理数応援ニューフロンティア・プロジェクト 数学コース

MFG テキストガイダンス

【解析03】
微分積分学I (宮島静雄著), 共立出版
微分積分学はニュートンおよびライプニッツにより創始された分野であり,線形代数学とともに,大学における数学の基礎となるものです.

本書はこの微分積分学の教科書です.通常数学の教科書というと,必要最低限のことが解説され,読者はいわば行間を読む努力が必要となります.それに比べて本書では,定理や概念の意味が丁寧に解説されており,読者が勉強しやすい本になっています.

章ごとの内容は
第0章: 準備:
論理と論理記号,集合と写像
第1章: 実数の連続性と数列の収束:
連続性の公理,数列の収束の定義,連続性の公理と数列,実数の公理系
第2章: 1変数連続関数:
点列を用いた連続性の定義,イプシロン-デルタ式の連続性の定義,一様連続性
第3章: 1変数関数の微分:
関数の極限値,微分可能性と平均値の定理,Taylorの定理,Taylorの定理の応用,合成関数と逆関数の微分,無限小と無限大の比較--Landauの記号
第4章: 1変数関数の積分:
区間の分割と有界関数の過剰和・不足和,上積分・下積分と積分,過剰和・不足和の性質から上積分・下積分の性質へ,積分の性質,積分の数値計算の誤差評価,初等関数の不定積分,Darbouxの定理とRiemann和,広義積分
第5章: 数級数の収束:
級数の収束に関する基本事項,正項級数の収束判定,条件収束級数,絶対収束級数の性質
第6章: 関数列の収束と微積分:
関数列の各点収束と一様収束,一様収束と連続性,一様収束と積分,一様収束と微分,関数項級数の収束,広義積分と一様収束
第7章: 整級数:
整級数の収束半径,整級数の微積分,Abelの連続性定理,合成関数と逆関数の整級数展開,整級数の応用
本書では1変数の微分積分学が解説されていますが,本書を読み終えたならば,続編である多変数の微分積分学を解説した「微分積分学II」を勉強すると良いでしょう.