MFG テキストガイダンス
【幾何02】
- 曲線と曲面−微分幾何的アプローチ− (梅原雅顕・山田光太郎 著), 裳華房
- 古来から図形を数学的に記述し理解しようという試みは人類を魅了してきました.本書では,曲線や曲面の曲がり具合をどのように定式化すればよいかという問題からはじめて,巨人Gauss が到達したアイディアを学ぶことになります.そのためには,自然に大学1年で学ぶ微分積分学や線型代数学を駆使することになるし,微分方程式論に出会うことにもなるでしょう.実際に計算したり,コンピュータで描画したり,手触り感覚のある分野といえます.この分野は現在でも活発に研究されている分野で,著者たちはその代表といえる数学者です.将来,著者たちの熱い講義や講演に実際に接する機会を楽しみにしながら,勉強してみるのはいかがでしょうか.
なお,本書の第I, II章が初めて学ぶ微分幾何学としては標準的な内容で,本学では3年次前期に「幾何学基礎」として講義が行われています.すでにこれらの内容を習得した諸君は第III章に挑戦することをお勧めします.また,意欲のある1年生なら,微分積分学や線型代数学を学びながら,本書に挑戦できるでしょう.
以下目次の抜粋を掲載しておきます:
- 第I章 曲線
- 1 曲線とは何か 2 曲率とフルネの公式 3 閉曲線 4 うずまきの幾何 5 空間曲線
- 第II章 曲面
- 6 曲面とは何か 7 第一基本形式 8 第二基本形式 9 主方向・漸近方向 10 測地線とガウス・ボンネの定理 11 ガウス・ボンネの定理の証明
- 第III章 多様体論的立場からの曲面論
- 付録 B 曲線・曲面からの進んだ話題