数理物理学セミナー 量子的粒子とスカラーボース場が相互作用する系の基底状態の存在について

開催日時
2013年   2月 25日 15時 00分 ~ 2013年   2月 25日 16時 00分
場所
理学研究院3号館 3-210
講演者
九州大学数理 日高建
 
ネルソン模型は量子的粒子とスカラーボース場が線形に相互作用をする模型で
ある.
一個の量子的粒子が,スカラーボース場と相互作用しながら三次元ユークリッド
空間を運動する場合を考察する.
 ハミルトニアンはあるヒルベルト空間上の自己共役作用素として実現される.
Kを量子的粒子のハミルトニアン,H_fを自由場のハミルトニアンとする.相互作
用がない場合のハミルトニアン(非結合ハミルトニアン)は
H_0=K+H_f
であり,通常のネルソンのハミルトニアンは
H=H_0+gφ
である.ここで,gは結合定数と呼ばれる定数である.gφはH_0に対する摂動であ
る.
 ハミルトニアンのスペクトルの下限が固有値となっている場合,それに対応す
る固有ベクトルを基底状態という.
Kのスペクトルの下限を点スペクトルとする.このとき,ハミルトニアンHは赤外
正則条件と言われる条件の下で基底状態の存在が証明されている.しかし,赤外
発散の下では基底状態が存在しないことも証明されている.歴史的には,|g|が
十分小さい場合に基底状態の存在が示され,その後,任意の実数gにたいして基
底状態の存在が示された.
 本講演では,H_0にP(φ)=Σ_{j=1}^{2n}c_jφ^j (c_{2n}>0,c_j, j=1,・・・,2n
-1,は任意の実数)を加えたハミルトニアン
 H=H_0+P(φ)
を考え,基底状態の存在について話したい.

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