第86回 附属社会創造数学センター主催 北大MMCセミナー:ロバスト形状最適化問題と目的関数収束メカニズム

開催日時
2018年   6月 26日 16時 30分 ~ 2018年   6月 26日 18時 00分
場所
北海道大学電子科学研究所 中央キャンパス総合研究棟2号館5階講義室
講演者
中澤  嵩 氏(大阪大学)
 
Abstract:
 本講演では,Proper Orthogonal Decomposition(POD)と形状最適化問題をくみあわせることで,十分小さいレイノルズ数における時間周期流の振幅を抑制するための最適化問題について述べる.
 具体的には,目的関数としてPODの固有値の総和を,制約関数として非定常Navier-Stoks問題とPODの固有値問題を定義する.そして,Lagrangeの未定乗数法の標準的なフレームワークにより,目的汎関数の設定,主問題・随伴問題の導出,感度の評価を行う.数値計算を行う際にはH^1勾配法を用いることで安定に領域変形を行う.ところで,当該研究で用いた目的関数はPODの固有値の総和であったが,これは平均と標準偏差の和を目的関数と定義していることからロバスト最適化問題を解いていることになり,流体制御分野において,このような試みは全く行われていない.
 数値計算の結果,時間平均場の運動エネルギーを表す第1主成分の固有値が増加し,変動成分の運動エネルギーを表す第2主成分以降の固有値の総和は減少することを確認した. また,従来,乱流制御で用いられる運動エネルギーの時空間平均を目的関数と定義した結果と比較しても,提案手法の方が振幅を減少させることが可能であった.
 更に,第1主成分の固有値が形状更新に応じて増加するメカニズムを解析した.まず初めに,第1主成分の感度ベクトルを規格化,次に,他の主成分の感度ベクトルとの相関を取ることで第2主成分以降からも第1主成分と同じ構造をもつ感度ベクトルを抽出した.最後に,全ての主成分の感度ベクトルから得られた第1主成分と同じ構造を持つ感度ベクトルの総和を取った.その結果,符号が負となっており,このことから第1主成分の固有値が増加することを明らかにした.

第86回附属社会創造数学センター主催北大MMCセミナー
第86回北大MMCセミナーポスター(2018.6.26)

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