Department of Mathematics
Hokkaido University

ミニワークショップ 統計多様体の幾何学とその周辺 (7)

日時:2015年9月1日(火)〜2日(水)
場所:北海道大学理学部 4号館501
連絡先: 古畑 仁

1日(火)

13:00 古畑 仁 (北海道大)  統計多様体の曲率
講演要旨:  前半は初学者向けに, アファイン接続の定義を中心に 統計多様体の定義の簡単な復習をします. 後半は,最近の研究の報告をする予定です.

14:45 和田達明 (茨城大)  熱力学 ⇔ 情報幾何
講演要旨:  熱力学と情報幾何学の基本的なことがらについて,双方向から眺めてみる. 熱力学の基本法則についてまとめた後,情報幾何学からみた熱力学と,熱力学からみた情報幾何学について論じる. 時間が許せば,変形指数分布族に対する拡張についても言及する.

16:30 田中 勝 (福岡大)  τ-情報幾何学 (1)
講演要旨:  測度空間をアファイン空間として捉えることで,アファイン座標系が自然に導入される. アファイン空間には平行移動の操作が定義されているが, これを1つのパラメータ$\tau$に依存するような「べき型」の写像で与える. このとき,平行移動に関して互いに共役になるような量に対して縮約を定義する. これにより,フィッシャー計量は平行移動の下で不変な計量であることが示され, いくつかの条件の下でこの構造を与える対数尤度は一意的であることも示される. また,この平行移動はスケール変換を誘発するので, 確率測度の空間とスケール方向の1次元部分空間の直積として測度空間をみなすと, 計量は,相対性理論などでおなじみの不定計量となる. この不定計量が,実は,ナイーブな非指数型分布族の幾何では リーマンテンソルの前2つの添え字が反対称にならず対称になるという状況を改善し, 共役なリーマンテンソルと合わせて考えることで, 前2つの添え字の反対称性を回復させることになる ($\overset{B= s}{R}_{abcd} = -\overset{S = 1 -s}{R}_{bacd}$). また,同様にリーマンテンソルの前2つの添え字と 後ろ2つの添え字のもつ対称性も回復させることがわかる ($\overset{B= s}{R}_{abcd} + \overset{S = 1 - s}{R}_{abcd} = \overset{B = s}{R}_{cdab}+ \overset{S = 1 - s}{R}_{cdab}$). 物理で言う「くり込み」を用いたエントロピーの定義など 他の話題は時間が許せばお話しするということにして,話題を絞って丁寧に板書で行います.
[講演資料](改訂版)

18:45 懇親会  (申込締切:8月22日)

2日(水)

10:00 田中 勝 (福岡大)  τ-情報幾何学 (2)

13:00 金森敬文 (名古屋大)  機械学習アルゴリズムにおける損失関数と不確実性集合の双対性
[講演資料]

14:45 松添 博 (名古屋工業大)  変形指数型分布族の幾何学
講演要旨:  異常統計の数理について, 変形指数型分布族の幾何学を中心に最近の展開を講演する. (doi:10.3390/e17085729)

16:30 黒瀬 俊 (関西学院大)  中心アフィン曲線の曲率の符号と曲線の概形

18:00 終了予定


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