平成17年度 高校生のための数学夏季講座(北海道大学オープンキャンパス)

2005年08月02日

毎年8月に北海道大学体験入学の一環として開催しておりました「数学科教員による公開講座」の内容を紹介します。(※平成19年度以前の名称は「高校生のための数学夏季講座」となっております)

日  時:平成17年8月2日(火) 9:00〜15:30
会  場:北海道大学理学部
定  員:70名

受講料 :無料
申込〆切:17年7月1日(金)
申込方法:数学事務室(TEL:011-706-2678) にお問い合わせください

なお,これに先立ち理学部オープンユニバーシティが8月1日(月)に行われました。

プログラム

【午前の部】

8時30分〜                受付

9時00分〜                入学式など

9時30分〜10時30分

全員での講義聴講
美しい複素数の世界」 (林実樹廣教授)

11時00分〜12時00分
  パラレルセッション (2グループに分けての講義です。
  午前/午後と入れ替えますので,全員が両方受けることになります。)

・「ペル方程式 x2 – ay2=1 の整数解をめぐって
(松下大介助教授)
・「ライフゲームを数学の問題にする
(行木孝夫助手)

昼食・休憩時間
 
【午後の部】

13時00分〜14時00分
  パラレルセッション

・「ペル方程式 x2 – ay2=1 の整数解をめぐって
(松下大介助教授)
・「ライフゲームを数学の問題にする
(行木孝夫助手)

14時00分〜                学科紹介・交流会など

15時15分〜15時30分   修了式

「美しい複素数の世界」

林実樹廣(北海道大学大学院理学研究科 教授)

複素数の不幸な生い立ちのお話からはじめて,円周率・自然対数の底・虚数単位の間には神秘的とも思える美しい関係があるというオイラーの公式のお話,複素数を平面上の点として表すお話,n次代数方程式は複素数の中では必ずn個の解を持つお話,複素数の1次分数関数は平面上の「円や直線」をまた「円や直線」に変換するというお話,角度を保存する複素数の関数のお話などを紹介します。

実数という狭い世界からは見え難いことや,不可能なことが,複素数の世界では【当然】のことに変わります。私は,これは宇宙からまん丸の美しい地球を見せられると世界観が変わるのに似ているなあと考えています。

「ペル方程式 x2 – ay2=1 の整数解をめぐって」

松下大介(北海道大学大学院理学研究科 助教授)

整数問題は苦手!という人は多いと思います。そしてそれは非常にもっともなことで,整数論は Gauss により「数学の女王」と呼ばれており,数学の中で最も難しく,最も美しい分野とされています。この講座ではペル方程式と呼ばれる問題の歴史をたどりつつ,整数問題を解く楽しさを体験してもらうつもりです。

「ライフゲームを数学の問題にする」

行木孝夫(北海道大学大学院理学研究科 助手)

コンウェイが考案したライフゲームは,サイエンティフィックアメリカン誌1970年10月号に掲載されたガードナーの紹介記事によって広く知られるようになった。「碁盤上のマス目に石を配置し,あるマスの周囲8箇所に2個あるいは3個の石があればそこには石を置く。それ以外であれば空白にする」という手順を全てのマスで同時に行うゲームである。単純なルールであるが,初期配置によって極めて込み入った挙動を示す。そのために多彩な研究が進められてきた。これを数学の問題として捉えるには様々な立場があり,本講演ではウォルフラムが1980年代に端緒を開いた研究に従い,碁盤という二次元の格子から一次元の格子に舞台を移すことで得られた成果などを紹介する。実際の例を計算機で扱いながら進める予定である。