろん提出しないよりはずっとよい。
- 最終回が終わった後の成績の問い合わせ等は受け付けない。
- 中間期末試験にはA4サイズ以下の手書き1枚(裏面使用可)を持ち込んでよいものとする。
内容(日程は変わることがある)
- 数列と関数の極限 (宿題,略解)
上に有界な単調増加数列、下に有界な単調減少数列は収束するという 公理のもとに数列の極限を定める。関数の極限を右極限と左極限が一致す ることから定める。
- 導関数と平均値の定理(宿題,略解)
導関数の定義を与える。連続関数の中間値の定理と最大値最小値の存在から微分可能な関数についてロルの定理を示し、さらに2つの平均値の定理を示す。
- テイラーの定理とマクローリン展開、テイラー展開(宿題,略解)
平均値の定理を繰り返し用いてテイラーの定理を証明し、マクローリン展開、テイラー展開を与える。
- 指数関数と対数関数のマクローリン展開(宿題,略解)
指数関数と対数関数についてマクローリン展開を与え、簡単な性質を 確かめる。
- 三角関数のマクローリン展開(宿題,略解)
三角関数とその逆関数についてマクローリン展開を与え、簡単な性質を確
かめる。
レポート;今回までの内容を1ページに要約する。次回提出。(レポートの意図:学習した内容を簡潔に他者へ伝えられることは重要な能力である。)
- 応用、宿題の解説(宿題なし)
- 中間試験(50点満点,80分; 月5:11/30, 火1:12/1)試験範囲は三 角関数のマクローリン展開まで。(結果)
- 2変数関数の極限、偏導関数、2次曲線と2変数関数(宿題,略解)
2変数関数について極限の考え方、偏導関数(偏微分係数)の概念を与え る。また、2次関数$x^2+y^2$と$x^2-y^2$のグラフの概形を観察する。
- 2変数関数の微分可能性、合成関数の微分法、変数変換(特に極座標変換)(宿題,略解)
2変数関数について微分可能性(全微分)を決める条件を定める。また、 合成関数の微分法と変数変換について偏導関数を用いて具体的な計算法を 与え、最も重要な例として極座標変換を取り上げる。
- 2変数関数の極値、方向微分(宿題,略解)
2変数関数の極値を与える条件として偏微分係数が0と定め、2階の偏導関 数による条件式を与える。証明には方向微分を使う。
- 2変数関数のテイラー展開(2次の項まで)(宿題,略解)
2変数関数のテイラー展開を2次の項まで与える。方向微分を用い、1変 数関数のテイラー展開に帰着させて導出する。
レポート;中間試験より後から今回までの内容を1ページに要約する。次回提出。
- 条件付き極値問題(宿題なし)
条件のついた極値問題の解法として、ラグランジュ乗数法を紹介する。
- 期末試験(50点満点,80分; 月5:1/25, 火1:1/26)試験範囲は2変数関数の極限から2変数関数のテイラー展開まで。(結果)
- 期末試験の解説、授業アンケート
資料
参考資料
資料:大学数学のための準備(ギリシャ文字、数学記号等) http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/candidate/GUIDE.pdf注意等
成績に関連する資料は5年程度の期間保存することになっているため、提出した宿題、レポート、答案は返却できない。参考書はシラバス指定のどちらか一冊を予復習に使うことが望ましい。
参考書
- 入門微分積分学 / 三宅 : 共立出版
試験と成績について
- 講義内容について一定の水準に達していれば確実に合格する。試験で多少失敗しても、実際の到達度を反映するために平常点を参入する。
- 到達度を判定する試験であり、落とすための試験ではない。過度に神経質になってはいけない。
- やむを得ず試験を欠席する場合(例えば、事故での入院、他人に伝染する可能性のある病気、親族の不幸、など)は何らかの手段で担当教員まで連絡を取ること。