【 なんでもメモ帳2】


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21 January 2005

あけましておめでとうございます.今年の目標は, 中国語とフランス語と Power Point をマスターすること. 去年と同じです...
28 December 2004

Golubitsky and Stewart, The Symmetry Perspective, Progress in Math. 200, (2002),

を眺めている.この本はだいぶ前に北大数学図書室で見つけて借りていた. 特異点論(Golubitsky-Scheffer の分岐理論など)と密接に関係するはずだが, 読んでいなかった. その後,本屋で日本語訳を見つけて,ほう,関心のある人たちが日本でも他に いるんだな,と感じていた.最近,電子研の中垣さんの講演で,中垣さんたちの仕事が この本に引用されている,と聞いて,じゃあ,少し読んでみようかな,と感じ始めた 次第である.
ところで,Stewart さんとは,ワルシャワで会ったことがあるが, なかなかアイディアが豊富な人だった.
24 December 2004

札幌から鹿児島,奈良,いったん札幌に戻って,京都に行ってきた. いろいろあってメモしきれないが, とにかく生まれ変わってきた.楽しかった. 人生は楽しい.メリークリスマスということか. だいぶ過去のことになるが,札幌から鹿児島へいく途中の羽田乗り換えで 乗り遅れて,空港の本屋で,西山厚「仏教発見!」講談社現代新書1755 を 買って一気に読んだ.聖武天皇が奈良の大仏をつくったときの言葉 「事成り易く,心至り難し」は,なるほどと思った.
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1 December 2004

12月の奈良での講演準備をあわてて始めている.Montgomery さんの連続講演の1つと 内容がかぶりそうだが,彼(とZhitomirskii さん)は analytic でやっていて, 私(石川)は $C^¥infty$ だから OK と考えよう.

12月の鹿児島での講演準備はなかなか進まないが,とりあえず,分類表1枚の OHP は作った.それで 50 分もたせようか.

12月の数理研の短期共同までにアフィン球面やガウス曲率一定曲面の特異点を分類した (M 先生との共著論文の1つの) preprint を完成させて披露しようと思っているが,あと一歩だが,間に合いそうもない.でも,あきらめないぞ!

来年1月の大垣での講演も依頼されたので引き受けた.講演依頼はいっさい断らないことにしているので.S 氏から教わった pseudo-front という言葉を key word にして 正月に餅を食べながらまとめようかな,と考えている.

講演準備で忙しい,と言いながら,春日武彦「幸福論」講談社現代新書, を眺めた.なかなか穿った見方をしていておもしろい.「幸福は断片にあり」と妙に納得した.たとえば,おもしろい駄洒落を思いついたときなどは幸福である.
24 November 2004

鹿児島での講演 「Local classification of varieties in the presence of a geometric structure」の 準備中である.なかなか進まないが,一応, 複素上で simple curves $(C, 0) ¥to (C^2, 0)$ の symplectic moduli space の決定が 出来たので(real の場合は,Janaczko さんとの共著で計算済み),まあ,何とか様になるだろう.

簡単かるたんセミナー奮闘記その12.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を読んでいるが,やはり,「解空間」を明確に記述すべきではないか, とだんだん思えてきた.
たとえば,与えられた微分式系に対し「解が1変数関数2個に依存する」という結論より,「解空間が C^¥infty(R, R)¥times C^¥infty(R, R) (または,その germ space) と locally diffeomorphic, と言えた方がスッキリすると 思う. 今,講義で解説している「写像空間の微分構造」という概念が役に立つのでは ないだろうか?

