偏微分方程式セミナー 非線形波動方程式の一般論に対する最適性の最終問題

開催日時
2011年   5月 23日 16時 30分 ~ 2011年   5月 23日 17時 30分
場所
北大理学部3号館202室
講演者
高村 博之 (公立はこだて未来大学)
 
非線形波動方程式の初期値問題に対する一般論(小さい初期値に対する時間局所解の最大存在時
間評価)の中で、唯一最適性が証明されていなかった空間4次元で2次の半線形方程式に対する
最適爆発定理が得られたことを報告する。この設定はモデル方程式の臨界冪にもなっており、基
本解に正値性がない空間次元が4以上の高次元では、その解析に様々な困難が生じる。モデル方
程式の解析がF.John(1979)によって空間3次元で開始されて以来、低次元での解析は早い時期に
数名の研究者達によって完成された。その後、高次元での劣臨界冪に対する爆発定理はT.C.Side
ris(1984)によって、優臨界冪に対する大域存在定理はV.Georgiev & H.Lindblad & C.D.Sogge (
1997)によって得られた。そこから更に10年近く経過してから、臨界冪に対する爆発定理が、B.Y
ordanov & Q.S.Zhang (2006)とZhou Yi(2007)によってそれぞれ独立に得られた。低次元や劣臨
界に対しては、爆発定理と同時に局所解の存在時間の上からの最適評価が得られるのに対し、高
次元の臨界冪ではそれが得られないという不思議な状況が長く続いていた。講演者は若狭恭平(
未来大修士1年)と共に、時間に関して前進する逐次代入法により得られる解のL^pノルムの各
点評価と、臨界状態における常微分不等式に対する精密な爆発定理を組み合わせることによって、
この困難を解決することができた。本講演では特に空間4次元の場合にその手法を紹介する。

関連項目

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