【 なんでもメモ帳4】


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1 May 2024

あ〜っという間に2024年,5月,皐月(さつき)である.
5月9日に退院して,定期的に通院して,無理はしないように気をつけながら,線形代数と微分積分の講義も行い, 論文書きも(まだ完成していない論文がたまっているので)心がけて,ちょっとずつ行なっているところである.

退院後の静養と研究・教育の合間には,
小林憲正「生命と非生命のあいだ」ブルーバックス,講談社 (2024).
原田マハ「板上に咲く」幻冬社 (2024).
「マンガ 現代物理学を築いた巨人 ニールス・ボーアの量子論」ジム・オッタヴィアイ原作,リーランド・パーヴィス他 漫画,今枝麻子,園田英徳 訳,ブルーバックス,講談社 (2016).
木村達雄編「佐藤幹夫の数学」日本評論社,(2007).
などを読んでいる.また,
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス,上,下」講談社文庫 (1991).
も引き続き読んでいる.
「生命と非生命のあいだ」は,地球外生物などから生命の起源について説きおこして,生命とは何か,という深いテーマをわかりやすく説明してくれている.おもしろい.関係ないが,「数学と非数学のあいだ」というのも考えうる話題だ.
原田マハさんの芸術系の小説は好きでよく読んでいる.「板上に咲く」は版画家の棟方志功の話である.棟方志功の自伝の「板極道」は昔に愛読したが,この「板上に咲く」では,その妻チヤの視点から ドラマの脚本のようにわかりやすく描かれている小説である.
「ニールス・ボーアの量子論」もおもしろい.昔読んだ「量子革命」や「部分と全体」など,量子力学がいかに生まれたか,という話がマンガになっていてわかりやすい.
「佐藤幹夫の数学」は昔に買って本棚の隅にあってすっかり忘れていたが,「概均質ベクトル空間」を読みはじめたので,関連して思い出して眺めている.佐藤幹夫先生の概均質ベクトル空間の理論の位置付けは私にはまだできていないが,「相対不変式の零点の特異集合の幾何的意味」は特異点論の大切なテーマになるかもしれない.

現在の座右の書:
木村達雄「概均質ベクトル空間」岩波書店,(1998). 今,一生懸命に勉強しています.
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989). 勉強になります.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
S. Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978). 眺めています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 再読です.Clifford 数学を極めていきたいと思います.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
松島与三「リー環論」共立出版 (1956).再読です.勉強になります.
Cap, Slovak, Parabolic Geometries I, Background and General Theory, Amer. Math. Soc., (2009). 勉強になります.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
ポントリャーギン数学入門叢書「最適制御理論における最大値原理」(POD版)坂本實 訳,森北出版 (2009).
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete, 3 Folge, Band 32, A Series of Modern Surveys in Mathematics, Springer (1996). おもしろい内容です.
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004). 勉強になります.
Neuromathematics of Vision, G. Citti, A. Sarti, ed. Springer (2014). 論文集ですが,その中の5章の Cuspless Sub-Riemannian Geodesics within the Euclidean Motion Group SE(d) を読んでいます.おもしろい.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (4, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).

10 April 2024

あ〜っという間に2024年,4月も10日,10th April である.
おかげさまで,4月1日の手術後,順調に回復し,(大腸の病気だったので)入院中は絶食で点滴生活が続いていたが,手術後,病院食も,おもゆ,三部がゆ,五部がゆ,全がゆ,常食と日に日においしく食べられるようになって回復し,昨日4月9日に退院することができた.病院の優秀な担当医の方々,検査技師の方々,看護師の方々,いろいろ世話をしていただいた方々に深く感謝したい.術後の経過観察もあり通院は必要だが,とりあえず日常に戻ることができた.
入院した病院は,病室はすべて個室で,入院中もパソコンやメール等を自由に使えたので,(8,15) 分布や contact relation などのテーマについて,国内,海外といろいろやりとりをしたり,資料を調べたり,計算したりして快適に過ごした.
急遽入院してしまったため,3月の大阪公立大での春の日本数学会の企画講演は止むを得ずキャンセルをせざるを得なくなって,関係者の皆様に迷惑をおかけしてしまったが,とても有難いことに,9月の大阪大での秋の日本数学会で再度企画講演をさせていただけることになった.今回のことで,いろいろな方のおかげで自分が生かされている,ということを(いまさらながらだが)改めて実感したので,今度こそは体調を整えて,生まれ変わって,良い講演をすることで恩返ししたいところである.
共同研究の流れから,概均質ベクトル空間の理論や実例の勉強を改めて始めることにした.私の学生時代,京大で佐藤幹夫先生のスクールの方々が代数解析の研究を推進されていて,その雰囲気の"はじっこ"の方に私もいたはずなのだが,自分の研究に結びつけることはできていなかった.今回はどうだろう.

現在読んでいる本や,座右の書については今回は省略します.
1 April 2024

あ〜っと言う間に2024年,4月,卯月である.
3月は体調を崩して緊急入院して,学会講演もキャンセルした.日頃の不摂生のツケが 回ってきた,という感じか.でも,入院した病院は病室が全部(個室料金なしの)個室で, 自由に数学の研究も続けられて(病気ではあるが)快適である.
入院が続いているが,4月からの授業の準備や,引き続き,(8, 15) 分布の研究もして,さらに, 幾何の入門書の執筆もちょっとずつだが続けている.
エイプリル・フールというわけではないが, 4月1日に手術予定である.無事,生還したいところである.

病室では,
柄谷行人「マルクスその可能性の中心」講談社 (1978)
梅原 猛「地獄の思想 --- 日本精神の一系譜」中公新書 134 (1967).
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス,上,下」講談社文庫 (1991).
などを持ち込んで読んでいる.
「マルクスその可能性の中心」は,その中心的なテーマである「貨幣形態論」が数学にならないか,と考えながら読んでいる.
「地獄の思想」と「ダンス・ダンス・ダンス」は,何度目かの再読である. 記録によれば,「地獄の思想」は 2001年と2009年に, 「ダンス・ダンス・ダンス」は 1991,1992,1993,1994,1995,1997年と読んでいたようだ. でも最近は読んでいなかったので細部はだいぶ忘れている.入院中は再読するのに良い機会かもしれない.

現在の座右の書というか,いま病室に持ち込んでいる本は,(講義準備のための教科書は別として)
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990).
だけだが,昨日,アマゾンで
G. Sobczyk, Matrix Gateway to Geometric Algebra, Spacetime and Spinors, Independently published (2019)
を衝動買いしてしまったので,それも読む予定だ.
1 March 2024

あ〜っと言う間に2024年,3月,弥生である.
2月は,京都大学に出張して見識を広めた.その他は札幌で 4月からの講義準備や3月の大阪公立大での学会の講演準備をして過ごしていた.
学会での講演は「サブリーマン空間の特異曲線とその周辺」である. まず,接分布とは何か,サブリーマン空間とは何か,特異曲線とは何か,ということを説明し, 一般に制御系について説明した後,具体的な接分布,とくに (2,3,5) 分布,(4,7) 分布,(8, 15) 分布に ついて特異曲線の状況を説明して,関連する話題に言及する予定である.
引き続き,(8, 15) 分布の研究もして,さらに, 幾何の入門書の執筆もちょっとずつだが続けていた.

研究・教育の時間以外には,
ラテン語さん「世界はラテン語でできている」SB新書 (2024)
安部公房「第四間氷期」新潮文庫 (1970)
柄谷行人「マルクスその可能性の中心」講談社 (1978)
などを読んでいる.
もともとラテン語には興味があって度々勉強しようかなと思っていても三日坊主に終わっている.「世界はラテン語でできている」はおもしろい.日頃使っている言葉も語源をたどればラテン語だったりする、ということが沢山書かれていて為になる.ニュートンもガウスもラテン語で有名な定理を発表していた.なるほど.
安部公房は「壁」や「砂の女」を始めとして昔は好きで沢山読んでいて,いまも本棚に並んでいるが, 最近は全然読んでいなかった.いろいろ読んでいた中で「第四間氷期」はまだ読んでいなかった(と思う)ので,読み始めてみた.電子計算機(今なら AI?)に未来を予測させる話だ.時代を感じさせるのは仕方ないが,嫌いではない.
「マルクスその可能性の中心」も昔にちょっとだけ読んで,あとは本棚にずっとあった本である. 改めて読み直して,1ページ目にエピクロスやスピノザの名前が登場しるのに気づいて今さらながら少しだけ驚いた.また三日坊主になるかもしれないが,少し読み進めてみるつもりだ.

現在の座右の書は先月から変化がないので省略します.

2 February 2024

あ〜っと言う間に2024年,2月,如月である.
1月は金沢に出張で研究会に参加・講演を予定していたが,種々の都合で出張は中止して,オンライン講演に変更して発表した.
というわけで,1月は,結局ずっと札幌に居て,教育に関しては,線形代数学の授業準備,期末試験の採点,追試の採点,レポートの採点などをしたりしながら,4月から新たに担当予定の微積分の授業準備も行なっていた. 研究に関しては,数理研講究録の原稿や,投稿論文の査読,掲載論文のレビューを書いたり,3月の大阪大学での日本数学会での講演予稿をまとめたりしていた.また,引き続き,(8, 15) 分布の研究をして,さらに, 幾何の入門書の執筆もちょっとずつだが続けていた.

研究・教育の時間以外には,
アーサー・コナン・ドイル「失われた世界」中原尚哉 訳,創元SF文庫,東京創元社 (2020)
を(珍しく)最後まで読み切った.さらに,
ジェームス・ヴィンセント「計測の科学 -- 人類が生み出した福音と災厄」小坂恵理 訳,築地書館 (2024)
森 博嗣「静かに生きて考える」KKベストセラーズ (2024)
なども読み始めたところだ.
「失われた世界」(The lost world) は昔読んだはずだったが,内容はすっかり忘れていて,結末も,へえ〜,こんな感じだったんだと改めて知った.
「計測の科学」は,計測の歴史をおもしろい切り口で述べている. 「計測」というのは,数学は計測から始まったのは確かだが,実は私が一番苦手な方向性であり, 物事を正確に計る(測る)能力はまったくないので,大変為になりおもしろい内容である.
森 博嗣さんの小説は,理系の推理小説で, 「すべてが F になる」とか,「冷たい密室と博士たち」とか,昔,楽しく読んでいた. 「静かに生きて考える」は森さんのエッセーで表題に惹かれて買って読んでみているところだ. とにかく,静かに生きて考えるのは,私の理想である,が,なかなかうまくいかずに,だいたい騒々しく生きてじっくり考えられない,というのが現実ではある.まあいいけど.

現在の座右の書:
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989). 勉強になります.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
S. Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978). 眺めています.
Cap, Slovak, Parabolic Geometries I, Background and General Theory, Amer. Math. Soc., (2009). 勉強になります.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
ポントリャーギン数学入門叢書「最適制御理論における最大値原理」(POD版)坂本實 訳,森北出版 (2009).
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete, 3 Folge, Band 32, A Series of Modern Surveys in Mathematics, Springer (1996). おもしろい内容です.
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004). 勉強になります.
Neuromathematics of Vision, G. Citti, A. Sarti, ed. Springer (2014). 論文集ですが,その中の5章の Cuspless Sub-Riemannian Geodesics within the Euclidean Motion Group SE(d) を読んでいます.おもしろい.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (4, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
Bonnard, Chyba, Singular Trajectories and their Role in Control Theory, Mathematics and Applications 40, Springer (2003). ときどき眺めています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.

1 Jan. 2024

あ〜っと言う間に2024年,新年の元旦である.今年もよろしく!
年末は3月の学会講演の予稿書きをして,あとはテレビを見て,「失われた世界」を読みながら,ゴロゴロ過ごしていた.
元旦は,例年通り,お雑煮とおしるこを戴いた後,北海道神宮に初詣に行って来た.神宮の梅酒を買って, 今年もおみくじを引いた.
「中吉」だった.「苦しい事,つらい事,悲しい事,凡てが神様から与えられた試練なのです. 仕事を大切にし,真心を尽くして家庭を守りましょう.」と書いてある. なるほど,はい,そうします.それから,「願事」の項目は「他人の助により望み事叶う急ぐな」とある.はい,急ぎません. 「旅行」は「遠くは行かぬが利」とある.今年はシドニーで久々に研究会があるとK先生から知らせがあったが, どうしよう.「学問」は「雑念をすて目標をたてよ」.はい,雑念は捨てます.「恋愛」は「自己を抑えよ」. はい,でも抑えられるかどうか...
では,今年も引き続きどうぞよろしくお願いします.
27 Dec. 2023

あ〜っと言う間に2023年も残りわずかである.
12月は滋賀大学に空間識の勉強で出張し,また,福島に帰省した. そして,札幌では,線形代数学の授業準備をしたり,投稿論文の査読,掲載論文のレビューをしたり, 来年1月の金沢での研究会の講演や3月の大阪大学での日本数学会での企画講演を構想を引き続き考えたり,来年度の微分積分学の講義準備を始めたり,また3月の静岡大学での講演の下準備を始めたりしていた.幾何の入門書の執筆もがんばって続けて,毎日なんとか元気に生まれ変わっている.

現在は F_4 幾何と関係する (8, 15)分布の特異曲線について,M先生に教えてもらったり,S先生の講演録を眺めたりしながら,いろいろ考えて楽しんでいる.

皆様,どうぞ良いお年をお迎えください.

研究・教育の時間以外には,
アーサー・コナン・ドイル「失われた世界」中原尚哉 訳,創元SF文庫,東京創元社 (2020)
ヌッチョ・オルディネ「無用の効用」栗原俊秀 訳,河出書房新社 (2023),
などを読んでいた.また,
大栗博司「大栗先生の超弦理論入門---九次元世界にあった究極の理論」ブルーバックス B-1827,(2013),
も引き続き読んでいた.
失われた世界(The Lost World)は,シャーロック・ホームズのシリーズで有名なドイルのSF小説である.以前の版,コナン・ドイル「失われた世界」龍口直太郎 訳,創元推理文庫 608 (1970) を40年近く前に読んだが,最近,新訳でしかも挿絵も付いたということを知ったので購入して読んでみている.やはりおもしろいし,なつかしい.
「無用の効用」もおもしろい.今は,第1部の「文学は〈役立たず〉だが〈役にたつ〉」を読んでいるが, 第2部は「企業としての大学と,顧客としての学生」,第3部は「所有することは殺すこと---人間の尊厳,愛,真理」と続く.とくに第3部4章のタイトルは「真理を所有することは,真理を殺すこと」となっている.これは,(著者の意図とはずれるかもしれないが)まさに数学の公共性・汎用性の精神そのものである.

現在の座右の書:
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989). 勉強になります.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
松島与三「リー環論」共立出版 (1956).再読です.勉強になります.
竹内 勝「実リー代数の実既約表現」梅原雅顕 記,大阪大学数学講義録 vol.3 (1996).
J.F. Adams, Lectures on Exceptional Lie Groups, Chicago Lectures in Mathematical Series, The University of Chicago Press, (1996).
ポントリャーギン数学入門叢書「最適制御理論における最大値原理」(POD版)坂本實 訳,森北出版 (2009).
V.I.アーノルド「カタストロフ理論」蟹江幸博 訳,現代数学社 (1985).
J.Damon, P.Giblin, G.Haslinger, Local Features in Natural Images via Singularity Theory, Lecture Notes in Math. 2165 (2016). 勉強になります.
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete, 3 Folge, Band 32, A Series of Modern Surveys in Mathematics, Springer (1996). おもしろい内容です.
Neuromathematics of Vision, G. Citti, A. Sarti, ed. Springer (2014). 論文集ですが,その中の5章の Cuspless Sub-Riemannian Geodesics within the Euclidean Motion Group SE(d) を読んでいます.おもしろい.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (4, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.

3 Dec. 2023

あ〜っと言う間に2023年の12月 December である.
11月は数理研に出張し講演を行なった.今回の題目は「 (3, 5) 分布の特異曲線」である. 以前から研究している (2,3,5) 分布(Cartan 分布)に関連して,(2,3,5) 分布には現れない (3, 5) 分布に含めて, すべての(3,5) 分布の特異曲線を決定し,その特異曲線の空間に接触構造とラグランジュ錐構造が定まり,その錐構造を制御系と見たとき,特異曲線の空間がもとの5次元空間となり,その上も (3,5) 分布が誘導される,ということを示した. その他,線形代数学の授業準備,中間試験の採点,追試の採点,レポートの採点などをして,投稿論文の査読,掲載論文のレビュー,などを行なった.来年1月の金沢での研究会の講演や3月の大阪大学での日本数学会での講演の構想を考えたりしていた.引き続き幾何の入門書の執筆も続けている.
こんな具合で,退職したのに結構忙しく,引き続き元気に毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
大栗博司「大栗先生の超弦理論入門---九次元世界にあった究極の理論」ブルーバックス B-1827,(2013),
モーム「月と六ペンス」行方昭夫 訳,岩波文庫 32-254-2,岩波文庫 (2005),
G・ガルシア=マルケス「百年の孤独」鼓 直 訳,新潮・現代世界の文学,新潮社,(1972),
などを読んでいた.
大栗さんの啓蒙書は何冊が読んだが,「超弦理論入門」はまだ読んでいなかったので,読んでみている. 空間は幻想である,時間は幻想か,ということだ.おもしろい.
「月と六ペンス」は,画家のゴーギャンの生涯をモデルとした小説である. 何十年も前に,世界文学全集 40 サマセット・モーム,河出書房新社 昭和36年の中のもの(阿部知二 訳)を読んで感銘を受けたが,その後,2005年の新潮文庫版も買って何度が読もうと思ったが,何度も途中で挫折している.今回はどうだろう.
「百年の孤独」も以前に読んだものの再読である.この小説の饒舌さ,猥雑さは何度読んでもおもしろい. 記録によれば,前回は 2012年に読んでいる.11年前だ.今回はどうか.

現在の座右の書:
ポントリャーギン数学入門叢書「最適制御理論における最大値原理」(POD版)坂本實 訳,森北出版 (2009).
V.I.アーノルド「カタストロフ理論」蟹江幸博 訳,現代数学社 (1985).
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete, 3 Folge, Band 32, A Series of Modern Surveys in Mathematics, Springer (1996). おもしろい内容です.
R. Hartshorne, Algebraic Geometry, Graduate Texts in Mathematics, 52, Springer (1977). 一度読んでみたかった本です.
Neuromathematics of Vision, G. Citti, A. Sarti, ed. Springer (2014). 論文集ですが,その中の5章の Cuspless Sub-Riemannian Geodesics within the Euclidean Motion Group SE(d) を読んでいます.おもしろい.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (4, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.

1 Nov. 2023

あ〜っと言う間に2023年の11月 November である.
10月は非常勤で教えている講義の準備やレポートの採点や,依頼された論文の査読とレポート書き, 新しい共著論文の執筆と投稿,雑誌から依頼のあった特集記事の執筆の仕上げなどをしていた. また,11月の数理研での研究集会での講演の準備を始めたり, 来年1月の金沢での研究会の講演や3月の大阪大学での日本数学会での講演の構想を考えたりしていた. 引き続き幾何の入門書の執筆も続けている.

古代ローマ時代からある陸上競技の「やり投げ」と「円盤投げ」の違い,あるいは,「ロケット・ミサイル」と「空飛ぶ円盤(UFO)」の運動学的な違いは何か? やり投げの槍やロケットは,瞬間的にある1次元方向に進む.円盤投げの円盤やUFOは,その構造によるが, 瞬間的に進行方向が2次元的・平面的であると見なされる. すると,やり投げやロケットは,(3, 5) 分布の積分曲線で記述される. 円盤投げやUFOは,(4, 5) 接触分布,5次元空間の接触構造の積分曲線として記述される.そして, (3, 5)分布と (4, 5) 接触分布の間にはある種の「双対性」がある,ということを最近考えている.

こんな具合で,退職したのに結構忙しく,引き続き元気に毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
ヴィンチェンツォ・ヴィヴィアーニ「ガリレオ・ガリレイの生涯」田中一郎訳,岩波文庫 33-955-1,岩波書店 (2023),
宮沢賢治「新編 銀河鉄道の夜」新潮文庫 み-2-5, 新潮社 (1989),
「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上,下」杉浦明平訳,岩波文庫 33-550-1, 33-550-2,岩波書店 (1954,1958),
などを読んでいた.
ガリレオ・ガリレイについては,以前から,振り子の等時性や地動説などに関して,いろいろな科学書を通して知っているし,昔 T先生から教えたもらった「新科学対話,上,下」(岩波文庫)を眺めたり, セミナーを担当している学生さんから教えてもらった彼の著者「偽金鑑識官」(中公クラシック)を読んだりしていたが,最近出版された「ガリレオ・ガリレイの生涯」も読んでみた.彼の時代の宗教的制約の強さを含めて,(現代でもいろいろな制約はあるが)感慨深くおもしろかった.
「ガリレオ・ガリレイの生涯」を読んでいたら,訳註の中に,カンパネッラの名前が出てきたので,「銀河鉄道の夜」をつい思い出して,愛読書の宮沢賢治「銀河鉄道の夜」をまた読み始めたところだ.なつかしくおもしろい.
「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記」も昔から機会があるたびに眺めている本である.改めて上巻から読んでみると, (公表するつもりのない手記だったからだろうが,)かなり辛辣なことも記されている. たとえば,上巻 p.191 には「師を凌ぐことなき弟子はやくざものだ」とある.そんなことを言っても仕方ないのに...

現在の座右の書:
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete, 3 Folge, Band 32, A Series of Modern Surveys in Mathematics, Springer (1996). おもしろい内容です.
R. Hartshorne, Algebraic Geometry, Graduate Texts in Mathematics, 52, Springer (1977). 一度読んでみたかった本です.
Neuromathematics of Vision, G. Citti, A. Sarti, ed. Springer (2014). 論文集ですが,その中の5章の Cuspless Sub-Riemannian Geodesics within the Euclidean Motion Group SE(d) を読んでいます.おもしろい.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
Frederic Pham, Singularites Des Systemes Differentiels De Gauss-Manin, Progress in Math. 2, Birkhauser, (1979).
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold , S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, I, Birkhauser (1985), 愛読書です.
V.I. Arnold, S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
青本和彦,喜多通武「超幾何関数論」シュプリンガーフェアラーク (1994), 大変勉強になります.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (4, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
T.A. Ivey, J.M. Landsberg, Cartan for Beginners: Differential Geometry via Moving Frames and Exterior Differential Systems, Amer. Math. Soc. (2003). 再読です.勉強になります
E. Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. Inc. New York (1981). 勉強になります.
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.

1 Oct. 2023

あ〜っと言う間に2023年の10月 October である.
9月の前半は10月からの講義の準備や論文の査読, 編集委員をしている専門書のシリーズの新刊の予稿の査読,査読から帰ってきた投稿原稿の修正を行なった. 雑誌から依頼のあった特集記事も執筆している. 幾何の入門書の執筆も続けていた.休日にエスコンフィールドに日ハムの試合を見に行ったりもした.
9月後半はワルシャワでの研究会に参加した.Janeczkoさんの70歳の記念研究集会である. 久々の海外出張だった.2週間弱の滞在だった.ワルシャワへは何度も訪問している. コロナ後もワルシャワは以前と変わっていず,懐かしく感じたが,(円安の影響か)物価は日本と 同程度になっていた. こんな具合で退職したのに結構忙しく,引き続き元気に毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
養老孟司「形を読む --- 生物の形態をめぐって」講談社学術文庫 (2020),
を引き続き読んでいた.また,
ヌッチョ・オルディネ「無用の効用」栗原俊秀 訳,河出書房新社 (2023),
安部公房「死に急ぐ鯨たち」新潮文庫 (1991),
などを読んでいた.
「形を読む」は幾何学者として気になる内容がたくさん書かれている.
「無用の効用」はいささか衝動買いで買ってしまった本だが, 少しずつ眺めている.ダンテやシェイクスピア,プラトン,カント,モンテーニュ,ボードレール, ハイデガーなどを引用して,役に立たないことが実は役に立つ,ということを切々と説いている.おもしろい.
安部公房さんの小説や評論は昔好んで読んでいた.「死に急ぐ鯨たち」も久しぶりに本棚から引っ張り出して,なつかしい感じでページをめくっているところである.

現在の座右の書:
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete, 3 Folge, Band 32, A Series of Modern Surveys in Mathematics, Springer (1996). おもしろい内容です.
Neuromathematics of Vision, G. Citti, A. Sarti, ed. Springer (2014). 論文集ですが,その中の5章の Cuspless Sub-Riemannian Geodesics within the Euclidean Motion Group SE(d) を読んでいます.おもしろい.
R. Hartshorne, Algebraic Geometry, Graduate Texts in Mathematics 52, Springer (1977). 勉強中です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold , S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, I, Birkhauser (1985), 愛読書です.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
J.Damon, P.Giblin, G.Haslinger, Local Features in Natural Images via Singularity Theory, Lecture Notes in Math. 2165 (2016). 勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Springer (1996). 勉強中です.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
T.A. Ivey, J.M. Landsberg, Cartan for Beginners: Differential Geometry via Moving Frames and Exterior Differential Systems, Amer. Math. Soc. (2003). 再読です.勉強になります
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
E. Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. Inc. New York (1981). 勉強になります.
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.
高木貞治「代数的整数論 第2版」岩波書店 (1971).昔からの愛読書です.
4 Sept. 2023

あ〜っと言う間に2023年の9月 September である.
8月は,北大での線形代数学の授業の成績評価をした.論文査読やMathreview用の原稿をいくつか書いた. 写像の特異点の一つのクラスである「フロンタル」に関する解説論文を仕上けた. (4, 7)分布の特異曲線や (8, 15)分布の特異曲線に関する共同研究を進めた. (3, 5) 分布についても(以前の研究を思い出しながら)新たな論文の構想を考え始めた. 8月中旬に奈良女子大でのトポロジーシンポジウムに出張して勉強した.鰻も食べた. 広島大での幾何学シンポジウムにも出張して勉強した.お好み焼きも食べた. 9月の海外出張での parametric Lagrangian varieties に関する講演の準備を始めた. 編集委員をしている専門書のシリーズの新刊の予稿を読んで勉強している. 幾何の入門書の執筆も続けている. 来年度以降の科研費の幾何学的特異点論に関する申請書類をまとめ応募した.採択されれば喜ばしい. また,北大理学部同窓会への寄稿「退職にあたって」をこれまでのことをいろいろ思い出して書いた. 田舎の福島にも帰っていろいろやっていた.退職したのに結構忙しく,引き続き元気に毎日生まれ変わっていた.
研究・教育の時間以外には,
養老孟司「形を読む --- 生物の形態をめぐって」講談社学術文庫 (2020),
を読み始めた.また,引き続き,
林芙美子「放浪記」新潮文庫 (1979),
司馬遼太郎「菜の花の沖 第一巻」文春文庫 (2000),
を読んでいた.
「形を読む」は,第1章「自己と対象」第2章「形態学とは方法」あたりを読んでいるところである.とても面白い. 幾何学は結局,形に関する数学なので,その意味でも興味深い.ルネ・トムの「構造安定性と形態形成」,トム他の「形態と構造」や,トムソンの「生物のかたち」も書棚から引っ張り出して眺め返している.ところで,この「形を読む」 の中に,養老先生の有名な「馬鹿の壁」という言葉も出てくる.なるほど.

現在の座右の書,は今回は省略する.
2 August 2023

あ〜っと言う間に2023年の8月 August である.
7月も北大で線形代数学の授業をしたり,期末試験をして採点したり, 論文のために計算をしたり,勉強したり,論文レビューをしたり,査読をしたり, 幾何の入門書を書いたりしながら, 空間識のCRESTの研究会で東工大に出張して講演を聴いたり, 福島に帰っていろいろやったりと,退職したのに引き続き結構忙しく, 元気に毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
林芙美子「放浪記」新潮文庫 (1979),
司馬遼太郎「菜の花の沖 第一巻」文春文庫 (2000).
ドリアン助川「寂しさから290円儲ける方法」産業編集センター (2023).
などを読んでいた.
「放浪記」は林芙美子の半生記である.以前から本棚に並んでいたが読んだことがなかった.まだ最初の部分を読んでいるだけだが,歯切れがよい文章で小気味良い.
「菜の花の沖」は淡路島生まれの商人,高田屋嘉兵衛の物語である.北海道(蝦夷)やロシアが関わってきて興味深い.司馬遼太郎の長編小説はたくさん読んでいるが,「菜の花の沖」はまだ読んでいなかった.
「寂しさから290円儲ける方法」は amazon で個人ページにお薦めで出てきたので衝動買いをして読んでいる.ドリアン助川さんの著作は以前も「バカボンのパパと読む「老子」」や「あん」などを読んでいて,どれもおもしろかった.それらも以前 amazon で購入したのかもしれない.それはともかく,「寂しさから...」の内容は,相談料290円だけで,困っている人や悩める人に自作の料理を作って届けて相談にのる(ただし材料費・旅費などの実費は別),というお話である.なかなかおもしろい.

現在の座右の書:
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold , S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, I, Birkhauser (1985), 愛読書です.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はまだまだできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
J.Damon, P.Giblin, G.Haslinger, Local Features in Natural Images via Singularity Theory, Lecture Notes in Math. 2165 (2016). 勉強になります.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Springer (1996). 勉強中です.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
T.A. Ivey, J.M. Landsberg, Cartan for Beginners: Differential Geometry via Moving Frames and Exterior Differential Systems, Amer. Math. Soc. (2003). 再読です.勉強になります
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
E. Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. Inc. New York (1981). 勉強になります.
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.
高木貞治「代数的整数論 第2版」岩波書店 (1971).昔からの愛読書です.
1 July 2023

あ〜っと言う間に2023年の7月 July である.
6月も,北大での非常勤で週1回線形代数学の授業をしたり,提出課題の採点をしたり, 以前の指導院生のセミナーをしたりしていた, また,共同研究の原稿を考えたり,その関連で,有理曲線がたくさんあるような代数多様体上で, 有理曲線による制御理論を考えてみたり,その一方で, フロンタル概説論文の原稿をまとめたり,論文のレビューをいくつか書いたり, 幾何の入門書の原稿を少しずつ書いたりしていた.
また,空間識のCRESTの研究会で名古屋大学に出張して講演を聴いたり, 福岡工大での特異点の研究会に出席して講演したり, 福島に帰っていろいろやったりと,退職したのに引き続き結構忙しく, 元気に毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
中島 敦「李陵・弟子・名人伝」角川文庫 (1968),
ポアンカレ「科学と仮説」河野伊三郎訳,岩波文庫 (33-902-1) (1959 改版),
筒井康隆「文学部唯野教授」岩波書店 (1990) ,
などを読んだり,眺めたりした.
「李陵・弟子・名人伝」は中島敦の短編集で,もともとはその中に収録されている「山月記」を読みたくて学生時代に買った本だ.今回は「李陵」を読んでいる.漢の将軍である李陵が匈奴の捕虜になった後の話である.史記を書いた司馬遷の話も出てくる.おもしろい.
「科学と仮説」も昔から持っている本であるが,まだちゃんと読んだことはない.幾何学的空間,表象的空間,視覚空間などについてポアンカレのアイディアが書かれている部分を読んでいる.おもしろい.
「文学部唯野教授」は,本棚を整理したら出てきたので眺めている.やはりおもしろい.

現在の座右の書:
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998). ときどき読み返しています.
V.I. Arnold , S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, I, Birkhauser (1985), 愛読書です.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はできていないですが.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
J. Petitot, Elements of Neurogeometry, Functional Architectures of Vision, Springer (2017). 勉強中です.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布と (8, 15) 分布の勉強をしています.
内山 勝,中村 仁彦「ロボットモーション」岩波書店 (2004).勉強になります.
東山篤規「両眼視空間と輻輳の機能」日本心理学会,東京大学出版会 (1987). おもしろく読ませてもらっています.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989). 勉強になります.
A. Borel, Linear Algebraic Groups, (Second Enlarged Edition), Springer, 1991. 参考になります.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
J. Kollar, Rational Curves on Algebraic Varieties, Springer (1996). 勉強中です.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
F.R. Harvey, Spinors and Calibrations, Academic Press (1990). 勉強になります.
T.A. Ivey, J.M. Landsberg, Cartan for Beginners: Differential Geometry via Moving Frames and Exterior Differential Systems, Amer. Math. Soc. (2003). 再読です.勉強になります.
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.
高木貞治「代数的整数論 第2版」岩波書店 (1971).昔からの愛読書です.
1 June 2023
あ〜っと言う間に2023年の6月 June である.
5月も,北大での非常勤で週1回線形代数学の授業をしながら, 以前の指導学生のセミナーをしたり, 以前の指導学生の学位論文に関する質問を受けたり,それから, 概説論文の原稿を書き進め,論文のレビュー数編を書き, 幾何の入門書の原稿を少しずつ書き,その他,いろいろやって,退職したのに結構忙しく, 元気に毎日生まれ変わっていた.
月末には久々に(コロナがあったので何年かぶりに)車で余市に墓参りに出かけた.そして例年通り,かきざき商店で赤ウニ丼を食べてきた.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「目的への抵抗」新潮新書 991 (2023),
司馬遼太郎「ロシアについて 北方の原形」文春文庫 (1989),
村上春樹「街とその不確かな壁」新潮社 (2023),
などを読んでいた.
「目的への抵抗」はコロナ危機のときの行動制限にかんする考察を行っている.さすが哲学の力量発揮 という感じでとてもおもしろい.
「ロシアについて」もやはりおもしろい.何度読んでもおもしろい.
「街とその不確かな壁」はおもしろいのか,おもしろくないのか,まだわからない.

現在の座右の書:
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.
高木貞治「代数的整数論 第2版」岩波書店 (1971).昔からの愛読書です.
1 May 2023
あ〜っと言う間に2023年の5月 May である.
4月は,北大での非常勤で週1回線形代数学の授業をしながら,概説論文の原稿を書き進め,論文のレビューを書き, 幾何の入門書の原稿を書き,退職教員へのインタビューを受けたり, リジェクトされた共著論文を別の雑誌に投稿したり,それから職安を訪れたりして,元気に毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
村上春樹「街とその不確かな壁」新潮社 (2023),
國分功一郎「スピノザ --- 読む人の肖像」岩波新書 1944 (2022),
みうらじゅん編「清張地獄八景」文春文庫 (2021),
司馬遼太郎「ロシアについて 北方の原形」文春文庫 (1989),
などを読んでいた.
「街とその不確かな壁」はまだ読み始めたばかりだが,村上春樹の作品を読むのは久しぶりなので楽しみにしている.
「スピノザ」は,まだ第1章の「読む人としての哲学者」のところで止まっている.スピノザ物理学とスピノザ哲学などの話はおもしろいがなかなか読み進められない.
「清張地獄八景」は松本清張に関するマニアックな本である.再読である.おもしろい.
「ロシアについて」は再読である.ロシアの存在はやはり難しいがおもしろい.

現在の座右の書:
Jean Martinet, Singularities of Smooth Functions and Maps, LOndon Mathematical Society Lecture Note Series 58, Cambridge Univ. Press (1982). 通して読んだことはない愛読書です.
A. Kock, Synthetic Geometry of Manifolds, Cambridge Univ. Press (2010). 綜合幾何版の多様体論です.おもしろい.
A. Kock, Synthetic Differential Geometry, 2nd ed., London Math. Soc., Lecture Note Series, 333, Cambridge Univ. Press (2006). 綜合微分幾何は写像の特異点論と関係しています.おもしろい.
Bruce, Giblin, Curves and Singularities, 2nd ed. Cambridge Univ. Press (1992). 勉強になります.
野口 広,福田拓生「初等カタストロフィー」共立全書,共立出版 (1976). 本当に大変お世話になっている本です.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
久保亮五教授還暦記念事業実行委員会編「統計力学の進歩」裳華房 (1983). 勉強になります.
鈴木増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015). とても勉強になります.
ランダウ・リフシッツ「統計物理学 第2版 上」岩波書店 (1966). 大変勉強になります.
高木貞治「代数的整数論 第2版」岩波書店 (1971).昔からの愛読書です.
3 April 2023
あ〜っと言う間に2023年の4月 April である.
3月は,私の退職記念の研究会を北大で開催してもらった.いろいろな興味深い講演を聴き,また, 自分でも二重数の特異点の話,フロンタル・ジットの話,(4,7)分布とトーラスの代数曲線の話をさせてもらった. 幸せだった.それから,図書委員と学術雑誌の編集の最後の仕事をしたり, 明け渡す研究室の片付けをしたりしていた. また,概説論文の原稿を書き進めたり,論文のレビューを書いたり, 幾何の入門書の原稿を書き始めたりして,毎日生まれ変わっていた. いままでも数学は楽しんでやってきたが,今後は,さらに楽しんで,できれば変な数学, 数学の辺境を極めていきたいと思う.

研究・教育の時間以外には,
カズオ・イシグロ「日の名残り」土屋政雄訳,ハヤカワ epi 文庫,早川書房 (2001),
黒岩徹「イギリス式人生」岩波新書 497 (1997),
それから,
橋爪大三郎「言語ゲームの練習問題」講談社現代新書 2689 (2022),
などを引き続きを読んでいた.
「日の名残り」は以前読み始めて,途中で止まっていたこのを再開したところである.六日間の話の三日目を 読んでいる.イギリス的である.だんだんおもしろくなってきた.
「イギリス式人生」も,以前少し読んでいたのを再読している.イギリスに関わる随筆である. たとえば「古さこそ最高」「独創性をつくる」など,おもしろい話が載っている.
「言語ゲームの練習問題」は,定理の連鎖で書かれている.ユークリッドの原論の形式をまねたスピノザの 「エチカ」のような書き方をしている.おもしろい.