ところで,杉山幸丸「崖っぷち弱小大学物語」中公新書ラクレ 152, を眺めている.大学関係者もなかなか大変だが,おもしろい時代になってきたとも言える.
ところで,この本の著者は「サルはなぜ群れるのか」という本で以前からおなじみの人だが, この人の名前が前々から気になっていた. かの「ドグラ・マグラ」という天下の奇書で有名な夢野久作の 父親である有名な右翼の杉山茂丸と何か関係があるのだろうか?
ところで,杉山茂丸の名著「百魔」はおもしろい.たとえば,星一(はじめ), つまり星新一(SF短編で有名)の父親のことも書いてある. 星新一の「明治・父・アメリカ」や「人民は弱し官吏は強し」は私(石川)の 愛読書である.
星一は,わが故郷,福島県が生んだ有名人の一人である. 他に,野口英世,加藤茶,西田敏之,中畑清,伊東美咲などがいる.
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15 November 2004

新企画: Arnold's Problems, Springer-Verlag 2004, (ISBN 3-540-20614-0)を眺める.
第1回

「コースティックはなぜ既約か?」(1979-8)「ホモロジー理論を複素化せよ」(1980-12) 「接触空間内の Whitney umbrella を分類せよ」(1984-19) 「S^2 から S^2 への写像のカスプの個数を写像度で評価せよ」
などという問題が目に付く.それから,
「射影平面から平面への写像で,カスプ1個のものが存在するか?」という問題を Chekanov が解いていたりする.
とくに,
「Cartan 理論と特異点論を結び付けよ」(1993-23, 1998-1)
という問題が出ていて驚いた.これは私(石川)の 科研費研究課題 「外微分式系への応用特異点論」 のメインテーマではないか. でも,そりゃそうか,まあ, 僕(石川)も Arnold ぐらいの問題は1つぐらいは考えられるということだ, と楽天的に納得.ともかく,Arnold school の皆さんもねらっているわけだ. (でも,Cartan 理論は難しいから大丈夫かも).
ともかく,おもしろい.

簡単かるたんセミナー奮闘記その11.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を読んでいるが,Calibration の部分は,
F. Harvey, Spinors and Calibrations
を読むと参考になるだろうか?

ところで,ロン・クラーク著,亀井より子訳「あたりまえだけど,とても大切なこと」草思社,を眺める.あたりまえなことがなかなかできないんですね,大人でも.
10 November 2004

この2,3日イラストレーターの仕事をしている.

簡単かるたんセミナー奮闘記その10.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を読んでいるが,linear Pfaff system の定義が, Tanaka-Yamaguchi の realization lemma を通して clear に 理解できた気がする.
5 November 2004

「写像空間」の講義準備と, 12月の鹿児島の特異点Workshop の講演 「Local classification of varieties in the presence of a geometric structure」 の準備と,その後の奈良で Montgomery さんを囲んでする研究会の講演 「Singular Legendre curves and Goursat distributions」 と,モンジュ・アンペール方程式の幾何学的解の特異点の分類に関する 書きかけの論文の仕上げと,COE 関係の研究パネルの作成と, いろいろやることがあって,ああ楽しい毎日である.

ところで,岩波文庫のロマン・ロラン「ミケランジェロ」を読み返している. 天才ミケランジェロは,意志薄弱というか,断ればよいのに,作品制作を何でも引き受けて, 期限までに完成できなくて,悩んで,毎日仕事に追われた人生だったそうである. どんな人にもそういったことはあるんでしょうね. まあ,ミケランジェロの場合は, 作品の一部が今日まで残って,それなりに有名になったからよいけれど...

簡単かるたんセミナー奮闘記その9.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を引き続き読み始めた,が,すっかり忘れている. 1から出直しである.それもまた楽し,である.
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20 October 2004

函館の講演準備をあわててしている.とりあえずわかったこと:

トロピカル幾何の3つの応用:
Hilbert's 16th problem
Gromov-Witten invariant
computational biology

ところで, 北大「エンレイソウの会」で,トポロジーの考え方について講演した. 違う分野の人を相手に話をするのはなかなか難しいが,それだけスリルがあって 勉強になる. いろいろな知的文化を知ることは刺激的だ.
「若い人が安心して好きな数学ができるような環境を作るために, 年寄りは安心しないで好きな数学をすれば良いのだ」と開き直っている 今日この頃である.

