新一年生へ向けて

理学部数学科 OB 廣瀬 三平

最初に、僕がなぜ数学を選んだかを述べたいと思う。高校までは数学や理科が好きだったので物理や工学、生物なんかも面白そうだからやってみたかった。しかし数学は応用範囲が広そうで数学をやればいろいろな分野を見られると思えたし、また、専門を決める当時は抽象的なことが面白そうに思えた。さらに、大学にある他の分野は大学を出てからもやる機会があるかもしれないが、数学は大学でやらないと一生まともに勉強できないだろうと考えたのも理由の一つである。

実際に数学の授業に出てみると、例えば一年生の時の線形代数や微積分など、何が面白いのか、何をやっていて何のためになるのかという疑問が出てくると思う。特に線形代数は何をやっているのだろうと思うかも知れないが、 本当に数学以外の他のところでも現実問題の方法として数学を使うところでは必ず使われている。少し例を挙げると量子力学などの物理学はもちろん、DNA解析などの生物学、 株価の変動などの経済学、もっと身近なところではテレビや映画の音響、パソコンの検索エンジンや携帯電話、ロボットなどの工学である。

しかし、数学はちょっとやっているだけではほとんど理解はできないし、あまり楽しくもない。これはどの分野でも同じだと思うが受け身ではなく自主的に理解しようと思って努力し、いったい先にどんなことがあるのかを見ることが重要である。ただしどんなに面白いと思うことでも最初は理解にかなりの努力がいるし、この過程はつらいことが多い。しかし分かったときは苦労したほど嬉しく、そしてわからなかった部分の視界が一気に開けて先への進みかたも速くなる。

では数学を今まで学んでみて現在どういう風に考えているのかを述べてみたい。まず数学以外との分野との関連は、途中で例を挙げているように想像していたよりもさまざまなところにあった。ただし今から考えればそれぞれの学問を切り離して考えるのはおかしなことで、応用などというのもなんだか変な感じがするのだが…。また数学自体については、想像よりも豊かで、柔軟性があり、やれば理解できるような対象であると考えている。やってみて必ずしも数学は抽象的なことばかりではなく、基本は具体的なものであり、自分が持っている感覚にそって作られていると感じるようになった。

※数学科のホームページ上で学部生からのメッセージを掲載しています
数学科3、4年生に、ご自身のことや数学科に関してお話を伺ったものです。参考にして下さい。

数学科に進学したいと考えている皆さんへ!

次の科目は履修しておくことを強く推奨します。

1年1学期
線形代数学I、微分積分学I
1年2学期
線形代数学Ⅱ、微分積分学Ⅱ