数理物理学セミナー :Ultraviolet Renormalization by Path Measures

開催日時
2012年   5月 11日 11時 00分 ~ 2012年   5月 11日 12時 00分
場所
理学研究院3号館3-210
講演者
廣島文生氏(九州大学)
 
講演要旨

数学的な場の理論のモデルにはUV cutoffとIR cutoffという2つのカットオフがハミルトニアン作用素に導入されている。
特にUVcutoffは、ハミルトニアンを自己共役作用素として定義するために必要である。さてハミルトニアンに何らかの『くりこみ』を導入して、ある種の極限をとってUVcutoffのないハミルトニアンを定義するというのが、カットオフのないハミルトニアンを定義する一般的な処方である。スカラー場の模型の一つであるネルソン模型では、『自己エネルギーの第一次近似』をくりこみ項としてハミルトニアンから引き去れば、上述の処方でUVcutoffのないハミルトニアンが定義できることはすでに知られてる。今回の講演では、確率論的な方法でネルソン模型のくりこみをおこなって UVcutoff を外す。ハミルトニアンの生成する熱半群の真空期待値からペアポテンシャルといわれる2重積分が導かれるが、この2重積分の対角成分を伊藤の公式とGirsanovの定理を使って分離する。この対角成分がまさに「自己エネルギーの第一次近似」になっていることを証明する。 これは従来の方法とは全く異なるUVcutoff除去の方法で、多くの他の模型にも応用出来ると期待している。

関連項目

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