それはそうと,最近出版された「素数に憑かれた人たち,リーマン予想への挑戦」(ジョン・ダービーシャー著,松浦 俊輔 訳, 日経BP社 ; ISBN: 482228204X)と,「ブッダとそのダンマ」(ビームラオ・ラムジー・アンベードカル著,山際素男訳,光文社新書 165,ISBN: 4334032656) を眺めている.
「リーマン予想」は昔から気になっていた.ところで,今年(2004年) Louis de Branges de Bourcia がリーマン予想を解いたというのは本当なのだろうか?
「ブッダとそのダンマ」は,朝日新聞日曜版の書評で見て読んでいるが, かなりディープで良い.しかも読み易い. ともかく,「ブッダ」は手塚治虫のマンガで読んで以来,気になる存在である. それはともかく,インドに仏教徒が一億人もいるとは驚きである.
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12 October 2004

講義準備(「写像空間のトポロジーと幾何と特異点論」「ベクトル解析」)と 講演準備(「アメーバ・トロピカル幾何」)と 科研費申請書書き,などをしている.

トロピカル幾何の新しい資料を読まなければいけない:

G. Mikhalkin,
Enumerative tropical algebraic geometry in $¥R^2$.
math.AG/0312530
D. Speyer, B. B. Sturmfels, The tropical Mathematics,
math.CO/0408099
J.Richter-Geber, B. Sturmfels, T. Theobald, First steps in tropical geometry.
math.AG/0306366
D. Speyer, B. B. Sturmfels, The tropical Grassmanian,
math.AG/0304218
読んだら,報告します.
29September 2004

9月24日付けのメモで, 「$¥R$ に $x ¥sim -x$ で同値関係を入れて割った空間と, 半直線 $¥R_{¥geq}$ は同相だが,微分同相ではない」 と書いてしまったが,これは間違いで, 「$¥R$ に $x ¥sim -x$ で同値関係を入れて割った空間と, 半直線 $¥R_{¥geq}$ は同相であり微分同相である」 が正しい.私(石川)のカン違い,というか考え違いであった. もう1つの例, 「カスプの半分 $¥{ (t^2, t^3) ¥mid t ¥geq 0 ¥}$ と半直線は同相だが微分同相ではない」 ということは,もちろん正しい.
というわけで,この講義をすることになって,講義準備をしたおかげで, 講義する側の考えが整理されてクリアになって,教師にとってたいへん「益」になる,ということは証明されたわけである.(学生の「害」にならない,ということはまだ証明されていないけれども...)
24 September 2004

やっと論文書きをまた始めたところである.

それから,後期の講義内容をまとめている. 「写像空間の幾何とトポロジー」という題で, 写像空間の位相と微分構造,およびその商空間の位相と微分構造,について 話そうかなあ,と思っている. ということになると当然,有限次元の場合の商空間の位相と微分構造をまず説明しなければ いけないが,それはそれでなかなか難しい.
たとえば,$¥R$ に $x ¥sim -x$ で同値関係を入れて割った空間と, 半直線 $¥R_{¥geq}$ は同相だが,微分同相ではない,ということは 良く知られていることなのだろうか? あるいは,カスプの半分 $¥{ (t^2, t^3) ¥mid t ¥geq 0 ¥}$ と半直線は同相だが微分同相ではない,ということは良く知られていることだろうか? (良く知られているとは思えない). 将来有望な初々しい学生諸君に,こんな"きわどい"内容の講義をして,害にならないだろうか,少し心配である.

それはそうと,「理系のための Mac で始める研究生活」(多田眞作 著) ブルーバックス,で 研究生活を始めようと思っている今日この頃である.
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15 September 2004

チェコとポーランドで生まれ変わって帰ってきた.

また論文書きの毎日に戻りたいが,欲張っていろいろやっているので, なかなかそうもいかない.
いま北大で行われている「日仏特異点研究集会」に顔を出したり, 去年の札幌特異点国際研究集会のプロシーディングの編集の仕事もあるし, Hokkaido Math. J. のエディタの仕事もあるし, はこだて特異点研究集会のプログラムを作ったり, 北大でやる日本数学会の会場や司会のことを考えたり, 「トポロジー理工学」関係もいろいろやることがあるし, その毎週昼休みに開かれている「エンレイソウの会」も出たいし, 科研費の申請書類も書きはじめなければいけないし, ああ楽しい毎日である.

