平成10年度 高校生のための数学夏季講座(北海道大学オープンキャンパス)

1998年08月06日

毎年8月に北海道大学体験入学の一環として開催しておりました「数学科教員による公開講座」の内容を紹介します。
※平成19年度以前の名称は「高校生のための数学夏季講座」となっております
※平成10年度は札幌会場と釧路会場の2ヶ所で行われました。

高校生のための数学夏季講座
 釧路会場 : 平成10年8月6日(木)-7日(金)

微分積分入門

久保田幸次 (北海道大学理学部教授)

微分は割り算の“一般化”であり,積分はかけ算の“一般化”である。講義の前半では,微分積分の概念を導入し,多項式で表される関数の微分の計算を説明する。また,三角関数を微分するために弧度法の説明をする。かけ算と割り算の関係は,同じ数をかけて割ると元に戻るが,微分積分でも積分して微分すると元に戻るという性質がある。これは微分積分法における基本定理である。

講義の後半では,logeXを,関数f(t)=1/tのt=1からt=xまでの積分と定義し,その逆関数としてexを導入する。応用として“2√3とは何か”ということが分かる。また,eの近似値を求める。

Euler(オイラー)の公式をめぐって

上見練太郎 (北海道大学理学部教授)

微分しても変わらない関数を級数の形で求め,その関数の性質を調べる。更に,変数を複素数に拡張し,オイラーの公式e=sinθ+i cosθを導き,その応用について解説。

高校生のための数学夏季講座
 札幌会場 : 平成10年8月10日(月)-12日(水)

平面幾何のたのしみ – 現代数学との接点 –

石川剛郎 (北海道大学理学部助教授)

平面幾何の初等的な問題から出発して,その現代数学とのかかわりを,たくさんの絵を見ながら探っていきます。たとえば,有名なパップスの定理や直線配置の間題,折れ線のガウス指数についてのホイットニーの定理,3角関数の多項式で定義される平面曲線のトポロジー,ヒルベルト第16問題などについてやさしく説明します。

切って,ねじって,貼る – 曲面のトポロジーと群 –

河澄響矢 (北海道大学理学部助教授)

種数gの閉曲面(=g人乗りの浮き袋の皮)について位相変換を全部あつめた集合を考え,曲面を切ったり,ねじったり,貼ったりしながら代数的な計算をおこなう。とくにgが3以上と2以下で違いが現われる様子を解説したい。

3次方程式とコーヒーカップの底

泉屋周一 (北海道大学理学部教授)

喫茶店でミルクコーヒーの表面に照明が反射して現れる光輝く曲線を観察してみると,この曲線の形は大抵いつも楔(くさび)型をしている。この曲線と3次の方程式の解の個数とは密接に関係している。