平成15年度 高校生のための数学夏季講座(北海道大学オープンキャンパス)

2003年01月26日

毎年8月に北海道大学体験入学の一環として開催しておりました「数学科教員による公開講座」の内容を紹介します。(※平成19年度以前の名称は「高校生のための数学夏季講座」となっております)

第10回 夏季講座 : 8月5日(火)-6日(水)

見えないものを見る

中村 玄(北海道大学大学院理学研究科 教授)

あまり講演要旨を詳しく書くと「見えないものを見る数学」という謎めいた題目の種明かしが出来なくなってしまうので,次のように書かせてください。

落語家を真似て「見えないものを見る数学とかけて逆問題ととく,そのこころは?」というのが私の講演内容です。

一見ふざけているように見えますが,真面目な数理科学の話です。

やわらかい幾何学の面白さ

神田 雄高(北海道大学大学院理学研究科 助手)

「この宇宙は有限だが端はない」とか「空間が曲がっている」という話を聞いて,いぶかしく思われた経験はおありでしょうか。非ユークリッド幾何学という(怪しい?)幾何学について耳にされた方もおられるでしょう。
また,高次元(例えば4次元)空間がSFのネタになったりしている。

高校生までの数学では,関数でいうと3次関数や三角関数,図形でいえば三角形や円周のように非常に「かっちり」している対象しか扱わないわけです。しかし,実際の数学の世界ではもっととらえ所のない,つまり日常の言葉や概念では上手く表現できないような対象があつかわれているのです。各々の数学的対象には固有の数学的現象があり,それが次の発見につながっていきます。

この講座では2次元の空間である曲面を題材に,どんな面白い数学的現象があるかを紹介しようと思います。また,それを通してトポロジーという柔らかい幾何学の基本的アイディアについてお話するつもりです。曲面は具体的(眼に見える!)で親しみ易いのですが,非常に多彩な「顔」を持っています。色々な見方やアプローチがあることは,曲面のもつ豊かさの現れでしょう。もし,その一端がお伝えできれば幸いです。

格子の周辺

松本 圭司(北海道大学大学院理学研究科 助教授)

私たちの身の回りにはいろいろな格子があり,人知れず生活の役に立っています。
この講座では数学的な格子の定義を与え,基本的な性質を解説します。

理解を深めるために,いろいろな格子をコンピューター画像や模型を利用して紹介し,そして格子理論と深くかかわる玉詰問題,接玉問題,玉覆問題に関するエピソードや研究の歴史を紹介します。