幾何学コロキウム ベクトル束の切断芽の幾何学的同値関係 ーTougeronのG-同値再訪+ε×αー

開催日時
2016年   10月 21日 16時 30分 ~   18時 00分
場所
3号館204室
講演者
泉屋周一(北海道大学)
 
J. C. Tougeronは1972年に出版された著書「Ideaux de fonctions differntiables」(springer)において(実際には出版されなかった1968年の論文において)可微分写像芽の間にG同値の概念を導入している。ここで、Gは一般線形群の線形リー部分群である。彼は、この同値関係はGが一般線形群の場合にはMatherの意味でのK同値、Gが単位元のみの場合はMatherの意味でのR同値となることを指摘しており、他にも様々な場合がありうることを示唆している。しかし実際に彼が与えている例は上記の2つの場合のみである。さらにこのG同値はGervaisにより3編の論文としてその有限確定性、普遍開折、安定開折について研究されているが、Gervaisも上記2つの例しか述べていない。その後、Damonにより、このG同値は彼の意味でのKやAの幾何学的部分群となることが指摘され、それ以降この同値関係についての研究は30年間以上皆無である。ここでは、このG同値をほんのわずかばかり一般化することにより、より多くの興味深い例を含むことを述べたい。実際、6月の幾何コロキウムにおける寺本央氏の講演における、同値関係はこの場合の一例と理解でき、量子力学を通して、トポロジカル絶縁体の理論への応用がみこまれる。このG同値は、ベクトル場の切断芽の間の同値関係と解釈すると、様々な計算が統一的に理解されることが解り、G同値と呼ぶより、ここではMatherに敬意を表して「K(G)同値」と呼ぶべきものである。またMatherのA同値との対応物として「A(G)同値」の概念も自然に導入される。コロキウムではテクニカルな部分は避けて、これらの同値関係の様々な例について述べたい。ある場合(とくにK(G)同値)はDamonの幾何学的部分群となるが、枠組みが彼の場合より狭いので、より詳しい性質を調べる事が可能となる。

関連項目

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