現在の座右の書:
Jean Martinet, Singularities of Smooth Functions and Maps, LOndon Mathematical Society Lecture Note Series 58, Cambridge Univ. Press (1982). 通して読んだことはない愛読書です.
A. Kock, Synthetic Geometry of Manifolds, Cambridge Univ. Press (2010). 綜合幾何版の多様体論である.おもしろい.
A. Kock, Synthetic Differential Geometry, 2nd ed., London Math. Soc., Lecture Note Series, 333, Cambridge Univ. Press (2006). 綜合微分幾何は写像の特異点論と関係している.おもしろい.
Bruce, Giblin, Curves and Singularities, 2nd ed. Cambridge Univ. Press (1992). 勉強になります.
野口 広,福田拓生「初等カタストロフィー」共立全書,共立出版 (1976). 本当に大変お世話になっている本です.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold , S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, I, Birkhauser (1985), 愛読書です.
V.I. Arnold, Singularity Theory, Selected Papers, London Math. Soc. Lecture Note Series, 53 (1981). これも愛読書です.通読はできていないですが.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
横田一郎「例外型単純リー群」現代数学社 (1992), 例外群 F_4 の勉強をしています.
5 March. 2023
あ〜っと言う間に2023年の3月 March である.
2月は,授業の成績をつけたり,図書委員と学術雑誌の編集の仕事をしたり, 共著論文の構想を練ったり,3月の北大での研究会の講演準備をしたり, 研究室の片付けをしたりしていた. また,概説論文の原稿を書き進めたり,論文のレビューを書いたり, 幾何の入門書の原稿を書き始めたりして,毎日生まれ変わっていた.
2月15日には,最終講義(講演)をさせてもらった. 題目は「数学周遊記」とした.英訳すると,Voyage round Mathematics. 司馬遼太郎の随筆「ロシアについて」に登場するロシアの探検家クルーゼンシュテルンの航海記 Voyage round the Worlds から連想したタイトルである.周遊記といっても,数学の極めて狭い範囲をぐるぐる回っていただけだが, 近所のまわりを回っても地球一周には違いない,それと同じだ. 最終講義のスライドの準備のために,いままでのことを思い出すことができて,いままで 周囲の人たちにいかにお世話になっていたか,いまもお世話になっているか, 改めて(今さらですが)深く実感した.講演の準備も講演自体もたいへん楽しませていただいた. ありがとうございます.今後も引き続きどうぞよろしくお願いします.

研究・教育の時間以外には,
橋爪大三郎「言語ゲームの練習問題」講談社現代新書 2689 (2022),
を読んだり,
東畑開人「聞く技術 聞いてもらう技術」ちくま新書 1686 (2022),
伊藤之雄「伊藤博文 近代日本を作った男」講談社学術文庫 (2015),
などを先月から引き続き読んでいた.
橋爪大三郎さんの本は好きでよく読んでいる. 以前,橋爪大三郎さんの「はじめての言語ゲーム」も楽しく読んだ.言語学者ヴィットゲンシュタイン が世界のあり方として,言語ゲームというものを考えた.その言語ゲームについてよりわかりやすく, 練習問題という形で解説している.おもしろい.ヴィットゲンシュタインといえば, 「ウィットゲンシュタインの講義 数学の基礎編 ケンブリッジ 1939年」講談社学術文庫,も私の愛読書である.
「聞く技術 聞いてもらう技術」はゆっくり読んでいる.孤独と孤立の違いなどが書いてある.おもしろい.
「伊藤博文 近代日本を作った男」は,伊藤博文という,ある意味,現在の日本のあり方の基礎を作った人に ついての評伝であり,おもしろい.

現在の座右の書:
A. Kock, Synthetic Geometry of Manifolds, Cambridge Univ. Press (2010). 綜合幾何版の多様体論である.おもしろい.
A. Kock, Synthetic Differential Geometry, 2nd ed., London Math. Soc., Lecture Note Series, 333, Cambridge Univ. Press (2006). 綜合微分幾何は写像の特異点論と関係している.おもしろい.
Bruce, Giblin, Curves and Singularities, 2nd ed. Cambridge Univ. Press (1992). 勉強になります.
野口 広,福田拓生「初等カタストロフィー」共立全書,共立出版 (1976). 本当に大変お世話になっている本です.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.

2 Feb. 2023
あ〜っと言う間に2023年の2月 February である.
1月は,授業の準備や図書委員と学術雑誌の編集の仕事, 共著論文の構想を練り,2月,3月の講演準備,概説論文の原稿を書き,啓蒙的な記事を書き, 投稿論文の査読や論文のレビューを書き,幾何の入門書の構想も練りながら,毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
東畑開人「聞く技術 聞いてもらう技術」ちくま新書 1686 (2022).
伊藤之雄「伊藤博文 近代日本を作った男」講談社学術文庫 (2015),
小川 晢「地図と拳」集英社 (2022).
などを読んでいた.
「聞く技術 聞いてもらう技術」はなかなか為になる内容である.聞くのも,聞いてもらうのもともに難しい.特に,聞くには,技術以前に,心の余裕も必要だ.でも,聞くことからすべては始まり,聞くための基本的な技術や知識を知っているかどうかは大事である.そんなことが書いてある.おもしろい.
「伊藤博文 近代日本を作った男」の著者の伊藤さんは,私の大学時代の下宿先の先輩である.こんな本格的な評伝を書いている偉い学者だとは,つい最近まで知らなかった.おもしろい.
「地図と拳」は満州に関わる,中国とロシアと日本の物語(SF小説?)である.長春など中国の東北地方には何度か学会等で訪問したが,(フィクションとはいえ)興味深い内容である.

現在の座右の書:
A. Kock, Synthetic Differential Geometry, 2nd ed., London Math. Soc., Lecture Note Series, 333, Cambridge Univ. Press (2006). 綜合微分幾何は写像の特異点論と関係している.おもしろい.
Bruce, Giblin, Curves and Singularities, 2nd ed. Cambridge Univ. Press (1992). 勉強になります.
野口 広,福田拓生「初等カタストロフィー」共立全書,共立出版 (1976). 本当に大変お世話になっている本です.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
W. Guggenheimer, Differential Geometry, Dover, (1977). 興味深い内容です.
Wilhelm Blaschke, Vorlesungen uber Differentialgeometrie, Springer (1945). ドイツ語ですががんばって第9章のLiniengeometrie を読んでいます.
E. Artin, Geometric Algebra, Interscience Publ. (1957). 勉強になります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.

1 Jan. 2023
あ〜っと言う間に2023年の元旦である.明けましておめでとうございます.
今年はウサギ年なので,人の話をよく聞き,ぴょんぴょんと跳ねていろいろ挑戦したいと思っています. 今年の目標は,数学の研究の他に,英語とフランス語と中国語を勉強することです.理由は言わない. 初夢や 寝過ごして跳ねる 兎かな

昨年の12月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,毎日生まれ変わっていた. 講義準備(パラドックス入門と多様体入門)を行いながら,図書委員と学術雑誌の編集の仕事もして, また,共著論文の構想を練ったり,2月,3月の講演準備や,概説論文の原稿書きや啓蒙的な記事を書いたり, 投稿論文の査読や論文のレビューを書いたりしていた.幾何の入門書の構想も練っているところである.

新年は,元日に北海道神宮に初詣に出かけた.お参りして梅酒を買って,おみくじを引いた. 今年は「中吉」と出た.「元気を出して捨てるべきはすて進む所へ進め」との ことである.なるほど.いろいろ整理して新しく進めということか. 学問のところは「自己への甘えを断ち目標を定め」とのことである. はい,甘えた考えはきっぱりと捨てます.旅行は「思いきって出よ 吉」とのことなので,今年は久しぶりに海外出張に出かけたいと思っています.恋愛は「顔によらず心を選べ」,はい,心は大切ですね.がんばります.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「スピノザ --- 読む人の肖像」岩波新書 1944 (2022),
を引き続き読んでいた.それから,
中井久夫『「伝える」ことと「伝わる」こと』ちくま学芸文庫 (2012),
伊藤之雄「伊藤博文 近代日本を作った男」講談社学術文庫 (2015),
などを読んでいた.
スピノザの「エチカ」がユークリッドの原論の形式で書かれているが,それ以前のデカルトの「哲学原理」 がすでにその形式で書かれているということを知った.おもしろい.
『「伝える」ことと「伝わる」こと』は,医師の中井久夫さんの随筆である.「伝える」ということの難しさは身にしみている.為になる.

現在の座右の書:
Bruce, Giblin, Curves and Singularities, 2nd ed. Cambridge Univ. Press (1992). 勉強になります.
野口 広,福田拓生「初等カタストロフィー」共立全書,共立出版 (1976). 本当に大変お世話になっている本です.
ランダウ・リフシッツ「場の古典論= 電気力学,特殊および一般相対性理論=」広重 徹,恒藤 敏彦 訳,東京図書 (1964). これも大変お世話になっている本です.
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
W. Guggenheimer, Differential Geometry, Dover, (1977). 興味深い内容です.
Wilhelm Blaschke, Vorlesungen uber Differentialgeometrie, Springer (1945). ドイツ語ですががんばって第9章のLiniengeometrie を読んでいます.
E. Artin, Geometric Algebra, Interscience Publ. (1957). 勉強になります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.

26 Dec. 2022
あ〜っと言う間に2022年ももうじき終わりである.
今年もいろいろあって大変でしたが,毎日生まれ変わって,なんとか生き延びることができました.
また来年もよろしくお願いします.
では,よいお年を!
1 Dec. 2022
あ〜っと言う間に2022年も12月師走である.

11月は,埼玉大や横浜での国際研究集会に出張し,引き続き講義準備や大学院指導などを行っていた. 図書委員の仕事や Hokkaido Mathematical Journal の編集の仕事をしたり,論文の査読やレビュー解説を書いたり,CREST の空間識のプロジェクトの関係で三半規管の勉強をしたり,フロンタルのサーベイ論文を執筆し,また別に依頼された講演の準備を始めたり,関連した共著論文を書き進めたり,幾何学に関する啓蒙書(教科書)の構想を固めたり,いろいろやりながら毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「スピノザ --- 読む人の肖像」岩波新書 1944 (2022).
亀井勝一郎「読書論」旺文社文庫 (1968).
などを読んでいた.
「スピノザ --- 読む人の肖像」はまだ読み始めたばかりだが, スピノザが彼の代表的哲学書「エチカ」がなぜユークリッド幾何のような公理的方法で著されたか, がわかるかもしれない.興味深い.
「読書論」は多分中学生のときに買って読んだ本である.久しぶりに眺めている.「この世に書物がなかったならば」という話から始まる.おもしろい.

現在の座右の書:
Frederic Jean, Control of Nonholonomic Systems: From Sub-Riemannian Geometry to Motion Planning, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にMotion Planningをいかに応用するか?
Ludovic Rifford, Sub-Riemannian Geometry and Optimal Transport, BCAM Springer Briefs in Mathematics, Springer (2014). 空間識の問題にOptimal Transportをいかに応用するか?
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
W. Guggenheimer, Differential Geometry, Dover, (1977). 興味深い内容です.
Wilhelm Blaschke, Vorlesungen uber Differentialgeometrie, Springer (1945). ドイツ語ですががんばって第9章のLiniengeometrie を読んでいます.
E. Artin, Geometric Algebra, Interscience Publ. (1957). 勉強になります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990). 大変勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.

2 Nov. 2022
あ〜っと言う間に2022年も11月である.

10月は,上旬に奈良女子大と京都大数理研で講演を行った.その後, 講義準備(多様体論,多様体演習,数学パラドックス入門)を行ったり,大学院指導を行ったり, 図書委員の仕事や Hokkaido Mathematical Journal の編集の仕事をしたり,論文の査読やレビュー解説を 書いたり,CREST 関係の勉強をしたり,依頼されたサーベイ論文を書き始めたり,また別に依頼された講演の構想を考えたり,関連した共著論文のアイディアを考えたり,新しい幾何学に関する啓蒙書(教科書)の企画を考えたり,いろいろやりながら毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
司馬遼太郎「モンゴル紀行」街道を行く5,朝日文芸文庫 (1978).
を引き続き読んでいた.その他に.
國分功一郎「はじめてのスピノザ 自由へのエチカ」講談社現代文庫 2595 (2020).
伊藤亜紗編『「利他」とは何か』集英社新書 (2021).
ヨハネス・ケプラー「ケプラーの夢」講談社学術文庫 (1985).
などを読んでいた.
「モンゴル紀行」はウランバートルからゴビあたりを読んでいる.
「はじめてのスピノザ」は,しばらく放っておいたが,また第2章「コナトゥスと本質」から読み始めた. おもしろいが難しい.とにかくスピノザは興味深い.
『「利他」とは何か』は,第4章の「中動態から考える利他---責任と帰責性」から読み始めている. 中動態とは能動態と受動題とは異なる第3の「態」だそうである.おもしろい.
「ケプラーの夢」は昔買って,なかなか読めなかった本である.天文学のケプラーの法則で有名なケプラーが書いた月旅行のSFである.とても興味深い.

現在の座右の書:
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
W. Guggenheimer, Differential Geometry, Dover, (1977). 興味深い内容です.
Wilhelm Blaschke, Vorlesungen uber Differentialgeometrie, Springer (1945). ドイツ語ですががんばって第9章の Liniengeometrie を読んでいます.
E. Artin, Geometric Algebra, Interscience Publ. (1957). 勉強になります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990). 大変勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
A. Agrachev, D. Barilari, U. Boscain, A Comprehensive Introduction to Sub-Riemannian Geometry, Cambridge studies in advanced mathematics 181 (2020). ときどき眺めています.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003. 2次元代数上の射影幾何のところを読んでいます.

6 Oct. 2022
あ〜っと言う間に2022年も10月である.

9月は,北大で日本数学会があり,司会の仕事を分担した.月末には,M先生が来訪して共同研究を行った. 相変わらず,トロピカル幾何の入門書の翻訳の再確認,査読レポートと論文レビューなどを書いていた. また,新しい本の企画を考え始めた.10月からの授業の準備も少しずつ行っていた.また,10月初旬の講演2件の 準備も行った.そうこうしている間に,毎日生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
チェーホフ「シベリアの旅」「サハリン島」チェーホフ全集12,松下 裕 訳,ちくま文庫 (1994).
司馬遼太郎「モンゴル紀行」街道を行く5,朝日文芸文庫 (1978).
マーカス・デュイ・ソートイ「素数の音楽」富永 星 訳,新潮文庫 (2013).
などを読んでいた.
「シベリアの旅」「サハリン島」は村上春樹の本に出ていて,昔買ってあったのを読み始めたところである.シベリアやサハリンも,よく分からない興味深い場所である.おもしろい.
「モンゴル紀行」は,現在,著者がハバロフスクまで進んだところを読んでいる.(それから,イルクーツク,ウランバードルへと旅するようである.)いまではないが,極東ロシアは一度は訪問してみたい場所である.
「素数の音楽」も昔買って読まずにいた本である.素数は数学の魅力的な素材であることに間違いない.素数と言えば,やはりリーマン予想であろう.リーマン予想はいつ解けるのだろうか?

座右の書は今回は省略.

1 Sept. 2022
あ〜っと言う間に2022年も9月である.

8月は,1学期の授業の成績評価,先月から引き続いて共著論文の執筆,トロピカル幾何の入門書の翻訳の再確認, 査読レポートと論文レビューなどを書いていた.8月中旬には,久しぶりの出張で北見工大でのトポロジーシンポジウムに参加した.やはり対面の研究会はよい.この出張以外は,札幌で,学術雑誌HMJの編集や図書委員の仕事もしながら, 毎日生まれ変わっていた.

先月研究していた2次元リーマン多様体上の単位接束上のサブリーマン測地線のルジャンドル特異点の分類問題は解決したが,自然に,たとえば, 3次元リーマン多様体上の単位接束(今度は5次元接触多様体)上のサブリーマン測地線の ルジャンドル特異点の分類問題に導かれる.3次元空間のある位置とある方向から出発して, 別の位置の別の方向に最小エネルギーでいかに到達するか,という最適制御問題にどのような特異点が生じるか,ということである.人工衛星やロケットなどの制御に応用できるかもしれない.おもしろそうだ.

研究・教育の時間以外には,
司馬遼太郎「ロシアについて 北方の原型」文春文庫 (1989),
B. ラッセル「新訳 哲学入門」中村秀吉訳,現代教養文庫 (1964),
井上ひさし「泣き虫なまいき石川啄木」新潮社 (1986),
などを読んでいた.
「ロシアについて」は,以前読んだはずだが,すっかり内容を忘れていた.今回改めて読んだが, 大変おもしろかった.この本は,ロシアの特異性について,シビル汗の壁,海のシベリア,カムチャッカの寒村の大砲,湖と高原の運命,という文章から成っている.ロシアが広大な国になった経緯,ロシアと日本との関係,ロシアと西欧・東欧の関係,モンゴルや中国との関係...などなど,現在の世界情勢について,より深く理解する助けにもなる.ところで,その中に登場するクルーゼンシュテインの「世界周遊記(Voyage round the world)」に興味を持った.一度読んでみたいが,もともとはロシア語で書かれていて,日本語訳があまりないようなので,英訳で読むしかないか.まあそのうちに.
ラッセルの「哲学入門」は,昔,大学1年のときのサークルの先輩のKさんが勧めてくれて少し読んでそのままになっていた本である.とてもわかりやすく書かれているはずなので,昔の文庫本なので,活字が小さめなのが難点だが,今回はちゃんと読み進めたい.
「泣き虫なまいき石川啄木」は,これも昔に買って,あまり読まずに置いてあった戯曲だが,先月読んでいたドナルド・キーン「石川啄木」の流れで読み始めたところだ.井上ひさしの作品を読むのは,エッセイ以外だと「吉里吉里人」以来かもしれない.おもしろい.

現在の座右の書:
少し整理して座右の山を少し低くした.
W. Guggenheimer, Differential Geometry, Dover, (1977). 興味深い内容です.
Wilhelm Blaschke, Vorlesungen uber Differentialgeometrie, Springer (1945). ドイツ語ですががんばって第9章の Liniengeometrie を読んでいます.
E. Artin, Geometric Algebra, Interscience Publ. (1957). 勉強になります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990). 再読です.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990). 大変勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.

4 August 2022
あ〜っと言う間に2022年も8月である.

7月は 期末試験の問題作成と採点,複数の共著論文の執筆,トロピカル幾何の入門書の翻訳の再確認, 依頼された査読レポートや論文レビューの仕上げ,学術雑誌HMJの編集や図書委員の仕事もしながら, 札幌で何度も生まれ変わっていた.

2次元リーマン多様体(リーマン曲面)上の測地線は興味ある対象だが,リーマン曲面上の単位接束上のサブリーマン構造に関するサブリーマン測地線を曲面に射影したときの特異点,つまりルジャンドル特異点も興味深い対象である.このシンプルで興味深い対象を(も)現在研究中である.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「はじめてのスピノザ 自由へのエチカ」講談社現代新書 2595 (2020).
ユクスキュル「生物から見た世界」日高敏隆,羽田節子 訳,岩波文庫 33-943-1 (2005).
ドナルド・キーン「石川啄木」角地幸男 訳,新潮文庫 11629 (2022).
などを読んでいた.
「はじめてのスピノザ」は,スピノザの「エティカ」を傍に置きながら読んでいる.とてもわかりやすくてとてもよい.同じ國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」を読んだ流れで,「生物から見た世界」も読んでいる.おもしろい.
歌人の石川啄木は,蟹と戯れたり,じっと手を見たりして,有名であるが,そればかりではなく,彼のローマ字日記「ROMAJI NIKKI」を読みと,彼がクセのある,いやな人間のように感じる. この「石川啄木」も読んで,石川啄木のさらにいろいろな側面を知りたいところである.興味深い.

現在の座右の書は省略します.

4 July 2022
あ〜っと言う間に2022年も7月である.半年過ぎた.

6月は授業の準備,演習課題の採点,中間試験の出題と採点,研究会での講演,複数の共著論文の執筆,執筆した微積の本の再校正,出版が長引いているトロピカル幾何の入門書の翻訳の再確認,依頼された査読レポートや論文レビューの仕上げ,学術雑誌の編集や図書委員の仕事もしながら, 札幌で何度も生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「暇と退屈の倫理学」新潮文庫 (2022),
黒川裕次「物語 ウクライナの歴史」中公新書 (2002),
を引き続き読んでいた他に
野口 広「数学者群像 -- 現代数学への苦難の道」河出書房新社 (1970).
永井荷風「断腸亭日乗 上」岩波文庫 31-042-0 (1987).
などを読んでいた.

「物語 ウクライナの歴史」を読んで,あのコサックダンスがウクライナのものだと初めて知った.ポーランド,ウクライナ,ロシアの歴史は複雑である.
「数学者群像」は,日本のトポロジーの黎明期に尽力した先達たちの苦難を野口広先生がフィクションとして描いた物語である.興味深い.フィクションとは言え,私の恩師の A 先生も登場していて感慨深い.
「断腸亭日乗」は永井荷風の日記である.昔からどきどき眺めているが,荷風のように生きられたらいいな,と思う. おもしろい.

現在の座右の書:
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).勉強してます.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, S.M. Gusein-Zade, A.N. Varchenko, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).大変勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982). 大変勉強になります.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
野水克己「現代微分幾何入門」裳華房 (1981). 大変勉強になります.
武田暁,宮沢弘成「素粒子物理学」物理学選書9,裳華房 (1970, 改販).漠然と眺めていると為になります.
高木貞治「代数的整数論 第2版」岩波書店 (1971).昔からの愛読書です.
高木貞治「初等整数論講義 第2版」岩波書店 (1971).暇が出来たら通読したい本です.

2 June 2022
あ〜っと言う間に2022年も6月である.

5月は授業の準備,演習課題の採点,中間試験の出題と採点,研究会での講演準備,共著論文の執筆,執筆した微積の本の校正,依頼された査読レポートや論文レビュー,学術雑誌の編集や図書委員の仕事もしながら,何度も生まれ変わっていた.

6月の研究会で講演予定の論文書きとスライド書きをしている.内容は (4, 7) 分布の特異曲線の研究である.この研究は M 先生との共同研究である. Montgomery の sub-Riemann 幾何の本には,いろいろな分布について,その特異曲線と呼ばれるものについて記述があるが, なぜか,(4, 7) 分布の特異曲線については言及がない.(4, 7) 分布とは,7次元多様体の接束の階数 4 の部分束で,1回の Lie 括弧積で,全体の接束になるもののことであるが,Montgomery は (4, 7) 分布の分類問題(Cartan-Tanaka理論)や最も高い対称性の次元の決定などは詳しく述べているが,なぜか,(4, 7) 分布の特異曲線については触れていない.調べてみると,その理由がわかったような気がする.(4, 7) 分布の特異曲線の研究は一筋縄ではいかないようだ.でも,いろいろ調べた結果,満足のいく成果が得られたと思う.今月の研究会の講演で発表予定である.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「暇と退屈の倫理学」新潮文庫 (2022),
を引き続き読んでいた他に
トルストイ民話集「イワンのばか」中村白葉訳,岩波文庫32-619-2 (1932),
岡潔「紫の火花」朝日文庫 (2020),
小泉武夫「北海道を味わう」中公新書 2690 (2022).
などを読んでいた.

「暇と退屈の倫理学」は,いまは第5章の「暇と退屈の哲学」あたりを読んでいる.とにかくおもしろい. ハイデッガーの退屈論が展開されているが,それはそれとして,自身で考えて一番退屈なのは, 何もしないでそこに居てくださいという,「立会い」のような状況である. 何もしなくてよいので楽でよいとも言えるが,楽(らく)でも全然楽しくないのだ. 何が苦痛かといって,自分の能力が発揮できない(あるいは,自分には対応する能力がまったくないという) 状況に置かれるほど苦痛なことはない. 私にとっては,それが究極の退屈のような気がする.なので,なるべく事前に準備して,能力が発揮できない状況を避けて,なるべく能力が発揮できるような状況の中で生きるようにしたいと日々努力している.
「イワンのばか」は,なんとなく内容は知っているような気がしていたが,まだ読んでいなかった. 思ったのと少し違った内容だったが,トルストイが理想とする素朴な生き方が垣間見れておもしろい. ロシアの国はともかく,ロシアの文学や数学,ロシア人の考え方は好きである.ロシアの知り合いも多いが,みんないい奴ばかりである.
「紫の火花」は岡潔先生の随筆である.内容なワンパターンのような感じであるが,それだけ確信した内容が繰り返し繰り返し述べられている.たとえば,独創とは何か,などを読むと,新たな意欲が湧いてきて楽しい.
「北海道を味わう」は気楽に読めるかなと思って読んでいる.北海道の食は最高である.

現在の座右の書は,先月とあまり変わらないので省略します.
2 May 2022
あ〜っと言う間に2022年も5月である.

4月は新学期の講義やセミナーが始まった.今年度は久しぶりに対面の授業を行って新鮮であった.90分授業であるのだが,オンラインのzoom で授業を行うと 45 分で説明が済む内容が,対面だと 90 分でも足りなくなるのは不思議である.冗談をしゃべりすぎるからだろうか.それから,他に新入院生のためのプレテストの世話人もやったり,共著論文,査読レポートや論文レビューなども書いたり,学術雑誌の編集や図書委員の仕事もして,何度も生まれ変わっていた.

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「暇と退屈の倫理学」新潮文庫 (2022),
を引き続き読んでいた他に
黒川裕次「物語 ウクライナの歴史」中公新書 (2002),
コナン・ドイル「シャーロック・ホームズの冒険」延原 譲 訳,新潮文庫 (1953),
などを読んでいた.
「暇と退屈の倫理学」は,いまは第3章の「暇と退屈の経済史」あたりを読んでいる.なぜ人々は暇と退屈を手に入れるようになったのか,そして,いかにその暇と退屈を経済的仕組みで"紛らわされて"いるか,がよくわかった.非常におもしろい.とにかく,暇と退屈はわが友,大切にしたいと思う今日この頃である.
「物語 ウクライナの歴史」を読むと,たいへんな歴史がある現在のウクライナのことをより良く理解できる気がする.
「シャーロック・ホームズの冒険」はラジオで聞いている英語講座の原作となっていたので再読した.やはりおもしろい.

現在の座右の書:
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).勉強してます.為になります.
Elie Cartan, The Theory of Spinors, Dover Publ. (1981). 為になります.
金谷健一「幾何系と代数系 Geometric Algebra」森北出版 (2014). おもしろく読んでいます.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).大変勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布と (3, 6) 分布と (3, 7) 分布の勉強をしています.
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982). 大変勉強になります.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
野水克己「現代微分幾何入門」裳華房 (1981). 大変勉強になります.
武田暁,宮沢弘成「素粒子物理学」物理学選書9,裳華房 (1970, 改販).漠然と眺めていると為になります.

2 April 2022
あ〜っと言う間に2022年も4月である.

3月は何年かぶりで出張して生まれ変わった.静岡大にお邪魔して数学を楽しんだ.とても刺激になって新鮮な気持ちで研究をすることができた.また,年度末の報告書や,4月からの新学期の講義準備や,新しい論文書き,査読レポートや論文レビューなどもいくつも仕上げていた.雑誌の編集や微積分の入門書は一応脱稿することができた.休暇をとってリフレッシュしてさらに生まれ変わった.

最近の研究について.
9次元多様体上の階数3の完全非可積分な(つまりヘルマンダー条件を満たす)分布で,ある曲面上の任意の曲線が特異積分曲線(分布に沿う積分曲線であって始点を決めたときに終点が自由にコントロールできないような曲線,アブノーマル測地線とも呼ばれる)になるようなものが存在することを M先生との共同研究で発見した.このような曲面は「特異曲面」と呼ぶことができる.特異曲面が存在する場合,アブノーマル測地線の空間は無限次元となる.たとえば可積分系(葉層構造)の場合,それぞれの葉(leaf)の中の曲線は特異積分曲線になるが,それらは1つの葉を出ることはなく閉じ込められている.しかし,完全非可積分の場合は,アブノーマル測地線は閉じ込められず,どこにでも「滲み出す」ことができる,恐ろしい存在なのである.特異曲面はいわば「開かれた伏魔殿」のようなものである.特異曲面が現れる典型的な例は6次元シンプレクティックベクトル空間のある種の旗多様体上のカノニカルな分布として構成される.今回見つけた現象は,階数2の分布の場合にはあり得ないおもしろい現象である.
(2022年5月11日追記.確認したところ上に書いた現象は起きないようである.私の早合点だったようである.特異曲面という伏魔殿は実際には存在せず,有限次元の幾何学で十分に記述できることがだんだんと分かってきた.時間をかければ,だんだんと見えてくる,どの程度まで見えるかは能力に依るが,とにかく努力しただけのことは分かってくる,ということは嬉しいことである.詳細は後日,論文で発表したい.)

研究・教育の時間以外には,
國分功一郎「暇と退屈の倫理学」新潮文庫 (2022),
橋爪大三郎「死の講義」ダイヤモンド社 (2020),
東海林さだお「大衆食堂に行こう」大和書房 (2021),
などを読んでいた.

「暇と退屈の倫理学」は意外におもしろかった.「人は楽しいことなど求めていない,興奮できることを求めているだけだ」という指摘は卓見である.それだけで人間についての理解を少しだけ深められる気がする.
橋爪大三郎さんの本はどれもわかりやすく好きである.「死の講義」も,死という根本的に理解不可能な難しい問題をわかりやすく説明してくれている.この本の副題は「死んだらどうなるか,自分で決めなさい」である.おもしろい.
「大衆食堂に行こう」は休暇中に読んでいた.東海林さだおさんの本はどれも気楽に読めて共感できる.

現在の座右の書,は今回は省略.
4 Mar. 2022
あ〜っと言う間に2022年も3月である.

2月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,毎日生まれ変わっていた. 授業やセミナーの成績を付けたり,来年度の講義の下準備を始めたり,査読レポートや論文レビューを書いていた. また,共著論文をいくつか平行して書いている.執筆している微積分の入門書も完成間近である.

研究・教育の時間以外には,
D.L. グッドスティーン,J.R. グッドスティーン「ファインマンの特別講義 惑星運動を語る」岩波現代文庫,岩波書店 (2017).
「エピクロス--教説と手紙--」出 隆,岩崎允胤 訳,岩波文庫 33-601-1 (1959),
ウォルター・デヴィス「クイーンズ・ギャンビット」小澤身和子 訳,新潮文庫 (2021).
などを読んでいる.
「ファインマンの特別講義」はN氏のある論文に引用されていた本の和訳である.ニュートンの運動法則と万有引力の法則と初等幾何だけを使って,惑星の楕円軌道を導くということを(ニュートンがプリンキピアの中でやったように,そしてより初等的に)ノーベル賞受賞の物理学者ファインマンが講義したものである.まだ前半の,コペルニクスからニュートンまで,の部分を読んでいるところだ. (アリストテレスから),コペルニクス,ケプラー,ガリレオ,そしてニュートン につづく道,には興味がある.おもしろい.さらには,ヤコビ,ラグランジュ,ハミルトン,...につづく道にも大変興味がある.これを読みながら,昔,海外に長めに居た時にファインマンの伝記「Genius」を読んでいたことを思い出した.それもおもしろかった.ファインマンはまさに天才と言える.
「エピクロス」もおもしろい.エピクロスは唯物論者,快楽主義者と言われる.とにかく,この本をたまに眺めると固定観念が揺さぶられて,何らかのヒントが得られる.おもしろい.
「クイーンズ・ギャンビット」はドラマは見ていないが,本屋で見かけて衝動買いした.チェスの天才少女の話である.おもしろそうだ.

現在の座右の書:
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).勉強してます.為になります.
草場公邦「行列特論」裳華房 (1979). なつかしくおもしろい本です.
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(原書6版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2022).今度,新しくセミナーでテキストにするので新しい本を眺めて楽しんでいます.
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(縮刷版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2012).以前セミナーで読んでいた本です.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).大変勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布の勉強をしています.
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982). 大変勉強になります.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
野水克己「現代微分幾何入門」裳華房 (1981). 大変勉強になります.
武田暁,宮沢弘成「素粒子物理学」物理学選書9,裳華房 (1970, 改販).漠然と眺めていると為になります.

4 Feb. 2022
あ〜っと言う間に2022年も2月である.

1月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,毎日生まれ変わっていた. 昨年から引き続き, 講義準備をして,大学院や学部の卒業研究のセミナーをして,図書委員と学術雑誌の編集の仕事もして, また,共著論文の構想を練ったり,ながらく放っておいたかきかけ論文を思い出して内容を復習したり, 依頼された査読レポートや論文レビューをていねいに書いたりしていた. 微積分の入門書も集中して完成を目指しているところである.

研究・教育の時間以外には,
西澤潤一「私のロマンと科学」中公新書 966, (1990).
梅棹忠夫「世界史とわたし --- 文明を旅する」NHKブックス (1997).
プラトン「饗宴」岩波文庫 33-601-3 (1965 改販).
さらに,
加藤陽子『それでも日本人は「戦争」を選んだ』,朝日出版社,(2007).
などを引き続き読んでいた.
「私のロマンと科学」は,昔,たぶん(途中まで?)読んでいた本であり,その再読である. 第1部の第1章が「画期的発見は予測できない」,まったくその通りである.おもしろい.第2部の第6章が 「教育とは「能力発見」の手伝い」,なるほど.
梅棹先生の本は何冊か愛読しているが,「世界史とわたし」は昔買っていて,まだ読んでいなかったので読み始めた.世界を旅している気分になれる.おもしろい.
「饗宴」も,昔買っていて,まだちゃんと読んでいなかった本だ.読み始めているが,当時の通常の価値観に共感しがたいので,最後のソクラテスの部分まではたどり着けそうにない.
『それでも日本人は「戦争」を選んだ』は,まだ,日清戦争のあたりを読んでいるが,おもしろい.聴衆の生徒さんたちも反応が良く優秀なので驚く.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). いつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).大変勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布の勉強をしています.
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982). 大変勉強になります.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
野水克己「現代微分幾何入門」裳華房 (1981). 大変勉強になります.
武田暁,宮沢弘成「素粒子物理学」物理学選書9,裳華房 (1970, 改販).漠然と眺めていると為になります.

5 Jan. 2022
あ〜っと言う間に新年2022年正月である.あけましておめでとうございます. 今年は寅年なので,何事にもトラわれずトラいしタイガー,まあ着実に,健康に気をつけてやっていきたいと思います. よろしくお願いします.今年の目標は,数学の研究の他に,英語とフランス語と中国語を勉強することです.理由は言わない.

昨年の12月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,毎日生まれ変わっていた. 講義準備を行いながら,図書委員と学術雑誌の編集の仕事もして, また,共著論文の構想を練ったり,ながらく放っておいたかきかけ論文を思い出して内容を復習したり, 査読レポートや論文レビューをていねいに書いたりしていた.微積分の入門書も集中して書き進めているところである.

新年は,密を避けるため,3日に北海道神宮に初詣に出かけた.お参りして例によっておみくじを引いた. 今年は「吉」と出た.「こちらによくすれば あちらにわるく 右によくすれば左にわるく常に心の迷いあり」との ことである.なるほど.心に迷いなく一年を過ごしたいものだ.学問のところは「努力すればよろし」とのことである. はい,精一杯努力します.旅行は「さわりなし」なので,今年こそ出張に出かけられそうか. 願いごとは「二つの願いを一に叶えんとすればわろし」だそうです.まあ,一つ一つかなえていきます.恋愛は「思い通りにならぬ」,まあ,そりゃそうでしょう.がんばります.

研究・教育の時間以外には,
三波春夫「真髄 三波忠臣蔵」小学館文庫 (1999),
を引き続き読んで読了し,それから,
渋沢栄一「渋沢栄一自伝」角川文庫 (2020).
を改めてまた読み始め,さらに,
加藤陽子『それでも日本人は「戦争」を選んだ』,朝日出版社,(2007).
などを読んでいた.
「真髄 三波忠臣蔵」はおもしろかった. 最近,忠臣蔵の映画やドラマを作らなくなって,だんだん忠臣蔵について知らない人が増えているようだが, 仕方ないような気もする.俵星玄蕃が架空の人物であることはこの本で初めて知った.
「渋沢栄一自伝」もおもしろい.渋沢栄一の「論語と算盤」もまた再読したいところである.
『それでも日本人は「戦争」を選んだ』は昨年の N 先生からの年賀状に言及されていたのを一年越しに改めて見て,その本を読みたくなったので読んでいる.内容は,ある中学・高校での歴史の出前授業の内容だそうだ.中高生だけでなく中高年にも為になることがわかりやすく書かれている.おもしろい.

現在の座右の書は,今回は省略.
2 Dec. 2021
あ〜っと言う間にモー12月,師走である.

11月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,欲はなく,決して怒らず,と言っても,たまには怒るが,なるべく静かに笑って,なるべく人のためになるよう努力して,ほめられなくても気にせず,苦にもされず,相変わらず札幌で,毎日生まれ変わっていた. 講義の準備をしながら中間試験の採点をして,査読レポートや論文レビューをていねいに書き, 図書委員と学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集の仕事をしていた. 投稿していた論文に関する査読レポートが届いたので,修正して提出した.埼玉大の福井さんが訪問して幾何コロキウムで話してくれた.微積分の入門書も集中して書き進めているところである.

