MFG テキストガイダンス
【幾何03】
- 多様体の基礎 (松本幸夫著), 東京大学出版会
- 微分可能多様体とは,大雑把に言って,微分積分学が行えるような空間のことです.微分積分学の重要性を考えれば,これが数学のどの分野に対してもなくてはならない概念であることが容易に想像できるでしょう.では「微分積分学が行えるような空間」とはいったい何でしょうか.あいまいさを排除してそれをしっかり学ぶにはこの本が最適です.多様体を学ぶための教科書で名著と呼ばれるものが何冊もありますが,この本が出版されて以後は,多くがこの本を薦めるようになりました.まえがきにある著者の「多様体のなるべくわかり易い教科書を書いてみたい」という意図が成功しているからに違いありません.
本学では3年次後期に「幾何学A」として本書の一部の内容の講義が行われます.必要となる微分積分学,線型代数学,位相数学が,第1章に簡潔にまとめられています.なお,集合論の本とともにこの本も便宜的に幾何学のリストの中に入っていますが,むしろ数学全体の基礎と思ってください.
以下目次を掲載しておきます:
- 第1章 準備
- 第2章 Cr級多様体とCr級写像
- 第3章 接ベクトル空間
- 第4章 はめ込みと埋め込み
- 第5章 ベクトル場
- 第6章 微分形式