塚田和美(お茶の水女子大) (数学特別講義)
1.授業の目的およびねらい:
(授業の目標)
四元数多様体及び四元数ケーラー多様体の部分多様体,特に複素
部分多様体についての基礎理論を解説する.
(到達目標)
(1)多様体上の幾何構造について具体例を通じて理解する.
(2)幾何構造をもつ多様体の部分多様体論について具体例を通じて理解する.
(キーワード)
四元数多様体,四元数ケーラー多様体,ツイスター空間,複素部分多様体
2.履修条件または関連する科目等: 多様体論の基本的な知識を必要とする. 合わせて,リー群論,リー環論についての基礎的知識があることが望ましい.
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等:
5.成績評価の方法: レポート.基礎的事項の理解を問う問題や具体例に関わる基本的な計算問題を 中心に出題し,上記の到達目標が達成された否か評価する.
6.備考: 授業中,たとえ初歩的な事柄であっても,積極的な質問は歓迎する.
阿賀岡 芳夫(広島大) (数学特別講義)
1.授業の目的およびねらい:
(授業の目標)
ナッシュの有名な埋め込み定理により,
リーマン多様体は十分次元の高いユークリッド空間へ
等長埋め込み可能であることが知られている.
その一方,あるクラスのリーマン対称空間は
非常に次元の低いユークリッド空間へ等長に埋め込める.
このような特別な空間のもつ幾何学的・群論的特性について理解を深める.
(到達目標)
等長埋め込みの具体的な構成・対称空間の曲率のもつ特質を理解する.
(キーワード)
等長埋め込み,リーマン対称空間,標準埋め込み,曲率不変量,剛性
2.履修条件または関連する科目等: 多様体論,群論の基礎的な知識をある程度前提とする.
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等:
5.成績評価の方法: 授業中にレポート課題を出す. 取り組んだ課題の難易度・問題数に応じて成績評価を行う.
6.備考:
松添 博(名古屋工業大) (数学特別講義)
1.授業の目的およびねらい:
(授業の目標)
統計モデルには,自然に統計多様体とよばれる構造が定まる.
統計モデルの幾何学を考えることにより,
微分幾何学と諸分野のつながりを理解する.
(到達目標)
双対接続と統計多様体の幾何学を習得し,その応用として
情報空間の幾何学を理解する.
(キーワード)
統計多様体,双対接続,情報幾何学
2.履修条件または関連する科目等: 多様体論の基本的な知識を必要とする. 統計学,情報理論について必要な事項は講義内で解説するが, 予備知識があればよりわかりやすい.
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等:
5.成績評価の方法: 授業中にレポート課題を出題する. 取り組んだ課題の難易度・問題数に応じて成績評価を行う.
6.備考:
井ノ口順一(宇都宮大) (特別講義2)
1.授業の目的およびねらい:
(授業の目標)
群作用により種々の幾何学が定まる.
種々の幾何学における曲線の取り扱いを理解し,
無限可積分系と幾何学のつながりを理解する.
(到達目標)
群作用を習得する. 曲線論を介して
リー群論の基礎を習得する.
(キーワード)
曲線・行列・フレネの公式・
行列・群とその作用・クライン幾何
2.履修条件または関連する科目等: 1変数の微分積分・2変数の偏微分, 行列(2×2でよい)の演算, 平面ベクトル, 平面の一次変換(線型変換).
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等:
5.成績評価の方法: 授業中に指示する課題を授業終了後にレポートとして提出. 取り組んだ課題の難易度・問題数に応じて成績評価を行う.
6.備考:
木村真琴(島根大) (特別講義7)
1.授業の目的およびねらい: 空間内の直線の1パラメーター族からなる「線織面」と、 その一般化を通じて、測地線、 極小部分多様体などの概念や主ファイバー束などについて理解する。
2.履修条件または関連する科目等: 多様体に関する基本的な知識があることが望ましい。
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等: 授業中に適宜指示する。
5.成績評価の方法: レポート。
6.備考:
田中真紀子(東京理科大) (特別講義3)
1.授業の目的およびねらい: 数学のいろいろな分野で扱われる対称空間について、 その微分幾何学的な性質を考察し、 点対称の存在から導かれる様々な良い性質を理解する。 また、対称空間相互の関係に着目することによって、 新たな視点から対称空間の幾何学的構造を理解する。
2.履修条件または関連する科目等: 多様体の基本的な知識があることが望ましい。
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等: 授業中に適宜指示する。
5.成績評価の方法: レポート
6.備考:
榎本一之(東京理科大) (特別講義 VII)
1.授業の目的およびねらい: 曲線や曲面の微分幾何学は長い歴史を持つが、 未だに解決していない問題も多い魅力的な分野である。 また、図形を対象とした学問でありながら、 数学の他のいろいろな分野との関連がある、広がりのある学問でもある。 この講義では、200年以上の歴史を持つ古典的な定理を紹介しながら、 その周辺にも まだ現代数学の研究対象となるようなことが隠れていることを指摘していきたい。
2.履修条件または関連する科目等: 微積分学と線形代数の基礎知識を必要とする。
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等:
5.成績評価の方法: レポート
6.備考:
剱持勝衛(東北大) (特別講義 XVIII)
1.授業の目的およびねらい: 滑らかな曲面に関する数学研究は微積分学の創設と共に始まり200年以上の歴史をもつ が, 現代においても解けない多くの問題が多くあり,活発に研究されている. 特に,近年にかけては多くの興味ある曲面が発見され, それらはコンピュターグラフィクスの発展を促す原因ともなっている. この講義においては,それら新しい曲面についての解説を行う.
2.履修条件または関連する科目等: 微積分学,線形代数学と初歩的なベクトル解析学を既知として,授業を行う. 関連する科目として多様体論,位相幾何学,関数論があるが, これらを履修していなくても現代に発見された曲面が理解できるように講義する.
3.各回の授業内容(授業展開の概要):
4.教科書,参考書等:
5.成績評価の方法: レポート
6.備考: 授業中にインターネットや数式処理ソフト「マセマテカ」を活用して, 曲面の理解や構成に役立てる.