研究・教育の時間以外には,
三波春夫「真髄 三波忠臣蔵」小学館文庫 (1999),
セネカ「人生の短さについて」茂手木元蔵訳,岩波文庫 (1980),
ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」山田 蘭 訳,角川文庫 (2011),
アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」青木久惠訳,クリスティー文庫,早川書店 (2010).
などを読んでいた.
以前から三波春夫先生の「聖徳太子憲法は生きている」は私の愛読書だった.最近,その姉妹書というべき本があることを知って手に入れたのが「真髄 三波忠臣蔵」である.三波春夫先生の手になる忠臣蔵討ち入りの解説書である.おもしろい.ちなみに,第七章は俵星玄蕃にあてられている.忠臣蔵のあるエピソードを唄った三波先生の「俵星玄蕃」はカラオケでの私の持ち歌,十八番である.
「人生の短さについて」には,3編「人生の短さについて」「心の平静について」「幸福な人生について」が収録されている.まだ最初の「人生の短さについて」を読んでいるところだが,おもしろい.「われわれは短い時間をもっているのではなく,実はその多くを浪費しているのである」(p.9) 確かにその通りだ.
日本数学教員学会の会長挨拶で砂田利一先生が,「J. スウィフトの『ガリバー旅行記』の第3編の中に,数学の有用性に関するシニカルな見方が垣間見られる」と書かれている.それをもう一度確かめているところである.
「そして誰もいなくなった」はクリスティーの一番の傑作とのことなので読んでいる.おもしろい設定である.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
V. Guillemin, A. Pollack「微分位相幾何学」三村 護 訳,現代数学社 (1998).講義資料です.勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).大変勉強になります.
P. J. Olver, Classical Invariant Theory, London Mathematical Society Student Texts 44, Cambridge Univ. Press (1999). 眺めていると勉強になります.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
梅原雅顕,佐治健太郎,山田光太郎「特異点をもつ曲線と曲面の微分幾何学」丸善出版 (2017). 再読です.改めて勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). (3, 5) 分布の勉強をしています.
服部晶夫「位相幾何学」岩波基礎数学選書,岩波書店 (1991).為になります.
中岡稔「不動点定理とその周辺」数学叢書,岩波文庫 (1977). 為になります.
R. Bryant, P. Griffiths, D. Grossmann, Exterior Differential Systems and Euler-Lagrange Partial Differential Equations, University of Chicago, (2003). 為にになります.
Roger Penrose, The Road to Reality, A Complete Guide to the Laws of the Universe, Vintage Books (2004), 眺めているだけで楽しい本です.
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009). 刺激的な本です.

1 Nov. 2021
あ〜っと言う間にモー11月である.

10月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,オロオロ歩き,決して怒らず,たまに怒るが,なるべく静かに笑って,なるべく人のためになるよう努力して,相変わらず札幌で,毎日生まれ変わっていた. 後期の授業(線形代数と多様体続論(横断正則性))が始まったので,講義の準備をしながら演習問題の採点をしたり, 査読レポートや論文レビューを書いたり, 図書委員と学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集の仕事をしていた. 微積分の入門書も集中して書き進めているところである. それから,森本徹先生が来訪して幾何コロキウムで対面で講演をされた. 一度予定していて中止になっていたがやっと実現した形だ.

研究・教育の時間以外には,
津野海太郎「最後の読書」新潮文庫 (2021),
帚木蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日選書 958 朝日新聞出版 (2017),
などを読んでいた.
「最後の読書」は,いろいろな経歴をもつ著者の読書記録である.おもしろい.本は読まずにはいられないが, だんだんと読めなくなってくる,とのことである.なるほど.ところで,この本の「腰巻」には, 「あと何冊読める?読書人生最終章の厄介とたのしみ」とある.それを真似ると,「あと何本論文が書ける?数学人生最終章の厄介とたのしみ」ということか.
「ネガティブ・ケイパビリティ」は,以前読んでいたものの再読である.やはりおもしろい.「難局に直面するたび,この能力(ネガティブ・ケイパビリティ)が頭をかすめました.この言葉を思い起こすたびに,逃げ出さずにその場に居続けられたのです.その意味では,私を救ってくれた命の恩人のような言葉です.」と著者は書いている.なるほど.懐の深い粘り強い人間になるためのことが書かれていると言える.数学でも,答えが出なくても,安易に答えを出さないで耐える,という能力は大切だということか.なるほど.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
V. Guillemin, A. Pollack「微分位相幾何学」三村 護 訳,現代数学社 (1998).勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
P. J. Olver, Classical Invariant Theory, London Mathematical Society Student Texts 44, Cambridge Univ. Press (1999). 眺めていると勉強になります.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
梅原雅顕,佐治健太郎,山田光太郎「特異点をもつ曲線と曲面の微分幾何学」丸善出版 (2017). 再読です.改めて勉強になります.

1 Oct. 2021
あっと言う間にモー10月である.

9月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,決して怒らず,たまに怒るが,なるべく静かに笑って, なるべく人のためになるよう努力して,相変わらず札幌で,毎日生まれ変わっていた. 後期の授業(線形代数と多様体続論(横断正則性))の下準備をしたり, 査読レポートや論文レビューを書いたり, 図書委員と学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集の仕事をしたりしていた. 微積分の入門書も集中して書き進めているところである(なかなか先が見えないが).

研究・教育の時間以外には,
ポール・ナース「What is life ? 生命とは何か」竹内薫 訳,ダイヤモンド社 (2021),
「教科書名短編,科学随筆集」中央公論新社 編,中公文庫 (2021),
などを読んでいた.
「生命とは何か」は,ノーベル賞を受賞した著者が,生命とは何か,について,わかりやすく, まず「細胞」「遺伝子」「自然淘汰」から説き起こしてくれている.おもしろい.
「教科書名短編,科学随筆集」は,寺田寅彦,中谷宇吉郎,湯川秀樹,岡潔,矢野健太郎,福井謙一,日高敏隆,の各先生の名随筆が集められている.いくつかは過去に読んだことのある(でも内容はすっかり忘れている)文章だが,改めて読んでいる.おもしろい.たとえば,寺田先生の「科学者とあたま」には, 「科学者になるには『あたま』がよくなくてはいけない」...しかし一方でまた「科学者はあたまが悪くなくてはいけない」 という命題も,ある意味ではやはり本当である(p.11) とある.なるほど.確かに,あたまが悪い,ということは研究には必須な条件だというこは日々実感しているところである.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
V. Guillemin, A. Pollack「微分位相幾何学」三村 護 訳,現代数学社 (1998).勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
P. J. Olver, Classical Invariant Theory, London Mathematical Society Student Texts 44, Cambridge Univ. Press (1999). 眺めていると勉強になります.
J.E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Graduate Texts in Math. 9, Springer (1972). 再読しながら勉強しています.
J.E. Humphreys, Linear Algebraic Groups, Graduate Texts in Math. 21, Springer (1975). 勉強しています.
梅原雅顕,佐治健太郎,山田光太郎「特異点をもつ曲線と曲面の微分幾何学」丸善出版 (2017). 再読です.改めて勉強になります.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
「モスクワの数学,あの黄金の歳月」ズドラコフスカ,デュレン編,安藤韶一 訳,同朋舎 (2012). おもしろく為になります.

6 Sept. 2021
あっと言う間にモー9月である.

8月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,決して怒らず,たまに怒るが,なるべく静かに笑って, 相変わらず札幌で,毎日生まれ変わっていた. 卒業研究の延長戦や後期の授業の下準備をしたり, 査読レポートや論文レビューを書いたり,図書委員と学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集の仕事も引き続き務めた. 微積分の入門書は夏休みに集中して書き進めているところである.

写像の特異点が与えられたとき,ジェット空間の中に,同値の群である代数群による軌道を考えると,それは半代数集合になるが,そのジェット空間内での大域的な定義式を具体的に求める問題を考えている.このとき,当然(幾何学的)不変式論が関係してくる.つまり,軌道は座標変換のジェットの作る代数群の不変集合なので,それを表示する等式・不等式系はシステムとして不変に取れるはずである.それが具体的にどのように表され,関係してくる不変式の幾何学的意味がどうなるのか,という問題設定である.

研究・教育の時間以外には,
イザベラ・バード「日本奥地紀行」高梨健吉 訳,平凡社ライブラリー 329 (2000),
E.T.ベル「数学をつくった人々 II」田中勇,銀林浩 訳,ハヤカワ文庫 NF 284 (2003),
レイ・ブラッドベリ「華氏451度」(新訳版)伊藤典夫 訳,ハヤカワ文庫 SF 1955 (2014).
などを読んでいた.
「日本奥地紀行」は,以前読んでいるはずだったが,すっかり内容を忘れたので,また読み始めたところだ.バードさんの視点で気づかされることもあるし,単純に知らなくて興味深い箇所も多い.おもしろい.
「数学をつくった人々」の三巻本は,気が向いたときにどきどき眺めているが,今回は,21章「不変の双子,ケイリーとシルベスター」を読んだ.ケイリーについては,偉大な数学者の一人であり,私の研究室の PC の名前を Cayley にしているぐらいであるが,シルベスターも興味深い偉大な数学者である.読むと不変式論の勉強の励みになる.おもしろい.
「華氏451度」は,文章が読みづらいが,ちょっとずつ読み進めているところである.

現在の座右の書,は今回は省略.
3 Aug 2021
あっと言う間にモー8月である.

7月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,決して怒らず,いつも静かに笑いながら, 相変わらず札幌で,毎日生まれ変わっていた. オンライン講義(「線形代数」と「集合と位相」)のための講義資料を作り,ウェッブ上で提出された課題レポートの採点をしていた.学部生・院生のセミナーは,引き続き,すべてオンラインセミナーとなった. 英語で書かれた啓蒙書の監訳の仕事をしたり,査読レポートや論文レビューを書いたり,シリーズ本の編集委員の仕事も少しだけしたり,ブラジルの大学院生の学位審査に加わったり,いろいろしていた.図書委員と学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集も引き続き務めた. 微積分の入門書も引き続きちょっとずつ書き進めている.

研究・教育の時間以外には,
志賀直哉「小僧の神様・城の崎にて」新潮文庫 平成17年(2005)改版,
村上春樹,柴田元幸「本当の翻訳の話をしよう 増補版」新潮文庫 令和三年(2021),
などを読んでいた.
「小僧の神様・城の崎にて」は志賀直哉の短編集の1つであるが,そのいくつかは昔(中学生の頃?)読んでいたものも含まれている.いま改めて通して読んでみると,こんな小説は,かなり大人になってからでないとおもしろみはわからないだろうな,ということがわかるようになったような気がする.おもしろい.実は,同じ志賀直哉の「暗夜行路」も,何度か読むのを挫折しているが, いつか読み通したいと思っている.そういえば,奈良にある志賀直哉の旧宅を見学に行ったことを思い出した.関係ないが.
「本当の翻訳の話をしよう」は,小説の翻訳に関するよもやま話であるが,為になることもいろいろ書いてある. その中で「日本翻訳史 明治編」の章は特に興味深い.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
V. Guillemin, A. Pollack「微分位相幾何学」三村 護 訳,現代数学社 (1998).勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.為になります.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.為になります.
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).勉強してます.為になります.
V.I. Arnold. Dynamics, Statistics and Projective Geometry of Galois Fields, Cambridge University Press, (2011). 眺めています.おもしろく,為になります.関連して,
佐藤肇,一重雄「幾何の魔術」第3版,日本評論社 (2012). 上の本と一緒に眺めています.

2 July 2021
あっと言う間にモー7月である.

6月も,新型コロナウイルスにも負けず,運動不足にも負けず,決して怒らず, 相変わらず札幌で,毎日せっせと生まれ変わっていた. オンライン講義(「線形代数」と「集合と位相」)のための講義資料を作り,ウェッブ上で提出された課題レポートの採点をしていた.学部生・院生のセミナーは,引き続き,すべてオンラインセミナーとなった. ブラジルはサンカルロスのセミナー(Webinar)や長崎大での研究会でオンライン講演を行った. 英語で書かれた啓蒙書の監訳の仕事をしたり,査読レポートを書いたり,論文レビューを書いたり,シリーズ本の編集委員の仕事も少しだけしていた.図書委員と学術雑誌の編集も引き続き務めた. 微積分の入門書も引き続きちょっとずつ書き進めている.

研究・教育の時間以外には,
J.O.アームソン「アリストテレス倫理学入門」雨宮 健 訳,岩波現代文庫 学術 125,(2004).
森 敦「月山・鳥海山」文春文庫 (2017).
小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」講談社現代新書 2615 (2021).
などを読んでいた.
「アリストテレス倫理学入門」は,昔に買って,まだ読んでいなかった本である.内容は,アリストテレスの「ニコマコス倫理学」を読むための手引きのような本だが,結局まだ,「ニコマコス」も買って読もうとしたが,途中で挫折したままだし,手引書も「アリストテレス倫理学入門」まだ読めていなかったわけだ.ところで,以前,数学の論理の入門書(論理・集合・数学語)を執筆したときに,「アリストテレスの自然に関する多くの考察は現代ではその多くが意義を失っているが,アリストテレスの論理学は健在である」というようなことを書いたことがあるが,論理学だけでなく,アリストテレスの倫理学ももちろん現代でも意義があるはずだ. 「いかなる技術も,いかなる研究も,同じくまた,いかなる実践や選択も,ことごとく何かの善(アガトン)を希求していると考えられる」(ニコマコス倫理学). アリストテレスが言っている「善(アガトン)」とは何か,ぜひ深く知りたいところである.
「月山」は,昔,森敦さんが芥川賞を受賞したときに,単行本で読んだ記憶がある.もちろん,内容は覚えていないが,なつかしいので文庫本で再読してみようか,というところである.おもしろいかどうかはまだわからないが,解説に書いてあるように,雰囲気は漱石の「草枕」や深沢七郎の「楢山節考」に似ているというのはわかるような気がする.
「生物はなぜ死ぬのか」もおもしろそうなので読み始めたところである.文章もわかりやすいし,生物に関する根本的なことが書かれていておもしろい.死ぬものを生物とよぶ,ということなのかもしれない.

現在の座右の書は,今回は省略.
2 June 2021
あっと言う間にモー6月である.

5月も,新型コロナウイルスにも負けず,花粉にも負けず,相変わらず札幌で,毎日せっせと生まれ変わっていた. オンライン講義(「線形代数」と「集合と位相」)のための講義資料を作り,ウェッブ上で提出された課題レポートの採点をしている.学部生・院生のセミナーは,緊急事態のため,すべてオンラインセミナーとなった. 図書委員と学術雑誌の編集などの仕事も引き続きやっていた. また,6月の講演のための接可展面の平行曲面の特異点に関する講演スライドを作った.引き続き,英語で書かれた啓蒙書の監訳の仕事をしたり,レフェリーレポートを書いたり,論文レビューを書いたり,シリーズ本の編集委員の仕事も少ししていた.微積分の入門書も,なかなか進まないが,引き続きちょっとずつ書き進めている.

研究・教育の時間以外には,
中沢新一,波多野一郎「イカの哲学」集英社新書 c0430 (2008).
高木貞治「数学の自由性」ちくま学芸文庫,(2010).
「ヴィトゲンシュタインの講義 数学の基礎編 ケンブリッジ 1939年」コーラ・ダイヤモンド編,大谷弘・古田徹也訳,講談社学術文庫2276 (2015).
ダグラス・R・ホフスタッター「ゲーデル,エッシャー,バッハ あるいは不思議の環」白楊社 (1985).
アガサ・クリスティー「スタイルズ荘の怪事件」矢沢聖子訳,クリスティー文庫,早川書房 (2003).
などを読んだり,眺めていたりした.
「イカの哲学」は再読である.特攻隊の生き残りでシベリア抑留の後,アメリカに留学してイカ取りのバイトをしていた波多野氏がイカと共感して著した「イカの哲学」を中沢新一さんが解説している本である.この本は,なんでもメモ帳3の26 Feb. 2008 の項にも登場している.世界平和の秘訣が書いてあるイカした本である.
「数学の自由性」は高木先生がほんとうに自由に書いたエッセイである.「微積の体系といったようなこと」といった話のところを眺めている.おもしろい.
「ヴィトゲンシュタインの講義」はひきつづき眺めている.難しいがおもしろい.
「ゲーデル,エッシャー,バッハ」は昔買って,本棚に置いてあり,大部なので,一部をときどき眺めている本である.別の本を読んでいて,この本の MIU-system のことがたまたま出てきたので,眺め返しているところである.
「スタイルズ荘の怪事件」は,たまに推理小説を読みたくなり,今回はまだ読んでいないこの本を選んで読み始めたところである.おもしろいかどうかはまだわからない.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990). 大変勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強をしています.
金子 晁「ニュートン図形・特異点・振動積分」現代的無限小解析入門,上智大学数学講究録 11 (1981). 大変参考になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
野水克己,佐々木武「アファイン微分幾何学」裳華房 (1994). 再読です.改めて勉強になります.
梅原雅顕,佐治健太郎,山田光太郎「特異点をもつ曲線と曲面の微分幾何学」丸善出版 (2017). 再読です.改めて勉強になります.
スチーンロッド「ファイバー束のトポロジー」吉岡書店 (1976). 再読です,改めて勉強になります.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
熊ノ郷 準「擬微分作用素」数学選書,岩波書店 (1974),勉強しています.
V. Guillemin, A. Pollack「微分位相幾何学」三村 護 訳,現代数学社 (1998).勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.

3 May 2021
あっと言う間にモー5月である.

4月も,新型コロナウイルスに負けず,相変わらず札幌で,毎日せっせと生まれ変わっていた. 始まったオンライン講義(「線形代数」と「集合と位相」)のために講義ノートや音声ファイルや参考資料を作ったり,ウェッブ上で提出された課題レポートの採点をしたり,学部生・院生のセミナーを密にならないように充分に注意しながら対面で行なったりしていた.図書委員と学術雑誌の編集などの仕事も引き続きしていた. また,可展面の平行曲面の特異点に関する単著論文を完成させたり,6月にブラジルの談話会でリモートで話すように依頼されたので,その準備を始めたり,英語で書かれた啓蒙書の監訳の仕事をしたり,レフェリーレポートを書いたり,論文レビューを書いたり,シリーズ本の編集委員の仕事も少ししていた.微積分の入門書も,なかなか進まないが,引き続きちょっとずつ書き進めていた.

「境界付きフロンタル」をどう定義したらよいか,という問題を最近考えている. もちろん,定義としては,合成写像の図式 f i : R^{n-1} --> R^n --> R^m であり,f は通常のフロンタル(特異点でも接空間が定まるもの),i ははめ込み(あるいは埋め込み),となるが,さらに,はめ込みの"余向きづけ" つまり i の法束の向きづけ(つまり境界の内と外の区別)を込みで考えたものになるだろう. 「境界付きフロント」の研究は,アーノルド-スクールですでに昔から良く研究されていて,分類理論も完成していると言ってよいが,境界付きフロンタルは,なぜがあまりやられていないようである.境界付きフロントの結果を取り入れる形で理論展開や分類をやる価値があるような気がする.というわけで,自分で書いたサーベイ論文: Goo Ishikawa, Singularities of frontals, in "Singularities in Generic Geometry", Advanced Studies in Pure Mathematics (ASPM), vol.78, Math. Soc. Japan, pp.55-106, (2018). をまた眺めているところである.

研究・教育の時間以外には,
森嶋通夫「なぜ日本は没落するのか」岩波現代文庫/社会205,岩波書店 (2010).
金出武雄「独創はひらめかない」日本経済新聞社 (2012).
「ヴィトゲンシュタインの講義 数学の基礎編 ケンブリッジ 1939年」コーラ・ダイヤモンド編,大谷弘・古田徹也訳,講談社学術文庫2276 (2015).
などを読んだり,眺めていたりした.
「なぜ日本は没落するのか」の森嶋通夫さんは著名な経済学者であり,昔になるが,岩波新書の「イギリスと日本」「続イギリスと日本」を愛読していた時期がある. 森嶋さんは,「なぜ日本は没落するのか」の中で,2050年頃に日本がなぜ没落するか,なぜそう予想できるか,それを避けるにはどうすればよいか,ということを書いている.こういう予測は,もちろん通常は当たらないものだが,この予言は,当たるような,もう当たっているような気もする.とにかくおもしろい.
「独創はひらめかない」は昔買っていて,すっかり忘れていて本棚の隅にあった本である.この本には,創造の秘訣は,素人のように考え,玄人として実行する,と書かれている.例として, ウェゲナーの大陸移動説や,マンデルブロのフラクラル理論などを挙げている.なるほど.私は素人のように考えることはできていると思うが,玄人として実行するのが苦手なので困る.それはともかく,講演の仕方の秘訣なども書いてあって,とにかく為になる.
ヴィトゲンシュタインは著名な哲学者であり,彼の生涯や哲学は, ノーマン・マルコム「ウィトゲンシュタイン—天才哲学者の思い出」 板坂 元訳,講談社現代新書(1974),や 橋爪大三郎「はじめての言語ゲーム」講談社現代新書 (2009) などにわかりやすく書いてある.とはいえ, ヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考」や「青色本」は,本棚のあるが,あまり読めていない. 「ヴィトゲンシュタインの講義」も,どちらかというとただ気楽に眺めているだけの感じである.とはいえ, 彼のもののとらえ方,説明の仕方はおもしろいものがある.

「現在の座右の書」は,整理しないでいろいろ重ねて置いてあって,いまにも崩れそうなので,今回は省略.
5 April 2021
あっと言う間にモー4月である.

3月は,雨にも負けず,風にも負けず,新型コロナウイルスにも負けず,相変わらず札幌で,毎日生まれ変わっていた. 4月からのオンライン講義に向けて,講義ノートや音声ファイルや参考資料を作ったり,図書委員と学術雑誌の編集などの仕事をしていた. また,可展面の平行曲面の特異点に関する単著論文を執筆したり,依頼された雑誌の記事を書いたりしていた.レフェリーレポート,論文レビューもやっていた, 微積分の入門も引き続きちょっとずつ書き進めていた.

複素数に値をとる可微分写像 f : R^n --> C を考える.f の値 f(x) が 0 になる点 x をフェーズ特異点とよぶ. f のフェーズ特異点では定まらないが, フェーズ特異点の集合 { x | f(x) = 0 } を除いた部分では,f(x) の偏角,つまり,フェーズ関数 θ(x) (多価関数)が定まる. そのとき,フェーズ関数 θ(x) の臨界点(dθ(x) = 0)は定義できて,そのような点 x をフェーズ臨界点とよぶ. さて,写像 f を変形したときに,フェーズ特異点も動き,フェーズ臨界点も動いていくが,さらに, f のフェーズ特異点の中からフェーズ臨界点が新たに生まれることがある. その分岐を調べることは興味深い問題である.そこで,昔に出版した論文 (J. Adachi, G. Ishikawa, Classification of phase singularities for complex scalar waves and their bifurcations, Nonlinearity 20 (2007) 1907--1925.)の続きを改めて考えようかな,と思っているところである.

研究・教育の時間以外には,
松本清張「ゼロの焦点」新潮文庫 (1971).
渋沢栄一「渋沢栄一自伝」角川文庫 (2020).
スピノザ「知性改善論」岩波文庫 (1931, 改訳 1968).
などを読んでいた.
近所の本屋でたまたま見つけた,みうらじゅん編「清張地獄八景」をおもしろく読んでいたら,松本清張の「点と線」は昔読んだが,「ゼロの焦点」はまだ読んでいないことに気がついたので読んでみているところである. ちなみに,上の書いたフェーズ臨界点は「焦点」とよばれるものであり,「ゼロの焦点」とは,まさにフェーズ特異点のことである(もちろん,こじつけだが).小説もおもしろい.
NHKの今年の大河ドラマは渋沢栄一をモデルにしている.渋沢栄一の著書「論語と算盤」もときどき眺めているが, この機会に,ドラマと並行して自伝をちょっとずつ読んでいるところである.おもしろい.
スピノザの「エチカ」(「エティカ」)はユークリッド幾何をモデルにした書き方をした哲学書であるが, 「知性改善論」は,その序論のようなものである.読んだら知性が改善する気がする.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990). 大変勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強をしています.
金子 晁「ニュートン図形・特異点・振動積分」現代的無限小解析入門,上智大学数学講究録 11 (1981). 大変参考になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
野水克己,佐々木武「アファイン微分幾何学」裳華房 (1994). 再読です.改めて勉強になります.
梅原雅顕,佐治健太郎,山田光太郎「特異点をもつ曲線と曲面の微分幾何学」丸善出版 (2017). 再読です.改めて勉強になります.
スチーンロッド「ファイバー束のトポロジー」吉岡書店 (1976). 再読です,改めて勉強になります.

1 March 2021
あっと言う間にモー3月である.

2月は札幌で毎日生まれ変わっていた. 授業の成績評価や 4月からのオンライン講義に向けての準備,図書委員,学術雑誌の編集などの仕事をコツコツとしていた. 可展面の平行曲面の特異点に関する単著論文を執筆したり,依頼された雑誌の記事の準備をしたり, 微積分の入門を引き続き書き進めたりしていた.

先日,研究室の整理をしていたら,昔買った「エスピテーメ」という雑誌の現代数学の特集号が出てきた:
エスピテーメ 1977年9+10月号特集--現代数学,朝日出版社,発行日 昭和52年11月1日.
私が大学2回生のときに読んでいたのをわずかに思い出す. 広中平祐先生と飯高茂先生の対話「数学・論理・実在」から始まって, 代数的多様体を広中先生,佐藤超関数を佐藤幹夫先生,有限単純群を都築俊郎先生,トポロジーを加藤十吉先生が解説し, 永田雅宜先生,斎藤恭司先生の文章もあり,ルネ-トムのカタストロフィー理論について,福田拓生先生が トムの論文を訳していたりする. この雑誌には,私がいろいろ書き込みをしている.内容についてはすっかり忘れているが,おもしろく読んでいたのだろう.気づかないうちにこういう雑誌の影響も多大に受けているのだろう.なつかしい.

研究・教育の時間以外には,
ロマン・ロラン「ミケランジェロの生涯」高田博厚 訳,岩波文庫 32-556-3 (1963),
「エピクロス--教説と手紙--」出 隆,岩崎允胤 訳,岩波文庫 33-601-1 (1959),
郡司ペギオ幸夫「天然知能」講談社選書メチエ 691,講談社 (2019),
などを読んでいた.また
ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」山口蘭 訳,角川文庫,(2011).
「三国志演義 (一)」井波律子,講談社学術文庫,(2014).
も引き続き読んでいた.
「ミケランジェロの生涯」は何度目かの再読である.ロマン・ロランは書いている. " 世界に真の勇気はただ一つしかない.世界をあるがままにみることである.--- そうしてそれを愛することである." なるほど.そして,彫刻家でもあった高田博厚さんの訳もよい.
エピクロスは言っている." 隠れて,生きよ." エピクロスは「快楽主義」とよく言われているが,要するにそういうことなのだろう.なるほど.
「天然知能」によれば,知能には,自然知能と人工知能と天然知能がある.天然知能とは,著者によれば,「知覚されないものに対しても,存在を許容する能力」と定義できる, とのことである.そして,天然知能だけが「創造を楽しむ」ことができる,とのことである. なるほど.
「ガリバー旅行記」は,まだリリパット国の話である.「三国志演義」はそろそろ官渡の戦い,というあたりまで読み進めている.

現在の座右の書は,今回は省略.

1 February 2021
あっと言う間にモー2月である.

1月も札幌で,オンライン講義の準備,期末レポート試験の採点, 大学院の指導,特に修士論文の完成の指導をした. オンライン研究会に参加し,図書委員,学術雑誌の編集の仕事をし, 査読のレポート作成,論文レビュー作成,単著論文の執筆をし,共同研究のアイディアを考え,微積分の入門書を引き続き地道に書き進めていた.

ところで,去年の4月ぐらいから全然生まれ変わっていないのに気がついた.これはイカン.今日からは毎日生まれ変わっていきたい!

昔読んでいた Arnold の論文 Singularities of systems of rays を再び読み返しているところである. ray system (射系?)を中心に,特異ラグランジュ多様体,振動積分,整数点の数え上げ,コースティックの変形,波面とその変形,鏡映群,周期写像,交差形式,ラグランジュ・ルジャンドル同境,曲面の射影の特異点,分岐集合の幾何,などいろいろな話題が書いてある.おもしろい.

研究・教育の時間以外には,
有島武郎「小さき者へ 生まれ出づる悩み」新潮文庫 (1967 改版).
を読んだ.また
ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」山口蘭訳,角川文庫,(2011).
「三国志演義 (一)」井波律子,講談社学術文庫,(2014).
などを引き続き読んでいた.
「小さき者へ 生まれ出づる悩み」は,2つの小説「小さき者へ」と「生まれ出づる悩み」が載っている.「生まれ出づる悩み」の方は昔から何度か読んでいたが,今回初めて,「小さき者へ」を読んでみた.有島武郎の叙情的な文章も,たまに読むとなかなか良い.
「三国志演義 (一)」は分厚いので,やっと半分ぐらい読み進めたところである.基本的に通俗的な読み物の部類に入るが,ときどき,なかなかすごい内容(ここでは書けないが)が比較的淡々と記されていておもしろい.
「ガリバー旅行記」は,まだリリパット国の話である.なかなか進まない.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990). 大変勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強をしています.
金子 晁「ニュートン図形・特異点・振動積分」現代的無限小解析入門,上智大学数学講究録 11 (1981). 勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
小平邦彦「複素解析曲面論」東大セミナリー・ノート 32,(1974).勉強になります.

12 January 2021
元旦に行けなかったので,例年に比べると遅くなったが,北海道神宮に初詣に行ってきた. その報告である.
神宮も空いていて良かった. 例年のように,参拝後に,神宮の梅酒を買って,おみくじを引いた.
神宮の梅を買う買う丑の年
今年も「大吉」だった. 「常に謙虚な気持ちで自然と向き合えば,生かされていることへの感謝の念が自ずと芽生え」との教えである. なるほど.謙虚な気持ちで自然と向き合うのが基本ですね.そう,生かされていることを感謝しないといけないですね. 「本業をよくまもって静かにときの来るのをまちなさい」とある.はい,謙虚な気持ちで本業をよくまもって静かに時の来るのを待ちたいと思います. 学問は「安心して勉学せよ」はい,いつも安心して勉学に励んでいます.恋愛は「あわてず心をつかめ」とある.なるほど,あわてないのが一番ですね.
今年の目標は,英語と中国語を勉強することである.理由は書かない.


4 January 2021
本当にあっと言う間にモー丑年,2021年,令和3年の1月である.明けましておめでとうございます.

コロナ禍はもう止む頃な丑の年

例年,元旦に北海道神宮に初詣をしていたが,今年は自粛して,後日,日を改めて出かけることにした. その報告はまた後日.

昨年12月も札幌で,オンライン講義の準備,大学院の指導を引き続きしていた. オンライン研究会に参加したり, 図書委員,学術雑誌の編集の仕事, 査読のレポート作成,論文レビュー作成,単著論文の執筆をしたり,共同研究のアイディアを考えたり, 微積分の入門書を地道に書き進めたりしていた.

研究・教育の時間以外には,
「三国志演義 (一)」井波律子,講談社学術文庫,(2014).
ジョナサン・スウィフト「ガリバー旅行記」山口蘭訳,角川文庫,(2011).
「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記,上,下」杉浦明平訳,岩波文庫,(1954., 1958).
などを読んでいた.
昔から読みたいと思っていた「三国志演義」を読み始めている.おもしろいが,いろいろな人が出てきて, エピソードも多いし, 名前も似たいたりするので覚えられない.
「ガリバー旅行記」は昔読んだはずだが,忘れていて,比較的新しい訳の角川文庫版を買ったら, 昔買った新潮文庫版が出てきた.まあ,こういうときは新しい方を読んでいる.読みやすい気がする.
「レオナルド・ダ・ヴィンチの手記」も昔からときどき眺めている本である.いろいろなことを考えていることがわかる.読んでいると,創作意欲が湧いてくる.

現在の座右の書:
S.S. Chern, Complex Manifolds without Potential Theory, D. Van Nostrand Company, (1967), 勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強をしています.
金子 晁「ニュートン図形・特異点・振動積分」現代的無限小解析入門,上智大学数学講究録 11 (1981). 勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
小平邦彦「複素解析曲面論」東大セミナリー・ノート 32,(1974).勉強になります.
Cristian E. Gutierrez, The Monge-Ampere Equation, Birkhauser (2001). 勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.

7 December 2020
アート言う間に2020年,令和2年の12月である.師走である.

11月もずっと札幌にいて,オンライン講義の準備と中間レポートの採点や,大学院の指導などをしていた. 図書委員の仕事,Hokkaido Mathematical Journal の編集をしたり, HMJが来年50巻目に入るので,その記念文を英語で書いて,それを専門業者に校正を依頼したりした. 日露共同研究も来年度まで延長できることになったので,来年度のことはわからないが, 一応,計画を立てたりもしていた. また,査読のレポート作成,単著論文の執筆をしたり,修正をしたり,共同研究のアイディアを考えたり, 微積分の入門書をちょっとずつ書き進めたりしていた.
研究はあまり進展していないが,可展面の平行曲面の研究で少しだけ進展があった.

研究・教育の時間以外には,
「史記列伝,第2巻」小川環樹,今鷹 真,福島吉彦 訳,岩波文庫 33-214-2 (1975).
フランシス・ベーコン「学問の進歩」服部英次郎,多田英次 訳,岩波文庫 33-617-1 )1974).
西村 肇「サバイバル英語のすすめ」ちくま新書 54 (1995),
などを読んでいた.

「史記列伝」は,司馬遷(太史公)の「史記」の中の,いろいろな人物を取り上げて評価している部分である. ときどき拾い読みしているだけが,簡潔にまとめられていて読みやすい.最後に,太史公曰く,と司馬遷の評が書かれているが,その価値観の部分も,そういう見方もあるのか,という感じでおもしろい.
「学問の進歩」も,昔買って,ときどき眺めている本である. 現在の学問に関する考え方と同じ部分もあるし,また,だいぶ違う部分もあって,おもしろい. 数学について書いてあることを読むと「一般論の広びろとした自由を楽しみ,特殊論のせせこましさを楽しまないのは, 人間の精神の本性であるゆえ,数学こそ,すべての知識のうち,そのような欲望をみたすのに最適な領域であったからである」「数学は,純粋であるか,混成であるか,そのいずれかである.純粋数学には,自然哲学のいかなる一般的命題からまったく切りはなされた,定量をとり扱う諸学が属している.そして,そのような学問には,幾何学と算術の二つがあり,前者は連続量(線)をとり扱い,後者は非連続量(数)をとり扱う」 (「学問の進歩」p. 174).なるほど.おもしろい.
「サバイバル英語のすすめ」も昔読んで,すっかり忘れている本である.為になることがたくさん書いてある. 関係ないが,ファインマンの「QED」が説明の教材に使われている.「QED」は何度か読んでいるが, とてもわかりやすく書かれている.(もともと講演の記録である.)このようなわかりやすい説明をしたいな,と 思うがなかなか難しい.

現在の座右の書:
Roger Penrose, The Road to Reality, A Complete Guide to the Laws of the Universe, Vintage Books (2004), 眺めているだけで楽しい本です.
S.S. Chern, Complex Manifolds without Potential Theory, D. Van Nostrand Company, (1967), 勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
ヒルツェブルフ「代数幾何における位相的方法」竹内勝訳,吉岡書店 (1970), 昔読んでいた愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強をしています.
金子 晁「ニュートン図形・特異点・振動積分」現代的無限小解析入門,上智大学数学講究録 11 (1981). 勉強になります.
V.I. Arnold, A.N. Varchenko, S.M. Gusein-Zade, Singularities of Differentiable Maps, II, Monodromy and Asymptotic Integrals, Birkhauzer, (1988). 一度,通読したい本です.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).為になります.

2 November 2020

アート言う間に2020年,令和2年の11月である.
10月はずっと札幌にいて,オンライン講義の資料を手書きしてスキャンしたり,講義音声を録音したり,演習問題を作ったり,提出された演習の採点をしたり,学生がメールで質問するのでそれに答えたりしていた.また,大学院の指導,図書委員の仕事,Hokkaido Mathematical Journal の編集などをしたり,いろいろな査読作業,レポート作成などをしたりしていた. それに加えて,ブラジルの特異点研究会のポスター発表用の原稿を書いたり,単著論文の執筆をしたり,共同研究のアイディアを考えたり,微積分の入門書を構想しながら書き進めたり,などということをぼちぼち行っていた.

研究・教育の時間以外には,
小林秀雄「近代絵画」新潮文庫 (2020, 新版),
高浜虚子選「子規句集」岩波文庫 (1993),
アガサ・クリスティー「ナイルに死す」黒原敏行訳,新訳版,クリスティー文庫,早川書房 (2020),
などを読んでいた.
「近代絵画」は,昭和51年の12刷を持っているが,今回新版が出て図版も充実したので, 改めて読み直しはじめたところだ.小林秀雄の文章はやはりいい.
「子規句集」は正岡子規の句集である.私が知っている子規の(おもしろいが少し軽い)句があまり選ばれていないのが少し不満だが,それでも眺めているとおもしろい.併せて,久しぶりに「墨汁一滴」などの子規の随筆も眺めているところだ.
アガサ・クリスティーの推理小説は,いままでに(たぶん)読んだことがなかったので, 本屋で目についた「ナイルに死す」を気まぐれに読んでいる.名探偵ポアロが活躍している. 論文書きに行き詰まったときに読むと,私自身の「灰色の脳細胞」も働いてくれるようになるかもしれない.