ところで,ワルシャワ大学のタデウス・モストウスキさんの研究室で おいしいコーヒーを御馳走になったとき,ゴヤの奇妙な版画集を 見せてもらった.いろいろ想像しておもしろかったが, 版画の意味(寓意)が良くわからなかったので, 札幌の旭屋書店で探してみたら,日本語の本で 「ロス・カプリチョス」(二玄社) というのを見つけた. 同じ版画がのっていたので, それがワルシャワで見せてもらったゴヤの版画集の名前らしい. ポーランド語のものと違って,版画の意味するところがわかって 為になった.
でも,ゴヤの版画をおもしろいと思う私(石川)は, やはりゲテモノ好きなのでしょうか...
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23 August 2004

論文を毎日おとなしく書いている.でも,すぐに飽きるので, 昔読んだ小林秀雄の評論文などを眺めながら,しぶしぶ書いている. その小林秀雄の文章に,日本の文化は「手入れ」の文化だ,などというような ことが(もっとスマートな文章で)書いてあったので, そうか,論文も数学も書きっぱなし,やりっぱなしではダメだ, ちゃんと手入れを怠らないようにしないとな, とつぶやきながら,論文のほころびを繕(つくろ)っている,という毎日である.

それはともかく, 前回書いた相転位の臨界値の話は,場の量子論の「くりこみ群」とも関係するそうである. Kenneth Wilson の 1982 年のノーベル賞記念論文を,高校野球中継と オリンピック中継を見ながら 眺めていたが,よくわからない.なぜ,臨界値(高温,高圧の特別の値)にある 水と,素粒子の強い相互作用が関係するのだろう.(背後にある数学が同じということ?)

そういえば,以前買って積んであった本「エレガントな宇宙」を改めて眺めていたら, M-理論うんぬんが書いてあった.結局,M-理論とかかわる数学とは, 幾何学すべて,あるいは数学すべてのことだったのか...
12 August 2004

部屋にクーラーが無くて,暑くて頭がくーらくらする,

とも言っておれず,今度,チェコにちょこっと 行って話す内容(この前,中国や大垣で話した内容)を がんばって洗練させようと,もがいている.それから,そのすぐ後に ポーランドで話す $T^*R^2 = R^4$ 内の parametric 超曲面のシンプレクティック分類の話でも四苦八苦している. このテーマは, singular symplectic reduction や Melrose の glancing hypeersurface の分類と関係しそうで,おもしろいが難しい.
それはそうと,私(石川)もメンバーの"はしくれ"になっている, COE「トポロジー理工学の創成」に関連したページも 作らないといけない.また,いろいろな素養(back-ground) を持っている人たちに対して, トポロジーのわかりやすい解説も頼まれているので,その準備もしなくちゃ.
まあ,そもそも「トポロジーとは何ぞや」ということを改めて考える機会が できて幸い,だと考えることにしよう.
でも,数学科後期に話す予定の「写像空間の幾何とトポロジー」の準備もまだだった.
(関係ないが)オリンピックも始まるし,どうなることやら.

それはそうと, 「物理学者はマルがお好き」(早川文庫,数理を愉しむシリーズ) を読んでいる.なかなかおもしろい. その中に出て来る「臨界値」における物体の自己相似性は,いかにも おもしろい数学になりそうである.その臨界値というのは, われわれがいつも使っている意味とは,もちろん違う概念だけれども, にもかかわらず,特異点論が応用できる分野ではないかと思う.
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19 July 2004

ロシアで生まれ変わってきた.

