MFG テキストガイダンス
【幾何04】
- トポロジー入門 (クゼ・コスニオフスキ 著, 加藤十吉 編訳), 東京大学出版会
- メビウスの帯やクラインの壺といった奇妙な絵を見て,こんな形を扱う数学はどんなものだろうと思ったことはありませんか.大雑把に言って,図形を切ったり貼ったりせずに連続変形して変わらない性質を調べる「やわらかい幾何学」がトポロジー(位相幾何学)で, Poincare によって確立された20世紀数学の花形分野です.
本書は代数的トポロジーの入門書で,はじめに2年次後期の「基礎数学B」で学ぶ一般位相(位相数学),つぎに3年次前期に「幾何学基礎」で学ぶ閉曲面の分類,後半は4年次前期の「幾何学C」で学ぶ基本群と被覆空間の内容を勉強することができます.大学生のみなさんにとって前半の一般位相の習得は難所と思いますが,「トポロジーの“面白さ”が読者に早くわかってもらえるような素材を与えた」という本書は,絶妙のバランスで書かれていると思われます.もちろん易しくはありませんが,予備知識は不要なので1年生でも挑戦できます.
以下目次の抜粋を掲載しておきます:
- 0 集合と群
- 1 背景:距離空間
- 2 位相空間
- 7 コンパクト空間
- 10 パンケーキ問題
- 11 多様体と曲面
- 13 連続写像のホモトピー
- 15 基本群
- 17 被覆空間
- 25 ザイフェルト-ファン・カンペンの定理:Ⅲ計算
- 27 結び目:I背景とトーラス結び目
- 29 特異ホモロジー:序論