現在の座右の書:
Roger Penrose, The Road to Reality, A Complete Guide to the Laws of the Universe, Vintage Books (2004), 眺めているだけで楽しい本です.
S.S. Chern, Complex Manifolds without Potential Theory, D. Van Nostrand Company, (1967), 勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になっています.
ヒルツェブルフ「代数幾何における位相的方法」竹内勝訳,吉岡書店 (1970), 昔読んでいた愛読書です.勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). これもいつも座右にある愛読書です.勉強になります.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強をしています.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.

1 October 2020

アート言う間に2020年,令和2年の10月である.
9月もずっと北海道にいて,教育や研究やアートなどを楽しんでいた. 考えてみたら,今年は北海道を一歩も出ていない.北海道に住み始めて30年余, こんな年はなかったと思う.
9月は,学術雑誌(HMJ)の編集で活躍し,図書委員の仕事で貢献し, 論文のレフェリーレポートを書きまくり,大学院の指導で奔走し, 論文の執筆も楽々と,新しい啓蒙書の執筆もあっと言う間に完成,というふうになれば良かったが, まあ,ぼちぼち過ごしていた. 10月からの授業もオンライン授業にしたので,現在,その準備を行っている. また,オンラインで開催されるブラジルの特異点研究会はポスター発表にしたので, その講演ファイルを準備中である.

月末に,休暇をとって,白老の民族共生象徴空間 ウポポイを訪問して,アイヌの文化に触れて, さらに,伊達の縄文遺跡である北黄金貝塚や,だて歴史文化ミュージアムにも足を伸ばして見学し, 「縄文数学」をますます発展させる気持ちを新たにすることができた.

研究・教育の時間以外には,
原田マハ「たよたえども沈まず」幻冬舎文庫 (2020)
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス,テクノロジーとサピエンスの未来,上」 柴田 裕之 訳,河出書房新社,(2018),
馳星周「少年と犬」文藝春秋 (2020),
などを読んでいた.
「たよたえども沈まず」は,先月から引き続き,ゴッホの絵を見ながら少しずつ読んでいる.おもしろい.
「ホモ・デウス」は,何度目かの再読だが,なかなか読み進めなくて途中で止まってしまうので, 今回は,第2章の「人新世」あたりから読み始めているところだ.以前読んだときは, なぜ数学が世界を支配するのか,という内容だったような記憶があるので,それを再認識したい.
「少年と犬」は,傷ついた人々とある犬の連作である. 高校生ぐらいまで犬を飼っていたので,それを思い出しながら, 癒されながら楽しんで読んでいる.

現在の座右の書:
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). とても勉強になります.
S.S. Chern, Complex Manifolds without Potential Theory, D. Van Nostrand Company, (1967), 勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002). インスタントン分布の勉強です.
青本和彦,喜多通武「超幾何関数論」シュプリンガーフェアラーク (1994), 大変勉強になります.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
竹内 勝「等径部分多様体」上智大学数学講究録 31 (1990), 実代数幾何との関わりは勉強になります.
佐々木重夫「共形接続幾何学」河出書房 (1948), 新しいものを読み解ければと思います.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.
1 Sptember 2020

アート言う間に2020年,令和2年の9月である.
8月もずっと札幌にいて,教育や研究やアートなどを楽しんでいた.
オンライン授業では,期末レポートなどを採点して成績評価を行なった. 大学院は気をつけて1対1の対面セミナーをしていた. 引き続き,学術雑誌(HMJ)の編集,図書委員の仕事もして,論文のレフェリーレポートを書いたり, 論文の執筆,新しい啓蒙書の執筆も続けていた.これから,後期の授業の準備を始める予定である.

研究・教育の時間以外には,
宗 左近「宮沢賢治の謎」新潮選書 (1995).
時本慎吾「あいまいな会話はなぜ成立するのか」岩波科学ライブラリー 295 (2020).
原田マハ「たよたえども沈まず」幻冬舎文庫 (2020)
などを読んでいた.
宮沢賢治については,詩も童話も永らく親しんできて,惹かれるものがあるがよくわからないのも確かだ. 宗 左近さんの「宮沢賢治の謎」は,宮沢賢治に関していろいろ深めてくれる熱い本である.おもしろい.
「あいまいな会話はなぜ成立するのか」は,AI時代にあって,説明できる知性,あるいは "acountability"の本質は何か, というようなことを考えるのに重要になる内容だと思う. もちろん,AIもそのうちあいまいな会話もできるようになるだろうけど.
「たよたえども沈まず」は,19世紀末のパリの美術界の話,日本の画商とゴッホの話である. おもしろい.やっぱり芸術はよい.

現在の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
E. Cartan, Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, Transl. by V.V. Goldberg, (2001), カルタンの講義録.為になります.
竹内 勝「等径部分多様体」上智大学数学講究録 31 (1990), 実代数幾何との関わりは勉強になります.
佐々木重夫「共形接続幾何学」河出書房 (1948), 新しいものを読み解ければと思います.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点論」共立出版 (1998), 勉強になります.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.


3 August 2020

アート言う間に2020年,令和2年の8月である.
7月も相変わらず,ほとんどずっと札幌に居た.
一度だけ,7月11日(土)に,余市に墓参りに行った. 例年通り,かきざき商店でウニ丼を食べてきた.
7月上旬には,ロシアのスズダリであったはずの国際研究会がオンラインで開催されて,そこでポスター発表を行った.
あとは,6月と同じく,オンライン授業(線形代数学とモース理論入門)の準備と提出課題の採点をしていた. 大学院の遠隔・面談での指導,「天書の証明」の遠隔セミナー,も続けている. 学術雑誌(HMJ)の編集,図書委員の仕事もしている. 論文の執筆,新しい啓蒙書の執筆も地道に続けている.

自宅での勤務時間以外は,
夏目漱石「三四郎」角川文庫 (1851),
セネカ「人生の短さについて」茂手木元蔵訳 (1980),
エドワード・シルヴェスター・モース「日本その日その日」石川欣一訳(2013)
などを眺めていた.
夏目漱石の小説で最後まで読んだことのある作品は,「坊ちゃん」「草枕」「吾輩は猫である」「虞美人草」「こころ」と あとは短編ぐらいで,「三四郎」も,本棚にずっとあるが,いままで最後まで読んだことがなかった.おもしろい. 今回も通読できるかわからないが,三部作「三四郎」「それから」「門」ぐらいは読んでおきたい.
モンテニュの「エセー」を眺めていたら,セネカの言葉がたびたび引用してあるので,セネカの「人生の短さについて」を読み始めている.おもしろい. 要するに,時間を浪費するな,ということである.身につまされる.
「日本その日その日」は,ときどき眺めているが,たとえば昔の札幌や函館,アイヌの話も書いてあって興味深い.

現在の座右の書は省略.

2 July 2020

アート言う間に2020年,令和2年の7月である.
6月も相変わらず,ずっと札幌に居た.5月と同じく,オンライン授業の準備と提出課題の採点をしていた. 中間レポートの出題・採点もした.ファイルを採点して学生にコメントを返すのは,紙の答案を採点するより大変である.(紙世代の私だからか,ファイルに直接書き込んだりするテクニックがないからなのか.) また,学生と直接対面できていないから,質問にはよりていねいに対応する必要がある. 大学院の遠隔での指導,「天書の証明」の遠隔セミナー,も続けている. 学術雑誌(HMJ)の編集,図書委員の仕事もしている. 論文の執筆,新しい啓蒙書の構想を練るのも地道に続けている.

自宅で授業の準備などをしている勤務時間以外は,
サマセット・モーム「月と六ペンス」岩波文庫 (2005).
ウンベルト・エーコ,ジャン=クロード・カリエール「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」CCCメディアハウス (2010).
「新古今和歌集」佐左木信綱校訂,岩波文庫 (1929).
などを眺めていた.
「月と六ペンス」は,昔,中学生か高校生のときに,河出書房新社の世界文学全集の一冊として読んでいる.画家ゴーギャンをモデルとした小説としておもしろく読んだ記憶がある.しかし,今,再読してみて,モームのシニカルな筆致が,その当時,本当にわかっていたかどうかは疑問である.もちろん,今は見えていないものを当時は見えていたのだろうが.
ウンベルト・エーコの本は,「薔薇の名前」からいろいろ愛読している. 「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」は,本の題名とシャレた装丁というだけで買っておいた本である.眺めているだけであるが,紙の本の行く先については興味がある話題である.ついでに,これも以前眺めていた本であるが, エーコの「論文作法」という,実用的というか非実用的というか,よくわからない本も眺めている.
「新古今和歌集」は,ときどき眺めているだけだが,知っている歌も多いし,西行の歌などは癒される.

現在の座右の書:
倉辻比呂志「幾何学的量子力学」シュプリンガー・フェアラーク東京 (2005), ときどき眺めて勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
山本義隆「幾何光学の正準理論」数学書房 (2014). 波動光学から幾何光学へ.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
Frederic Pham, Singularities of integrals --- Homology, hyperfunctions and microlocal analysis ---, Springer (2005). Landau singularities の部分は30年前に勉強した記憶があります.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.



1 June 2020

アート言う間に2020年,令和2年の6月である.
5月もずっと札幌に居た.オンライン授業の準備やその提出課題の採点などをして過ごしていた. 大学院の遠隔指導,「天書の証明」の遠隔セミナー,学術雑誌(HMJ)の編集の仕事,図書委員の仕事などもしていた. 単著論文,共著論文の執筆,学術論文の査読レポートやレビューを書いたり, 新しい啓蒙書の構想を練ったり,というのもボチボチやっていた.
家に引きこもっていて,運動不足でどうにも調子が出ず,しかも, 5月後半は,それでもやはり花粉症の症状も出てきて,ますます調子が出なくなった. 6月に予定されていた「道新講座」という北海道新聞と北大の共同企画の一般講演も中止になった. 7月のロシアのスズダリでの国際研究集会もオンラインに変更になった. オンライン発表の準備はそろそろ始めないといけないが,まだ手がついていない.そんなところだ.

自宅で授業の準備などをしている勤務時間以外は,
五木寛之「大河の一滴」幻冬舎文庫 (1999),
ハンス・ロスリング「FACTFULLNESS」上杉周作,関美和 訳,日経BP社 (2019),
山本義隆「磁力と重力の発見 1, 古代・中世」みすず書房 (2003)
などを眺めていた.
「大河の一滴」は,いまの状況で読むにふさわしい本である. よいことがたくさん書いてある. たとえば,極楽はどこか遠くにあるのではなく,この現実の地獄の中に極楽がある.なるほど.
「FACTFULLNESS」もおもしろい.事実に基づいて見れば,世の中それほど悪くない,思い込みは良くない,という内容である.私は現実的に考えることがすこぶる苦手なので,ためになる. まあ,研究のためには思い込みは不可欠ではあるが,事実をよく見ることも大切である.なるほど.
「磁力と重力の発見」全3巻は,昔買って,ときどき眺めている本である.数学や物理を知るには古典力学を知らなければならない.古典力学を知るには,磁力と重力の謎を人類がいかに捉えてきたかを知らなければいけない. ものごとを知るには,その歴史を知らなければいけない,ということだ.なるほど.

現在の座右の書:
ミルナー「モース理論」志賀浩二 訳,吉岡書店 (1968), オンデマンドのオンライン授業のテキストとして現在改めて熟読しています.
倉辻比呂志「幾何学的量子力学」シュプリンガー・フェアラーク東京 (2005), ときどき眺めて勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
山本義隆「幾何光学の正準理論」数学書房 (2014). 波動光学から幾何光学へ.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(縮刷版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2012). 楽しんでいます.
佐武一郎「線型代数学」裳華房 (1958). モース理論の資料として.
スチーンロッド「ファイバー束のトポロジー」吉岡書店 (1976). モース理論の資料として.
ヒルベルト,コーン・フォッセン「直観幾何学」みすず書房 (1966). セミナーの資料として.


1 May 2020

アート言う間に2020年,令和2年の5月である.
4月もずっと札幌に居た.新学期が5月11日からに延期され,さらにオンライン授業になった. さらに4月後半は自宅勤務となり,自宅で せっせとオンライン授業の準備をしているところだ. その他,大学院の遠隔指導,学術雑誌(HMJ)の編集の仕事,図書委員の仕事,それから, 単著論文,共著論文の執筆,学術論文の査読レポートやレビューを書いたり,新しい啓蒙書の構想を練ったりしていた.
普段から運動不足だが,最近はめったに出歩かず授業の準備をコツコツとして,家に引きこもっていて, ますます運動不足でどうにも調子が出ない.ただし, 例年は花粉症で悩まされる時期なのだが, たまに出かけるときも必ずマスクをしているので,多分そのおかげで, 今年はあまり花粉症の症状が出ていないことだけは良いことである.

自宅で授業の準備などをしている勤務時間以外は,
カミュ「ペスト」宮崎嶺雄訳,新潮文庫 (1969).

塩野七生「皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上」新潮文庫,(2020).
などを引き続き読んだり,改めて
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス,テクノロジーとサピエンスの未来,上」 柴田 裕之 訳,河出書房新社,(2018),
を引っ張り出して読み始めたりしていた.
「ホモ・デウス」は,2018年の9月に出版されたとき,すぐ上下巻ともに読んだ. 内容は,もちろんほとんど忘れているが, これからは数学の時代である,というような結論だったように記憶している. それはともかく, 今回,読み返し始めてみると,人類(ホモ・サピエンス)は古代から現代まで, 「飢餓」と「疫病(伝染病)」と「戦争」に永らく悩まされてきた. しかし,現代ではそれらの問題はすでに対処可能となっていて, その先に,ホモ・サピエンスを超えたホモ・デウスが現れる,というようなことが書かれているようだ. まあ,今回の新型コロナ感染症の状況を見ると,なかなかそう簡単にもいかない,と思ったり,いや, アナログでアナクロな私ですらオンライン授業を準備したりしているのだから, こんな災いもキッカケに急速に社会が変わっていくのかも,と思ったりしている今日この頃である.

現在の座右の書:
山本義隆「幾何光学の正準理論」数学書房 (2014). 波動光学から幾何光学へ.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(縮刷版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2012). 楽しんでいます.


1 April 2020

アート言う間に2020年,令和2年の4月である.
3月は,予定していたすべての出張や旅行を取りやめたので,ずっと札幌にいて, 新学期の講義準備や,学術雑誌(HMJ)の編集の仕事,図書委員の仕事をしていた. 新学期がいつ始められるか,授業はどうしたらよいか,見通しが立たないが. また,単著論文をちょっとずつ書き進めたり,学術論文の査読レポートやレビューを書いたりしていた. さらに,こんな機会がないとできないので,基礎的な勉強(たとえば,波とは何か,とか) を改めて零から見直していた. ついでに,十年以上もできていなかった研究室の整理もしながら,毎日生まれ変わっていた.

通勤中や休暇中は,時節がら,
ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄 上」倉骨 彰 訳,草思社 (2000),
カミュ「ペスト」宮崎嶺雄訳,新潮文庫 (1969).
を改めて読んだり,
マリオ・リヴィオ「神は数学者か? --- 万能な数学について」早川書房 (2011),
を眺めたり,先月から引き続き,
刑部芳則「古関裕而」中公新書 2569 (2019),
も眺めたり,
塩野七生「皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上」新潮文庫,(2020).
などを新たに読み始めたりしていた.
「銃・病原菌・鉄」は文明論に関する本である.再読である.第11章が感染症の話なので読みかえしてみた. 文明と感染症の関わりは深く,歴史的にも多くの例がある.おもしろい.
カミュの有名な小説「ペスト」は再読である.記録によれば,私は1981年3月に一度読んでいる. やはりこの機会に本棚から引っ張り出して読み返している.
「神は数学者か」は数学論である.数学の"不条理な有効性"などが書かれている.興味深い.
3月末から古関裕而の生涯をモデルにした朝ドラが始まっているが, 「古関裕而」には,なんとなく知っていたことや知らなかったことがいろいろ詳しく書かれていて楽しく眺めている. 阪神タイガースの「六甲おろし」読売ジャイアンツの「闘魂こめて」や 高校野球の「栄光は君に輝く」,以前の東京オリンピックの「オリンピック・マーチ」, NHKのスポーツ番組で昔使われていた「スポーツショー行進曲」や軍歌(「露営の歌」や「若鷲の歌」など)の作曲も多く,一度は聴いたことがある名曲が,古関裕而さんの作曲だということを改めて知った.
「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」は,すこし前に衝動買いしてあった本である.昔,高校の世界史を習ったときから,十字軍とか神聖ローマ帝国とか,中世のヨーロッパの世界は,よくわからなかったが興味があった.いまだによくわからないが,「皇帝フリードリッヒ二世の生涯」は,中世13世紀のそのあたりの話のようだ.塩野さんの文章もすっきりしていて読みやすい.

現在の座右の書:
山本義隆「幾何光学の正準理論」数学書房 (2014). 波動光学から幾何光学へ.
藤原大輔「線型偏微分方程式論のおける漸近的方法 I, II」岩波講座 基礎数学,岩波書店 (1976, 1977), 改めて勉強しています.
V. Guillemin, S. Sternberg, Geometric Asymptotics, Amer. Math. Soc. (1977). 再読です.改めて勉強になります.
Yu.A. Kravtsov, Yu.I. Orlov, Caustics, Catastrophes and Wave Fields, Springer, (1993, 1999). 波とは何か.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). なかなか勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
V.I. Arnold, Geometrical Methods in the Theory of Ordinary Differential Equations, Springer-Verlag, (1983). 再読です.おもしろい.
V.I. Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, (2004). これも再読です.おもしろい.
Cristian E. Gutierrez, The Monge-Ampere Equation, Birkhauser (2001). 昔勉強していた本ですっかり忘れていました.
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002). モース理論の複素化とは何か?
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(縮刷版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2012). 楽しんでいます.


3 March 2020

あっ〜と言う間に2020年,令和2年の3月である.
2月も札幌で,講義・演習の成績評価をし, 学術雑誌(HMJ)の編集の仕事や,図書委員の仕事をしたり, 投稿した論文の修正をして,学術論文の査読レポートを書いたり, 推薦書を書いたり,単著論文を書いたり,4月からの講義準備をしながら, 毎日生まれ変わっていた.送別会もあった. 研究室の整理を久しぶり(10年ぶりぐらい?)にやったり,中止になった研究会への出張取り消し作業や, その他,いろいろな作業もしながら,さらに生まれ変わっていた.

通勤中や休日には
川越宗一「熱源」文藝春秋 (2019).
を読み終えて,その後,
ミヒャエル・エンデ「モモ」岩波書店 (1976),
刑部芳則「古関裕而」中公新書 2569 (2019),
末永幸歩「13歳からのアート思考」ダイヤモンド社 (2020),
などを読んでいた.
「熱源」は樺太アイヌの人々が時代の流れの中で生きていく姿を, 当時の日本やポーランド,ロシアとの関係も交えて描かれた小説である. 大変おもしろかった.
「モモ」は,以前から読みたいと思っていた本である.時間,というものが係る物語である. ゆったり描かれているので,ゆったり読んでいる.
「古関裕而」は,わが福島出身の作曲家である古関裕而さんの伝記である. 古関さんが作曲した有名な曲を Youtube などで確認(できるものは確認)しながら読んでいるところである.
「13歳からのアート思考」は,美術のおもしろさを改めて示してくれている本である. とてもおもしろい.冒頭に登場する「アートという植物」という比喩は,そのまま数学にも あてはまる.ところで, 著者によれば,「美術」と「数学」は正反対の教科であると書いていて, 数学は「正解を見つける力」を養うもの,美術は「自分だけの答えを見つける力」つまり, 「アート思考」を養うもの,いうことであるが,実は, 数学でも,自分だけの答えを持つことは大切である.ある意味,正解なんてない.アート思考が不可欠である. 私はつねづね数学も芸術だと考えているので,数学教育にもアート思考をぜひ取り入れていきたい.

現在の座右の書:
竹内勝「等径部分多様体」上智大学数学講究録 31 , (1990). 再読です.改めて勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
V.I. Arnold, Geometrical Methods in the Theory of Ordinary Differential Equations, Springer-Verlag, (1983). これも再読です.おもしろい.
V.I. Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, (2004). これも再読です.おもしろい.
V.I. アーノルド,「常微分方程式」足立正久,今西英器 訳,現代数学社 (1981).
Yu.A. Kravtsov, Yu.I. Orlov, Caustics, Catastrophes and Wave Fields, Springer, (1993, 1999). 波とは何かがわかれば.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). この本もなかなか勉強になります.
Cristian E. Gutierrez, The Monge-Ampere Equation, Birkhauser (2001). 昔勉強していた本ですっかり忘れていました.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.

3 February 2020

あっ〜と言う間に2020年,令和2年の2月である.
1月は,ずっと札幌で,講義・演習の準備をしたり,修士論文の指導をしたり, 学術雑誌(HMJ)の編集の仕事や,図書委員の仕事をしたり, 学術論文の査読レポートを書いたり,依頼原稿を仕上げたり,推薦書を書いたり, 共同研究の計画書を書いたり,単著論文を書き始めたりして,毎日生まれ変わっていた.

通勤中や休日には
川越宗一「熱源」文藝春秋 (2019).
酒井邦嘉「科学という考え方」中公新書 2375 (2016).
福岡伸一「生物と無生物のあいだ」講談社現代新書 1891,講談社 (2007).
などを読んでいた.
「熱源」は,直木賞で話題になっているし,アイヌ文化とか,ポーランド,ロシアと 北海道の関係とか,私が関心あることが関連しているとのことなので読み始めている.
「科学という考え方」は再読である.同じ著者による「科学者という仕事」と共に, いつ読んでも勉強になる.
「生物と無生物のあいだ」の後半は,生物とトポロジーの話題も出てきておもしろい.

現在の座右の書:
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). この本もなかなか勉強になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
Cristian E. Gutierrez, The Monge-Ampere Equation, Birkhauser (2001). 昔勉強していた本ですっかり忘れていました.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).勉強になります.

6 January 2020

あっ〜と言う間に2020年,令和2年の正月である.
昨年の12月は,初旬にベトナムのハノイ国立大学を訪問し,すっかり生まれ変わり, 中旬から下旬にかけて,京大数理研の研究会に参加し,さらに北大にロシアの Tunitsky 氏と Remizov 氏を招聘し,たっぷり勉強してさらに生まれ変わった. その他,引き続き, 学術雑誌(HMJ)の編集の仕事や,図書委員の仕事をし, 学術論文の査読や, 講義・演習の準備をし,また,雑誌の取材をしてもらったりしていた. それから,多様体の教科書の執筆,依頼された原稿の執筆もちょっとずつ進めていた.
年が明けて元旦には,北海道神宮に初詣に出かけた. 例年通り,参拝後に梅酒を買って,おみくじを引いた. 今年は大吉だった.「安心して其日其日が楽しく面白く過ごされる」とのことである. それは良かった. 学問の項は「安心して勉学せよ」,はい,いつもそうしてます. 旅行は「計画を十分たてよ」,はい,計画は大事ですね. 恋愛は「愛情を捧げよ」,はい,捧げてます. 「何事も正直にして他人を恨まず,仕事大事とはげみなさい」,はい,了解です. 何事にも正直だし,他人を恨んだこともないし, 毎日仕事を大事にしてはげんでいるつもりです.
今年の抱負は,私と誕生日が同じ美木良介氏が「ロングブレス健康法」で活躍しているので, 私も見習って息の長い研究を続けること, それから今年こそはフランス語と中国語を勉強することである.理由は書かない.

出張の移動中や週末,年末・正月の休みには,
松本 元,松沢哲郎「ぼくたちはこうして学者になった---脳・チンパンジー・人間」 岩波現代文庫(社会314)岩波書店 (2019).
福岡伸一「生物と無生物のあいだ」講談社現代新書 1891,講談社 (2007).
佐藤正午「月の満ち欠け」岩波文庫 55-825-1,岩波書店 (2019).
などを読んでいた.
「ぼくたちはこうして学者になった」は,著名な脳科学者の松本元さんと,著名な チンパンジー学者の松沢哲郎さんの対談である.優れた学問の話はおもしろい. いろいろ刺激になる.
「生物と無生物のあいだ」は再読である. 2007年当時に一度読んでいるが,また改めて読み始めたところである.
「月の満ち欠け」は, 本屋(札幌,大通,立ち食いソバのそばの文教堂)で見かけて衝動的に購入して読んでいる. なかなかおもしろい不思議な小説である.

それから,数学の一般書として,
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(縮刷版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2012).

デーデキント「数について --- 連続性と数の本質」河野 伊三郎訳,岩波文庫 33-924-1, 岩波書店 (1961).
も眺めている.よいことが沢山書いてある.

現在の座右の書:
松田道彦「外微分形式の理論」数学選書,岩波書店 (1976).勉強になります.
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).読み応えがあります.
E.ピカール「偏微分方程式論 --- 数理物理学への応用を含む」山口昌哉,田村祐三 訳, 現代数学社 (1977).おもしろい.幾何学的である.
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009). この本もなかなか勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). とても勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976). 説明の仕方が参考になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).勉強になります.

26 December 2019

あっ〜と言う間に,2019年も終わりである.充実していたような,いなかったような, いろいろな方にお世話になりながら,いろいろ失敗もしながら, まあまあ楽しく過ごした一年でした.
では,また来年も引き続きよろしくお願いします.よいお年を!

2 December 2019

あ〜っという間に,もう12月である.師走である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,今年も半年と5ヶ月が過ぎたことになる.

11月は札幌に居て,投稿していた共著論文にレフェリーレポートが届いたので, その修正をして再提出したり,別の出版予定の論文の校正刷が届いたので,その修正を 知らせたり,また別の共著論文を書き進めて投稿準備をしたり, また別の単著論文(tangent map の parallel の話)を ぼちぼち書き進めたりしていた. その他,いつものように,学術雑誌(HMJ)の編集の仕事や,図書委員の仕事, 講義や演習の準備, 多様体の教科書(兼,多様体の講義プリント)も少しずつ書き進めていた.

通勤中,休暇中は,
福岡伸一「新版 動的平衡2: 生命は自由になれるのか」小学館新書 (2018),
藤原辰史「分解の哲学 —腐敗と発酵をめぐる思考—」青土社 (2019),
カレル・チャペック「山椒魚戦争」栗栖 継 訳,岩波文庫 (1978).
加藤文元「宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃」KADOKAWA (2019),
などを読んでいた.
「 動的平衡2」は,生命の自由さがテーマである. どうも,生命は遺伝子 DNA だけで支配されている わけではないそうだ.いわゆるエピジェネティックス(epi-genetics), 遺伝子の外にあるものが遺伝子の発現の時期に影響しているそうである. チンパンジーと人間もゲノム的にはほとんど一緒で, ただエピジェネティックスが違うだけ,ということらしい.おもしろい. それ以外にも,「必須アミノ酸」の話や「腸内細菌」の話は為になった.おもしろい.
「分解の哲学」は先月から引き続き読んでいる本である.この本は, たとえば素因数分解とかの話ではなく,また物質が素粒子やクォークに分解されるという 話でもなく, 「腐敗」とか「積み木」とか「屑拾い」とか「葬送」とか「修理」とかの話である. まあ,広い意味の地球や人類の「動的平衡」の話とも言えないことはない. ところで,その第3章が「人類の臨界 --- チャペックの未来小説について」という内容で, チェコの有名な作家兼ジャーナリストである カレル・チャペックの未来小説について解説されている. チャペックの作品というと, 「園芸家12カ月」(「園芸家の一年」とも訳されます) という楽しい本は昔からの私の愛読書であり, 「ダーシェンカ」という愛犬にまつわるほのぼのとした作品や, 「コラムの闘争」という本も昔から眺めていたが, チャペックの未来小説はまだ読んだことが なかったので,「山椒魚戦争」を読み始めているところである. なかなかおもしろそうな,でも怖いような小説らしい.
「宇宙と宇宙をつなぐ数学」も先月から引き続き読んでいる本だが, あまり読み進めていなかったが, 最近,何か賞を受賞したらしいので, 改めて読んでみようかなと思っている今日この頃である.

現在の座右の書:
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973). 楽しんで読んでいます.
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). とても勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). とても勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976). 説明の仕方が参考になります.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強してます.
ファインマン,レイトン,サンズ「ファインマン物理学 V 量子力学」 砂川重信 訳,岩波書店 (1979). なかなか勉強になります.
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).勉強になります.

4 November 2019

あ〜っという間に,もう11月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,今年も半年とよ月が過ぎたことになる.

10月は,10月19日から27日まで,スペインはバレンシアの特異点研究会に出席・講演して, 完璧に生まれ変わってきた. それ以外は,学術雑誌(HMJ)の編集の仕事や,図書の仕事,講義の準備, 多様体の教科書(兼,多様体の講義プリント)も少しずつ書き進めて, 論文もぼちぼち書き進めていた.

バレンシアでは,On normal and tangential maps to frontals という講演を行なったが, その後,normally flat な frontal の tangential map の parallel が その frontal の parallel の tangential map と右同値になる,という発見をした.

通勤中,出張の移動中,休暇中は,
福岡伸一「新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」小学館新書 301 (2017),
藤原辰史「分解の哲学 —腐敗と発酵をめぐる思考—」青土社 (2019),
加藤文元「宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃」KADOKAWA (2019),
などを読んでいた.
「動的平衡」は,同じ著者による「生物と無生物のあいだ」と同様,とてもおもしろい. 生命とは何か,ということが何となくよくわかる. 分子レベルでは,われわれの体の成分は数ヶ月経てばすっかり入れ替わる. まさに「生まれ変わっている」わけだ.われわれは単なる分子の淀みだ. 福岡先生によれば「生命とは動的平衡にあるシステムである」とのことである. なるほど.
「分解の哲学」は,難しいが,分解と腐敗に関する考察していて,新品文化を見直そうとしている.ものごとは少し壊れているほうがおもしろいということか.これはおもしろい.
以前読んだ,エドワード・フレンケルの「数学の大統一に挑む」もおもしろかったが, 「宇宙と宇宙をつなぐ数学」もなかなかおもしろい.

現在の座右の書:
大槻富之助「微分幾何学」朝倉書店.おもしろい.意外に勉強になります.
Bang-Yen Chen, Geometry of Submanifolds, Dover Publ. Inc. (1973).
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). 勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). 勉強になります.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).説明の仕方が参考になります.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.
スチーンロッド「ファイバー束のトポロジー」大口邦雄訳,吉岡書店 (1976).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強です.
2 October 2019

あ〜っという間に,もう10月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,今年も半年とみ月が過ぎたことになる.

9月は,9月7日から15日まで日露二国間共同研究で日本から6名のメンバーでモスクワ大学を訪問し,研究会を開催して活発に研究交流をしてきた.
http://agora.guru.ru/display.php?conf=sing_diff-2019
モスクワ大学のあのスターリン様式の建物の中の宿舎に宿泊して,研究三昧の生活をした. 共同研究の成果がいくつか産まれそうな喜ばしい予感がする. 関係ないが,モスクワ大学の最寄りの地下鉄の駅のところビルに「丸亀製麺」が入っていて驚いた.モスクワでうどんは食べなかったが,同じビルのカフェで激辛唐揚げを食べた.
さて,それから一旦帰国して,9月18日から10月1日まで,今度は, 個人的な日波(日本--ポーランド)共同研究のために, ワルシャワ工科大学を一人で訪問した. 日中(日本--中国ではなくて「ふるひなか」) は共同研究相手のヤネチコ教授と数学の議論をして,夜は,工科大の宿舎で, Youtube で藤圭子の歌(三波春夫の「俵星玄蕃」もいいが,藤圭子の「刃傷松の廊下」もいい) などを聴き流しながら論文を書いて,また次の日に議論するという感じの最高に充実した研究生活ができた.元北大の学生で今はワルシャワに住む A.T.君,Eさん,Yちゃん家族とも会えてよかった.
その他,学術雑誌(HMJ)の編集の仕事や, 多様体の教科書(兼,多様体の講義プリント)も少しずつ書き進めていた.

モスクワの海外出張のお供には,ロシア関連で,
米原 万理「ロシアは今日も荒れ模様」 講談社文庫 (2001),
松 樟太郎「声に出して読みづらいロシア人」 (コーヒーと一冊), ミシマ社 (2015).
を持参した.
ワルシャワへは
ソルジェニーツィン「イワン・デニーソヴィチの一日」 木村 浩 訳, 新潮文庫,(1963).
米原 万理「旅行者の朝食」文春文庫 (2004)
を持参して移動中などに読んでいた.
「ロシアは今日も荒れ模様」 「旅行者の朝食」米原万理さんの本である. 米原さんの書く文章はおもしろいし,やはりロシアや東欧の匂いがして 好きである.
「声に出して読みづらいロシア人」は, 8月末に休暇で東京に行ったとき,たまたまミシマ社という出版社のフェアをしていて買ってみた.くだらなくておもしろいし,為になった.
「イワン・デニーソヴィチの一日」は, ノーベル賞受賞作家ソルジェニーツィンのデビュー作である. 主人公のソビエトの強制収容所(ラーゲル)での一日を淡々と描いている作品である.何度も何度も読んだ私の愛読書である. 比較的長期で海外に行った時などに読んでいる印象がある. 文庫本も2冊持っている.今回,持参した一冊は,ロンドンの本屋で買ったものである.ドストエフスキーやトルストイもいいが,ソルジェニーツィンもいい.

座右の書は,今回は省略する.

2 September 2019

あ〜っという間に,もう9月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,今年も半年とふた月が過ぎたことになる.

8月は,まず,8月4日にオープンキャンパスで一般講義「エプシロン-デルタからトポロジーの世界へ」 を午前,午後行った.当日は高校生やその親御さんなど多くの方々が参加されて盛況だった. ただ,当日は,札幌では珍しく暑い,蒸し暑い日だったので,しかも超満員,立ち見が出る程だったので,こちらが汗だくになって話すのは毎度のことだが,聴いている方々も暑そうで(つまらない話を 聞くのは)大変そうだった...まあ,こちらは楽しかった.
それから, 秋田でのトポロジーシンポジウムには都合により参加できなかったが,室蘭で研究連絡をしたり, 月末に休暇をとって東京と箱根,静岡,横浜と回ってリフレッシュしたりして,充実した生活をしていた. その他,先月と同様, 授業の準備(内容は後期の多様体論)をし,日露共同研究の準備をして, 9月のロシアでの講演準備をし, 学術雑誌(HMJ)の編集の仕事をして, 図書委員の仕事をして,論文のレビューレポートを書いて, 停滞している共著論文の他に,新しくサーベイ論文も書き始めて, 雑誌の啓蒙記事を書き, 多様体の教科書(兼,多様体の講義プリント)を地道に書き進めたりしていた.

通勤中や週末の研究の合間,休暇中には,
原田マハ「楽園のカンヴァス」新潮文庫 (2014).
佐々木 実「資本主義と闘った男」講談社 (2019).
邱 永漢「食は広州に在り」 中公文庫,
などを読んでいた.
「楽園のカンヴァス」は,画家ルソーにまつわるミステリーである.もともとルソーの絵は好きで, この小説も気になっていたが,今回初めて読むことができた.小説の構成も凝っていて,おもしろかった.
「資本主義と闘った男」は引き続き読んでいて,いまは, 宇沢弘文さんがアメリカでの研究を止めて帰国するあたりを読んでいる.
「食は広州に在り」 は,昔から時々眺めている本であるが,今回は,休暇のお供に 持参して,ところどころ眺めていた.おもしろいが,時代の流れも感じる内容である.
それから今度,ロシアへ出張するので,
米原万理「ロシアは今日も荒れ模様」講談社文庫 (2001),
も読み始めたところである.

現在の座右の書は,今回は省略.
1 August 2019

あ〜っという間に,もう8月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,今年も半年とひと月が過ぎたことになる.

7月は,相変わらず,札幌で, 授業の準備(内容は微積分と線形代数,それから後期の多様体論)をし, 学部,大学院のセミナー(内容は,多様体論,組合せトポロジー,(特異点を持つ)曲線・曲面の微分幾何学,(例外)リー群の胞体分割,代数幾何学,シンプレクティック幾何学)を指導し, 学術雑誌(HMJ)の編集の仕事をして, 図書委員の仕事をして,論文のレビューレポートを書いて, 日露共同研究の準備をして, 9月10月の研究会の講演準備をして, 書きかけの共著論文を改めて書き直して, 新しくサーベイ論文も書き始めて, 夏のオープンキャンパスの講義の準備をして, 雑誌の啓蒙記事を書き, 多様体の教科書(兼,多様体の講義プリント)を地道に書き進めたりしていた.

数学では,normal bundle が平坦になるfrontal の parallel を調べていた.

通勤中や週末の研究の合間には,
トーマス・トウェイツ「ゼロからトースターを作ってみた結果」村井 理子 訳,新潮文庫.
森 鴎外「渋江抽斎」岩波文庫.
デーデキント「数について---連続性と数の本質」河野 伊三郎 訳,岩波文庫.
佐々木 実「資本主義と闘った男」講談社 (2019).
などを読んでいた.
「ゼロからトースターを作ってみた結果」は,以前から題名が気になっていた本で, 思い切って読み始めたところである.どうも,ゼロからトースターを作ってみた話のようである. おもしろい.ところで,いつも,私は数学はゼロから作ることにしているので(もちろん,なかなかうまく行かないけれど),いずれ, 「ゼロから数学を作ってみた」という本が書けるかもしれない.
「渋江抽斎」は,鴎外の有名な歴史物だが,以前から,ちょっと読んでは内容を忘れて, またちょっと読んではまた忘れ,という感じで,何十年だっても読み終えられない. 今回もたぶんそうなる模様.
「数について」は,いわゆる,デデキントの切断,が書かれている有名な本である. 今度,オープンキャンパスで「エプシロン-デルタからトポロジーの世界へ」 という講演をするので,その参考文献として眺めている.
「資本主義と闘った男」は引き続き読んでいる本で, 今は,宇沢弘文さんがアメリカに渡ったところあたりを読んでいる.

