FURUHATA Hitoshi
Department of Mathematics
Hokkaido University

北大における集中講義

( 招聘担当した分のみを掲載した非公式情報です. 詳細は教室のホームページを御覧ください. )

2013年度

塚田和美(お茶の水女子大) (数学特別講義)

9月30日(月)〜10月4日(金), 14:45− (4−501),但し3日は13:00から.
四元数多様体の複素部分多様体 (Complex submanifolds of quaternionic manifolds)

1.授業の目的およびねらい: (授業の目標) 四元数多様体及び四元数ケーラー多様体の部分多様体,特に複素 部分多様体についての基礎理論を解説する. (到達目標) (1)多様体上の幾何構造について具体例を通じて理解する. (2)幾何構造をもつ多様体の部分多様体論について具体例を通じて理解する.
(キーワード) 四元数多様体,四元数ケーラー多様体,ツイスター空間,複素部分多様体

2.履修条件または関連する科目等: 多様体論の基本的な知識を必要とする. 合わせて,リー群論,リー環論についての基礎的知識があることが望ましい.

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等:

5.成績評価の方法: レポート.基礎的事項の理解を問う問題や具体例に関わる基本的な計算問題を 中心に出題し,上記の到達目標が達成された否か評価する.

6.備考: 授業中,たとえ初歩的な事柄であっても,積極的な質問は歓迎する.

関連企画 幾何学コロキウムでの講演
4日(金),16:30−
四元数射影空間の複素部分多様体 四元数射影空間内の複素射影空間を典型例とする部分多様体を対象とする。 4次元球面の曲面に関する共形幾何学についての Pedit らの理論を高次元化し、 四元数射影空間の半分次元複素部分多様体に関する四元数微分幾何学の理論を構築することが目標である。

2012年度

阿賀岡 芳夫(広島大) (数学特別講義)

11月5日(月)〜11月9日(金), 14:45− (3−205),但し9日は13:00から.
リーマン対称空間の等長埋め込み (Isometric imbeddings of Riemannian symmetric spaces)

1.授業の目的およびねらい: (授業の目標) ナッシュの有名な埋め込み定理により, リーマン多様体は十分次元の高いユークリッド空間へ 等長埋め込み可能であることが知られている. その一方,あるクラスのリーマン対称空間は 非常に次元の低いユークリッド空間へ等長に埋め込める. このような特別な空間のもつ幾何学的・群論的特性について理解を深める. (到達目標) 等長埋め込みの具体的な構成・対称空間の曲率のもつ特質を理解する.
(キーワード) 等長埋め込み,リーマン対称空間,標準埋め込み,曲率不変量,剛性

2.履修条件または関連する科目等: 多様体論,群論の基礎的な知識をある程度前提とする.

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等:

5.成績評価の方法: 授業中にレポート課題を出す. 取り組んだ課題の難易度・問題数に応じて成績評価を行う.

6.備考:

関連企画 幾何学コロキウムでの講演
9日(金),14:45−
テンソル空間における不変部分多様体とその幾何学的応用 微分幾何学において、重要な概念の多くはテンソルの条件式として表される。 平坦、アインシュタイン、ケーラー、局所対称、極小性等は それぞれ曲率、微分形式、第2基本形式等のテンソルの 1次式=0の形の条件として表現されるが、 リーマン多様体の局所等長埋め込み問題においては 曲率の高次の概念が重要な役割を演じる。 この講演ではこの視点を一般化し、ある種の幾何学的 あるいは代数的な問題を考察する際には、 テンソル空間における不変部分多様体(=不変式、共変式の零点集合)が 有用な役割を果たすことについて解説し、その具体的な応用例を述べ、 更にこれから挑戦すべき問題群を提示する予定でいる。

2010年度

松添 博(名古屋工業大) (数学特別講義)

10月25日(月)〜10月29日(金), 14:45− (4−501)
情報科学の中の微分幾何学 (Differential geometry in information sciences)

