第51回北海道*生命数理セミナー:量子ウォークの極限分布と量子確率論の中心極限定 

開催日時
2013年   2月 13日 16時 30分 ~ 2013年   2月 13日 18時 00分
場所
北海道大学地球環境科学研究院 A807
講演者
町田 拓也 (明治大学)
 
量子ウォークの極限分布と量子確率論の中心極限定

量子ウォークはランダムウォークの量子版と考えられる。
量子ウォーカーの位置を決める確率分布の挙動は,ランダムウォーカーのそれと
は大きく異なる。
量子ウォークの確率分布の長時間極限定理は2002年に初めて導出され,それ以来,
様々な極限定理が研究されてきた。
一方,コルモゴロフの測度論的確率論(古典確率論)の代数化と考えられる量子確
率論(非可換確率論)では,現時点で4つの独立性(可換独立性,単調独立性,自由
独立性,ブール独立性)があり,それぞれに付随する量子中心極限定理が導出さ
れている。
それらの極限定理は,ガウス分布,ウィグナー半円分布,逆正弦分布,そして2
点分布で記述される。
今回の講演では,初期状態に分布をもつ離散時間2状態量子ウォークに注目する。
この量子ウォークから得られる極限定理により,ガウス分布,ウィグナー半円分
布,そして逆正弦分布が導出可能であることが分かる[1]。
なお,2点分布は自明な量子ウォークで構成可能である。
ランダムウォークが古典確率論の基礎モデルになっているように,量子ウォーク
も量子確率論の基礎モデルになるのかもしれない。

[1] Machida, T.: Realization of the probability laws in
the quantum central limit theorems by a quantum walk,
Quantum Information and Computation, Vol.13 No.5&6,
pp.430-438 (2013), arXiv:1208.1005.

http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~takada/rireki1.html

関連項目

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