NSC セミナー ”流体力学的同期現象 — 鞭毛や繊毛の集団ダイナミクスの理解に向けて –” 内田就也 (東北大学)

開催日時
2011年   3月 10日 15時 00分 ~ 2011年   3月 10日 16時 30分
講演者
 

2011-03-10(Thu)















Time 15:00-16:30
Place 電子研12条4Fセミナー室(04 104)


Abstract:大腸菌やゾウリムシのような水中を泳ぐ単細胞生物は、鞭毛のバンドリングや繊毛のメタクロナル波など、運動器官の同期現象を利用して推進を制御している。これらの同期現象は流体力学相互作用によって誘起されると考えられるが、その機構はTaylorの先駆的研究から60年が経った今もなおよく理解されていない。我々は最近、これらの同期現象のミニマルモデルとして、剛体球と駆動力からなるシンプルな回転子モデルを提案した[1]。従来、鞭毛や繊毛が同期するためにはそれらの持つ柔軟性が必須であると考えられてきたが、我々の解析はこの見方を覆し、駆動力の周期的変動だけでも同期が起きることを示す。この回転子の多体系は、一様同期状態、伝播波、らせん波、フラストレート状態など多様な時空パターンを示し、バクテリアカーペットのようなマイクロ流動デバイスの制御に応用できる可能性がある。また駆動力のランダムな分布は集団的な同期・非同期転移を引き起こすが、これは従来の結合振動子系の平均場理論(蔵本モデル)では説明できないスムーズな転移であり、長距離相互作用系に特有の空間ゆらぎの効果と考えられる[2]。

[1] NU and R. Golestanian, PRL 104, 178103 (2010); PRL 106, 058104 (2011).

[2] NU and R. Golestanian, EPL 89, 50011 (2010); NU, PRL 106, 064101 (2011).

関連項目

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