1.授業の目的およびねらい: (授業の目標) 統計モデルには,自然に統計多様体とよばれる構造が定まる. 統計モデルの幾何学を考えることにより, 微分幾何学と諸分野のつながりを理解する. (到達目標) 双対接続と統計多様体の幾何学を習得し,その応用として 情報空間の幾何学を理解する.
(キーワード) 統計多様体,双対接続,情報幾何学

2.履修条件または関連する科目等: 多様体論の基本的な知識を必要とする. 統計学,情報理論について必要な事項は講義内で解説するが, 予備知識があればよりわかりやすい.

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等:

5.成績評価の方法: 授業中にレポート課題を出題する. 取り組んだ課題の難易度・問題数に応じて成績評価を行う.

6.備考:

配布資料( 1, 2, 3 )

関連企画 ミニワークショップ 統計多様体の幾何学とその周辺 (2)
29日(金)〜30日(土)
詳細は こちらをご覧ください.

2008年度

井ノ口順一(宇都宮大) (特別講義2)

6月30日(月)〜7月4日(金), 14:45− (3−512)
いろいろな幾何と曲線の時間発展 (Time evolution of curves in Klein geometry)

1.授業の目的およびねらい: (授業の目標) 群作用により種々の幾何学が定まる. 種々の幾何学における曲線の取り扱いを理解し, 無限可積分系と幾何学のつながりを理解する. (到達目標) 群作用を習得する. 曲線論を介して リー群論の基礎を習得する.
(キーワード) 曲線・行列・フレネの公式・ 行列・群とその作用・クライン幾何

2.履修条件または関連する科目等: 1変数の微分積分・2変数の偏微分, 行列(2×2でよい)の演算, 平面ベクトル, 平面の一次変換(線型変換).

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等:

5.成績評価の方法: 授業中に指示する課題を授業終了後にレポートとして提出. 取り組んだ課題の難易度・問題数に応じて成績評価を行う.

6.備考:

幾何学コロキウムでの講演
4日(金),16:30−18:00(3−512)
3次元等質空間内の曲面論

2007年度

木村真琴(島根大) (特別講義7)

11月5日(月)〜9日(金), 14:45− (3−508)
線織面とその一般化

1.授業の目的およびねらい: 空間内の直線の1パラメーター族からなる「線織面」と、 その一般化を通じて、測地線、 極小部分多様体などの概念や主ファイバー束などについて理解する。

2.履修条件または関連する科目等: 多様体に関する基本的な知識があることが望ましい。

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等: 授業中に適宜指示する。

5.成績評価の方法: レポート。

6.備考:

幾何学コロキウムでの講演
9日(金),16:30−18:00(3−508)
Lagrangian submanifolds with totally geodesic foliation in complex projective spaces

2005年度

田中真紀子(東京理科大) (特別講義3)

11月14日(月)〜18日(金), 14:45− (3−508)
対称空間の幾何

1.授業の目的およびねらい: 数学のいろいろな分野で扱われる対称空間について、 その微分幾何学的な性質を考察し、 点対称の存在から導かれる様々な良い性質を理解する。 また、対称空間相互の関係に着目することによって、 新たな視点から対称空間の幾何学的構造を理解する。

2.履修条件または関連する科目等: 多様体の基本的な知識があることが望ましい。

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等: 授業中に適宜指示する。

5.成績評価の方法: レポート

6.備考:

2004年度

榎本一之(東京理科大) (特別講義 VII)

6月14日(月)〜18日(金) 14:45− (3−508)
曲線と曲面の微分幾何学

1.授業の目的およびねらい: 曲線や曲面の微分幾何学は長い歴史を持つが、 未だに解決していない問題も多い魅力的な分野である。 また、図形を対象とした学問でありながら、 数学の他のいろいろな分野との関連がある、広がりのある学問でもある。 この講義では、200年以上の歴史を持つ古典的な定理を紹介しながら、 その周辺にも まだ現代数学の研究対象となるようなことが隠れていることを指摘していきたい。