簡単かるたんセミナー奮闘記その9.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を引き続き読んでいる.なんだか,BCG^3
Bryant, R.L., Chern, S.S., Gardner, R.B., Goldschmidt, H.L., Griffiths, P.A., ``Exterior Differential Systems", Speinger-Verlag,1991.
をわざとわかりづらく書き換えたような感じだが, ともかく,おかげでだんだんと,tableau, symbol relation, torsion, Spencer cohomology, prolongation などがわかってきた(慣れてきた)ような 気もする.
30 June 2004

ロシアでの講演準備に追われている今日この頃である.
といいながら,中国や大垣で話したこと (Singularities of affine spheres and psudo-spheres, M先生との共著論文) を(直接法ではなく) generating family を使って 証明しようとして,実は,自然に得られる generating family は Morse family にはならない,ということに気が付いて, 「おお,これはなかなかおもしろい」と感じている今日この頃である.
といいながら,後期からの4年・大学院の講義で話す「写像空間の幾何とトポロジー」 の準備を全然していないので,そろそろ始めようと思い, できれば,リーマン多様体の super-space の話でも紹介できれば,と 文献を読みあさっている今日この頃である.
といいながら,ポーランドで話す内容をそろそろ決めなければ, と思い,$T^*R^2 = R^4$ 内の超曲面のシンプレクティック分類の 話を真剣に考え出している今日この頃である.
なかなか講演準備ができない...

簡単かるたんセミナー奮闘記その9.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
は,とりあえず,7月2日から訪れる, ロシアの「黄金の輪」に行ってから再開しようかなという今日この頃である.
(E-mail 勉強会もロシアで生まれ変わって再開,という感じである).
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23 June 2004

簡単かるたんセミナー奮闘記その8.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を読むために,
E. Berger, R. Bryant, P. Griffiths, The Gauss equations and rigidity of isometric embeddings,
を眺めていたら,久しぶりに
H. Weyl, The Classical Groups, Princeton 1946,
を眺めたくなった.そういえば,この Weyl の本は,学生時代に読もうと思って 購入したが,難しくて読めずに,優秀な同級生に貸したままになっていたのを 思い出した.いきさつは忘れたので, まあ気にしないで,北大の図書館で借りようと思ったら, 誰かがすでに借りていて,結局,保存庫でホコリをかぶっているのを 借りてきた.「へえ,こんなことが書いてある本だったのか」 と感心している次第である.
ともかく,Cartan-K¥"ahler に出てくる tableau の他に, 表現論の Young tableau にもこの機会に乗じて馴染んだ次第である.
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16 June 2004

大槻富之助先生の「微分幾何学」朝倉数学講座, 朝倉書店,が復刊になったので入手した.
昔,学生のころ,同じ朝倉書店のシリーズの近代数学講座の 立花俊一先生の「リーマン幾何学」を自主ゼミで読んだことがある. そのときは(愚かにも)「微分幾何学」の方は初等的でつまらない, 「リーマン幾何学」の方が高級で良い,と感じていたように 思う.しかし,今,2冊を読み返してみると, もちろん,「リーマン幾何学」は名著で座右の書であることに変わり ないが,内容は高度な方法の説明であり,かなり動機付けがないと なかなか難しい,自分で問題を見つけて発展させるというのは,なかなか難しい, という感じである.一方,「微分幾何学」は,内容が豊富で, しかも,現在でも興味深い例が多くあり,幾何の問題の 豊かな源泉という感じである.現在,身近なところで, 大槻先生の本に書かれてあるようなことに関連する研究が 活発に進行中だということもあるが,非常に為になる. 方法も近づき易くて(敷居が低くて)よい.そんなことを やっと実感できた.(わかるのに,26年ぐらいかかった...) やはり順番としては,「微分幾何学」を学んで,その後で「リーマン幾何」 に進むのが良かったのだろう.(でも,現在の生意気な学生も, 結局同じ誤りを繰り返すのだろうけれども...)

簡単かるたんセミナー奮闘記その8.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を読むために,
E. Berger, R. Bryant, P. Griffiths, The Gauss equations and rigidity of isometric embeddings,
を眺めている. 簡単かるたんセミナーのおかげで,(もちろん細部はわからないけれど), この論文が何を,どういう手法でやろうとしているか,ぐらいはわかるように なった.
それはともかく,解の構成(たとえば,isometric immersions)を, analytic の範疇ではなく,(Whitney, Tougeron, Izumi 等の微分解析の手法を用いて) $C^¥infty$ でできないものだろうか?