現在の座右の書:
大槻富之助「微分幾何学」朝倉書店.おもしろい.意外に勉強になります.
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). 勉強になります.
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004). 勉強になります.
S. Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978). 眺めています.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).説明の仕方が参考になります.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.勉強です. \
1 July 2019

あ〜っという間に,もう7月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,今年も半年が過ぎたことになる.ああ早い.

6月は,博多での研究会に出席して,大いに勉強して,完璧に生まれ変わってきた. その後,ことしは6月8日の土曜日に,新しくできた高速道路で余市まで車で行って,墓参りをして, そのついでに,例年通り,余市の「かきざき商店」で ウニ丼(赤ウニさく)を堪能して, さらに完全に生まれ変わってきた.ああ旨い.
その他,札幌で,授業の準備をし,学部,大学院のセミナーを見て, 学術雑誌の編集の仕事をして,図書委員の仕事をして,論文のレビューを書いて, 日露共同研究の準備をして, 書きかけの共著論文を改めて書き直して,新しくサーベイ論文を書き始めて, 夏のオープンキャンパスの講義の準備をして, 夏の出張での講演準備を始め,雑誌の啓蒙記事を書き出して, 多様体の教科書を地道に書き進めたりしていた.ああ忙しい.

週末の研究の合間には,
帚木 蓬生「閉鎖病棟」新潮文庫 5906 (1997).
佐々木 実「資本主義と闘った男」講談社 (2019).
司馬 遼太郎「項羽と劉邦 上」新潮文庫 3260 (1984).
山本 周五郎「樅の木は残った 上」新潮文庫 7111 (2003).
などを読んでいた.
「閉鎖病棟」は,以前このメモ帳に書いた「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」 (4 September 2017参照) の著者の書いた小説である.
「資本主義と闘った男」は,経済学者 宇沢弘文の伝記である.分厚い本なのでなかなか読み進められない. いまは,まだ,東大数学科の話あたりのところで停まっている.
「項羽と劉邦 上」もちょっとずつ読んでいる.先は永い.
山本周五郎をまだ読んだことがないので,「樅の木は残った 上」を 読もうかなと思っているところである.先は永い.

現在の座右の書:
V.I. Arnold. Dynamics, Statistics and Projective Geometry of Galois Fields, Cambridge University Press, (2011). 眺めています.
佐藤肇,一重雄「幾何の魔術」第3版,日本評論社 (2012). 上の本と一緒に眺めています.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).参考になります.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
佐藤肇「リー代数入門 」裳華房 (2000).勉強しています.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.

31 May 2019

あ〜っという間に,もう5月も終わろうとしている. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,もうすぐ6月,そろそろ衣替えの時期である.

5月は,ゴールデンウィークも,その後も,札幌で毎日生まれ変わっていた. 授業の準備をしたり,学部,大学院のセミナーを見たり,学術雑誌の編集の仕事をしたり, 図書委員の仕事をしたり,日露共同研究の準備をしたり, 書きかけの共著論文を改めて書き直したり,新しくサーベイ論文を書き始めたりしていた. 週末の研究の合間には,
和辻哲郎「古寺巡礼」岩波文庫 (1979).
マックスウェーバー「職業としての学問」尾高邦雄訳,岩波文庫 (1936).
なだいなだ「人間,この非人間的なもの」ちくま文庫 (1985).
松沢哲郎「想像するちから」岩波書店 (2011).
などを眺めていた.
「古寺巡礼」は,昔からちょっと読んでは忘れて,また思い出して眺めてはまた忘れて, を繰り返してきた本である.今回もそんな感じである.いろいろ寺巡りをしたくなってくる.
「職業としての学問」は,何度も読んでいる愛読書である.記録によれば,最初に読み切ったのが 1977年, 僕が二十歳のときである.今回も初心に返って読んでいるところである.おもしろい.
なだいなださんの本は好きで,いろいろ読んでいる.「人間,この非人間的なもの」もその中の一冊である. 内容はすっかりわすれていたが,読み返すとなかなか鋭いことが書いてある.読んだ年代,時代で感じ方が違うのかもしれない.
「想像するちから」は,おもしろそうなので買ってみたが,あまり読んでいなかった本である. チンパンジーの話である.考えると,チンパンジーと人間はあまり変わらないようである.

現在の座右の書は今回は省略.
26 April 2019

あ〜っという間に,もう4月も終わろうとしている. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,もう黄金週間に入る.どうしよう.

4月は,札幌で毎日生まれ変わっていた.新学期の授業の準備をしたり,学術雑誌の編集の仕事をしたり, 図書委員の仕事をしたり,日露共同研究の準備をしたり,科研費の書類を書いたり, 書きかけの共著論文を改めて書き直したりしていた.

改めて書き直しているのは, 3次元多様体上の射影接触構造と4次元多様体上の擬直積エンゲル構造と3次元多様体上の非退化錐構造 の「局所」同型類の間の1対1対応である.これは,正規形3階常微分方程式の接触微分同相による分類にも 対応する.よく考えていくと,非正規形の3階常微分方程式の分類問題とも関わってくるようだ.

週末の研究の合間には,
宇沢弘文「人間の経済」新潮新書 713 (2017).
渋沢栄一「論語と算盤」角川文庫15395 (2008).
マルクス・アウレーリウス「自省録」岩波文庫 33-610-1 (1956).
司馬遼太郎「項羽と劉邦,上」新潮文庫 3260,(1984).
などを眺めていた.
「人間の経済」は数学出身の有名な経済学者である宇沢先生の未完成の遺稿を出版したものとのことである. とてもおもしろい. 共感する話題がたくさんあるが,特に,「数学は社会的共通資本」というのはその通りであると思う. 「自動車の社会的費用」や「日本の教育を考える」(ともに岩波新書)も昔から読んでいたが, くりかえし述べられている内容であるが,読んでもすぐ忘れるので,改めて感銘をうけた.
「論語と算盤」は昔読んだ本だが,最近,著者が少しだけ話題になっているので,再読してみている. まともなことが書いてある.為になる.おもしろい.
「自省録」も昔読んでいた(眺めていた)本である.再読である.これも共感する言葉が多い.
「項羽と劉邦,上」は,引き続き読んでいる本である.なかなか進まない.

現在の座右の書:
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).参考になります.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
佐藤肇「リー代数入門 」裳華房 (2000).勉強しています.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.
V.I. Arnold ed., Arnold's Problems, Springer-Verlag (2004). ときどき眺めています.
1 April 2019

あ〜っという間に,もう4月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,もう4月である.

3月は,東京学芸大で講演して,その後,静岡大学で研究会に参加し, いろいろ学んで生まれ変わって帰ってきた.その後,休暇で福島に行き,続けて,東工大での 学会に参加し,札幌に帰って,ホノルルでのアメリカ数学会の分科会の世話人をし,そこで講演し, また完璧に受けれ変わって帰国したところである. 出張の合間に,学術雑誌 (HMJ) の編集の仕事をしたり, プロジェクトの評価の仕事で面接をして評価書を書いたり,数学教室の図書委員の仕事をして, 出張中にも, また学会の合間に翻訳の企画の打ち合わせをしたり, 学術雑誌 (HMJ) の編集の仕事をしたり, 共著論文を書き進めたり,以前から準備している別の本の執筆を続けたり,雑誌の原稿の校正をしたり,いろいろやって楽しんでいた.

3月は(ほとんど札幌に居られなかったが,通勤中や)週末,休暇中や出張の移動中は,
司馬遼太郎「項羽と劉邦,上」新潮文庫 3260,(1984).
郡司ペギオ幸夫「天然知能」講談社選書メチエ 691, 講談社 (2019).
柳家小三治「ま・く・ら」講談社文庫,(1998).
などを読んでいた.
「項羽と劉邦」は,はるか昔に,一度読もうと思って途中で放り出した記憶がある. 今回は,「史記列伝」の流れで読みたくなって読んでいる.やはり司馬遼太郎さんの本はおもしろい.うまい.人望とは何かが書かれているとのことである.興味深いテーマである.
「天然知能」もおもしろい.人間科学の根本問題である「意識」の問題を追及している内容である. 意識の問題は,かのデカルトが精神と身体を区別したときからの大問題であろう. 著者によれば,意識の問題を解決するには,「自然知能」と「人工知能」に加えて「天然知能」が 必要であるとのことだ.難解なことが柔らかく書かれている.でも難しい.つい(無意識に!) 論理的に理解しようと議論を追ってしまう癖がついているから難しいのだろうか.
「ま・く・ら」は,ある研究会の懇親会の席で,講演には「まくら」が必要だ,必ず,まくらを話すこと, という話題になっていたので,それを思い出して,読んでみたところだ.小三治師匠のまくらがいくつか紹介されている,随筆のような感じの本である.

現在の座右の書:
岩澤健吉「代数函数論,増補版」現代数学11,岩波書店 (1973).眺めています.
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強しています.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).
C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016). 勉強します.
N. Bourbaki, Groupes et Algeb{\' r}es de Lie, Chaptres 4 {\' a} 6, {\' E}l{\' e}ments de Math{\' e}matique, Springer, (2007). 為になります.
佐藤肇「リー代数入門 」裳華房 (2000).勉強しています.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).勉強しています.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強しています.
Dominic D. Joyce, Riemannian holonomy groups and calibrated geometry, Oxford Univ. Press, (2007). 勉強しています.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). 勉強しています.

1 March 2019

あ〜っという間に,もう3月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが, 今年の正月も過ぎて,もう3月である.

2月は,京都大学にちょっとだけ出張して,ちょっとだけ生まれ変わって帰ってきた. 札幌では,授業の成績評価をしたり, 学術雑誌 (HMJ) の編集の仕事をしたり,数学教室の図書委員の仕事をして, さらに,4月から始まるロシアとの共同研究の準備をしたり, 昔に書いた論文を改めてまとめ出したり, 共著論文の投稿準備をして投稿したり,アーカイブに掲載したり, 別の共著論文を書き進めたり,以前から準備している別の本の執筆を再開したり, 以前翻訳していた原稿を改めて見直したり, 依頼された雑誌の原稿を書いたり,それに勝手に入れるイラストを描いたり, 超領域対談とかいうのをしたり, いろいろやりながら,毎日完全に生まれ変わって生活していた.

休暇中や出張の移動中は,
「史記列伝 一」小川 環樹,今鷲 真,福島 吉彦 訳,岩波文庫 33-41-1 (1975).
二畳庵主人,加地 伸行「漢文法基礎 本当にわかる漢文入門」講談社学術文庫 2018, 講談社(2010).
大栗 博司「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く」幻冬舎文庫 292(2013).
などを読んでいた.
「史記列伝」は,司馬遷の有名な歴史書「史記」の列伝の部分だけを訳したもので,全5巻が岩波文庫にある.字が小さくて読みづらいが, 歴史が簡潔に,残酷なことも淡々を書かれておもしろい.たとえば,春秋戦国時代も扱っているので, 「キングダム」の登場人物も(第2巻に)少しだけ登場する. 当時の司馬遷,あるいは東洋人の価値観も垣間見えてくるのがおもしろい.
「漢文法基礎」は,「老子」を原文で読みたくなって, 高校時代からご無沙汰している漢文の勉強をしようと思って読んでいる.内容は,大学受験参考書であるが, わかりやすくて,少しクセは強いが,為になる. 昔は,漢文を勉強して何の役に立つのか,と思っていたが,実は, 国語力を身につけるのにとても役に立つ,ということに今更ながら気づいたところだ.
「強い力と弱い力」は,去年買って読まずに放っておいた本であるが, 物理と数学の違いや類似点を考えていたときに思い出して読み始めたところだ. 自然科学は急速に発展しているが, われわれが知っている自然法則は宇宙の(質量の)5パーセントに関するものだけで, まだ95パーセントのことがわかっていない,ということは興味深い. 数学もそうだ.数学の研究対象というのがあるとすると,それは実に広大なもので, ほとんど何もわかっていない.わかっていることは,ほんの一握りのことだけだ. またそれだけに,逆に,わかっていることがある,ということが奇跡的なことなのかもしれない.

現在の座右の書:
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015). 勉強します.
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995). 参考になります.
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976). C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016). 勉強します.
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973). 再読です.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強します.
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).勉強してます.
吉田朋好「ディラック作用素の指数定理」共立講座 21世紀の数学 22,共立出版 (1998). 勉強します.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 再読です.
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980). 再読です.
Rene Thom, Mathematical Models of Morphogenesis, Ellis Horwood Limited (1983). フランス語版と配列が違っていた.
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). 勉強します.

4 February 2019

あ〜っという間に,もう2月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが,もう今年の正月が過ぎて2月である.

1月は,札幌で,大学院の論文指導をし, 線形代数の期末テストの採点やモース理論の講義の準備をし,成績を付け, また,論文のレビューを書き,学術雑誌 (HMJ) の編集の仕事をし, 数学教室の図書委員の仕事をして,並行して,投稿していた論文の修正箇所が来たので, それを直したり,共著論文を仕上げたり,別の共著論文を書き進めたり,以前から準備している別の本の執筆を再開したり,以前翻訳していた原稿を見直したり, いろいろやりながら,毎日完全に生まれ変わって生活していた.

休暇中や出張の移動中は,
伊丹十三「ヨーロッパ退屈日記」新潮文庫 (2005).
梅棹忠夫「わたしの生きがい論」講談社文庫 (1985).
「老子」蜂屋邦夫訳注,岩波文庫 (2008).
勝小吉「夢酔独言」勝部真長 編,講談社学術文庫 (2015).
などを眺めていた.
「ヨーロッパ退屈日記」はなかなかクセが強くておもしろい.伊丹十三さんの映画は 好きで,よく見ていた.私が見た映画の中でベストは,いまだに,(「アマデウス」と並んで) 伊丹さんが監督した「タンポポ」である.
「わたしの生きがい論」は,私の愛読書で,何度目かの再読である.梅棹先生が言っている, 人生に生きがいなんてない,というのは,潔くて気持ちがいい.
「老子」は,私の愛読書の「バカボンのパパと読む「老子」」で,著者のドリアン助川さんが, 岩波文庫の「老子」を参考にしたと書いてあったので,前々から気になっていて,本の通販で 評判がいいのを見て,衝動買いをしてしまって,届いたところである.本の通販の評価は当てにならないが,この本は読みやすい感じでよかった.
「夢酔独言」は,勝海舟の父親である勝小吉の述懐談である.勝海舟の「氷川清話 」 は愛読書であるが,「夢酔独言」は初めて読んでいる. 勝小吉の破天荒な人生が描かれている.現代語訳ではないので,少し読みづらいが.

現在の座右の書:
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry, Graduate Studies in Math., 161, Amer. Math. Soc., (2015).
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).
吉田朋好「ディラック作用素の指数定理」共立講座 21世紀の数学 22,共立出版 (1998).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015).
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007).
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976).

7 January 2019

あ〜っという間に,もう1月である. ついこの前,去年の正月だったような気がするが,もう正月である.

去年の12月は,京都大数理研の研究会に出席して講演し,その後,神戸大の研究会に出席して, 勉強して生まれ変わってきた.札幌でも,大学院の論文指導をし, 線形代数やモース理論の講義の準備をし,論文のレビューを書き,学術雑誌の編集の仕事をし, 数学教室の図書委員の仕事をして,並行して, 共著論文を書き進めたり,以前から準備している別の本の執筆を再開したり,以前翻訳していた原稿を見直したり,いろいろやりながら,毎日完全に生まれ変わって生活していた.

今年も元旦に北海道神宮に初詣に行ってきた.北海道出身の歌手HTが来ていた.それはともかく, 例年通り,梅酒を買って,おみくじを引いた. 昨年は「中吉」だったが,今年も「中吉」だった.ちなみに,過去の記録を少し調べてみると, 2011年が「大吉」,2012年「末吉」,2013年「大吉」,2014年「末吉」,2015年「小吉」,2016年「大吉」,2017年「大吉」,2018年「中吉」で 2019年「中吉」となっている.どうでもよいが, 「凶」は引いたことがないのは運が良いということか.
さて,おみくじによれば,「心を決めて,いろいろとさわがず,迷わず,今までの事をつとめればよし」 とのことである.なるほど,今年は現状維持を心がけよう. 「何事にも手を出してはいけません」.少しぐらいは新しいことに手を出してみたいけどね. 「つねにひかえ目にして事をなさい吉」とのことである.はい,まあ,謙虚に控え目に過ごします.
学問の項目は「怠心を直し目標を早めにさだめよ」.そうですね.いままで目標も立てずに怠けてきましたが,今年は怠けないようにして,目標を早く定めたいと思います.
旅行は「よろし」,旅行します. 恋愛は「良い,父母に告げよ」とのことである.ああそうですか.

休暇中や出張の移動中は,
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟1」亀山郁夫 訳,光文社古典新訳文庫,(2006).
森鴎外「山椒大夫・高瀬舟・阿部一族」角川文庫 695,(1967).
福沢諭吉「福沢諭吉教育論集」山住正己 編,岩波文庫 青102-4, (1991).
朝永振一郎「スピンはめぐる --- 成熟期の量子力学」自然選書 中央公論社 (1974).
などを読んだり眺めていたりしていた.
「カラマーゾフの兄弟」は,2006年から2007年にかけて第1巻を読んで,第2巻で挫折したらしいが, 全然記憶にないので,改めて第1巻から読み始めている.おもしろいのかどうかわからない.
「山椒大夫・高瀬舟・阿部一族」も昔に一度読んだはずだが,断片的にしか覚えていないので,また眺めている.
「福沢諭吉教育論集」も再読である.教育の目的は「天下泰平,家内安全」とのことである.なるほど.
「スピンはめぐる」も再読であるが,スピン幾何学の勉強のための副読本として読んでいる. 朝永先生の本はおもしろい.

現在の座右の書:
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
横田一郎「群と表現」裳華房,(1973).
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).
吉田朋好「ディラック作用素の指数定理」共立講座 21世紀の数学 22,共立出版 (1998).
S. Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015).
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007).
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976).

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3 December 2018

あ〜っという間に,もう12月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう12月である.今年は初雪が遅かったが,いまはすっかり雪景色である.日頃の運動不足が,雪かきで解消できる季節がまた始まった.

11月は,理学院の業務で東京に日帰り出張をしたり,リフレッシュ休暇で旅行をしたりしたが, その他に研究会の出張はせず, 線形代数やモース理論の講義準備をしたり,論文のレビューを書いたり,学術雑誌の編集の仕事などをしたり,数学教室の図書委員の仕事をしたりしながら,並行して,12月の講演スライドを作ったり, 単著論文を書き上げたり,共著論文を書き進めたり,新しい本の宣伝用のポップを描いたり,以前から準備している別の本の執筆を再開したり,いろいろやりながら,毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や休日,出張の移動中は,
池田清彦「分類という思想」新潮選書,新潮社 (1992),
ダグラス・R・ホフスタッター「ゲーデル・エッシャー・バッハ あるいは不思議の環」 野崎昭弘,はやし・はじめ,柳瀬尚紀 訳,白楊社 (1985),
ジャック・モノー「偶然と必然---現代生物学の思想的な問いかけ」渡辺 格,村上 光彦 訳,みすず書房,(1972),
帚木蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日選書 958 朝日新聞出版 (2017),
などを楽しんで読んでいた.

「分類という思想」は昔からの愛読書である.今回,改めて読み始めているが,やはりおもしろい. 一応,私の専門は「写像の特異点の分類」なので,とても参考になる.
「ゲーデル・エッシャー・バッハ」も昔から読んでいて,ただし,いまだ読みきったことがなく, いつも,序章あたりでうろうろしながら立ち消えになるのが常である.今回は,バッハの「音楽の捧げもの」を流しながら,エッシャーの絵を眺めたりしながら読んでいるが,読み続けられるだろうか?
「偶然と必然」「ネガティブ・ケイパビリティ」は引き続き眺めている.

現在の座右の書:
畠山洋二「多様体入門」数学ライブラリー41,森北出版 (1976).高校3年のときから読んでいた(眺めていた)愛読書でした.今,本棚から引っ張り出して改めて眺めてみると,多様体に関するわかりやすいすばらしい入門書であると再認識しました.
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).学生時代からの愛読書で,いま,この本を解説する講義をしています.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). 勉強します.
本間泰史「スピン幾何学 --- スピノール場の数学」森北出版 (2016).勉強します.
戸田宏,三村護「リー群の位相,上,下」紀伊国屋書店 (1978, 1979).そろそろ読めるかなと思って眺めています.
長野正「大域変分法」共立出版 (1971). 「モース理論」と並行して読むとよいかなと思います.
M.P. do Carmo, Riemannian Geometry, Birkhauser (1992). 「モース理論」と並行して読むとよいかなと思います.
S. Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978). 勉強します.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 愛読書です.
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980). 愛読書です.
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015). 勉強します.
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007). 勉強になります.
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976). 愛読している論文集です.
Kunihiko Kodaira, Collected Works Vol.III, Iwanami Shoten, Publishers and Princeton University Press (1975).複素曲面に関する論文集で,昔から時間ができたら,ときどき眺めている本です.
C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016). 勉強します.
戸田宏,三村護「ホモトピー論」紀伊国屋書店 (1975).勉強します.

1 November 2018

あ〜っという間に,もう11月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう11月である.札幌は,もうじき冬を迎えようとしている.峠ではすでに初雪が降ったようだ.車のタイヤ交換もそろそろしなくちゃ,という今日この頃である.

10月は,新学期が始まり,講義準備したり,科研費の申請書を書いたり, 論文のレビューを書いたり,学術雑誌の編集の仕事などをしたり,数学教室の図書委員の仕事をしたりしながら,並行して, 単著論文,共著論文をちょっとずつ書き(打ち)進め,新しい本の出版準備を確かめたりしたながら,毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や休日,出張の移動中は,
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス,テクノロジーとサピエンスの未来,下」柴田 裕之 訳,河出書房新社,(2018),
ジャック・モノー「偶然と必然---現代生物学の思想的な問いかけ」渡辺 格,村上 光彦 訳,みすず書房,(1972),
羽仁五郎「ミケルアンヂェロ」岩波新書,改版 (1968),
司馬遼太郎「翔ぶが如く (二)」文春文庫,(2002),
帚木 蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版 (2017),
などを楽しんで読んでいた.

「ホモ・デウス」は上巻にひきつづき,下巻もすぐに読み終えてしまった.おもしろかった. 人間中心主義,自由,平等という虚構が崩壊しつつある,というのは,わかるような, わかりたくないような感じがする.
「ホモ・デウス」の著者によれば,生物と機械に違いはないようだが,「偶然と必然」 では生物と機械の違いを議論しているようだが,全然読めていないが,本当に, 生物と機械に違うがあるのだろうか?
羽仁五郎「ミケルアンヂェロ」はおもしろい.ロマン・ロランの「ミケランジェロの生涯」は 芸術家ミケランジェロの話がメインだが(たとえば,なんでもメモ帳3 の11 June 2014,なんでもメモ帳2の 5 November 2004 などの項を参照),「ミケルアンヂェロ」は,芸術都市,ルネッサンス都市のフィレンツェ,という視点で書かれている感じがする.
「翔ぶが如く」も,ときどき眺めているがまだ第二巻で遅々として読み進めていない.
「ネガティブ・ケイパビリティ」は,ときどき取り出して眺めて, 数学の「答えの出ない事態に耐え」ている次第である.

現在の座右の書:
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).学生時代からの愛読書である.
長野正「大域変分法」共立出版 (1971). 「モース理論」と並行して読むとよい.
M.P. do Carmo, Riemannian Geometry, Birkhauser (1992). 「モース理論」と並行して読むとよい.
西川青季「幾何学的変分問題」岩波書店 (2006),
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 愛読書である.
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980). 愛読書である.
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007). 勉強になる.
R.C. Gunning, Lecture on complex analytic varieties: The local parametrization theorem, Princeton University Press (1970). 愛読書である.
R.C. Gunning, Lecture on complex analytic varieties: Finite analytic mappings, Princeton University Press,東京大学出版会 (1974). 愛読書である.
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976). 愛読している論文集である.
Topological Stability of Smooth Mappings, Lecture Notes in Mathematics 552, Springer-Verlag (1976). 愛読している.
C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016). 勉強します.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点」共立出版 (1998). 勉強します.

1 October 2018

あ〜っという間に,もう10月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう10月である. 札幌は朝晩はすっかり寒くなり,秋が深まるのを感じる今日この頃である.

9月は,台風が来て地震があり停電になって大変だった. 住んでいるマンションでは停電のため断水にもなったので,近所の公園に水を汲みにいったりしていた. あとは仕方ないのでおとなしく数学をやっていた.おかげでさらにすっかり生まれ変わった.
台風の前に,東海大札幌校であった研究会に顔を出し,地震の後,神戸でのS先生の追悼研究会に出席・講演し, またまたすっかり完璧に生まれ変わったところである.

札幌では,10月からの講義準備,国際共同研究の申請書類書き,科研費の申請書の準備を始めたり, 論文のレビューを書いたり,学術雑誌の編集の仕事などをしたり,並行して, 単著論文,共著論文をちょっとずつ書き(打ち)進めたり,本の原稿の校正・再校正などをしながら, 毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や休日,出張の移動中は,
ユヴァル・ノア・ハラリ「ホモ・デウス,テクノロジーとサピエンスの未来,上」柴田 裕之 訳,河出書房新社,(2018),
ジャック・モノー「偶然と必然---現代生物学の思想的な問いかけ」渡辺 格,村上 光彦 訳,みすず書房,(1972),
シェイクスピア「ヴェニスの商人」松岡和子 訳,シェイクスピア全集10,ちくま文庫,(2002),
エドワード・シルヴェスター・モース「日本その日その日」石川 欣一 訳,講談社学術文庫,(2013),
などを楽しんで読んでいた.
「ホモ・デウス」は,「サピエンス全史」の続編である. 「虚構」の能力により繁栄したホモ・サピエンスは,現在は,「不死」と「至福」と「神性」を目指し, そしてやがて,ホモ・デウスとなる,ということだろうか.なるほどね.おもしろい.
「偶然と必然」は,昔読んだ「ゲーデル・エッシャー・バッハ」をもう一度眺めていたら,参考文献にあったので 読んでみているところである. 生物の特性は,「合目的性」「自律的形態発生」「不変性」にあるとのことである.なるほどね.これもおもしろい.
なぜかシェイクスピアが読みたくなったので,有名な作品だがまだ読んでいなかった「ヴェニスの商人」を読み始めている. おもしろいかどうかはまだわからない.
それから,著名な数学者J.ミルナーの有名な講義録「モース理論」を勝手に解説する授業を10月から始める予定なので, それにちなんで,まったく関係ないが,モース貝塚で有名なモースの本「日本その日その日」を眺めている. ただそれだけのことである.

現在の座右の書:
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).学生時代からの愛読書である.
長野正「大域変分法」共立出版 (1971). 「モース理論」と並行して読むとよい.
M.P. do Carmo, Riemannian Geometry, Birkhauser (1992). 「モース理論」と並行して読むとよい.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). 愛読書である.
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980). 愛読書である.
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007). 勉強になる.
R.C. Gunning, Lecture on complex analytic varieties: The local parametrization theorem, Princeton University Press (1970). 愛読書である.
R.C. Gunning, Lecture on complex analytic varieties: Finite analytic mappings, Princeton University Press,東京大学出版会 (1974). 愛読書である.
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976). 愛読している論文集である.
Topological Stability of Smooth Mappings, Lecture Notes in Mathematics 552, Springer-Verlag (1976). 愛読している.
C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016). 勉強します.
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点」共立出版 (1998). 勉強します.

3 September 2018

あ〜っという間に,もう9月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう9月である. 札幌は,だんだんと涼しくなり,夏の終わり,秋の気配を感じる今日この頃である.
8月は,学術活動のために東京に日帰りしたり,それから, 信州大学で開催されたトポロジーシンポジウムに出席して勉強させてもらったりして,すっかり生まれ変わってきた.
札幌では,授業の成績評価,大学院指導や,国際共同研究の申請書類書き, 投稿論文のレフェリーレポート書き,学術雑誌の編集の仕事などをして,並行して, 9月の神戸での講演の準備,単著論文,共著論文や本の原稿の修正などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や休日,出張の移動中は,
エミリー・ブロンテ「嵐が丘」新潮文庫,
ジャック・モノー「偶然と必然---現代生物学の思想的な問いかけ」渡辺 格,村上 光彦 訳,みすず書房,
「漱石紀行文集」藤井 淑禎 編,岩波文庫,
などを楽しんで読んでいた.感想は後日.

現在の座右の書:
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
長野正「大域変分法」共立出版 (1971).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007).
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976).
Topological Stability of Smooth Mappings, Lecture Notes in Mathematics 552, Springer-Verlag (1976).
C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016).
泉屋周一,石川剛郎「応用特異点」共立出版 (1998).
高木貞治「代数学講義」改訂新版,共立出版 (1965).
高木貞治「代数的整数論」第2版,岩波書店 (1971).
永田雅宜「可換体論」裳華房 (1967).

2 August 2018

あ〜っという間に,もう8月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう8月である. 札幌は真夏である.蒸し暑い季節である.
7月は,まず西日本の大雨の中を北九州は小倉の研究会に出張に行き講演して研究連絡をした. 研究会の合間には,門司港で焼きカレーをいただいた.下旬には,ブラジルはサンカルロスの 研究会に出張に行き講演して研究連絡をした.研究会の合間には,シュラスコやカイピリーニアなどで楽しんだ. 札幌では,講義や演習の準備,大学院指導や, 書類書き,論文のレフェリーレポート書き,学術雑誌の編集の仕事などをして,並行して, 講演の準備,単著論文,共著論文や本の原稿をちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や休日,出張の移動中は,
司馬遼太郎「翔ぶが如く (一)」文春文庫,
を読み終え,
司馬遼太郎「翔ぶが如く (二)」文春文庫,
を読み始め,さらに,
「漱石紀行文集」藤井淑禎編,岩波文庫.
や,
G.H.ハーディー,C.P.スノー「ある数学者の生涯と弁明」柳生孝昭訳,シュプリンガー数学クラブ1,丸善出版,
などを読んでいた.

現在の座右の書:
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
長野正「大域変分法」共立出版 (1971).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007).
Singularites d'Applications Differentiables, (Edite par O. Burlet et F. Ronga), Lecture Notes in Mathematics 535, Springer-Verlag (1976).
高木貞治「代数学講義」改訂新版,共立出版 (1965).
ところで,「代数学講義」は,改めて読んでみると,しみじみ良い本である. 第1章 複素数,第2章 方程式論の基本定理,第3章 スツルムの問題,根の計算,第4章 多項式の整除, 第5章 対称式,置換,第6章 三次および四次方程式,第7章 不可能の計算,第8章 行列式,第9章 二次形式, 第10章 終結式,スツルムの問題と二次形式.

3 July 2018

あ〜っという間に,もう7月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう7月である. 札幌は梅雨である.雨ばかりで蒸し暑い季節である.
6月は,講義や演習の準備,大学院指導や, 書類書き,論文のレフェリーレポート書き,学術雑誌の編集の仕事などをして,並行して, 7月の講演の準備,単著論文,共著論文やその他の原稿をちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 毎日札幌で生まれ変わって生活していた.

通勤中や休日は,先月に引き続き,
司馬遼太郎「翔ぶが如く (一)」文春文庫,
それから
林芙美子紀行集「下駄で歩いた巴里」立松和平編,岩波文庫 (2003),
森鴎外「小倉日記」ちくま文庫 (1996),
や,ファインマン物理学の量子力学を眺めたりしていた.
「放浪記」で有名な林芙美子の「下駄で歩いた巴里」は,少し前に,M先生が話題に取り上げていたので読んでみている. おもしろい.
「小倉日記」は,昔眺めていた本だが,今度,小倉に出張なので,またひっぱり出してきて眺めている.

現在の座右の書:
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
長野正「大域変分法」共立出版 (1971).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
服部晶夫「位相幾何学」岩波基礎数学選書,岩波書店 (1991).
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007).
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995).

4 June 2018

あ〜っという間に,もう6月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう6月である. 札幌の遅い夏も始まっている.よさこいとか北海道神宮のお祭りの季節だ.アロハの季節だ.
5月は,講義や演習の準備,大学院指導や, 書類書き,出前授業の準備,それに学術雑誌の編集の仕事などをして,並行して, 講演準備,単著論文,共著論文やその他の原稿をちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 毎日札幌で生まれ変わって生活していた.5月末から6月はじめにかけて,広島での研究会に参加して, 特異点をよく勉強して,さらに平和の尊さをかみしめ,ついでにお好み焼きとか尾道ラーメンとかをありがたくいただいて, またまた生まれ変わってきたところだ.

数学的には,最近は,(2,3,5) 分布との関連で Jacobi curve の理論の勉強, (2,3,5)型曲線の接線曲面の特異点の分類と双対性の再確認や, Lagrangian varieties の local diffeomorphism class の特徴づけの試み, full algebra(あるいは saturated algebra)と名付けた特別な代数の理論の展開, frontal 特異点論のある種の拡張 cofrontal,などをゆるゆると進めている.

通勤中,出張移動中や休日は,先月に引き続き,
恩田 陸「蜂蜜と遠雷」幻冬舎 (2016) ,
それから
司馬遼太郎「翔ぶが如く (一)」文春文庫,
や,ファインマン物理学の量子力学を眺めたりしていた.
「蜂蜜と遠雷」はおもしろい.これはピアニストの話だが, 数学で同じように小説が書けるとよいが,書けそうな気もするが,まあ,なかなか難しいだろう. ところで,小説の中で,音楽は再現芸術だからつねに新しくなければならない, というようなくだりが出てくる.数学もある意味そうだ.数学も再現芸術のような気がする.そしてつねに新しくなければならない.
「翔ぶが如く」は,明らかに,NHK大河ドラマの影響だ.司馬遼太郎の本は,だいたい読みやすいが, いろいろ気が散ってなかなか進まない.
ファインマンの量子力学は,何度も読もうと思って,なかなか読めない本だ. 朝永振一郎の「量子力学I」とか Dirac の Quantum Machanics は一応読んだ.おもしろかった. でも身に付かない.なぜ身に付かないかはわからない.多分,使わないから身に付かないのだと思う.ファインマンはどうか.ファインマンは読むと,読んだだけで何か身に付きそうな気がする本である.まだ読めていないが...

現在の座右の書:
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
長野正「大域変分法」共立出版 (1971).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
G.-M. Greuel, C. Lossen, E.L. Shustin, Introduction to Singularities and Deformations, Springer (2007).
E.J.N. Looijenga, Isolated Singular Points on Complete Intersections (London Mathematical Society Lecture Note Series), Cambridge University Press (1984).
V.A. Vassiliev, Applied Picard-Lefschetz, Mathematical Surveys and Monographs 97, Amer. Math. Soc., (2002).

2 May 2018

あ〜っという間に,もう5月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう5月である. 札幌も桜が満開である.それはよいのだが,同時にPM2.5 や白樺花粉が舞い始め,ほこりっぽくて, つらい時期の始まりである.

4月は,新学期が始まり,講義や演習の準備,大学院指導や, 推薦書・申請書・報告書などの書類書き,出前授業の準備,それに学術雑誌の編集事務の仕事などをして,並行して, 講演準備,単著論文,共著論文やその他の原稿,イラストなどをちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 毎日札幌で生まれ変わって生活していた.

少し前から,テーブルの上に,「どんなことでも楽々クリア」という標語を飾っている.

そうありたいものである.

通勤中や休日は,
ウィーナー「サイバネティックス---動物と機械における制御と通信 ---」岩波文庫 33-948-1,岩波書店 (2011).
を読んで楽しみ,それから,
恩田 陸「蜂蜜と遠雷」幻冬舎 (2016)
を読み始めている.おもしろい. 以前読んだ「羊と鋼の森」はピアノの調律師の話だが,「蜂蜜と遠雷」 はピアニストの話である.
「サイバネティックス」は,現在は当たり前になっている情報科学の先駆けである.ウィーナー先生には先見の明がある. 物事の本質がわかる.読んでいると何か新しいことができそうな気がしてくる.そんな気がするだけかもしれないが...

現在の座右の書:
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980). おもしろい.
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).おもしろい.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). おもしろい.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).おもしろい.
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978). ためになる.
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).

2 April 2018

あ〜っという間に,もう4月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう4月である.

3月は,静岡大に出張に行って講演してセミナーをし,次の週には休暇をとって旅行に行って生まれ変わり, その次の週には,東大での学会に出席した後で神戸大に移動して研究会に出席して講演して,またすっかり 完璧に生まれ変わってきた.
静大では,(2,3,5)分布とG_2-擬積構造とラグランジュ錐構造の話をし,セミナーでは O(2,3)幾何とmoving frame の勉強をし,神戸では,フロンタル特異点のサーベイをした.

その合間に札幌に帰ってきて, 学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集・出版の仕事で脇目も振らずがんばり, 図書委員の仕事,本のレフェリーなどでそれなりにがんばり,さらに, 本の原稿・コント・イラストや単著論文や共著論文などもちょっとずつ書き(打ち,描き)進めながら, いろいろ助けてもらいながら, 札幌でも毎日生まれ変わって生活していた. またまた感謝感謝の毎日である.

