MFG テキストガイダンス
【代数02】
- 数え上げ組合せ論入門 [改訂版](成嶋弘著), 日本評論社
- 何かものを数え上げるという作業は,人間の営み全般に現れる基本的なものです.従って自然科学に限らずあらゆる分野で数え上げ組合せ論は必要と言って良いでしょう.
本書は数え上げ組合せ論の基礎を解説した良書です. 第1章は数え上げ組合せ論の今日についてのお話的部分ですので,一読した後,輪講等は第2章から始めることになるでしょう.基本的な記号などは,適宜,第1章や付録を参照にして補うことになります.第2章では数え上げ組合せ論の初等的話題を具体例豊富に紹介しています.第3章では第2章で扱った具体的話題を置換群による同値類の数え上げという観点から見直したものです.抽象数学の小気味よさを実感できると思います.また,本文中にはたくさんの問があり,それらには丁寧な解答が付けられていて,学習に大いに役立つことと思います.
章ごとの内容は
- 第1章: 数え上げ組合せ論の今日:
- 今日的現象,基礎的考察
- 第2章: 初等的数え上げ:
- 場合分けの木,和と積の法則,順列と組合せ,母関数による扱い(その1),包含と排除の原理,分配・分割・写像12相,母関数による扱い(その2)
- 第3章: 置換群による同値類の数え上げ:
- コーシー-フロベニウスの定理について,写像12相をコーシー-フロベニウスの定理からみると,一般円順列をコーシー-フロベニウスの定理からみると,ポーリャ-レッドフィールドの方法
- 付録: 基礎知識:
- 論理,集合,関係と関数,グラフと探索
また,高校数学以外の予備知識は付録に述べられてあり,必要になった時点で参考にされるのが良いでしょう. 大学1年の春から読めると思います.