ところで,私(石川)の好きなスティーブン・ジェイ・グールドの 「フルハウス」(ハヤカワ文庫 NF) を読んでいる.おもしろい. (以前読んだ「ワンダフル・ライフ」もおもしろかったが). 「フルハウス」によると,生物の進化は局所的適応の結果によるただの偶然である. 昔から現在に至るまで,生物界の中心はバクテリアである. (人間でもアメーバでもなくて)バクテリアである, ということだ.いわゆる高等生物が生まれたのはごく最近であり,それまでは バクテリアだけの世界だった.今後,われわれが滅んでも,バクテリアは生き残る. なるほど.
そこでへそ曲がりの私(石川)は, では,数学の発展(進化?)も同じことだ,単に,それも,局所的適応の結果による偶然である. と主張したくなる.数学界の中心は,依然として数学バクテリアあるいは バクテリア数学である. (これは,決して悪口ではない.私(石川)は,グールドの主張に賛同しているのだから). それはともかく,単純な数学しか生き残らない,単純な数学を作っていかなければならない, ということかな,とか, バクテリア数学の構造を解明する必要がある,などとと考えてしまうのだが...
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15 June 2004

簡単かるたんセミナー奮闘記その7.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第5章を読んでいたら,Cartan の 教科書
¥'E. Cartan, Les syst¥`emes diff¥'erentiels exteriors et leurs applications g¥'eom¥'etriques, Hermann の第7章(曲面論における微分式系)の曲面論の基本定理の目次を訳したくなった:
問題 I : 臍点(せいてん)だけからなる曲面.
問題 II : 2つの曲面の間の等角写像(conformal map)の構成.
問題 III : ワインガルテン(Weingarten)曲面.
問題 IV : 等温(isothermal)曲面.
問題 V : 等長的な曲面対.
問題 VI : 漸近線を保って等長的な曲面対.
問題 VII : 曲率線を保って等長的な曲面対.
問題 VIII : 主曲率を保って等長的な曲面対.
問題 IX : 曲率線と主曲率を保つ対応がある曲面対.
問題 X : 曲線の測地的捩れを保つ対応がある曲面対.
問題 XI : 与えられた曲面と同じ第3基本形式をもつ曲面.
問題 XII : 漸近線を保って等角的な曲面対.
問題 XIII : 主曲率と第2基本形式を保つ対応がある曲面対.
問題 XIV : 曲率線と漸近線をそれぞれ入れ替える対応がある曲面対.
問題 XV : 漸近線と極小線をそれぞれ入れ替える対応がある凸曲面対.
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7 June 2004

中国への出張から帰ってきた. 長春(ちょうしゅん)と四平(しへい)を訪れた.
長春で調子に乗って飲み過ぎて,四平で腸が疲弊(ひへい)した.
それは,ともかく,四平で急に講演することになって, すっかり論文にするのを忘れていた 「接線可展面(tangent developable)の特異点の分岐」の話を思い出して, 講演した.その論文書きも再開しなければいけない. この仕事は,昔やっていた tangent developable の特異点の話と, それとは関係なく研究している非可積分系を関係づけていて, 我ながらおもしろいと思う.もちろん,tangent developable は Legendre singularity として調べるから,接触幾何と 関係するのは当然で,接触構造はもちろん非可積分系なのだけれども, そうではない非可積分系("growth vector" が (3, 5, 6) のもの) を持ち出すということがミソである.(この系は, Arnold-Scherbak が使い始めである.彼等は Cartan に言及していないが, これは Cartan distribution,あるいは canonical disitribution の一種で ある.この観点から攻めよう,というのがアイディアである...)
簡単かるたんセミナー奮闘記その6.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
中国に5章,6章のコピーを持っていって読もうとしたが, 結局,以前に e-mail 勉強会で読んだ,Mongomery の 本の第7章 Cartan's approach を再読した. 簡単かるたんセミナーのおかげで,去年より簡単にわかったような気がする. やはりセミナー(というか刺激)は大事なようだ.
ということで,今日からセミナーの勉強は再開する.(e-mail 勉強会の 方も今日から再開).
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18 May 2004