出張移動中や休暇中は,
先月から引き続き
渡辺正峰「脳の意識,機械の意識 -- 脳神経科学の挑戦」中公新書 2460 (2017),
を読みながら,さらに,
「ゲーテ格言集」高橋健二 編訳,新潮文庫 376(昭和27年,平成28年改版),
チャールズ・ディケンズ「二都物語」加賀山卓朗訳,新潮文庫 9811(平成26年),
リルケ「マルテの手記」大山定一訳,新潮文庫 533(昭和28年,平成13年改版),
などを読んでいた.
「脳の意識,機械の意識」には,悪い実験,普通の実験,良い実験,という話が出てくる. 数学でも,悪い研究,普通の研究,良い研究,というのがあるかも知れない.身につまされるから,深く考えないことにしよう.
「ゲーテ格言集」は,暇な時にたまたま本屋で目に止まって読んでみただけだが, いろいろ腑に落ちることが書いてあっておもしろい.たとえば,

--- 人間のあやまちこそ人間をほんとうに愛すべきものにする.(p.7). --- そうですね.

--- 誠実に君の時間を利用せよ!
--- 何かを理解しようと思ったら,遠くを探すな.(p.95).--- まったくです.

--- 本の中には,それを読んでわれわれが学ぶためでなく,著者が何かを知っていたということをわれわれに 知らせるために書かれたと思われるような本がある.(p.130).... 身につまされます.

--- 豊かさは節度の中だけにある.(p.153).--- なるほど,食べ放題,飲み放題には豊かさはないですね.

--- 生活はすべて次の二つから成立っている.
--- したいけど,できない.
--- できるけど,したくない.(p.184).--- いや〜,まったくそうですね.

「ゲーテ格言集」を眺めたついでに,「若きウェルテルの悩み」「ファースト」「ゲーテとの対話」「ゲーテ形態学論集・植物編」などもついでに読み返して,ゲーテの叡智に改めて触れた.
「二都物語」も意外に読みやすい.ディケンズは,「クリスマスキャロル」以来だが,最近見た映画の 中で,名探偵ポアロが,また探偵を依頼されて,ディケンズを読む暇もない,...というようなことを 言っていたので,触発されて読んでみている.
「マルテの手記」は,実は,岩波文庫版(望月市恵訳)を昔(記録によれば,1977年9月,19歳のときに購入している.定価 300円)から持っていて,もう日焼けして茶色くなっているが,実は一部分を眺めただけだった. 今回,新潮文庫版もよい,ということなので,最初から読み始めている. 繊細な詩人のこころと見る目に触れることができる気がする.

現在の座右の書:
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980). おもしろい.
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).おもしろい.
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989). おもしろい.
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995). おもしろい.
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).おもしろい.
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978). ためになる.
A.ストゥーブハウグ「数学者ソーフス・リー,リー群とリー環の誕生」熊原啓作訳,丸善出版(2013).おもしろい.

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4 March 2018

あっ〜という間に,もう3月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう3月である.

2月は,学部・大学院講義の成績評価,大学院の研究指導や,本のレフェリー, 学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集・出版の仕事, 図書委員の仕事でそれなりにがんばり,さらに, 本の原稿や論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 3月の静岡と神戸での講演準備もして,そして北大で開催したI先生退職記念研究会で盛り上がって, 路面を電気で動く乗り物にも乗って盛り上がって, 札幌で毎日生まれ変わって生活していた.感謝感謝の毎日である.

通勤中や週末は,
渡辺正峰「脳の意識,機械の意識 -- 脳神経科学の挑戦」中公新書 2460 (2017).
宮下奈都「羊と鋼の森」文春文庫 (2018).
などを読んでいた.
「脳の意識,機械の意識」は意識の問題を科学的に扱っていて勉強になる. 意識の問題はデカルト以来の大問題である. 意識の問題は,つねに無意識に考えている問題なので大変興味がある.
「羊と鋼の森」はピアノの調律師の話である.おもしろい.文章もよい.

小説の本題とは関係ないが,読みながら考えた.
音楽は,人間が聞き取れる音域だけをあつかう芸術である. 人間が聞き取れない音で音楽を作ることはない.その意味で,人間のための音楽である.コウモリのための 音楽は(いまのところ)存在していない(と思う).扱う音波の周波数に限界がある.
絵画もそうである.人間が見ることができる色だけを あつかっている.紫外線や赤外線で絵は描かない.その意味で人間のための絵画である. 一般的に,蝶は人が見てもきれいだが,蛾は人にとってはきれいでないかもしれないが,紫外線がわかるカメラで 見ると美しい模様が出るらしい.蛾のための絵画があってもよいかもしれない,その場合,絵描きは「蛾伯」 と呼ばれるかもしれない.それはともかく,(いまのところ)蛾のための絵画は存在していない(と思う). 扱う光(=電磁波)の周波数に限界がある.
科学技術を駆使して,超音波で音楽を作ったり,紫外線・赤外線で絵を描いたりする時代も来るのかもしれない. そうだとしても,やはり,人間のための音楽であり絵画であり続けるのだろう.
では,自然科学はどうか?とくに数学はどうか?数学は,人間のわかる範囲の数学なのか?数学の扱う範囲には限界があるのか?おもしろい問題である.たとえば計算機を使った実験数学は,数学が扱う領域,世界,を拡げてくれているのかもしれない.もし,われわれが固体の世界でなく,流体の世界に住んでいたら,個数という概念もないから,数学も今とは違った形になっていたかも知れない,という話をどこかで聞いた気もする. 数学は,人間のための数学であり続けるのだろうか?おもしろい問題である.

現在の座右の書:
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978).
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995).

2 February 2018

あっ〜という間に,もう2月である.ついこの前,正月だったような気がするが,もう2月である.

1月は,金沢の研究会に参加・講演して,今後さらに解くべき問題を得て,すっかり生まれ変わってきた. その他,学部・大学院講義の準備,学部卒業研究ポスター発表の指導,大学院の研究指導や,論文のレフェリー,論文のレビュー,学術雑誌(Hokkaido Mathematical Journal)の編集の仕事, 図書委員の仕事,本の原稿書き,投稿論文の修正・再投稿の作業,その他の共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,3月の静岡と神戸での講演準備もしながら,札幌で毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や出張の移動中は,
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」岩波文庫,岩波書店 (1982),
升田幸三「名人に香車を引いた男---升田幸三自伝」中公文庫,中央公論新社 (2003),
と,引き続き,
Kazuo Ishiguro, 「The Remains of the Day」, Faber and Faber Limited (1989),
L. インフェルト「ガロアの生涯」新版,日本評論社 (1996),
などを少しずつ読んでいた.

「君たちはどう生きるか」は,最近,マンガ版も出て,また注目されているが,私が持っているのは, 1983年の第5刷の岩波文庫である.何度目かの再読だが,おもしろい.やはり名著である.この作品が最初に(戦争中に)生み出された経緯も興味深い.
「名人に香車を引いた男---升田幸三自伝」は,別の意味で読みやすくおもしろい.将棋の有名な棋士である升田先生の(引退する時期の)口述筆記の形で,いろいろな破天荒なエピソードが語られている.ところで,私の好きな言葉「新手一生」は,本の中で一箇所で触れられているだけだった.若いときは新手一生と言って独創的な手を考えていたが,最近(引退近く)は,やはり勝負が大切,というようなことだった.少し残念である.それから,もう一人,私の尊敬する大山康晴先生は,升田先生の弟弟子だが,この二人の兄弟弟子のいろいろな運命的な対局も本の中で書かれているが,「大山vs升田全局集」(日本将棋連盟)の中の巻末の年表を見ると,升田先生(1918--1991)の方が大山先生(1923--1992)より(早く生まれて)早く亡くなってはいるが,大山先生よりも長く生きたということは意外だった.

現在の座右の書:
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978).
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995).

4 January 2018

あっ〜という間に,新年 2018年,平成30年,謹賀新年, 今年もよろしくお願いします.
イヌ年だけに,ワンダフルな一年になるよう,がんばりたいと思います.
ここで一句
雪の野に 仔犬の如く はしゃぎけり
さらに川柳をもう一句
野良犬も 歩けば当たる 新定理

昨年の12月は,寒い北海道から中国の南端,海南島の三亜で開催された 特異点論の研究会(John Mather の追悼研究会)に参加して講演していろいろ勉強して,すっかり生まれ変わってきた.
その他,札幌でいろいろ仕事をして毎日生まれ変わっていた. 年末年始は,お笑い番組をテレビで見ながら,おいしい飲み物とあてを頂きながら, 共著論文の修正とか本の執筆とかをして過ごした.なかなか仕事がはかどらない(これでは当たり前か)ので, 大海でおぼれて必死にイヌカキするワンコのような気分で,でも楽しくタイプを打っていた.

元旦に北海道神宮に初詣に行って来た.例年通り,梅酒を買って,おみくじを引いた.今年は「中吉」だった. 昨年の「大吉」から残念ながらワンランクダウンだった.
おみくじによれば,「まず恨みの炎を打消し,心の波を静めよう」とのことである.
人を恨んだことはないので心当たりが全くないが,心を静めるのは良いことだ.了解.
「時の来るのをまち身をつつしんで行いを正しくすれば必ず幸いを得る時が来ます」とのことである.
はい,身をつつしんで正しい行いをするのが一番ですね.まあ,何が正しい行いなのかはわかりませんが.
「学問」の項は「雑念を捨て早めに目標を」とのことである. 恥ずかしながら,いまだ具体的な学問の目標が定まっていないので,雑念を捨て,早く目標を定めたいと思います.
「旅行」の項は「十分ならず」.とにかく事故のおきないように注意します.
「恋愛」の項は「愛しぬくこと」.はいはい.愛しぬきたいと思います.
「縁談」の項は「相手の話もよく聞き自己主張を抑えよ」,相手の話をよく聞くのは大切ですね.

昨年が還暦で,今年は暦が還って振り出しに戻ったという感じなので,一年の計は元旦にあり, 早めに目標を,ということで餅を食べてモチベーションを上げて少し考えてみた.
大雑把に,「これからはいままでの恩返し」という目標を立てたらいいかなと思っている.
お世話になった人たち(先輩,同輩,後輩)や社会とかに恩返しして生きるわけである.
ただし,「恩返し」と言っても,たいしたことはできないし,あまり期待されても困るし,その能力もないので,
期待されないように,直接的ではなく,あくまで間接的に,自分が好きな形で,やりたいように勝手に恩返しする,
自由が一番,オリジナリティーが命,新定理一生,というふうにやりたい.
だからあまり役に立たない.まあ仕方がない.
それから,今年こそフランス語と中国語を勉強したい.理由は言わない.

通勤中や年末年始の休暇中は,引き続き,
Kazuo Ishiguro, 「The Remains of the Day」, Faber and Faber Limited (1989),
茨木のり子「詩のこころを読む」岩波ジュニア文庫 9, 岩波書店 (1979).
L. インフェルト「ガロアの生涯」新版,日本評論社 (1996).
を読んでいた.その他,
ボッカッチョ「デカメロン 上」平川祐弘訳,河出文庫,河出書房新社 (2017)
も,名前は昔から知っているが,内容がわからないまま読み始めたところだ. どうも,大きな甘い果実の話,ではないようだ.感想は後日.

現在の座右の書:
C.T.C. Wall, Differential Topology, Cambridge Studies in Advanced Mathematics 156, Cambridge Univ. Press (2016).
の他は変化がないので省略

22 December 2017

今年は還暦ということで,有志の方々から,ポーランドで扇子を,京都ではっぴを,それぞれ還暦祝として頂きました. ありがとうございました.記念に写真をとってみました:

     

センスのあるプレゼントで,アイム・ハッピー b

では,皆様,よい年をお迎えください.
4 December 2017

しわ〜ッていう間に,もう12月師走(しわす)である.師走というのは,12月は忙しくて,普段は走ったりしない先生も走る程だ, という意味なのかも知れないが,昨今は,大学の教員も忙しくて12月に限らず年がら年中走り回っているし, ランニングが趣味という先生も多いようだ.

11月は,京大数理研に出張に行って生まれ変わってきた.その他, 学部・大学院講義の準備,学部卒業研究指導,大学院指導や,論文のレフェリー,論文のレビュー,学術雑誌の編集の仕事, 図書委員の仕事,本の原稿書き,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,札幌で毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や出張移動中は,
Kazuo Ishiguro, 「The Remains of the Day」, Faber and Faber Limited (1989),
山本一成「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」ダイヤモンド社 (2017).
茨木のり子「詩のこころを読む」岩波ジュニア文庫 9, 岩波書店 (1979).
L. インフェルト「ガロアの生涯」新版,日本評論社 (1996).
などを読んでいた.

「The Remains of the Day」は, (辞書を引きつつ,微妙なニュアンスについては日本語訳も参考にしながら)ぼちぼち読み進めている.なかなか難しいがおもしろい.
「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」は,コンピュータ将棋ソフト「ポナンザ」 を作った人の本である.人工知能の「ディープラーニング」「強化学習」などについて,いろいろ勉強になる.たとえば,過学習の弊害(丸暗記しすぎてかえって わからなくなること)(p.96)や,「複雑過ぎて数理が見えないものに対して,人間は「気持ち」で 推し量るしかない」(p.109), や,著者が考える知能と知性の違い,「知性とは目的を設計できる能力」(p.171) などはおもしろかった.いずれ,人工知能を超えて,「人工知性」ができるのだろうか?
「詩のこころを読む」は,詩人の茨木のり子さんが,岩波ジュニア文庫に書いた,詩への 入門書である.わかりやすいし,おもしろいし,深い.
「ガロアの生涯」は,以前から気になっていた本であり,最近,やっと読み始めたところである.あのソフィス・リーの目指したものは微分方程式のガロア理論だったから,やはり,ガロアを知ることから始めないと何も始まらないのだろう.

現在の座右の書:
R. トム「構造安定性と形態形成」原書第2版,彌永昌吉,宇敷重広 訳,岩波書店 (1980).
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995).
西村尚史,福田拓生「特異点と分岐」特異点の数理2,共立出版 (2002).
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).

9 November 2017

よくわかる福島弁講座  第二回:否定表現

んでね (否定する.そうじゃない.No. )語尾は下げる.
んでねべ (否定して相手に軽く同意を求める.そうじゃないよね.Surely no. )語尾は少し上げる.
んでねべした (否定して相手に強く同意を求める.違うよ! Absolutely no! )語尾は高く上げて伸ばす.

Please repeat after me...
1 November 2017

し〜もっという間に,もう11月霜月(しもつき)である.

10月は,静岡に出張に行って生まれ変わってきた.その他, 学部・大学院講義の準備,学部卒業研究指導,大学院指導や,論文のレビュー,学術雑誌の編集の仕事, 図書委員の仕事,本の原稿書き,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,札幌で毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や出張中,週末は,引き続き
帚木 蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版 (2017),
司馬 遼太郎「関ヶ原, 下」新潮文庫 (1974),
橋爪 大三郎「正しい本の読み方」講談社現代新書 2447 (2017),
木下 是雄「理科系の作文技術」中公文庫 624 (1981),
有川 浩「阪急電車」幻冬舎文庫 (2010),
などを読んでいた.これから,
Kazuo Ishiguro, 「The Remains of the Day」, Faber and Faber Limited (1989),
も読む予定.
ところで, 「ネガティブ・ケイパビリティ」には,「日薬」と「目薬」という話が出てくる.
「日薬」(ひぐすり)とは時間が解決してくれる,ということ,「目薬」とは, (点眼する薬という意味ではなく)君をちゃんと見ているよ,ということが薬(くすり)になる, という意味である.うまい.医療に限らず,教育でも,「日薬」と「目薬」が大切ということは実感できる. せっかちに結果を求めたり,逆に,ずっと放っておいたり,ではダメなようだ.肝に銘じたい.
「関ヶ原」は,上,中,下,全部読んだ.おもしろかった.いろいろ教訓も得られる.
「正しい本の読み方」に,トピックス・センテンス・メッソッドが取り上げれらていた. トピックス・センテンス・メッソッドは,「理科系の作文技術」に説明されている わかりやすい文章を書く秘訣である. 一つの段落には一つのことだけを書く,別のことを書くなら段落を変える,ということである. 「理科系の作文技術」は,昔,買って読んでいるはずだが,内容はすっかり忘れていた. 私が持っているのは,1991年29版だ.それを改めて眺めて,もう一度,思い出している. 為になる. 今後は,トピックス・センテンス・メッソッドを心がけよう.
「阪急電車」は,関西への出張のときに乗った阪急電車の路線が,この小説(と映画)の 舞台になったと同行していた A氏から聞いたのを思い出したので読んでみている.軽くて読みやすい.
「The Remains of the Day」は, カズオ・イシグロさんがノーベル賞をもらったということで,作品を読んだことがなかったので, 「日の名残り」あたりを読もうかなと思っていたところ,カズオ・イシグロの英語は読みやすいから, 原語で読めばよい,とM先生が言っていたので,探して入手したところだ.報告は後日.

現在の座右の書:
西村尚史,福田拓生「特異点と分岐」特異点の数理2,共立出版 (2002).
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
森田茂之「特性類と幾何学」岩波書店 (1999).
Shoshichi Kobayashi, Transformation Groups in Differential Geometry, Springer (1995).

3 October 2017

か〜んという間に,もう10月神無月(かんなづき)である.

9月は,ポーランドに(ワルシャワに一週間,ベドレボに一週間)滞在して,還暦を祝ってもらった.
還暦といっても,本人は全然自覚がなく,今まで,好きなことを研究して, のほほ〜んと生きてきただけなのだが, たまには人生を振り返って,いままでいろいろお世話になった方々に深く感謝する気持ちになれた.こんな心持ちで,楽しく完璧に生まれ変わってきた次第である.
さらに,オーストラリアのシドニーでの研究会に参加して, これはよく考えよう(コアラよくカンガルー)とか言って,またまた生まれ変わってきた. その間,札幌でも,科研費申請書書き, 学術雑誌の編集の仕事,図書委員の仕事,10月からの学部・大学院講義の準備,それから,引き続き,本の原稿書き,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や出張中,週末は,引き続き
帚木 蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版 (2017),
の他,
司馬遼太郎「関ヶ原, 中」新潮文庫 (1974),
橋爪大三郎「正しい本の読み方」講談社現代新書 2447 (2017),
などを読んでいた(読んでいる).
橋爪大三郎先生の本は,いままでいくつか読んできたが,どれも簡潔で分かりやすくておもしろい. 「正しい本の読み方」もおもしろい.なぜ人は本を読むか. 「学ぶことは生きること」だそうである.「人間はいつもできかけ」であり, 「できかけで,完成形」とのことである.なるほど.だから僕もこれで完成形っていうことで 納得した.毎日生まれ変わっているのが完成形というわけだ.日々是好日.新定理一生.

現在の座右の書:
西村尚史,福田拓生「特異点と分岐」特異点の数理2,共立出版 (2002).
Serge Alinhac, Hyperbolic Partial Differential Equations, Universitext, Springer (2009).
Ian R. Porteous, Clifford Algebras and the Classical Groups, Cambridge University Press (1995).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004).

4 September 2017

な〜っという間に,もう9月長月(ながつき)である.

8月は,メキシコの研究会から帰ってから, 講義の成績評価,学部卒業研究指導,大学院指導や,論文のレビュー,学術雑誌の編集の仕事, 図書委員の仕事,10月からの学部・大学院講義の下準備,それから,本の原稿書き,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,札幌で毎日生まれ変わって生活していた.途中,東京,高輪でのトポロジーシンポジウムに参加して,汗をかいて,また生まれ変わってきた.リフレッシュ休暇も取ってリフレシュ〜した.

通勤中や出張中や休暇中は,
帚木 蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」朝日新聞出版 (2017),
矢内原 伊作「ジャコメッティ」みすず書房 (1996),
司馬遼太郎「関ヶ原, 上」新潮文庫 (1974)
などを読んでいる.
「ネガティブ・ケイパビリティ」は,題名に惹かれて読み始めているが,おもしろいし為になる. 著者は,精神医学を専門とする医師であり作家である. ネガティブ・ケイパビリティとは,「どうにも答えの出ない,どうにも対処しようのない事態に耐える能力」(p.1) とのことである. 精神医学の診療では,通常,SOAP,Subject(患者さんの症状など),Object(診察や検査で得たデータ), Assessment(判断評価),Plan(治療方針)に従って,いかに迅速に正解を出すか,ということが重視されているが, たとえば,末期医療などの現場では,「目の前の事象に,拙速に理解の帳尻りを合わせず,宙ぶらりんの解決できない状況を,不思議だと思う気持ちを忘れずに,持ちこたえていく力」(p. 84) が大事になる.なるほど. ところで,数学の研究をしていると,ネガティブ・ケイパビリティが自然に鍛えられている気がする. いつも,「どうにも答えの出ない,どうにも対処しようのない事態に耐え」ているからである. まあ,どんな分野にもあてはまることかもしれないが... 本文 p.59の一節に,「精神分析学には膨大な知見と理論の蓄積があります.若い分析家たちはその学習と理論の応用にばかりかまけて,目の前の患者との生身の対話をおろそかにしがちです.患者の言葉で自分を豊かにするのではなく,精神分析学の知識で患者を診,理論をあてはめて患者を理解しようとするのです.これは本末転倒です.」 という文章がある.試しに,これを数学研究の現場にあてはめようとすると, 「数学には膨大な知見と理論の蓄積があります.若い数学者たちはその学習と理論の応用にばかりかまけて, 目の前の〇〇との生身の対話をおろそかにしがちです.〇〇の言葉で自分を豊かにするのではなく,数学の知識で〇〇を観,理論をあてはめて〇〇を理解しようとするのです.これは本末転倒です.」となるだろうか. 〇〇に入れるべき適切な言葉を私は知らないが,たとえば,広い意味の自然,森羅万象,といったものだろうか?
「ジャコメッティ」は,昔の中学か高校の教科書にその一文が載っていたのを記憶している. ジャコメッティのやたら細長い作品はインパクトが強く印象深い.彼の創作への意欲は執拗な程であり, 強力なネガティブ・ケイパビリティを持っている芸術家である.見習いたい.
司馬遼太郎の作品はいろいろ読んでいるが,「関ヶ原」は今回初めて読む. 石田三成的な生き方と徳川家康的な生き方,どちらを選ぶか,と尋ねられたら,答えは難しいところである.

現在の座右の書:
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004).
Hermann Weyl, The Classical Groups, Their Invariants and Representations, Princeton Univ. Press, (1966).
野水克己「現代微分幾何入門」裳華房 (1981).

8 August 2017

は〜っという間に,もう8月葉月(はづき)である.

7月は,神戸の研究会で生まれ変わった後は, 講義の期末試験や成績評価,学部卒業研究指導,大学院指導や,論文のレビュー,学術雑誌の編集の仕事, 図書委員の仕事,それから,本の原稿書き,8月のメキシコでの講演準備,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,札幌で毎日生まれ変わって生活していた. さらに,7月末から8月7日までメキシコ国立大での研究会に出張して,完璧に生まれ変わった.

通勤中や出張中は,
ジャン=ガブリエル・ガナシア「そろそろ,人工知能の真実を話そう」伊藤直子監訳,早川書房 (2017).
梅原 猛「地獄の思想 --- 日本精神の一系譜」中公新書 134 (1967).
などを読んでいた.
「そろそろ,人工知能の真実を話そう」の著者ジャン=ガブリエル・ガナシアはフランスの哲学者. 原題は Le mythe de la singularite. 直訳すると,(技術的)特異点の神話,である. シンギュラリティー (singularity) とは,人工知能がどんどん発達して,いずれ人間の知能を超えて,人間と人工知能の関係が劇的に変化することを指している. 数学における特異点,いわば「数学的特異点」と対比して,シンギュラリティーは「技術的特異点」と訳されている. そのうちに,人工知能が自律して,いずれ人間を支配する,という予測までされている. 著者は,シンギュラリティーが将来起こるという予言に対する反論,つまり, シンギュラリティーが起こるという予測には根拠がない,シンギュラリティーなどは起こり得ない,という論を展開している.読んでみると,シンギュラリティーが起こるという主張にも,シンギュラリティーが起こらないという主張にも, これはどんな予言にもあてはまることだが,ともに,根拠が薄いように感じられる.
「地獄の思想」は,いままで何度も読んでいる私の愛読書である.おもしろいし深い. 実は,メキシコ出張に,上の2冊を持参したのだが,「そろそろ,人工知能の真実を話そう」を読むのが途中で飽きてきて,結局,「地獄の思想」の方をおもしろく読んだ次第である. 「日本人は,安らかに生の賛美の歌を歌う哲学と同時に,深い心の闇をみる哲学とをともに好んだのである」 (p. 23).

現在の座右の書は省略.
10 July 2017

新コーナー
よくわかる福島弁講座  第一回:肯定表現

んだ (肯定する.そうだ.Yes. )語尾は下げる.
んだべ (肯定して相手に軽く同意を求める.そうだよね.Yes, isn't it ? )語尾は少し上げる.
んだべした (肯定して相手に強く同意を求める.違うわけないよ.Why not ?)語尾は高く上げる.

Please repeat after me...
5 July 2017

ふ〜っという間に,もう7月文月(ふみづき)である.

6月は,盛岡での研究会で生まれ変わった後は, 講義準備,学部卒業研究指導,大学院指導や,論文のレビュー,学術雑誌の編集の仕事, 本の原稿書き, 7月の講演準備,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 札幌で毎日生まれ変わって生活していた.

数学は,いまは,いわゆる (2, 3, 5) 分布と Lagrangian cone に関する双対性を完全に記述する仕事, image が Lagrangian variety となりうるような写像の特徴付けの仕事,および,Grassmann bundle への integral mappings の 空間の無限小変形の空間の代数構造の仕事を並行して行っている.

ところで, 以前から,将棋の升田幸三先生筆の「新手一生」という扇子を持ち歩いて使っている.それに倣って,「新定理一生」という言葉を考えた.
自由が一番.オリジナリティーが命.新定理一生.
これが数学を研究するのに必要なセンスということだ.

では,数学を研究するのに必要な能力はなんだろう.たとえてみると,
山に登る能力,
景色を観る能力,
山を下る能力,そして,
景色を語る能力.
が必要である.まず,山に登らなければいけない.近くの低い山に登りながらトレーニングをしなければいけない.足を鍛えなければいけない. そして,景色を観て感動しなければいけない.よい目と澄んだ心を持たなければいけない. その後で,帰り道に迷わず戻ってこなければいけない.「あちらの世界に行ったきり」になると良くない.そして, 何をどう観たかを人にちゃんと説明できなければ,数学をしている意味がない.(自戒をこめて...)

通勤中や週末は,引き続き,
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳,河出書房新社 (2016).
をちょっとずつ読みながら,新たに,
前野ウルド浩太郎「バッタを倒しにアフリカへ」光文社新書 (2017)
鈴木 大拙「日本的霊性」岩波文庫 (1972)
王城夕紀「青の数学」新潮文庫 (2016)
などを読みはじめている.

「バッタを倒しにアフリカへ」はおもしろい.この本を読んでいると, 研究者とはこうあるべきだ,研究とはこうするもんだ,ということがわかるような気がしてくる. 研究は,研究したくてしたくてたまらない,研究しないと死んでしまう, という人が本来はすべきなのだろうが...
「日本的霊性」もおもしろい.もしかすると東洋的思考とは何かがわかるような気がする.
「青の数学」は,よくわからないが,(文章が甘くて読み進める自信がないが), 昨今の将棋ブームと同じように, 数学にあこがれてくれる若者が増えることは悪いことでない.歓迎したい.

現在の座右の書は省略.
1 June 2017

み〜っという間に,もう6月水無月(みなづき)である.

5月は,講義準備,学部卒業研究指導,大学院指導や,推薦書・報告書などの書類書き,論文のレビュー,それに学術雑誌の編集の仕事などをして,並行して, 6月はじめの講演準備,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら, 休暇をとって田舎に少し帰ったりしていた他は,札幌で毎日生まれ変わって生活していた.

通勤中や休暇中は,今は,
ゲーテ「若きウェルテルの悩み」竹山道雄訳,岩波文庫 (1951).
を読んでいる.

「若きウェルテルの悩み」は,かなり昔に買ったまま本棚の隅にあった. 私が持っているのは,1982年の第36刷,定価200円 のもので, (むかしの岩波文庫には皆ついていた)セロハン紙のカバーがかかっている. 有名な小説だが,おもしろいのだろうか?

その他,先月に引き続き
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳,河出書房新社 (2016).
黒井千次「働くということ-- 実社会との出会い」講談社現代文庫 648 (1982).
湯川秀樹,梅棹忠夫「人間にとって科学とはなにか」中公新書 132 (1967).
などを並行して読んでいる.それに,
ミヒャエル・エンデ 「はてしない物語」上田 真而子,佐藤 真理子 訳,岩波書店(1982)
をまたちょっとずつ読み始めている(3 October 2016 のメモを参照).

現在の座右の書:
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
Simon Salamon, Riemannian geometry and holonomy groups, Longman Scientific & Technical (1989).
Dominic D. Joyce, Riemannian holonomy groups and calibrated geometry, Oxford Univ. Press, (2007).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).



1 May 2017

さ〜っという間に,もう5月皐月(さつき)である.

4月は,新学期が始まり,講義準備,学部指導,大学院指導や,推薦書・申請書・報告書などの書類書き,それに学術雑誌の編集の仕事などをして,並行して, 講演準備,共著論文やその他の原稿などをちょっとずつ書き(打ち)進めながら,どきどき札幌で生まれ変わって生活していた.

数学については,深く潜行する時期なのか,潔く退行する時期なのか,わからないが,とにかく, 基本的だけど誰もやってなさそうな「すき間(すき魔?)数学」に集中している(と自分では思っている).

通勤中や休暇中は,
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳,河出書房新社 (2016).
コーラント・ローレンツ「人イヌにあう」小原秀雄 訳,ハヤカワ文庫 NF355,早川書房 (2009).
エドワード・シルベスター・モース「日本その日その日」石川欣一訳,講談社学術文庫 2178 (2013).
黒井千次「働くということ-- 実社会との出会い」講談社現代文庫 648 (1982).
湯川秀樹,梅棹忠夫「人間にとって科学とはなにか」中公新書 132 (1967).
などを読んでいる.
「サピエンス全史」はゆっくり読んでいるが,おもしろくなってきた.とくに,4章(史上最も危険な種),5章(農耕がもたらした繁栄と悲劇),は 著者の視点がおもしろかった.「人イヌにあう」は,同じ著者の「攻撃」の流れで眺めている.犬好きにはたまらない本である. 「日本その日その日」は,大森貝塚で有名な考古学者モースの日本滞在記の要約である.(平凡社の東洋文庫に全3巻であるが,手に入れづらい.)「働くということ」「人間にとって科学とはなにか」は,部屋を整理していて出てきたので久しぶりに眺めている.「働くということ」には, 私の愛読書である「イワン・デニーソヴィッチの一日」が出てきたことを思い出した. 「人間にとって科学とはなにか」は物理学の湯川先生と民族学の梅棹先生の対談である. おもしろくないわけがない. 改めて(20年以上経って改めて読んでみても)すばらしい.

現在の座右の書は今回は省略.
6 April 2017

う〜っという間に,もう4月卯月(うづき)である.

3月は,東京,沼津,長春(中国)に出張に行って,完璧に生まれ変わってきた.
長春では,吉林大学,東北師範大学と北海道大学の大学間交流デーとして,学生を引率した. 長春の旧知の友人たちに,また大変お世話になった.再会できて楽しかった. 帰国のとき,千歳空港が大雪のため,乗り継ぎ地のソウルで一泊しなければいけなかった. 5年前にも同じ交流デーで,やはり雪のために,長春にもう一泊したことを思い出した.
札幌では,講演準備や論文書きなどをして,やはり毎日生まれ変わっていた.

3月はだいたい毎年,休暇を取って海外に行っているが,今回は香港・マカオの旅を楽しんだ.

通勤中や休暇中は,
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳,河出書房新社 (2016),
村上春樹「羊をめぐる冒険,下」講談社文庫 (2004),
橋爪大三郎,大澤真幸,宮台真司「おどろきの中国」講談社現代新書 2182, (2013),
岡田英弘「中国文明の歴史」講談社現代新書 1761 (2004)
K. ローレンツ「攻撃」日高敏隆,久保和彦 訳,みすず書房 (1970),
などを読んでいる.
「サピエンス全史,上」はちょっとずつ読んでいる.何度も読んでいる「羊をめぐる冒険」だが, 何度読んでもおもしろい.「おどろきの中国」「中国文明の歴史」は,中国を訪問する機会があったので読んだ.「攻撃」は,昔,「ソロモンの指環」と一緒に買って,ほとんど読んでいなかった本だ.

現在の座右の書:
Mark Gross, Tropical geometry and mirror symmetry, Amer. Math. Soc., (2011)
Simon Salamon, Riemannian geometry and holonomy groups, Longman Scientific & Technical (1989).
Dominic D. Joyce, Riemannian holonomy groups and calibrated geometry, Oxford Univ. Press, (2007).
佐武一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
E.ピカール「偏微分方程式論」山口 昌哉,田村 祐三 訳,現代数学社 (1977).
大島 利雄,小松 彦三郎「1階偏微分方程式」岩波講座 基礎数学 解析学 (II) iii,岩波書店 (1977).
F.ジョン「偏微分方程式」佐々木 徹,示野 信一,橋本 義武 訳,シュプリンガー数学クラシックス, 丸善出版 (2003).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
M. Beals, C. Fefferman, R. Grossman, Strictly pseudoconvex domains in C^n, Bull. Amer. Math. Soc., 8-2 (1983), 125--322.


1 March 2017

や〜っという間にもう3月弥生(やよい)である.

2月は,韓国はソウルに行って研究連絡をして,ついでにおいしいものを食べて,すっかり元気に生まれ変わってきた. (昼休みや夜に,参鶏湯(サムゲタン)とかコムタンとか元祖石焼ビビンバとかを頂いた.キムチやナムルが必ず無料で出てくるのが 良かった.)
その他,授業の成績評価や院入試や最終講義や研究会や論文書きや翻訳や「大学交流デー」の準備やその他の大事な仕事などをして, 毎日生まれ変わっていた.

それから休暇中に,札幌で開催された冬期アジア大会のカーリングの試合を,道銀スタジアム(旧月寒体育館)に観戦に行った.臨場感があっておもしろかった.

ある女優のコメントを真似た文章を作ってみた:

私の信念:
ブレイクしたとか目立ちたいという気持ちはない.
派手な記録を残すよりは永く数学を続けていきたい.
目立たないけど,ずっと数学界にいる,そんな存在がいい.
数学のレベルが低いことは自覚している.
ひたすら勉強と思い,月30本ペースで論文を読んでいる.

通勤中や週末の休暇中は,
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳 (2016),
ドリアン助川「バカボンのパパと読む「老子」実践編」角川文庫 (2016),
村上春樹「羊をめぐる冒険,上」講談社文庫 (2004),
星野 源「そして生活はつづく」文春文庫 (2013)
などを読んでいる.
「サピエンス全史,上」は,引き続きちょっとずつ読んでいる.「バカボンのパパと読む「老子」実践編」は,いよいよ実践編である. 無為自然な生活を実践するのだ.「羊をめぐる冒険,上」も引き続き読んでいる.「そして生活はつづく」は,新たに読み始めて, すぐに読んでしまった.おもしろい.共感する部分がかなり多いような気がする.

現在の座右の書:
佐竹一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
E.ピカール「偏微分方程式論」山口 昌哉,田村 祐三 訳,現代数学社 (1977).
大島 利雄,小松 彦三郎「1階偏微分方程式」岩波講座 基礎数学 解析学 (II) iii,岩波書店 (1977).
F.ジョン「偏微分方程式」佐々木 徹,示野 信一,橋本 義武 訳,シュプリンガー数学クラシックス, 丸善出版 (2003).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
M. Beals, C. Fefferman, R. Grossman, Strictly pseudoconvex domains in C^n, Bull. Amer. Math. Soc., 8-2 (1983), 125--322.


6 February 2017

きっ〜という間にもう2月如月(きさらぎ)である.
1月後半は,金沢に出張に行ってすっかり生まれ変わってきた.その他,札幌で, 期末テストの採点をして成績をつけたり,講演準備したり,原稿を書いたり,翻訳したり,国際交流の準備をしたり, 出張の準備をしたりしながら,毎日生まれ変わっているいるところである.
また,訳あって,付値論,例外群 G_2,ルジャンドル・ヴァラエティ,対数的ベクトル場の勉強を改めてしている. おもしろい.

通勤中や週末の休暇中は,引き続き
酒井邦嘉「科学という考え方」中公新書 2375,中央公論新社 (2016),
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳 (2016),
ドリアン助川「バカボンのパパと読む「老子」」角川文庫 (2016),
村上春樹「羊をめぐる冒険,上」講談社文庫 (2004),
などを読んでいる.感想は省略.

現在の座右の書:
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
Simon Salamon, Riemannian geometry and holonomy groups, Longman Scientific & Technical (1989).
S.W. Hawking, G.F.R. Ellis, The large scale structure of space-time, Cambridge Univ. Press (1973).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
R.C. Gunning, Lectures on Complex Analytic Varieties: The Local Parametrization Theorem, Princeton Univ. Press and Univ. of Tokyo Press (1970).
R.C. Gunning, Lectures on Complex Analytic Varieties: Finite Analytic Mappings, Princeton Univ. Press and Univ. of Tokyo Press (1974).
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
J. Hadamard「アダマール 偏微分方程式 --- コーシー問題と双曲型線形偏微分方程式 ---」 福原満洲雄,相沢貞一,山中健 訳,共立出版 (1997).
E.ピカール「偏微分方程式論」山口 昌哉,田村 祐三 訳,現代数学社 (1977).
大島 利雄,小松 彦三郎「1階偏微分方程式」岩波講座 基礎数学 解析学 (II) iii,岩波書店 (1977).
土屋昭博 述,青本和彦 記「2階偏微分方程式の幾何学的理論,Darboux-Goursat 理論の現代的入門」,名古屋大学レクチャーノート No. 6, Nagoya Univ., (1980).
F.ジョン「偏微分方程式」佐々木 徹,示野 信一,橋本 義武 訳,シュプリンガー数学クラシックス, 丸善出版 (2003).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
M. Beals, C. Fefferman, R. Grossman, Strictly pseudoconvex domains in C^n, Bull. Amer. Math. Soc., 8-2 (1983), 125--322.


