第155回複雑系セミナー 内的な心的過程とアセチルコリン– 力学系的接近への序説

開催日時
2012年   3月 14日 14時 00分 ~ 2012年   3月 14日 15時 30分
場所
中央キャンパス電子科学研究所5F講義室(北12条西7丁目)
講演者
藤井宏(京都産業大学)
 
複雑系セミナーの一覧
http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/tag/complex_systems_seminar

タイトル
内的な心的過程とアセチルコリン– 力学系的接近への序説
Purely Internal Mental Processes and Acetylcholine – An Introduction to Dynamical Systems Approach

アブストラクト
レビー小体型認知症では皮質6層全体へ投射されるアセチルコリンが減少する。その結果、“部屋の隅に赤頭巾をかぶった女の子が座って”といった“幻覚”を見る。シナプス・レベルでの電気化学的過程の変化というミクロな現象が如何にしてこのような行動、意識レベルの現象を生起させることに繋がるのか?実際、アトロピンなど脳内アセチルコリンの拮抗剤の投与でも、その“幻覚”の生起という現象は変わらない(E. Perry and R. Perry, 1995)。
  われわれは、そのミクロな生理学的、電気化学的現象とマクロな行動、意識レベルを繫ぐ脳内過程を記述したい。そこでは、セル・アセンブリー、あるいは(疑)アトラクター、その遷移といった概念を仲介として、議論することになる。
  以下に述べるような一群の脳内過程は、(外界からの入力に依存しない)基本的に内的な過程であり、ある種の“状態遷移”が関わる。
  過去の出来事の(意識的)想起、マルセル・プルーストの回想(Reminiscence)、心的イマジェリー(Mental Imagery)、レビー小体認知症などにおける幻覚(Recurrent Complex Visual Hallucination inDementia with Lewy Bodies; RCVH in DLB)、そして夢見..など。
  このような系の力学系的な記述の試みは未だ端緒にあるが、このセミナーでは以下のような話題について、その現状の一端と困難について紹介し議論したい。


I , 序– 皮質求心性アセチルコリンとヒトの認知
II., 脳(皮質)における状態遷移
III, 皮質求心性アセチルコリンと心的イマジェリー:試論
IV, レビー小体型認知症における幻覚-Natural Visionと前頭前野、側頭領域の損傷
V, “夢見”-最近のM. Solms 理論からの注意

関連項目
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