平成16年度 高校生のための数学夏季講座(北海道大学オープンキャンパス)

2004年08月03日

毎年8月に北海道大学体験入学の一環として開催しておりました「数学科教員による公開講座」の内容を紹介します。(※平成19年度以前の名称は「高校生のための数学夏季講座」となっております)

日時:平成16年8月3日(火),4日(水) 9:00〜15:30
会場:理学部5号館2階大講堂
定員:100名

受講料:無料

平成16年度の本講座は,インターネットで配信する実験を行いました。

当日の様子は下記からRealVideo形式で御覧になれます。

1. 「平面写像のカオス」 8/3(火) 午前

松本健司(北海道大学大学院理学研究科 助教授)

平面写像のカオスは1976年に最初のストレンジアトラクタが発見されて以来,
現在も活発に研究されている分野です。なんといっても,図にしやすく,頭に
思い描きやすい。今回は,コンピュータグラフィックスをふんだんに用いて平
面写像のカオスの研究に使用される基礎的な概念を紹介します。

2. 北大数学教室の紹介 8/3(火) 午後

数学教室の見学,教官・学生との交流会等。

3. 「高次元の正多面体について」 8/4(水) 午前

秦泉寺雅夫(北海道大学大学院理学研究科 講師)

皆さんは,SF小説などで4次元空間という言葉を耳にしたことはあるかと思います
が,今のところ4次元空間というと3次元空間に時間軸がひとつ加わったぐらいの
イメージでは,ないでしょうか? 実際,大学の初年級でも,N次元ベクトル空間と
いうものがでてきますが,そこにおいても,抽象的に3次元空間を表す3個の座標
をN個に増やしたぐらいにとどまります。

ところが,N次元ユークリッド空間というものをよく調べてやりますと,その空間
に存在できる図形の種類がNによって異なってくるという現象が起こります。この
現象の有名な例として,N次元ユークリッド空間内に存在できる正多面体の種類の
話をしたいと思います。我々の住んでいる3次元ユークリッド空間の中の正多面体
は5種類であることが知られていますが,4次元ユークリッド空間の中には6種類
の正多面体が存在します。また,5次元以上のユークリッド空間の中には,実は,
3種類の正多面体しか存在できません。

これが,どうしてわかるかということを話して幾何学の面白さを伝えることが
できればと思っております。

4. 「(a+b)n=?」 8/4(水) 午後

澁川陽一(北海道大学大学院理学研究科 助手)

皆さんは,学校で展開公式

(a+b)2=a2+2ab+b2

を習ったと思います。

本講義では,この展開公式に注目していきます。

既に行列を学んだ方は知っているかと思いますが,
積が交換可能であることとこの公式が成り立つことは
密接に関係しています。

そこで「積が交換可能でないなんてことが
あるのだろうか」という疑問にも答えながら,
積が必ずしも交換可能ではない場合に,展開公式が
どうなるか考えていきます。