16 January 2017

あっ〜という間に正月気分も抜けて気分一新.講演スライドを作ったり,原稿を書いたり,翻訳したり,期末テストの問題などを作ったり,国際交流の準備をしたりして,毎日生まれ変わっているいるところである.

通勤中は,
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史,上」柴田裕之 訳 (2016)

ドリアン助川「バカボンのパパと読む「老子」」角川文庫 (2016)
などを読みはじめているところである.
「サピエンス全史」は,要するに,「虚構」がホモ・サピエンスをサピエンスたらしめている, ということらしい.内容が知に勝ちすぎているきらいがあるが,(というかそういう内容なのだが)まあ,おもしろく読んでいる.
「バカボンのパパと読む「老子」」は文句なしにおもしろい. 「老子」は昔から読みかじっていたが,この本は, 各章が,原文と読み下し,日本語訳,バカボンのパパ語訳,の3部構成になっていて,とても読みやすくてわかりやすい.それに,バカボンのパパ語訳の最後が,「これでいいのだ」で終わっているのがいいのだ.

現在の座右の書:
S.W. Hawking, G.F.R. Ellis, The large scale structure of space-time, Cambridge Univ. Press (1973).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
Y.-T. Siu, Techniques of Extension of Analytic Objects, Marcel Dekker, Inc. (1971).
R.C. Gunning, Lectures on Complex Analytic Varieties: The Local Parametrization Theorem, Princeton Univ. Press and Univ. of Tokyo Press (1970).
R.C. Gunning, Lectures on Complex Analytic Varieties: Finite Analytic Mappings, Princeton Univ. Press and Univ. of Tokyo Press (1974).
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
J. Hadamard「アダマール 偏微分方程式 --- コーシー問題と双曲型線形偏微分方程式 ---」 福原満洲雄,相沢貞一,山中健 訳,共立出版 (1997).
E.ピカール「偏微分方程式論」山口 昌哉,田村 祐三 訳,現代数学社 (1977).
大島 利雄,小松 彦三郎「1階偏微分方程式」岩波講座 基礎数学 解析学 (II) iii,岩波書店 (1977).
F.ジョン「偏微分方程式」佐々木 徹,示野 信一,橋本 義武 訳,シュプリンガー数学クラシックス, 丸善出版 (2003).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).


4 January 2017

あっ〜という間に,新年 2017年,平成29年,謹賀新年, 今年もよろしくお願いします.
トリ年だけに,オットリと一年を無事に過ごせたらいいな,と思います. ここで一句
初春や生まれ変わればヒヨコかな
もう一句
初夢やヒヨコはばたく天を衝く

年末は,恒例のクリスマス・セミナーはなかったが,やはり勉強三昧,すっかり生まれ変わって前向きに年を越した.

元旦に北海道神宮に初詣に行って来た.例年通り,梅酒を買って,おみくじを引いた.今年も「大吉」だった.
おみくじによれば, 「今日は唯今日の事を,面白く楽しく,神様を念じつ,正しい心でやっていく.禍(わざわい)も転じて幸となる」なるほど.明日のことはくよくよ考えずに,何事も面白く楽しくやっていきます.
「こころをすなおにし身もちを正しくすればますます運よろしく何事もおもうままになるでしょう」とのことである. 素直が一番ですね. 「欲をはなれて人のためにつくしなさい」なるほど.それに従い,ひたすら人のために尽くしていきたいと思います.
「学問」の項は「安心して勉学せよ」.これは昨年と同じ.引き続きそうしていきたい. 「恋愛」の項は「思い通り 大吉」とのことである.ああ,そうですか. 今までも努めて来ましたが,今後もさらに,常に慢心することなく勉学し, 誰にでも誠意を尽くして接し,恋する思いを伝えていきたいと思います. 「旅行」の項は「計画を十分にたてよ」,今年は出張が多そうなので, 早めに計画を立てていきたいと思います.

通勤中,年末年始の休暇中は, 引き続き,
アルベルト・アインシュタイン「自伝ノート」中村誠太郎,五十嵐正敬 訳,東京図書 (1978),
や,
サミュエル・スマイルズ「向上心」竹内 均 訳,知的生きかた文庫,三笠書房 (2011)
などを読んでいた.
「自伝ノート」はアインシュタインが,その偉大な発見に関わる哲学を詳しく書いてくれていていて,難しいがためになる.現在,「不定値計量と接触構造の双対性と特異性」というローレンツ計量などを幾何学的に扱う内容の講演を準備しているので,非常に勉強になる.
「向上心」もおもしろい.いろいろな偉人のエピソードが綴られている. その中のプラトンの言葉「他人の幸せを願うことはとりも直さず自分の幸せを求めることである」, を改めて肝に銘じたい.正月に読むと前向きになれる.

今月の座右の書は,昨年12月と同じなので省略.
26 December 2016

アッ〜という間に,もう年の暮れ,今年も残りわずかである.
さる年を惜しみて師走の暦とり

12月は,奈良女子大学や京都大学の数理解析研究所に出張して完璧に生まれ変わってきた.その後, 授業の準備をしたり,卒業研究指導,大学院指導,来年1月の講演準備,共著論文の執筆,著書の執筆,翻訳作業, 雑誌の編集委員の仕事をしたり,作文したり,その他,いろいろな仕事をしながら,札幌で毎日生まれ変わっていた.

数学の話.ファイバー積(fibre product)について.
図式を使わないで書くとややこしく見えるが, 一般に(カテゴリー論の言葉を使うと)B から A へのモルフィズム b と, C から A へのモルフィズム c に対し, オブジェクト F と, F から B への射 b^{-1}c と,F から C への射 c^{-1}b の組が, ファイバー積であるとは,
b(b^{-1}c) = c, c(c^{-1}b) = b であって,さらに, 任意のオブジェクト E と E から B へのモルフィズム g, E から C へのモルフィズム h で,bg = ch となるものに対して,E から D への一意的な モルフィズム e が存在して,(b^{-1}c)e = g, (c^{-1}b)e = h となることである. (自然に e = c^{-1}bg = b^{-1}ch と書く).
多様体論では,ファイバー積が存在する必要十分条件(つまり,b と c の横断性)はすぐわかる. すぐわかることで基本的なことなのだが,多様体論の教科書にはあまり載っていないようだ.

通勤中や出張中は,
酒井邦嘉「科学という考え方」中公新書 2375,中央公論新社 (2016) ,
アルベルト・アインシュタイン「自伝ノート」中村誠太郎,五十嵐正敬 訳,東京図書 (1978),
J.アダマール「数学における発明の心理」伏見康治,尾崎辰ノ助,大塚益比古 訳,みすず書房 (1990),
岡潔「春風夏雨」角川文庫 18576(改版 2016),
司馬遼太郎「ビジネスエリートの新論語」文春新書 1110 (2016),などを読んでいる.
「科学という考え方」をゆっくり読んでいる.第4講は「ケプラーからニュートンへ」第5講は「ガリレオから アインシュタイン」である.そこに引用されていたアインシュタイン先生の「自伝ノート」も読み始めている. おもしろい.ところで, アダマール先生の「数学における発明の心理」には,「アインシュタイン教授からの証言」も載っている. 「数学における発明の心理」 が西洋の叡智とすると,東洋の叡智,岡潔先生の「春風夏雨」もためになる.
「数学の本質は,主体である法が,客体である法に関心を集め続けてやめないということである」
なるほど, 関心を集め続けること,も大切だし,やめないこと,も大切なわけだ. アインシュタインも偉いが岡先生もやはり偉い.
「ビジネスエリートの新論語」も気楽に読めて,おもしろい. 今後,エリートではないが,ビジネスマンとしても生きていければ,でも無理かな,と思う今日この頃である.

座右の書:
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
J. Hadamard「アダマール 偏微分方程式 --- コーシー問題と双曲型線形偏微分方程式 ---」 福原満洲雄,相沢貞一,山中健 訳,共立出版 (1997).
E.ピカール「偏微分方程式論」山口 昌哉,田村 祐三 訳,現代数学社 (1977).
大島 利雄,小松 彦三郎「1階偏微分方程式」岩波講座 基礎数学 解析学 (II) iii,岩波書店 (1977).
F.ジョン「偏微分方程式」佐々木 徹,示野 信一,橋本 義武 訳,シュプリンガー数学クラシックス, 丸善出版 (2003).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995, 2007).
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).

来年もよろしく!
1 December 2016

でっ〜という間に,もうディセンバー12月,師走である.

11月も,授業の準備をしたり,卒業研究指導,大学院指導をしたり,講演準備,共著論文の執筆,著書の執筆,翻訳作業, 雑誌の編集委員の仕事をしたり,作文したり,その他,いろいろな仕事をしながら,札幌で毎日生まれ変わっていた.

通勤中や休日は,岡田英弘「中国文明の歴史」講談社現代新書 (2004) を読んでいる.
その他に,I.M.ゲルファント,E.G.グラゴレヴァ,A.A.キリロフ「ゲルファント やさしい数学入門 座標法」坂井 實 訳,ちくま学芸文庫 (2016) も読んでいる.
「中国文明の歴史」はなかなかおもしろい.近い国なのに,知らないことばかりである.たとえば, 古代の中国の都市は,市場を中心として城壁に細かく囲まれていて,夜間は門番が出入りを規制していた. 現在のように夜に自由に出歩くなどということはできなかったようだ. それを読んで, 昔,奈良女子大に赴任した当初,近鉄奈良駅の近くの商店街が夕方6時ぐらいなると一斉に早々と店じまいするので驚いたのを 思い出した.平城京の名残であろうか.そんなわけないか.
「座標法」もおもしろい.やさしい内容だが,随所にゲルファント先生たちのパトスを(もちろんロゴスもだが)感じ取れる本になっている. このような本を使って,大学一年生と一緒に数学をするのもおもしろいだろう.北大では,「一般教育演習」というのがあるから, そのうち,そこで開講してみようかな.

座右の書:
V.I.Arnold, Lectures on Partial Differential Equations, Springer (2004).
E.ピカール「偏微分方程式論」山口 昌哉,田村 祐三 訳,現代数学社 (1977).
F.ジョン「偏微分方程式」佐々木 徹,示野 信一,橋本 義武 訳 (2003).
大島 利雄,小松 彦三郎「1階偏微分方程式」岩波講座 基礎数学 解析学 (II) iii,岩波書店 (1977).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).

7 November 2016

のっ〜という間に,もうノベンバー11月である.

10月は, 授業の準備をしたり,卒業研究指導,大学院指導をしたり,投稿論文の修正,共著論文の執筆,著書の執筆,翻訳作業, 雑誌の編集委員の仕事をしたり,講演準備を始めたり,その他,いろいろな仕事をしながら,札幌で毎日少しずつ生まれ変わっていた.

数学は,相変わらず,ローレンツ3次元共形多様体(あるいは,より一般に,強凸錐構造)と,(ルジャンドル曲線束の構造を持った)接触構造の双対性,および, 対応する2重束,接線曲面,の特異性に関して調べている. 昔に比べれば,だいぶ計算(と認識)が進展している.完成まであとわずかである(と期待したい).

通勤中や休日は,安東正樹「重力波とは何か」ブルーバックス (2016),ウンベルト・エーコ「プラハの墓地」橋本勝雄訳 (2016), 朝井リョウ「何者」新潮文庫 (2015),Eiko「ベターッと開脚」サンマーク出版 (2016),などを読んだり,眺めたり,トレーニングしたりしている.
「重力波とは何か」は,なかなかおもしろいところまで読み進められていない.ウンベルト・エーコは,「薔薇の名前」「フーコーの振り子」は以前おもしろく読んだが,それ以降の作品は,すべて途中で読むのに挫折(ストップ)している.この最晩年の作「プラハの墓地」はどうだろうか? 「何者」は,学生の就職活動に関する勉強のために読んでいる.「ベターッと開脚」は,身体を柔らかくして,柔軟性を増し, 雪道での転倒防止に,というわけではなくて,単におもしろそうだから読んで(筋肉痛になりながら)トレーニングしている.

今月の座右の書:
J. C. Tougeron, Id{\' e}aux de fonctions differentiables, Ergebnisse der Mathematik und ihrer Grenzgebiete 71, Springer-Verlag, (1972).
G.M. Ziegler, Lectures on Polytopes, Springer (1995, 2007).
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
P. J. Olver, Equivalence, Invariants, and Symmetry, Cambridge Univ. Press (1995).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
齋藤正彦「超積と超準解析」東京図書 (1976).
18 October 2016

アッ〜という間に,10月ももう半ば過ぎである.

週末(10月1日)に,札幌芸術の森美術館に「エッシャーの世界」を観に行った.ついでに,同じ芸術の森にある「有島武郎旧邸」も見学した.森のどんぐりを拾ったりして楽しんだ.
どうもそのときに虫にさされた模様で,有島武郎旧邸で撮った写真の額には,何やら刺されている形跡が見える:
芸術の森,有島武郎旧邸前にて 2016.10.1
そのときは(次の日まで)まったく気がつかなかったのが不思議なのだが, 次の週に額が赤くぷっくり腫れてきてびっくりした.腫れが引くのに一週間程かかった.死ぬかと思った.


通勤中に,安東正樹「重力波とは何か」ブルーバックス,2016,それから, 有島武郎の作品を読みたくなったが,多くは手に入りづらい感じなので,とりあえず, 有島武郎「一房の葡萄」岩波文庫(緑 36-7)を読んでいる.
「重力波とは何か」は,先月,マラガのローレンツ幾何の研究会に出席した記念で読んでいる.
「一房の葡萄」は,有島武郎の書いた童話集である.おもしろかった. 有島武郎の作品でいままで読んでいたのは,新潮文庫の「小さき者へ,生れ出づる悩み」(のうちの,生まれ出づる悩み)だけだった. 有島武郎は,北大の教員としての先輩だから,ということで「一房の葡萄」を読み始めた次第である.
ところで,「一房の葡萄」の表題作の,一房の葡萄,という作品のあらすじは, 主人公が,同級生ジムのクレヨンを盗んでしまって,すぐに見つかって, 担任の先生のところにみんなに連れて行かれるものの,先生は,やさしく主人公に一房の葡萄をあげてそのまま家に帰らしてくれて, 翌日,気まずい思いをしながら登校してみると,先生が何と言っておさめてくれたのか不明なのだが,同級生も親しく声をかけてくれて,先生は二人を仲直りさせてくれて,もう一房の葡萄をくれた, といったものである.(それが美しい文章で書かれている.)
先生は,どういうふうに同級生たちに話してくれたのだろうか?一房の葡萄は何を象徴しているのだろうか?
3 October 2016

おっ〜と言う間に,もう10月オクトバーである.秋,食欲の秋,読書の秋,数学の秋である.

9月は,スペインはマラガというところで開催された研究会に出張に行って, アンダルシアの熱い太陽を浴びて完璧に生まれ変わって帰ってきた. その他,新学期の授業の準備をしたり,出張の準備,研究発表用ポスター書き,共著論文の修正, 著書の執筆,翻訳作業,論文や著書のレフェリーレポート書き, 雑誌の編集委員の仕事,その他,いろいろな仕事をしながら,札幌でも毎日少しずつ生まれ変わっていた.

通勤中,出張中は,黒澤 明 著「蝦蟇の油,自伝のようなもの」同時代ライブラリー 12,岩波書店, などを読んでいた. 自宅では,ミヒャエル・エンデ 「はてしない物語」上田 真而子,佐藤 真理子 訳,岩波書店(1982) などを読んでいる.
「蝦蟇の油」は,再読(あるいは再々読)だが,おもしろかった.読むと,黒澤作品を改めて観てみたくなってくる. 良いものを作っていくには,情熱と出会いが大切なことがわかってくる.
「はてしない物語」は,名作として有名なようだが,まだ読んでいなかった.おもしろそうだ. 昔,この本を原作とした映画 ネバー・エンディング・ストーリーを観たが, 内容はすっかり忘れている.ともかく,原作と映画とは設定が違うそうだ.

今月の座右の書:
T.A. Ivey, J.M. Landsberg, Cartan for Beginners: Differential Geometry via Moving Frames and Exterior Differential Systems, Amer. Math. Soc. (2003).
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
M.アイグナー,G.M.ツィーグラー「天書の証明」(縮刷版)蟹江 幸博 訳,丸善出版 (2012).
4 September 2016

セッ〜っと言う間に,もう9月セプテムバーである.まだ暑いが,秋の気配も少しだけ感じる今日この頃である.

8月は,札幌で超平面配置の研究会に出席したり,幾何学シンポジウムに出席したりして,すっかり生まれ変わった. また,いつものように, 授業の成績を出したり,大学院セミナーの指導,博士論文の指導, 学部卒業研究の指導をしたり,共著論文を修正したり,ポスターを書いたり, 著書の執筆を続けたり,翻訳をしたり,解説記事を書いたり,随筆もどきを書いたり, 論文や著書のレフェリーを沢山したり,雑誌の編集委員の仕事をしたり,クラス副担任の仕事をしたり, その他,札幌でいろいろ仕事をしながら,相変わらず毎日生まれ変わっていた.

通勤中,出張中は,先月から引き続き, 片山 慶隆 著「小村寿太郎 - 近代日本外交の体現者」 (中公新書) を読んだり, 黒澤 明 著「蝦蟇の油,自伝のようなもの」同時代ライブラリー 12,岩波書店,を読み始めたりしている.

「小村寿太郎」は,日露戦争のころ,あの,「坂の上の雲」の時代,と結びつけて読むとなかなか面白い.
黒沢 明は,有名な映画監督である.映画監督や画家が書く文章は,なぜかおもしろい.ゴッホの日記なんかもおもしろい. ところで,「蝦蟇の油」は,再読である.2006年に読んでいるらしいが,それ以前にも多分読んでいたと思う. 私が持っているの本は,同時代ライブラリー版(1990年発行)である. いまは,岩波現代文庫に入っていると思う.

今月の座右の書:
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
C. Hertling, Frobenius manifolds and moduli spaces for singularities, Cambridge Univ. Press (2002).
4 August 2016

オ〜ッと言う間に,もう8月オーガストである.最近は札幌も蒸し暑い.

7月は,札幌で,講義準備をしたり,期末テスト作成・採点をしたり, 大学院セミナーの指導,修士論文,博士論文の指導, 学部卒業研究の指導をしたり,共著論文を修正したり,別の共著論文を書いたり, 著書の執筆を続けたり,ちょっとずつ分担翻訳をしたり, 論文のレフェリーをしたり,雑誌の編集委員の仕事をしたり,クラス副担任の仕事をしたり, その他,いろいろ仕事をしながら,相変わらず毎日生まれ変わっていた.

先月に引き続き,不定値計量と接触構造の双対性を研究中. Cartan connection の幾何,あるいは Double fibration の幾何と特異点の特徴付けを組み合せを行っている.

通勤中は,
リーランド ホカ・パーヴィス (著), ジム・オッタヴィアニ (原著)「現代物理学を築いた巨人 ニールス・ボーアの量子論」 園田 英徳 (翻訳), 今枝 麻子 (翻訳), 講談社ブルーバックス (2016).
や,
片山 慶隆 著「小村寿太郎 - 近代日本外交の体現者」 (中公新書)
を読んでいる.「現代物理学を築いた巨人 ニールス・ボーアの量子論」は,量子論というより,ボーアの人となりがよく分かる. 「小村寿太郎」は,小村寿太郎という人に昔から興味があったので読んでいる.参考文献が多めのこの手の本はあまり読まないが, 意外に読みやすい感じである.

今月の座右の書:
D. Maclagan, B. Sturmfels, Introduction to Tropical Geometry (Graduate Studies in Mathematics 161), Amer. Math. Soc. (2015).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
C. Hertling, Frobenius manifolds and moduli spaces for singularities, Cambridge Univ. Press (2002).
1 July 2016

ジュライ〜んですと言っている間に,もう7月 July である.この間まで寒かったのに,もう初夏,というより 真夏という感じである.

6月は,神奈川県相模原市に出張した後, 札幌で,講義準備をしたり,大学院セミナーの指導,修士論文,博士論文の指導, 学部卒業研究の指導をしたり,共著論文を修正したり,別の共著論文を書いたり, 著書の執筆を続けたり,ちょっとずつ分担翻訳をしたり, 論文のレフェリーをしたり,雑誌の編集委員の仕事をしたり,クラス副担任の仕事をしたり, その他,いろいろ勉強しながら,相変わらず毎日生まれ変わっていた.
例年お墓参りにいっている余市に,今年は6月11日(土)に行って来た.ついでに, 余市宇宙記念館によって,ニッカウイスキー工場を見学して,「かきざき商店」で ウニ丼を堪能して,さらに生まれ変わってきた. (2015 の 1 July のメモ,2014 の 11 June のメモ,2013の 1 July のメモ,2012 の 2 July のメモなどを参照のこと.)

現在,不定値計量と接触構造の双対性を研究中.Cartan connection の幾何と特異点の特徴付けを組み合せているところ.

通勤中は,引き続き,酒井邦嘉「科学という考え方」中公新書 2375,中央公論新社 (2016) に加えて, M先生に勧められて,「多変数超幾何函数,ゲルファント講義 1989」 野海 正俊,梅田 亨(著, 編集), 吉沢 尚明 (監修),日本評論社 (2016),を読んだ. 「多変数超幾何函数」は夢中で読んで,すぐに読み終えた.超幾何関数や積分幾何などに改めて興味がわいた.

現在,掃除中で,座右の書は片付け中.
7 June 2016

北の国からジュ〜んという間に,もう6月 June である.

5月は,札幌で,講義準備をしたり,大学院セミナーの指導,修士論文,博士論文の指導, 学部卒業研究の指導をしたり,共著論文を修正したり,締め切り間際の単著の論文を執筆したり, 滞っている著書の執筆をしたり,ちょっとずつ分担翻訳をしたり, 論文のレフェリーをしたり,雑誌の編集委員の仕事をしたり,クラス副担任の仕事をしたり, その他,いろいろやりながら,相変わらず毎日生まれ変わっていた. 6月に入って,神奈川県相模原市に出張し,さらに生まれ変わってきたところだ.

現在,不定値計量と接触構造の双対性を研究中.

通勤中,出張移動中は,酒井邦嘉「科学という考え方」中公新書 2375,中央公論新社 (2016) や, 植田一石「数物系のためのシンプレクティック幾何学入門」SGCライブラリー 118,サイエンス社 (2015) などを読んでいた.
以前,酒井邦嘉さんの「科学者という仕事」を読んだ.非常に感銘を受けた.「科学という考え方」も 非常に感銘を受けている.
「数物系のためのシンプレクティック幾何学入門」も非常に読みやすく,ためになる. ただし,p.57 の接触構造の定義はいただけないが.

今月の座右の書:
森本明彦「微分解析幾何学入門」基礎数学シリーズ 22,朝倉書店 (1972).
E. ピカール「偏微分方程式論」山口昌哉,田村祐三 訳,現代数学社 (1977).
F. ジョン「偏微分方程式」佐々木徹,志野信一,橋本義武 訳, シュプリンガー数学クラシックス 12,シュプリンガーフェアラーク東京 (2003).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
P.A.M. Dirac, Principles of Quantum Mechanics, 4th ed., Maruzen (1958)
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
田中和永「非線形問題2 -- 変分問題入門」岩波講座 現代数学の展開,岩波書店 (2000).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
2 May 2016

メ〜ッという間に,もう五月メイ,トトロである.

4月は,札幌で,新学期の講義準備をしたり,大学院セミナーの指導,修士論文,博士論文の指導, 学部卒業研究の指導をしたり,共著論文をまとめたり,単著の論文を執筆したり, 著書の執筆をしたり,翻訳をしたり, 論文のレフェリーをしたり,雑誌の編集委員の仕事をしたり,クラス副担任の仕事をしたり, いろいろやりながら,相変わらず毎日生まれ変わっていた.

通勤中は,
アンディ・ウィアー「火星の人〔新版〕」上,下,小野田和子 訳,ハヤカワ文庫SF (2015), を読み終えて, さらに,デフォー「ロビンソン・クルーソー」上,下,平井正穂 訳,岩波文庫 (2012),を 読み始めている.また, 村上春樹「羊をめぐる冒険」上,下,講談社文庫 (2004) も読んでいる.
休日には,研究の合間に,山本義隆「重力と力学的世界」現代数学社 (1981) なども読んでいる.
「火星の人」はおもしろかった.SF としてストレートな書き方をしているところ,哲学的でないところ,が良い.
「ロビンソン・クルーソー」は,1719年に出版された古典である. 題名は知っているが,まだ読んだことがなかった.現代的な観点からすると,かなり価値観が違っているわけであるが, 根本的なところでおもしろみを味わえるかどうかで,作品の価値が分かれる気がする.
「羊をめぐる冒険」は,もう何度も読んだ愛読書である.単行本しか持っていなかったが,今回,文庫本を 通勤用の鞄に入れて,ときどき読んでいる.何度読んでもおもしろい.
最近ケプラーの仕事を勉強している関係で,「重力と力学的世界」も読んでいる.やはりおもしろい.

今月の座右の書:
森本明彦「微分解析幾何学入門」基礎数学シリーズ 22,朝倉書店 (1972).
E. ピカール「偏微分方程式論」山口昌哉,田村祐三 訳,現代数学社 (1977).
F. ジョン「偏微分方程式」佐々木徹,志野信一,橋本義武 訳, シュプリンガー数学クラシックス 12,シュプリンガーフェアラーク東京 (2003).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
P.A.M. Dirac, Principles of Quantum Mechanics, 4th ed., Maruzen (1958)
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, World Scientific Publishing Co. (2015).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
田中和永「非線形問題2 -- 変分問題入門」岩波講座 現代数学の展開,岩波書店 (2000).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
菅原正博「位相への入門」基礎数学シリーズ 6,朝倉書店 (1966).
1 April 2016

え〜ぷりるってる間に,もうエープリル4月卯月である.

3月は,沼津に出張して沼津研究会で講演して生まれ変わり,東京に出張して Encounter with Mathematics で講演して生まれ変わり, 筑波に出張して日本数学会で講演して生まれ変わり,さらに休暇をとってのんびりして,完璧に生まれ変わった. 他に,4月からの授業の準備をしたり,共著論文を書いたり,講演準備をしたり,著書の執筆をしたり, 翻訳をしたり,大学院の指導をしたりしていた.

出張移動中や通勤中は,
アンディ・ウィアー「火星の人〔新版〕」上,下,小野田和子 訳,ハヤカワ文庫SF,文庫 (2015).
鈴木 増雄「変分原理と物理学」丸善出版 (2015).
を読んでいた.

「火星の人」は,火星に一人取り残された宇宙飛行士のサバイバルSFである. 主人公は学者で,火星で生き延びるために,様々な科学的知識を柔軟に活用して奮闘する.おもしろい. いわばロビンソンクルーソーの現代版,未来版である.こういう読み物を読んでいると, 自分の生活は満ち足りていて何の苦労も無くて,少しでも不便だと不満を感じたりして, いわば「逆ロビンソンクルーソー」「地球の人」状態である.反省したい.
「変分原理と物理学」は,変分原理という大きな観点から,様々な物理を深く理解していく. 私に全然足りないところである.とても勉強になる.

今月の座右の書:
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, {\it Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, } World Scientific Publishing Co. (2015).
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Conformal Differential Geometry and its Generalizations, John Wiley \& Sons. Inc., (1996).
Bruno Cordani, The Kepler Problem, Group Theoretical Aspects, Regularization and Quantization, with Application to the Study of Perturbations, Progress in Mathematical Physics 29 (2003).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
田中和永「非線形問題2 -- 変分問題入門」岩波講座 現代数学の展開,岩波書店 (2000).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
佐々木隆「可解な量子力学系の数理物理」SGCライブラリー 122,サイエンス社.
3 March 2016

ま〜ちってる間に,もうマーチ3月である.

2月は,仙台に行って,すっかり生まれ変わってきた. 他に,札幌で大学院指導,エディターの仕事,共著論文の執筆,投稿,その他の仕事をして毎日生まれ変わっていた.

3月の講演に使う「特異点論の地図」は完成させた.

別の講演のテーマの 「ニュートラル計量,ローリング・ボディ,ケプラー問題」の三題噺は,結局「落ち」はつかなかったが,だいぶ勉強になった.

出張移動中や通勤中は,
増田 正造「世阿弥の世界」集英社新書 F787, (2015),
黒岩 徹「イギリス式人生」岩波新書 赤497, (1997),
ノーマン・マルコム「ウィットゲンシュタイン--天才哲学者の思い出」講談社現代新書 370, (1974),
「ウィットゲンシュタインの講義 数学の基礎編 ケンブリッジ 1939年」コーラ・ダイヤモンド編, 大谷 弘,吉田 徹也 訳,講談社学芸文庫 2276,(2015),
それから, 先月から引き続き,
梅原 猛「哲学する心」講談社学芸文庫 1539, (2002),
橋爪 大三郎「はじめての言語ゲーム」講談社現代新書 2004, (2009),
などを読んでいた.
「世阿弥の世界」は,朝日新聞でジェパネットたかたの社長の高田明さんが薦めていたので 読んでいる.秘すれば花なり,離見の見,序破急,などなど難しいがおもしろい. 数学をやっていると「機能美」だけに偏ってくるが,「様式美」も普段から磨いておきたいものである.初心忘るべからず,である.
「イギリス式人生」は,昔買って放っておいたものを読み直している.古さを愛するイギリス人に ついて書かれている.おもしろい.
「ウィットゲンシュタイン」は,何十年も前に読んだものの再読である.有名な哲学者の伝記である. 「はじめての言語ゲーム」の流れで読んでいる.以前,読んだ内容はすっかり忘れてしまったいたが, ウィットゲンシュタインの映画の見方が変わっている,ということだけは記憶している. 「ウィットゲンシュタインの講義」は,ぼーっと眺めていると,なかなかおもしろい. ともかく,ウィットゲンシュタインのように,ものごとをトコトンまで考える,ということは大事なことである.

今月の座右の書:
Shyuichi Izumiya, Maria del Carmen Romero Fuster, Maria Aparecida Soares Ruas, Farid Tari, {\it Differential Geometry from a Singularity Theory Viewpoint, } World Scientific Publishing Co. (2015).
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Conformal Differential Geometry and its Generalizations, John Wiley \& Sons. Inc., (1996).
佐々木重夫「共形接續幾何學」河出書房 (1948).
土屋昭博 述,青本和彦 記「2階偏微分方程式の幾何学的理論,Darboux-Goursat 理論の現代的入門」,名古屋大学レクチャーノート No. 6, Nagoya Univ., (1980).
Bruno Cordani, The Kepler Problem, Group Theoretical Aspects, Regularization and Quantization, with Application to the Study of Perturbations, Progress in Mathematical Physics 29 (2003).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
佐竹一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
田中和永「非線形問題2 -- 変分問題入門」岩波講座 現代数学の展開,岩波書店 (2000).
室田一雄「離散凸解析」共立出版 (2001).
梅原雅顕,山田光太郎「曲線と曲面--微分幾何的アプローチ,改訂版」裳華房 (2002, 2015)
梅原雅顕「特異点を持つ曲線と曲面の幾何学」Seminar on Mathematical Sciences No.38 慶応大学 (2009).
劔持勝衛「曲面論講義 -- 平均曲率一定曲面入門」培風館 (2000).
3 February 2016

ふぇ〜ぶっという間に,もうファブルアリー2月である.

1月は,金沢に行って,すっかり生まれ変わってきた. 他に,札幌で授業準備,期末テスト作成,答案採点,大学院指導,エディターの仕事などをして毎日生まれ変わっていた.

出張移動中や通勤中は, 水木しげる「ねぼけ人生」ちくま文庫 (1999), 梅原猛「哲学する心」講談社学芸文庫 (2002), 渋沢栄一「論語と算盤」角川ソフィア文庫 (2008), それから,昨年から引き続き, 橋爪大三郎「はじめての言語ゲーム」講談社現代新書 (2009), S. ボホナー「科学史における数学」村田全訳,みすず書房 (1970), などを読んでいた.

「ねぼけ人生」に限らず,(わが尊敬する)水木先生の本はどれもおもしろい.
(わが尊敬する)梅原先生の本もおもしろい.
渋沢先生「論語と算盤(そろばん)」は,昔,出張途中のどこかの空港の本屋で買って, 眺めて,放っておいたものだが,読み返してみると面白い.新渡戸先生の「修養」に通じるものがある. 実際的で非常に為になる.

今月の座右の書:
イ・エム.ゲリファント,エス.ヴェ.フォーミン「変分法」関根智明訳,文一総合出版 (1970).
小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」裳華房 (1989, 2004).
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Conformal Differential Geometry and its Generalizations, John Wiley \& Sons. Inc., (1996).
佐々木重夫「共形接續幾何學」河出書房 (1948).
土屋昭博 述,青本和彦 記「2階偏微分方程式の幾何学的理論,Darboux-Goursat 理論の現代的入門」,名古屋大学レクチャーノート No. 6, Nagoya Univ., (1980).
Bruno Cordani, The Kepler Problem, Group Theoretical Aspects, Regularization and Quantization, with Application to the Study of Perturbations, Progress in Mathematical Physics 29 (2003).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
佐竹一郎「リー環の話」(新版)日本評論社(2002).
Arkady L. Onishchik, Lectures on Real Semisimple Lie Algebras and Their Representations, Lectures in Mathematics and Physics, European Mathematical Society (2004).
L.P. Hughston, K.P. Tod, An Introduction to General Relativity, London Mathematical Society Student Texts 5, Cambridge Univ. Press (1990).
4 January 2016

あっ〜という間に,新年 2016年,平成28年,明けましておめでとうございます. 今年もよろしくお願いします.
サル年だけに,のんき(モンキー)に一年を過ごせたらいいな,と思います. ここで一句

人知れず のんきに暮らす お正月

12月は,札幌で,講義資料の作成,レポートの採点,大学院生指導, 卒業研究指導,著書の執筆,共著論文の修正,論文のレビュー,雑誌の編集委員の仕事, 「三題噺」と「特異点論の地図」の作成,などをして,毎日生まれ変わっていた.
年末は,恒例のクリスマス・セミナーで勉強三昧,すっかり生まれ変わって前向きに年を越した.

元旦に北海道神宮に初詣に行って来た.例年通り,梅酒を買って,おみくじを引いた.今年は「大吉」だった.
おみくじによれば, 「曇るかがみに姿は見えぬ,みがき上げようそのこころ」なるほど. 心を磨くよう努めます.さらに,スマホの画面もきれいにしておくよう心がけます.
「目上の人の思いがけない引立で 心のままに調い(ととのい)家内仲良く暮らせます」とのことである.「色を慎み身を正しく目上の人を敬って目下の人を慈めば愈々(いよいよ)運開きます」なるほど.それに従い,色を慎んで身を正しくして,目上の人を敬い目下の人を慈みます. さらに,目上の人を慈しみ目下の人を敬うようにもしたいと思います.
「学問」の項は「安心して勉学せよ」,「恋愛」の項は「誠意を尽くして接せよ」とのことである.はい,そうします. 今までも努めて来ましたが,今後もさらに,常に慢心することなく勉学し,誰にでも誠意を尽くして接したいと思います.

通勤中,年末年始の休暇中は, 引き続き,橋本 幸士「超ひも理論をパパに習ってみた」 講談社 (2015),や, S. ボホナー「科学史における数学」村田全訳,みすず書房 (1970), を読んでいた.
「超ひも理論をパパに習ってみた」はわかりやすくておもしろい. いま,「ニュートラル計量,ローリング・ボディ,ケプラー問題」という三題噺を作るので勉強している「カルツァ-クライン理論」も言及されている.
「科学史における数学」もじっくり読んでいる. 科学史における数学の意義・特徴は何なのか,とても勉強になる.

今月の座右の書: は,大掃除で本を別の場所に移動したままなので無し.来月復帰予定です.
24 December 2015

メリークリスマス!年の瀬も押し詰まってきた.アッっと言う間の一年だった.

通勤中の読み物は,「細雪」やようやく読み終えて,今は, 橋本 幸士「超ひも理論をパパに習ってみた」 講談社 (2015),や, S. ボホナー「科学史における数学」村田全訳,みすず書房 (1970), などを年末年始に読もうかな,と思っている.

では,皆様には来年も良い年でありますように.よろしく!
1 December 2015

アッ〜という間に,もう12月師走である. ここで一句

人知れずいいことをする師走かな

「人知れず」という点が,なかなか難しいのである.こんなブログを書いていてはいけないわけだ.

11月は,東京と金沢に行って勉強してすっかり生まれ変わった.札幌では, 講義資料の作成,中間テストやレポートの採点,大学院生指導, 卒業研究指導,著書の執筆,共著論文の執筆,論文のレビュー,雑誌の編集委員の仕事, 研究室のかたずけ,などをして,毎日生まれ変わっていた.

落語に「三題噺」というのがある.勝手に3つお題を出してもらって,それを織り込みながら話を作って落ちをつける. 数学でも,そんな感じのノリで,最近,
「ニュートラル計量,ローリング・ボディ,ケプラー問題」
という三題噺を考えはじめている.自分でお題を決めたから簡単にできそうだが,さて,ちゃんと落ちがつけられるやら. それから,
「特異点論の地図」
というものの作成も始めている.「特異点の地図」ではなくて,「特異点論の地図」である. 追って,作成経過は報告していきたい.

