入門講義とワークショップ

‘Analytic Semigroups and Related Topics — on the occasion of the centenary of the birth of Professor Kôsaku Yosida’

主催: 東京大学グローバルCOEプログラム
「数学新展開の研究教育拠点」
後援: 北海道大学数学連携研究センター

Contents

研究会の目的

半群論の基礎は1948年頃著名な二人の数学者、吉田耕作教授とE.ヒレ教授により確立されました。それ以来理論は大きく発展し、偏微分方程式論、確率論、調和解析を含むさまざまな数学分野に応用されています。解析半群は、拡散方程式を研究するための鍵となる半群です。解析半群論は数学に限らず相転移のような実際の現象に対して広汎に応用されています。応用範囲は多様であるにもかかわらず、日本の大学で学生が解析半群を学ぶ機会はほとんどありません。吉田耕作教授が長い期間勤めた東京大学においてもです。

この「入門講義とワークショップ」は、若手研究者と学生が応用はもちろんこの重要な理論の現状を学ぶ助けとして開催されます。2009年は吉田耕作教授生誕100年にあたります。吉田教授の孫弟子達がこの機会に適切な話題を選び、「入門講義とワークショップ」を企画いたしました。この特別な行事に学生の方(大学院生及び学部生)が多く参加されることを切望いたします。

最初の2日間は解析半群論と、相転移問題の典型例としてのスラファン問題のような自由境界問題への応用分野についての世界的権威であるシモネット教授による入門講義を行います。午前中に1時間の講義があります。午後は午前の講義で提出された問題を学生達が解く時間です。講演者と他の研究者が助言を与える予定です。もちろん質問の時間もとってあります。

後半の2日間はワークショップです。世界的権威による講演のほか、若手研究者や大学院生による短い講演を予定しております。若い研究者が世界的権威と討論するよい機会となるでしょう。学生諸君に、美しい抽象論がどのように現実現象に関係しているかを知ってもらうことが目的のひとつです。

東京圏在住以外の大学院生で参加されたい人は儀我(labgiga(at)ms.u-tokyo.ac.jp)にご連絡下さい。