記憶と学習
Hierarchical dynamics of memory and learning
非線形力学系理論の立場から記憶と学習のメカニズムを考察します[1]。神経系にみられる短期記憶、作業記憶、学習といった履歴性を持つ現象はスケールの異なる同じクラスの非線形現象と考えることができます。同じ刺激が頻繁に入力され、似たようなダイナミクスの変化が何度も起きると、結果としてシステムのゆっくりしたダイナミクスに環境の情報が固定し履歴性が生じます。こういった階層的ダイナミクスを大自由度力学系モデルを用いて解析していきます。
[1] A. M. Turing, Phil. Trans. Roy. Soc. London, B-237, p32, (1952); H. R. Wilson, J. D. Cowan, Biophysical J., 12, p1, (1972); S. Amari, Biol. Cybern., 27, p77, (1977).
[2] J. J. Hopfield, Proc. NatL Acad. Sci. USA, 79, p2554, (1982); S. Amari, H. Nagaoka, "Methods of Information Geometry," AMS Bookstore, (2007).