簡単かるたんセミナー奮闘記その5.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
第5章を読んでいる.Linear Pfaff system がどうして linear なのか, ようやくわかった.independence condition が独立変数(とその個数)を 与えていることが,ようやくわかった.
10 May 2004

連休中は, E-mail 勉強会の勉強をして,それから 論文レフリー用の論文眺めをしてレポートを書き始め, 微分積分の講義準備,講義の質問への回答書書きをして, まあ,無事に過ごせて,幸せな今日この頃である.
中国(6月)と大垣(6月)とロシア(7月)とチェコ(8月末)とポーランド(9月)の講演準備を しなければならないが,まあ,そのうちなんとかなるだろう.

簡単かるたんセミナー奮闘記その4.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
第5章 The Cartan Algorithm for Linear Pfaffian Systems を読んでいる.主宰者のような緻密な読みはとてもできないが, いろいろな幾何学的応用が書いてあって,雑に読んでもおもしろい. また,第6章にある,Monge-Ampere 方程式の話も(こちらは, 切実な問題として)勉強中である. まだまだ Moving frame の方法に馴染めていないが,手ごたえを感じている 今日この頃である,と書いておこう.
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21 April 2004

ロシアの Szdal 研究集会の講演 abstract をあわてて書いた pdf dvi

簡単かるたんセミナー奮闘記その3.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の簡単かるたんセミナーは,今週23日から始まるが,私(石川)は部局内某委員会のために 23日は参加できない.残念である.主宰者にがんばってもらうしかない.
4 April 2004

気象学(meterology) の Chynomesh-Swell 方程式なるものを解く必要が出てきた ので検索した.swallowtail, parabolic umbilic, Delaunay mesh, Voronoi tessellation などの親しみのある用語が出てきて馴染めそうである.

簡単かるたんセミナー奮闘記その3.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第3章の3.1, 3.2, 3.3 は一通り読んだ.まだ,頭に入っていないので,もう一度 この2,3日で再読しようと思っている.要するに,「記号に慣れる」ということなのだが.
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19 March 2004

最近,1変数べき級数の計算,2変数べき級数の計算ばかりをしている. それから,N 先生に教えてもらった,elastic wave の論文を読んでいる. おもしろい.

簡単かるたんセミナー奮闘記その2.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第3章を読もう読もうと思いながら,他のことにかまけて本を開くことができない. ああ,このままだんだんと「勉強できない体」になっていくのだろうか...

勉強しないで,「坂の上の雲」「逆システム学」「天上のパイ」などを読む.
1st March 2004

簡単かるたんセミナー奮闘記その1.
Thomas A. Ivey, J. M. Landsberg, ``Cartan for Beginners: Differential Geometry Via Moving Frames and Exterior Differential Systems'', A.M.S. 2003.
の第3章を読みはじめる.3-1 節は,単に Grassmann の話だ.$T_E G(k, V) ¥cong Hom(E, V/E)$ の3通りの証明が与えられていて良い.
20th Feb. 2004

M. Atiyah, E. Witten, M-Theory Dynamics On A Manifold Of G_2 Holonomy. arXiv hep-th/0107177 を眺める.おもしろそうだが,読めるだろうか?

このメモ帳に「簡単かるたんセミナー奮闘記」を連載する予定.乞う御期待!
16th Feb. 2004

1年半ぐらい前に投稿していた論文のレフリーレポートがようやく返ってきた. 内容の修正もさることながら,やはり,「英語を直せ」というコメントがあった. 自慢じゃないが,いまだかつて,英語のまずさを指摘されなかったことがない. ということで,試しに元の原稿にスベルチェックをかけてみたら,ミススペルが大量に出た.とほほ. なんとか修正して送信する.
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Goo Ishikawa