2.履修条件または関連する科目等: 微積分学と線形代数の基礎知識を必要とする。

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等:

5.成績評価の方法: レポート

6.備考:

幾何学コロキウムでの講演
16日(水),16:30−18:00(8−302)
4次元ユークリッド空間内の平坦トーラス

2003年度

剱持勝衛(東北大) (特別講義 XVIII)

10月27日(月)〜31日(金) 14:45− (4−508)
曲面論最新事情

1.授業の目的およびねらい: 滑らかな曲面に関する数学研究は微積分学の創設と共に始まり200年以上の歴史をもつ が, 現代においても解けない多くの問題が多くあり,活発に研究されている. 特に,近年にかけては多くの興味ある曲面が発見され, それらはコンピュターグラフィクスの発展を促す原因ともなっている. この講義においては,それら新しい曲面についての解説を行う.

2.履修条件または関連する科目等: 微積分学,線形代数学と初歩的なベクトル解析学を既知として,授業を行う. 関連する科目として多様体論,位相幾何学,関数論があるが, これらを履修していなくても現代に発見された曲面が理解できるように講義する. 

3.各回の授業内容(授業展開の概要):

4.教科書,参考書等:

5.成績評価の方法: レポート

6.備考: 授業中にインターネットや数式処理ソフト「マセマテカ」を活用して, 曲面の理解や構成に役立てる.

幾何学コロキウムでの講演
29日(水),16:30−18:00(8−302)
エネルギー最小写像の構成

2002年度

西川青季(東北大) (特別講義2)
12月2日(月)16:30−18:00(4−508・第3講義室)
フィンスラー多様体への調和写像とハーツホーン予想の証明
12月3日(火)〜6日(金) 14:45−(4−508・第3講義室)
リーマン・フィンスラー幾何学入門   近年,工学や生物学,物理学などへの応用上の観点から, フィンスラー幾何学の有用性が見直されてきている. 実は,フィンスラー幾何学は, 有名なリーマンの就職講演に起源があるといえ, リーマン幾何学と同等に古い歴史をもつ幾何学である. この講義では,フィンスラー幾何学の基礎をできるだけ丁寧に解説し, リーマン幾何学との相違点を明確にすることを目的とする.
1.フィンスラー計量の導入
2.フィンスラー計量と接続
3.フィンスラー接続の曲率
4.第1変分公式と測地線
5.なぜフィンスラー幾何学は有用か
 講義はできるだけ予備知識なしに理解できるように配慮するが, 多様体の基礎,とくに接バンドルの概念と微分形式の計算に 慣れていることが望ましい.

黒瀬 俊(福岡大) (特別講義IX)
1月14日(火)〜1月17日(金) 14:45− (4−508・第3講義室) (水,木は16:30−18:00も講義を予定しています)
アフィン微分幾何とその応用   アフィン微分幾何の基本的な事項について解説し、 射影微分幾何や情報幾何への応用について概説します。
1. 幾何の一般的な道具についての準備
2. アフィン空間の超曲面の基本的な理論
3. アフィン空間の余次元 2 の中心アフィン部分多様体の理論
4. 応用(1)―射影微分幾何
5. 応用(2)―情報幾何と統計多様体
 履修条件は特にもうけませんが、 ユークリッド空間の(超)曲面論と多様体 (特に、接ベクトル場)に関する基本的な知識があれば、 理解しやすいと思います。

