数理科学セミナー:人口学と確率過程~離散・連続、二つのランダムネスと個体群動態~

開催日時
2016年   6月 3日 16時 30分 ~ 2016年   17時 30分
場所
理学部3号館307号室
講演者
大泉 嶺(厚生労働省 政策統括官付 社会保障担当参事官室 人口問題専門官)
 
生態系を構成する生物集団のダイナミクスは多様で複雑である. 生命誕生以来,様々な動植物の大量発生,大量絶滅,生息域の拡大・縮小などを繰り返してきた. これらは現在でも度々ニュースとして取り上げられるなど頻繁に起こる現象である. ヒトの集団もまたその一つであり,戦争,飢饉などで増減しながらも,18世紀中頃に始まった産業革命以降の人口増加は,20世紀末に至るまでほぼ指数関数的な増加を示して来た. しかし,21世紀に入ってからは先進国は軒並み少子高齢化を迎え,人口減少に転じている. 我が国も2008年1億2808万人をピークに減少に転じ,2015年は1億2711万人となっている. 人口減少の原因は少子化に加え,国民の晩婚化・晩産化が原因とされ,今後およそ100年に渡って殆どの国で人口は減少に転ずると推計されている. こういったヒトも含む個体群動態は,集団レベルに起こる災害や飢饉などのイベントと,各個体の生活史の変化によるイベントの両方,つまり,ミクロとマクロの総合的な効果として説明される. 数理生物学者の多くはこういった個体群動態の変化を個体間や集団全体の相互作用による非線形効果と捉える事が多いが,本講演では二つのスケールの違うMarkov過程と捉え,それらのランダムネスの個体群動態への影響を紹介する.

ポスター

関連項目

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