平成9年度 高校生のための数学夏季講座(北海道大学オープンキャンパス)

1997年08月04日

毎年8月に北海道大学体験入学の一環として開催しておりました「数学科教員による公開講座」の内容を紹介します。
※平成19年度以前の名称は「高校生のための数学夏季講座」となっております
※平成9年度は札幌会場と函館会場の2ヶ所で行われました。

高校生のための数学夏季講座
札幌会場 : 平成9年8月4日(月)-6日(水)

1で始まる数が多いのはなぜか

吉田知行 (北海道大学理学部教授)

物議をかもした今年のセンター試験の数字の解答を見ると,2桁以上の数では,1で始まる数の場合がほほ半数ある。物理定数,都市の人口についても3割の数が1で始まる。この不思議な現象を,現代数字で解明する。

コンピュー夕一には数字研究ができないのはなぜ?
– ゲーデルの不完全性定理の紹介

辻下徹 (北海道大学理学部教授)

どんな自動証明プログラムそ書いてもそれを混乱させる命題を構成できるという奇妙な定理があります。大きなインパクトを与えたその構成法のアイディアを,いくつかのバリエーションを通して平易に説明します。

楕円曲線のはなし

中村郁 (北海道大学理学部教授)

複素3次曲線(楕円曲線) — 複素2変数の3次方程式で定義される曲線 — が,どんな形をしているか,調べます。さらに,楕円テータ関数,楕円モジュラー関数や楕円積分について,紹介します。

高校生のための数学夏季講座
函館会場 : 平成9年8月7日(木)-8日(金)

結び目がほどけるかどうかはどうやったらわかるか? – 幾何学と不変量のはなし –

西森敏之 (北海道大学高等教育機能開発総合センター高等教育開発研究部教授)

幾何学においては,オイラー数,チャーン数などさまざまな不変量が考え出されて,幾何学の対象を特徴づけたり,問題を解くのに威力を発揮している。一般にはそれらを定義するためには,高度の予備知識が必要であるが,中には高校生でも理解可能なものがある。ここ数年来のトピックである結び目に対する多項式不変量もその例である。この講座では,まず前半で徴学オリンビックの問題から不変量の考え方を使って解ける例を紹介し,後半では結び目の多項式不変量の話をする。幾何学のおもしろさを十分に楽しんでもらえると思う。

平面幾何のたのしみ – 現代数学との接点 –

石川剛郎 (北海道大学理学部助教授)

平面幾何の初等的な問題から出発して,その現代数学とのかかわりを,たくさんの絵を見ながら探っていきます。たとえば,有名なパップスの定理や直線配置の間題,折れ線のガウス指数についてのホイットニーの定理,3角関数の多項式で定義される平面曲線のトポロジー,ヒルベルト第16問題などについてやさしく説明します。