2001年度

Wayne Rossman(神戸大) http://www.math.kobe-u.ac.jp/HOME/wayne/wayne.html
(幾何学続論3)
5月28日(月)〜6月1日(金) 14:45− (4−508・第3講義室)
極小曲面入門 --- ワイエルシュトラス表現公式とDPW法 ---  Since the 1800's it has been understood that minimal surfaces in Euclidean 3-space can be studied via holomorphic functions. In the last fifty years this fact (which is the Weierstrass representation) has been applied to prove results about these surfaces and to find new examples. In the last five years there has been an analogous theory developed for nonminimal constant mean curvature surfaces, called the DPW method. This method now has a firm foundation, but the study of its applications is still in its infancy.
The goal of this shuchukougi is to understand the Weierstrass representation and the DPW method and to compare them.
  1. Lax pair for the frame of general and constant mean curvature surfaces.
  2. Using the Lax pair to prove the Weierstrass representation.
  3. Examples of minimal surfaces and their period problems.
  4. Using the Lax pair to prove the DPW method.
  5. Examples of constant mean curvature surfaces and their period problems.
Only a very basic knowledge of the simplest aspects of differential geometry of surfaces and complex function theory and Lie group theory is really needed. Some experience with the Weierstrass representation for minimal surfaces would be helpful.
Reference: Seminar notes on DPW method ( http://www.math.kobe-u.ac.jp/HOME/wayne/DPW.tex)
I will give brief homework assignments each day, due the next day (I will be careful so that they are not too time consuming). I will use these homeworks for grading, and I will give an A to anyone who makes an effort.

高木隆司(東京農工大) http://www.tuat.ac.jp/~takaki/
(特別講義5)
10月15日(月)〜19日(金) 14:45−(4−508・第3講義室)
形の数理  くわしくは こちら をご覧下さい.

2000年度

浦川 肇 (東北大学)
接続の幾何学とヤング・ミルズ接続 (特別講義4)
6月19日〜23日,教室:4-508室
19日(月),20日(火) 16:30〜, 21日(水) 13:00〜, 22日(木),23日(金) 14:45〜

 微分幾何学の基礎である変分法、接続の幾何学について講義する。特に、
1. ヤング・ミルズ接続の基礎
ベクトル束、曲率テンソル、ヤング・ミルズ汎関数、 第1変分公式、第2変分公式等、
2. ヤング・ミルズ接続の安定性
J. Simons の不安定性定理について
3. ケーラー多様体、CR多様体上のヤング・ミルズ接続とそのモデュライ空間等
4. アファイン微分幾何学への応用等
について講義する予定。

宮岡 礼子 (上智大学)
可積分系理論入門 (特別講義2)
10月30日〜11月2日,教室:4-508室(水は3-508室)
30日(月)16:30〜, 31日(火),2日(木)14:45〜, 1日(水)14:45〜

 この講義では,ソリトン理論の発展を大きく促した KdV 方程式を中心に いわゆる可積分系理論の入門を幾何学の立場(すなわち非専門家の立場) から行う. 3年次までの数学の知識を仮定し, できるだけ平易に次の内容のいくつかに触れていきたい.
1.ソリトンをみる
(1) コンピューターグラフィックスでソリトンをみる
(2) ソリトンの歴史
(3) ソリトンと幾何学
2.古典力学とシンプレクティック多様体
(1) ニュートン方程式,ラグランジュ方程式,ハミルトン方程式
(2) ネターの原理と対称性
(3) エルゴード性と運命論
3.KdV 方程式とヒエラルヒー
(1) KdV 方程式のハミルトン定式化
(2) Schr\"odinger 作用素と Lax 表示
(3) KdV ヒエラルヒーと KP ヒエラルヒー
4.逆散乱法
(1) フーリエ変換と散乱変換
(2) 散乱データの時間発展
(3) Gel'fand-Levitan-Marchenko 方程式
5.散乱変換と群作用 
(1) いろいろなソリトン方程式を零曲率方程式として記述する (ZS-AKNS スキーム).
(2) 散乱データを定義し,散乱データの空間を記述する.
(3) 散乱データの時間発展の方程式を述べる.
(4) その解をループ群作用で構成する.
(5) 逆散乱変換をループ群作用の言葉で述べる.
(6) ヒエラルヒーをループ群作用の言葉で述べる.
(7) B\"acklund 変換をループ群作用の言葉で述べる.


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