MFG テキストガイダンス
【解析01】
- 解析入門 (田島一郎著), 岩波書店
- 微分積分学はニュートンおよびライプニッツにより創始された分野であり,線形代数学とともに,大学における数学の基礎となるものです.
高校における微分積分と大学における微分積分との違いは,数列や関数の極限についての厳密な取扱いにあります.すなわち極限を厳密に扱うためには,イプシロン-デルタ論法というものを用いる必要があります.本書には大学で学ぶ微分積分学の基礎が分かり易く解説されており,入門書として最適なものです.
章ごとの内容は
- 第1章:
- 極限:イプシロン-デルタ,数列の極限値,関数の極限値,数列と関数との関連
- 第2章:
- 実数の連続性:切断の考え,上限・下限,いろいろな数列,コーシーの収束条件,実数の非可付番性
- 第3章:
- 連続関数:連続関数の定義,閉区間における連続関数,指数関数と対数関数
- 第4章:
- 導関数:微分可能性,平均値の定理,平均値の定理の応用
- 第5章:
- 積分:積分可能性,積分の性質,広義積分
- 第6章:
- 一様収束:級数の収束・発散,べき級数,関数列と一様収束,級数と一様収束
本書を読んだ後に,小平邦彦の「解析入門」,高木貞治の「解析概論」などのさらに本格的な本で勉強すると良いでしょう.