とはいえ,いつものことながら,研究というものは,なかなか先が見えない.先が見えたら苦労は無い.研究計画など立てられるはずがない. 立てられない計画を立てて,せいぜいがんばるしかない. そういうときは,
愛用している「[日めくり]まいにち,修造」で松岡修造さんも言っている
「次に叩く一回で,その壁は破れるかもしれない」
という言葉を思い出そう.今日一日考えてわからなかったら,今夜は早く寝て,
あし〜た,がんばろう ♫

通勤中,出張移動中は,引き続き,谷崎潤一郎の「細雪」中公文庫,と, ヨナス・ヨナソン「国を救った数学少女」中村久里子 訳,西村書店 (2015),や, 橋爪大三郎「はじめての言語ゲーム」講談社現代新書 (2009), など を読んでいる.
「細雪」は,現在,780ページぐらいのところを,ゆっくり読んでいる. 引き続きおもしろい.さすが谷崎である.
「国を救った数学少女」は,題名に惹かれて読んでいる.南アフリカの少女の 冒険譚のようである.
「はじめての言語ゲーム」は再読である.明解でおもしろい.

今月の座右の書:
Bruno Cordani, The Kepler Problem, Group Theoretical Aspects, Regularization and Quantization, with Application to the Study of Perturbations, Progress in Mathematical Physics 29 (2003).
Ivar Ekeland, Mathematics and the Unexpected, The University of Chicago Press (1988).
C. Hertling, Frobenius manifolds and moduli spaces for singularities, Cambridge Univ. Press (2002).
I.M. Gelfand, S.V. Formin, Calculus of Variations, transl. by R.A. Silverman, Dover Publ. Inc., (1963).
Jean Claude Tougeron, Id{\' e}aux de fonctions differentiables, Ergebnisse der Mathematic und ihrer Grenzbebiete 71, Springer Verlage, (1972).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
B. Malgrange, Ideals of Differentiable Functions, Oxford Univ. Press (1966).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
J.J. Gray, Linear Differential Equations and Gourp Theory from Riemann to Poincar{\' e}, 2nd ed., Birkh{\" a}user (2008).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
M.W. ハーシュ「微分トポロジー」松本 堯生 訳,シュプリンガー数学クラシックス 25,丸善出版 (2012).

1 November 2015

ノ〜っという間に,もうノベンバー11月である.もう冬支度の季節である.

10月は,北大の入試進学相談会の仕事で名古屋・大阪に1泊2日で行って完璧に生まれ変わってきた.
今回の出張では,ハードな出張を乗り切るために,早朝から千歳空港から中部空港に向かい, 昼めしは,中部空港「矢場とん」のヒレみそカツ定食,名古屋駅近くでの説明会のあとの夕食は名古屋駅エスカ「備長」のひつまぶし, その後,新幹線で名古屋から大阪へ移動するも,次の日の会場の梅田近くに宿がとれずに,十三に一泊し説明会の準備を入念に行い, 次の日の昼飯は,梅田の「おにぎり屋一粒」の牛つくだにとシャケで簡単にすませ, 夜は伊丹空港「蓬莱」の蓬莱定食を堪能して仕事の疲れを癒し,伊丹空港から千歳空港へなんとか無事帰ってきた次第である. ああおいしかった.

現在は,「集合と位相」の講義資料の作成,レポート採点,大学院生指導, 卒業研究指導,著書の校正,別の著書の執筆,共著論文の執筆,論文のレビュー,雑誌の編集委員の仕事,書評の執筆,研究室のかたずけ, などをしていた(している).ああ楽しい.

通勤中・出張移動中は,引き続き,谷崎潤一郎の「細雪」中公文庫,と, トーマス・マン「魔の山」上,岩波文庫,や 谷川俊太郎「自選 谷川俊太郎詩集」岩波文庫, などを読んでいる.
「細雪」は,現在,570ページぐらいのところを,ゆっくり読んでいる.
「魔の山」は,以前から読みたいと思っていた.でも,途中で読むのを挫折しそうである.
「自選 谷川俊太郎詩集」は,電車の中で読んでいるが,なかなかよい.頭の中がすっきりする.
ああおもしろい.

今月の座右の書は先月とあまり変わらないので省略.
6 October 2015

お〜っという間に,もうオクトバー10月である.今日は快晴,秋晴れ,インディアンサマーである.でも 肌寒い.

9月は,ワルシャワに行って完璧に生まれ変わり帰国して,現在,2学期の講義が始まり,「集合と位相」の講義準備,大学院生指導, 卒業研究指導,北大の大学入試説明会(名古屋・大阪)の出張準備, それから,共著論文の執筆,別の共著論文の再修正・再々提出,論文のレビュー,雑誌の編集委員の仕事,書評の執筆準備, などをしていた(している).

通勤中は,引き続き,谷崎潤一郎の「細雪」中公文庫,と,新たに, 村上春樹「職業としての小説家」スイッチ・パブリッシング, 鷲田清一「新編 普通はだれも教えてくれない」ちくま学芸文庫, 山崎豊子「不毛地帯」新潮文庫の第1巻,などを読んでいる.
「細雪」は,中巻 500ページぐらいのところを読んでいる.なかなか話が進まない.
「職業としての小説家」という題名は,マックスウェバーの「職業としての学問」を連想する.
鷲田清一さんは哲学者であるが,柔らかい文章を書いている.おもしろい.
「不毛地帯」の第1巻は,日本軍大本営の将校だった主人公 壹岐正 のロシア抑留の話である. テレビドラマにもなっていた. 読んでいると,ソルジェニーツィンの小説「イワン・デニーソヴィチの一日」が思い浮ぶ.

今月の座右の書:
Jean Claude Tougeron, Id{\' e}aux de fonctions differentiables, Ergebnisse der Mathematic und ihrer Grenzbebiete 71, Springer Verlage, (1972).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
B. Malgrange, Ideals of Differentiable Functions, Oxford Univ. Press (1966).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
Victor G. Kac, Infinite Dimensional Lie Algebras, Cambridge Univ. Press (1990).
脇本実「無限次元リー環」岩波講座,現代数学の展開3,岩波書店 (1999).
J.J. Gray, Linear Differential Equations and Gourp Theory from Riemann to Poincar{\' e}, 2nd ed., Birkh{\" a}user (2008).


4 September 2015

セ〜っという間に,もうセプテンバー9月である.短い夏が終わって,もう寒いぐらいだ.

8月は,トポロジーシンポジウムで名古屋に行って生まれ変わり, 北大でのMITセミナー2015夏で生まれ変わり,幾何シンポジウムで東京で生まれ変わり,さらに, 神戸での特異点研究会に出席して生まれ変わってきた.
卒業研究,大学院指導の他,免許更新講習の講師やインターンシップの世話もした.共著論文の修正・提出, 著書の挿絵を描いたりしていた.
休日には,キリンビールの千歳工場のビアファスタにも行って来た.
今は,9月のワルシャワでの講演の準備や,後期の講義準備,共著論文の投稿準備をしている.

通勤中や出張移動中は,谷崎潤一郎の「細雪」(中公文庫)を読んでいた. 新潮文庫にもあるが,全一巻で挿絵がついている中公文庫を選んだ.ぶ厚くて,持ち運ぶには不便であるが.
その他に,ドウス昌代「イサム・ノグチ 下」講談社文庫も読んでいた.
「細雪」は,ドナルド・キーンが朝日新聞に,この作品を読んで,日本の文化,とくに関西の文化について 勉強したと書いていたので,読んでいる. 私も11年間程,京都,奈良に住んでいたので,関西の言葉はなつかしい.ものの考え方もおもしろい. 谷崎の文章は,やはりすばらしい. 谷崎潤一郎の作品は,「春琴抄」以来である.(他の作品も眺めたが,通読はできなかった.) なぜ,昔,「春琴抄」を読んだかという理由は書かない.
「イサム・ノグチ 下」は,上巻を読んで中断していたものの再開である.イサムと魯山人や山口淑子との関係もおもしろい.

今月の座右の書:
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Soc. (2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
B. Malgrange, Ideals of Differentiable Functions, Oxford Univ. Press (1966).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
W. Liu, H.J. Sussman, Shortest Paths for Sub-Riemannian Metrics on Rank-Two Distributions, Memoirs of A.M.S, 564, Amer. Math. Soc. (1995).
Victor G. Kac, Infinite Dimensional Lie Algebras, Cambridge Univ. Press (1990).
脇本実「無限次元リー環」岩波講座,現代数学の展開3,岩波書店 (1999).
J.J. Gray, Linear Differential Equations and Gourp Theory from Riemann to Poincar{\' e}, 2nd ed., Birkh{\" a}user (2008).
3 August 2015

オ〜という間に,もう8月である.毎日暑い.
7月は,札幌で,線形代数の期末試験や成績付け,院生指導や卒業研究指導,いろいろな推薦書書きや共著論文書き,研究連絡などをして毎日楽しく生まれ変わっていた.

通勤中は,
エドワード・フレンケル「数学の大統一に挑む」青木薫訳,文藝春秋 (2015),
ドナル・オシア「ポアンカレ予想」糸川洋訳,新潮文庫 (2014),
A.ストゥーブハウグ「数学者ソーフス・リー,リー群とリー環の誕生」熊原啓作訳,丸善出版(2013),
などを読んでいた.
「数学の大統一に挑む」は,最初に新聞の広告で題名だけを見て違和感を感じた.物理学を統一するということならわかるが,数学を統一しようとするのは危険思想だな,と.でも,M先生がおもしろいと薦めてくれたので,とりあえず読んでみた.大変おもしろい.原題は「Love and Math」,素直に訳せば「愛と数学」だ.この直訳の方がずっと良いと思う.著者の数学への愛が語られる.その愛は,数学を統一しようという表現で語られるべきものではなく,単純にいろいろなことに「つながり」を見出したい,という素朴な愛だろう.
数学にはいろいろな側面があり,多様であり,不統一である.不統一でありながら,いやむしろ不統一だからこそ,そこに不思議で意外な「つながり」が見出される,それは数学が根本的で抽象的な見方をすることから必然的に現れる「つながり」である.数学はいろいろな物事を抽象化によって「しがらみ」から自由に解き放つ.その結果,遠く離れたものたちに「つながり」が見つけられるのである.そのつながりを見出した時の喜びは格別である.これが数学という学問の特性であろう.「大統一を挑む」というのは,多様性があるからこそ見出される調和を見つけ続ける営みのことではなかろうか? 「数学の大統一に挑む」の最終章のタイトルにあるように,「われわれの旅に終わりはない」のである. もし本当に数学が統一されたとしたら,それは,数学の死,そして世界の死を意味するのだから.
「数学の大統一に挑む」に書かれた著者の生い立ちや数学的な出会い,当時のソビエトの数学に関するエピソードも興味深い. 学生をどう指導したらよいか,ということでも非常に参考になる.もちろん,教育に正解はないと思うけれども.
「ポアンカレ予想」もおもしろい.リーマン,クラインとポアンカレの関係がおもしろい.関連して, J.J. Gray, Linear Differential Equations and Gourp Theory from Riemann to Poincar{\' e}, 2nd ed., Birkh{\" a}user (2008), も眺めている.
「数学者ソーフス・リー,リー群とリー環の誕生」は,しばらく中断して放っていたがまた読み始めたところである. クラインとリーの関係もおもしろい.

今月の座右の書(最近あまり変化がないが):
I.M. Gelfand, S.V. Formin, Calculus of Variations, transl. by R.A. Silverman, Dover Publ. Inc., (1963).
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
B. Malgrange, Ideals of Differentiable Functions, Oxford Univ. Press (1966).
J.J. Gray, Linear Differential Equations and Gourp Theory from Riemann to Poincar{\' e}, 2nd ed., Birkh{\" a}user (2008).
足立正久「埋め込みとはめ込み」岩波書店 (1984).
J.M. Landsberg, Tensors: Geometry and Applications, Graduate Studies in Math., 128, Amer. Math. Soc. (2012).
1 July 2015

ジュラ〜〜イッという間に,もうジュライ7月である.今年も半分過ぎた.早いものである.
6月は,前半は神戸と京都での国際研究集会で毎日生まれ変わっていた. その後,ポーランドから札幌に来客があり,札幌でも毎日生まれ変わっていた.
札幌では,その他, 講義準備,講義レポート添削,院生指導,卒業研究指導,共著論文執筆,レフリーレポート作成, などをしていた.
例年お墓参りにいっている余市に,今年は6月20日(土)に行って来た. 「かきざき商店」で ウニ丼を堪能して,ニッカウイスキー工場を見学して,さらに生まれ変わってきた. (2014 の 11 June のメモ,2013の 1 July のメモ,2012 の 2 July のメモなどを参照のこと.)
6月27日(土)は,近代美術館に「夢見るフランス絵画展」を観に行った.予想外に充実した内容の展示だった.

最近,改めて"微分"の勉強をしている.たとえば,よく知られた(高校でも習う) 微分の公式 (e^x)' = e^x を代数的には証明できない,ということを (代数的に!)証明できたが,これはすでに知られていることだろうか?

出張中,通勤中は, 井上靖「孔子」新潮文庫 (1995),田中耕一「生涯最高の失敗」朝日新聞社 (2003), 中川裕「アイヌ語をフィールドワークする」大修館書店 (1995),などを読んでいた.
3冊ともに再読である.おもしろい.
また,最近,ドナル・オシア「ポアンカレ予想」糸川洋訳,新潮文庫 (2014) を店頭で見つけて 読んでいる.オシア先生は,特異点の研究集会にもときどき顔を出す有名な数学者だ. 私の研究室にも,著書,D.Cox, J. Little, D. O'Shea, Using Algebraic Geometry, Graduate Text in Math., Springer, (1998) が ある.まだちゃんと読んだことはないけど...「ポアンカレ予想」はまだ読み始めたばかりだが,おもしろい. たとえば,p. 50 に,数学の厳密性について書いてある.「厳密性の追求には,厳密性そのものの確保よりずっと大きな意味がある.厳密性を追求することによって,通常の経験の世界には存在しない対象について理に適(かな)った推論を下せるようになるからだ.厳密性は,物事の現在の状態だけでなく,可能性を探るための道具なのだ.」 なるほど.深いね.

今月の座右の書:
I.M. Gelfand, S.V. Formin, Calculus of Variations, transl. by R.A. Silverman, Dover Publ. Inc., (1963).
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
1 June 2015

ジュ〜〜ンという間に,もう6月ジューンである.
5月は,授業の準備をしたり,院生の指導をしたり,学部の卒業研究を指導したり, 6月の国際研究集会の準備,レフリーレポート書き,などをしながら,相変わらず,札幌で毎日生まれ変わっていた.

通勤中は, C. リード「ヒルベルト---現代数学の巨峰---」彌永健一訳,岩波書店 (1972),井上靖「孔子」新潮社 (1989), 三木 成夫「胎児の世界—人類の生命記憶」中公新書 691 (1983), アーサー・C・クラーク「未来のプロフィル」福島正実,川村哲郎訳,ハヤカワ文庫NF 47,早川書房 (1980). 森博嗣「笑わない数学者」講談社文庫 (1999),などを読んでいた.
5冊とも再読である.

5月末に映画「あん」を観た.良い映画だった.

今月の座右の書:
I.M. Gelfand, S.V. Formin, Calculus of Variations, transl. by R.A. Silverman, Dover Publ. Inc., (1963).
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
Wolfgang Ebeling, Lattices and Codes, A course partially based on lectures by F. Hirzebruch, Advanced Lectures in Mathematics, Vieweg, (1994).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
中井喜和「可換環と微分」共立出版 (1973).
Hideyuki Matsumura, Commutative Algebra, Second edition, Benjamin (1980)
最後の2冊を読んで,改めて微分を勉強し直している.
6 May 2015

メ〜〜ッという間に,もう5月メイである.
4月は,新学期で,授業の準備をしたり,院生の指導をしたり,学部の卒業研究をしたり,6月の国際研究集会の準備, 科研費関係の書類書き,学振特別研究員のための書類書き,レフリーレポート書き,マス・レビュー書き,と,札幌で毎日生まれ変わっていた.

いま,心を入れ換えて,変分法を改めて勉強し直している.
有名な教科書 I.M. Gelfand, S.V. Formin, Calculus of Variations を読み始めている.非常におもしろい, ということにいまさらながら気がついた.この本は,昔から知っていた. 私が大学1年生か2年生のときだったと思う. 西和田公正先生の解析の演習か何かの授業で,その日本語訳,ゲルファント,フォーミン「変分法」文一総合出版 (1970) が,教科書(あるいは参考書)として指定されたのだ. 当時,それを少し読んだような記憶がある.とても難しくて,とても歯が立たなかったのは記憶している. 少し古くさい数学の様に感じたような記憶もあるが,でも,こんな数学もあるんだなあ,という印象も抱いた記憶もある.
読み直してみると,さすが Gelfand 先生, Euler 方程式から始まって,Hamilton 幾何,Legendre 変換,Noether の定理,Hamilton-Jacobi 方程式,field theory, そして Pontryagin の最大値原理まで,ちゃんと書いてある.へ〜すごい本だったんだ.
ところで西和田公正(きみまさ)先生を web で検索したら,「名誉教授の随想」で,論文, E. Wigner "the unreasonable effectiveness of mathematics in the natural sciences" (1959) について 触れておられた.偶然だが,それは,最近,北大の院生の W君が,興味があると言っていたことだった. へぇ〜,何でもつながるもんですね.
それはともかく,Gelfand, Formin の本は持ち歩いて読んでいるが,変分法の大作
M. Giaquinta, S. Hildebrandt, Calculus of Variations I, II (Grundlehren der mathematischen Wissenschaften) Springer-Verlag, (2004)
も,いま,研究室の机の上に置いてある.眺めていると,歴史的なこともいろいろ書いてあって, まさに,Newton が Lagrange から Hamilton,の世界である.とくに第2巻は勉強になる.
その他,定評のある教科書,
浦川肇先生の「変分法と調和写像」裳華房 (1990),
小磯憲史先生の「変分問題」共立講座21世紀の数学 (12) ,共立出版 (1998),
西川青季先生の「幾何学的変分問題」岩波書店 (2006),
も非常に勉強になる.

通勤中や休暇中は, 星新一「明治・父・アメリカ」新潮文庫, ズドラコフスカ,デュレン編「モスクワの数学,あの黄金の歳月」安藤韶一訳, 養老孟司「脳の見方」ちくま文庫,ロマン・ロラン「ベートーヴェンの生涯」片山敏彦訳,岩波文庫 (1965) などを読んでいた.
「明治・父・アメリカ」は,何度目かの再読である.記録によると,昭和54年,昭和56年,平成元年に3度読んでいるらしい.SF作家の星新一の父,星一の若き日の伝記である.おもしろい.読んでいると,何事にも前向きになれる. 関連して,杉山茂丸「百魔」講談社学術文庫,上,下,や,サミュエル・スマイルズ「自助論」竹内均訳, なども眺めている.「百魔」は,明治の偉人・奇人伝である.読んでいると,何事にも自由になれる. 「自助論」の原題は Self-Help である.「天は自ら助くる者を助く」Heaven helps those who help themselves. 読んでいると,何事にも努力できる,という気分にはなれる.
「モスクワの数学」は,昔のソヴィエト時代のモスクワの偉大な数学者たちに関する回顧録集である. 昔,ちょっとだけ演習で習った安藤先生の手による翻訳である.創造性というものがどんなものかが分かる気がする. p.321 に『新しい数学は,(中略),先行研究のそう重要でない技術的な点を精密化することから始まる.そうすると, 「重要な」研究は研究計画の立案からというのは,明らかにお役所的発想でしかない.(大抵は欺瞞である.)』とある. 「モスクワの数学」の中の,わが尊敬するアーノルドによる「コルモゴロフを語る」の一節である.なるほど. ちなみに,コルモゴロフは,ゲルファントやアーノルドの先生である. コルモゴロフの数学をもう一度勉強し直したくなった.
「脳の見方」を眺めていたら,養老孟司によると,ゲーテの「ファウスト」のテーマは「時間」らしい. そこでゲーテの「ファウスト」をまた読みたくなった.いつも必ず途中で読むのを断念することになるが...
「ベートーヴェンの生涯」も,昔買って(トルストイの生涯やミケランジェロの生涯の隣に)本棚に並べてある本だ. (文章が甘すぎるからか?)いつも最初のところでつまずく.今回も多分そうあるだろう.ところで ベートーヴェンというと,十数年前に,研究室を訪問してきた学生から北海道大学交響楽団のチケットを買って, コンサートホール「キタラ」に演奏を聴きに行ったことを思い出す.パンフレットによれば, その日の楽曲はすべてベートーヴェンの曲とのことだった. 最初の曲が演奏された.ふむふむ,聞き覚えがある,良く聞く曲だ. へぇ,この曲もベートーヴェン作曲だったのか!とつい隣の妻に言ったら笑われた. それは「都ぞ弥生」だった.「都ぞ弥生」は北大の寮歌で,北大オーケストラのコンサートではいつも最初に演奏する習わしのようだ. もちろんベートーヴェン作曲ではない...

今月の座右の書:
I.M. Gelfand, S.V. Formin, Calculus of Variations, transl. by R.A. Silverman, Dover Publ. Inc., (1963).
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
Wolfgang Ebeling, Lattices and Codes, A course partially based on lectures by F. Hirzebruch, Advanced Lectures in Mathematics, Vieweg, (1994).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts, Kluwer Academic Publications (1990).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
P.A.M. Dirac, Principles of Quantum Mechanics, Maruzen
倉辻比呂志「幾何学的量子力学」シュプリンガー現代理論物理学シリーズ2, シュプリンガーフェアラーク東京 (2005).
R. Montgomery, M. Zhitomirskii, Points and Curves in the Monster Tower, Memoirs of Amer. Math. Soc. vol. 203, number 956, Amer. Math. Soc. (2010).
C.T.C. Wall, Singular Points of Plane Curves, London Math. Soc. Student Texts 63, Cambridge Univ. Press (2004).
山本義隆「幾何光学の正準理論」数学書房 (2014).
F. Reif「統計物理 上,下」久保亮五 監訳,バークレー物理学コース5,丸善 (1970).
D. フックス,S. タバチニコフ「メビウスの作った曲面」岩波書店 (2012).
6 April 2015

エ〜〜ッという間に,もう4月エープリルである.

3月は,沼津とワルシャワに行って,研究漬けで,もう完璧に生まれ変わってきた. 論文書き,レフリーレポート書き,などで,アウトプットはそこそこできたが, 勉強(インプット)しようと持参した数学書などはあまり読めなかった.ということで, そのまま持ち帰って,座右に戻したところである(下記参照).

TVドラマに数学者が登場する.昔のドラマ「やまとなでしこ」の主人公もそうだったが, 最近の「デート〜恋とはどんなものかしら」のヒロイン(とその母)もそうだ. それを見ていると,一般的な数学者のイメージ,というものがわかる. こちらの実感と合う部分もあるし,合わない部分もある. たとえば,「デート」の中で数学者が「ノーベル賞」を目指しているという場面があったが,有名な数学者 Nash(映画「ビューティフル・マインド」の主人公のモデル)はノーベル経済学賞を受賞しているから,まあ間違いではないが...ただし,数学者の実態でいうと,ヒロインより, その相手役のニート(高等遊民)の方が,ずっと数学者ぽいような気がしたのは私だけだろうか.

通勤中や出張移動中は,数学書を少し読んだ他に, ジョン・スチュアート・ミル「自由論」, 山岡 洋一 訳,日経BPクラシックス,(2011) や, 梅棹 忠夫「わたしの生きがい論--人生に目的があるか」 講談社文庫 (1985), 重松 清「流星ワゴン」講談社文庫 (2005),などを読んでいた.
ミルの「自由論」は,なかなか難解だが,共感する部分も多い. 思想と言論の自由は完全に保証されなければいけない,という理由として, 次のように書いている: 「人は疑わしくなくなった点については考えなくなるものだが,これは人間の誤りのうち半分の原因になるほど致命的な欠陥である.『決着がついた問題は深い眠りにつく』と現代のある識者が語っており,まさに至言である」(p.95).権威に対して自由に疑い,その疑いを自由に発言できなければならない,というわけである.関係ないが,数学を授業で教える場合でも,その数学の問題が決着がついた問題ではなく,むしろ疑わしいものとして教えなければいけない.この問題は,まだまだ決着がついていない問題なのだ,と.そうしないと,授業を聞いている学生が深い眠りにつくことになる...
「わたしの生きがい論」は,20年前ぐらいに読んで以来の再読である.まだ読み始めたばかりだが,遠い記憶によれば,この本(講演集だが)の結論は「人生に生きがいは必要ない」 というものだったような気がする.
「流星ワゴン」もおもしろかった.原作とTVドラマではだいぶ違ったようだ.

今月の座右の書:
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
Wolfgang Ebeling, Lattices and Codes, A course partially based on lectures by F. Hirzebruch, Advanced Lectures in Mathematics, Vieweg, (1994).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
P.A.M. Dirac, Principles of Quantum Mechanics, Maruzen
倉辻比呂志「幾何学的量子力学」シュプリンガー現代理論物理学シリーズ2, シュプリンガーフェアラーク東京 (2005).
R. Montgomery, M. Zhitomirskii, Points and Curves in the Monster Tower, Memoirs of Amer. Math. Soc. vol. 203, number 956, Amer. Math. Soc. (2010).
C.T.C. Wall, Singular Points of Plane Curves, London Math. Soc. Student Texts 63, Cambridge Univ. Press (2004).
山本義隆「幾何光学の正準理論」数学書房 (2014).
F. Reif「統計物理 上,下」久保亮五 監訳,バークレー物理学コース5,丸善 (1970).
2 March 2015

マ〜ッという間に,3月マーチである.

2月はマルセイユに行って完璧に生まれ変わってきた.

帰路,マルセイユからパリへの便で隣の席になったフランス人の青年が日本人を珍しがってカタコトの英語でいろいろ話かけてきた.こちらもカタコトの英語でいろいろ話した,彼は,葛飾北斎の浮世絵はすばらしい,とか,日本は unsubmersible (不沈?)などと言っていた. Fukuoka Masanobu を知っているか,と聞かれたので,知らない,と答えると, 農業で有名な日本人だ,なぜ知らないのか,後で調べて読んでおけ,みたいなことをカタコトの英語で言っていたので, 日本に帰国後,早々,
福岡正信「自然農法 わら一本の革命」春秋社 (1983).
を amazon で取り寄せて読み始めたところだ.おもしろそうだ.

数学の研究では,D_4 に関する論文を書き,D_n に関する論文(論文リスト参照)を書いた流れで, D_3 を調べていたら, 不定形計量に関するtwistor 理論にたどりついた.今,
C. Lebrun, L.J. Mason, Nonlinear gravitons, null geodesics, and holomorphic disks, Duke Math. J. 136--2 (2007) 205--271.
を読みはじめている.

通勤中,出張中は,他に,
アリス・カラプリス編「増補新版 アインシュタインは語る」林 一・林 大 訳,大月書店 (2006).
フランク・ウィルチェック「物質のすべては光」吉田三知世訳,ハヤカワ文庫NF384 (2012), 早川書房.
などを読んでいた.

アインシュタインは,いろいろ良い事を言っている.
「幾何学によらずに物理法則を述べるのは,言葉なしで考えを述べるのに似ている」とのことである. 「科学者にとって褒美とは,アンリ・ポアンカレが言う理解する喜びであって,ある発見が応用につながるかもしれないという可能性ではない」とのことである.なるほど.
ウィルチェックも,いろいろ良い事を書いている.いわゆる「コア理論」は SO(10) の対称性で記述できるそうである. 上に書いた D_n は要するに SO(2n) の話だから,SO(10) ということは,D_5 だ.D_4, D_3 の次は,D_5 を詳しく調べよう.

今月の座右の書:
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
R.O. Wells, Jr., Complex Geometry in Mathematical Physics, Les Presses de L'universite de Montreal, (1982).
松下泰雄,鎌田博行,中田文憲「4次元微分幾何学への招待,不定計量の存在,ニュートラル計量,複素曲面,ツイスター」 SGCライブラリー113,サイエンス社 (2014).
Wolfgang Ebeling, Lattices and Codes, A course partially based on lectures by F. Hirzebruch, Advanced Lectures in Mathematics, Vieweg, (1994).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer. Mathematical Society (1990).
Bruno Cordani, The Kepler Problem, Group Theoretical Aspects, Regularization and Quantization, with Application to the Study of Perturbations, Progress in Mathematical Physics 29 (2003).
Riemannian Geometry in an Orthogonal Frame, From lectures delivered by Elie Cartan at the Sorbonne in 1926--27, transl. from Russian by V.I. Goldberg, World Scientific (2001)
A. Kushner, V. Lychagin, V. Rubtsov, Contact Geometry and Nonlinear Differential Equations, Cambridge Univ. Press (2007).
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
P.A.M. Dirac, Principles of Quantum Mechanics, Maruzen
高橋康「古典場から量子場への道」講談社サイエンティフィック (1979)
倉辻比呂志「幾何学的量子力学」シュプリンガー現代理論物理学シリーズ2, シュプリンガーフェアラーク東京 (2005).
5 February 2015

フェ〜という間に,もうフェブルアリ,2月である.

1月は,期末テストの採点とか,修士論文の指導とかしながら,旭川で「特異点特別セミナー」と 研究会の世話人をして,すっかり生まれ変わってきた. 今は,授業の成績評価をしながら,4月からの授業の準備をぼちぼちはじめようか,というところである. さらに, 2月のフランスでの講演スライド作り,3月の沼津での講演準備,10年越しで書いていてまだできない 共著論文の仕上げ, 昨年のワルシャワでの講演の講究録,それから数理研での講演の講究録書き,レフリーレポート書き3本, 本の原稿の修正,などなど,いろいろやっているようで楽しいが, 仕事は遅々として進まず,何となく空回りしている気分でもある. まあ,空回りでもなんとか回っているだけ良いのかな.

通勤中,休暇中は,
片山泰久「素粒子の世界」講談社ブルーバックス B-167, (1971),
フランク・ウィルチェック「物質のすべては光」吉田三知世訳,ハヤカワ文庫NF384 (2012), 早川書房,
酒井邦嘉「科学者という仕事,独創性はどのように生まれるか」中公新書 1843 (2006)
司馬遼太郎「世に棲む日日 (一)」文春文庫 (2003)
などを再読していた.
「素粒子の世界」は,僕が高校生のときに読んでいた本である.部屋を整理したら出て来たのでまた読んでみた. 今読んでもなかなかおもしろい.最後の「素粒子論は何を教えるか」という章には,学生への手紙,として教訓が書いてある. 「素粒子論の研究には流行というものがあります」 「私は流行をつくる人々には敬意をもちますが,流行を追う人々の創意のなさには感心できません」 なるほど,これは数学にもあてはまるかも知れない.

今月の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer Mathematical Society (1990).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
P.A.M. Dirac, Principles of Quantum Mechanics, Maruzen
ランダウ・リフシッツ「力学」東京図書.
高橋康「古典場から量子場への道」講談社サイエンティフィック (1979)
Wolfgang Ebeling, Lattices and Codes, A course partially based on lectures by F. Hirzebruch, Advanced Lectures in Mathematics, Vieweg, (1994).
倉辻比呂志「幾何学的量子力学」シュプリンガー現代理論物理学シリーズ2, シュプリンガーフェアラーク東京 (2005).
5 January 2015

メェ〜という間に,新年2015年になりました.ヒツジ年だけに, あけましておメェ〜でとうございます.今年もどうぞよろしく.

先月(去年の12月)は, 講義準備,院生指導,レフリーの仕事,共著論文の勉強をした後, 北大での「クリスマス・セミナー」で完璧に生まれ変わった. 年末は年賀状作り,リー環の prolongation の計算,年始は,特異点 (D_3-evolute) の分類などの計算と, 講義録の原稿書き,2月の講演準備などに専念していた.紅白観覧希望の応募でもはずれた.宝くじも当たらなかった.

元旦に北海道神宮へ初詣に行って来た.例年通り,梅酒を買って,おみくじを引いた.今年は「小吉」だった.
「あせらばあせる程,苦しみ多く,騒げばさわぐ程損をする」とのことである. はい,あせらず騒がず今年もがんばります.
「我心我慾をはろうて胸は清い高峰(たかね)の月の光」ほう. 「胸の苦しみ,心のもだえ,よくよく考えて見れば,我が身びいき身勝手から起こっている.我慾をすてて他人の幸福を念じる心になり切れば,広らかな,すがしい気持ちにかわって来る」とのことである.別に苦しんでもいないし,もだえてもいないが,とにかく,他人の幸福を念じる心になれるように努力します.
学問の項目は「自己の甘さを捨て勉学せよ」.はい,甘さを捨てます.恋愛の項目は「自我を抑えること」はい,はい.
今年の目標は,(毎年書いているが,今年こそ)フランス語と中国語を勉強することである.理由は言わない.

通勤中,休暇中は,
トーマス・デ・パドヴァ「ケプラーとガリレイ」白水社,(2014)
マンジット・クマール「量子革命,アインシュタインとボーア,偉大なる頭脳の激突」青木薫訳, 新潮社,(2013)
吉田松陰「講孟余話ほか」松本三ノ介,田中彰,松永昌三訳,中公クラシックス J6 (2002)
酒井邦嘉「科学者という仕事,独創性はどのように生まれるか」中公新書 1843 (2016)
などを眺めていた.

10月11月と読んでいた「ケプラーとガリレイ」は,12月20日に読み終えた.おもしろかった.
「量子革命」も,以前から少しずつ読み始めて,やっと正月に読み終えた.おもしろかった. 量子力学が「数理モデル」として,どういうものなのか,さらに,「数理モデル」とは何か(あるいは,数学とは何か),そして,実在とは何か, もう一度,一から考えてみたくなった.
「講孟余話ほか」は,吉田松陰の文章の現代語訳を集めた本である.何度か眺めているが,もう一度読んでみようか, ということろである.
「科学者という仕事」も再読である.この本を読むと,もう一度襟を正したくなる良書である.

今月の座右の書:
V.I. Arnold, Mathematical Methods of Classical Mechanics, Second Edition, Springer (1978, 1989).
V.I. Arnold, Singularities of Caustics and Wave Fronts (Mathematics and its Applications), Springer, 1990.
R. Montgomery, A Tour of Subriemannian Geometry, Their Geodesics and Applications, Amer. Math. Sci.(2002).
Sigurdur Helgason, Differential Geometry, Lie Groups, and Symmetric Spaces, Academic Press (1978).
ミルナー「モース理論---多様体上の解析学とトポロジーとの関連---」志賀浩二訳,吉岡書店(1968).
立花俊一「リーマン幾何学」朝倉書店.
立花俊一「リーマン幾何学演習」朝倉書店.
A.A. Agrachev, Y.L. Sachkov, Control Theory from the Geometric Viewpoint, Springer (2004).
Ivar Ekeland, Mathematics and the Unexpected, The University of Chicago Press (1988).
Ivar Ekeland, Le Calcul, l'Impr\'{e}vu, Les figures du temps de Kepler \`{a} Thom, Editions du Seuil, (1984).
Victor W. Guillemin, Shlomo Sternberg, Variations on a Theme by Kepler (Colloquium Publications), Amer Mathematical Society (1990).
Bruno Cordani, The Kepler Problem, Group Theoretical Aspects, Regularization and Quantization, with Application to the Study of Perturbations, Progress in Mathematical Physics 29 (2003).
Boris Khesin, Robert Wendt, The Geometry of Infinite-Dimensional Groups, Springer-Verlag (2009).
R.J. Baston, M.G. Eastwood, The Penrose Transform. Its Interaction with Representation Theory, Oxford Math. Monographs. Oxford Science Publ. The Clarendon Press, Oxford Univ. Press, New York, (1989).
Udo Hertrich-Jeromin, Introduction to M\"{o}bius Differential Geometry, London Mathematical Society Lecture Note Series 300, Cambridge Univ. Press. (2003).
M.A. Akivis, V.V. Goldberg, Differential Geometry of Varieties with Degenerate Gauss Maps (CMS Books in Mathematics), 2003.
高木貞治「初等整数論講義 第2版」共立出版 (1971).
18 December 2014

あ〜っと言う間に,もう歳の暮れである. 12月の数理研での研究会も無事終了して,すっかり生まれ変わって,楽しい歳の暮れである. 皆様も良いお年を.来年もよろしく.来年もほぼ毎日生まれ変わって楽しく過ごすことを目標としましょう.

通勤中は,トーマス・デ・パドヴァ「ケプラーとガリレイ」白水社,(2014) を引き続き読んでいる他, 早野龍五,糸井重里「知ろうとすること」新潮文庫 (2014). 結城 浩「数学文章作法 推敲編」 ちくま学芸文庫 (2014) などを読んでいる.
「ケプラーとガリレイ」を読んでいると,学者は,ケプラー型とガリレイ型の2つに大きく分類できるような 気がしてくる.あの人はケプラー型,あの人はガリレイ型,...という具合に.ちなみに,僕は,ケプラー型かな, もちろんケプラーのような良い仕事が全然できてはいないけれど.
「知ろうとすること」の表紙には,わが母校「福島県立福島高校」の生徒諸君と著者の写真が載っている. 僕がいたころはバリバリの男子校だったが,つい最近,共学になった.関係ないけれど.
「数学文章作法 推敲編」は,以前読んだ「数学文章作法 基礎編」と一緒に読んでいる.非常に為になる.

座右の書は,大掃除で片付け中.
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Goo Ishikawa