下山和久(2011年度学部4年)

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Q. 出身高校を教えて下さい。

出身高校は北海道岩見沢緑陵高等学校です。

Q. 北大理学部では2年生後期から進学振り分けがあるのですが、北大に入学した時点から数学科に行こうと思っていたのですか?
(注:2011年から総合入試導入にともない、進学振り分けの制度は変更されています。)

そうですね、最初から数学科に行こうと決めていました。
道内の大学を考えていたので、数学科のある北大を選びました。

Q. 数学科に入ろうと思った理由と、数学に興味を持った理由は何ですか?

考えてみると、始まりは一番得意な科目が数学(算数)だったからでしょうかね。
得意だから好きになって、好きだから他より長く勉強してという感じでどんどん嵌っていきました。
そうなるとあばたもえくぼで、数学の大部分が魅力的に見えてしまいますが、一番気に入っていたのは数学の論理的な部分だったので、その辺りが勉強できる数学科に行こうと思いました。

Q. 2年生後期から数学専門の講義になりましたが、その前後で講義の内容や自分の勉強する姿勢に変化はありましたか?

どちらかというと、高校から大学に入った時に数学の講義内容の変化を感じました。
大学に入って最初の頃は高校数学の延長という感じが強かったのですけど、それでも線形代数学は証明みたいな論理の部分が強くて大学数学っぽいなと感じました。
(インタビュアーの)田辺先生の数学Iも履修していましたけど、それも線形代数学周辺の内容で、論理の部分が強かったですが、試験ではGram-Schmidtの正規直交化の計算で苦労させられた記憶があります(笑)
2年生後期になって(数学科に入って)からはそういう抽象論が増えてきて面白いと思う反面、大変でもありました。
講義は受け身ですけど、演習は自分で問題を解いて発表するので理解を補うのにかなり役に立ちました。
専門に入ると数学以外の科目がなくなったので、数学だけ勉強すれば良いので逆に言えば楽になりました。

Q. では数学で興味がある分野があったら教えてください。

今は有限群論に興味を持っていて、学部4年生のセミナーで「群論 (鈴木通夫)」を輪読しています。
大学院からは表現論をやりたいと思っています。

Q. なぜそれらに興味を持ったんでしょう?

学部3年生の代数学基礎の講義で一応群論をやって、定義が非常にシンプルなのにその構造は意外に制約が多くて不思議なんですね。数学をやっていると分類することに興味がでてきて、与えられた位数の群を決定したくなるわけです。素数位数とか簡単な位数ではシローの定理だけである程度は群を決定できるのですが、勿論それだけでは足りないので群の拡大とか半直積とかの考えを用いると群の表現論を微妙に使っていたので、それで方法として表現論を勉強していて面白いと思ったので、研究してみようと思いました。

Q. 1年生から理数応援ニューフロンティア・プロジェクトには参加されてましたよね。

はい、参加していました。
1年生で「解析入門(田島一郎)」を、2年生で「多様体の基礎(松本幸夫)」を読みました。
そのおかげで、大学で初めて扱ったイプシロン-デルタ論法や位相空間論にある程度予備知識ができたので2年生の講義ではそれほど苦労せずに済みました。
他にも、セミナーでは自分で発表をするので内容を充分に理解する必要がありました。
最初は何が重要だったり明らかだったりするのか分からないこともありますが、人に説明するために発表の準備をするということは自分の理解を深める助けになると思います。
理数応援繋がりで知り合いもできたりして、そういった意味でも参加して良かったと思います。

Q. 大学院に進学されると思いますが、将来の進路について何か考えていたら教えて下さい。

東大の大学院に進学予定です。
それ以上はあまり考えていませんが、とりあえずは修士課程をしっかり終えたいと思います。
その先は数学を専門にやっていけたら一番自分の希望に近いかなと思います。

Q. 数学に興味はあるけれど、まだ進路の決まっていない1年生に向けてアドバイスがありましたらお願いします。

不安はあるかもしれませんが、数学は分かると楽しいです。やる価値はあると思います。
でも専門になればなるほど難しくなるのもまた事実なので、多少の覚悟はした方がいいです。

さっきも少し話したことですが、イプシロン-デルタ論法や位相空間論は大抵の人がつまずく場所だと思います。
でもそれらは基本的なことでどんな分野でも出てくるものなので、充分に深く理解して先に進みたいですね。

他にも勉強していたらだんだん分かった気になって、それで定理の証明に取り組むと全然見当違いなことをやっていた…という苦労はあるかと思います。
それでも何回もやっていればいつか分かる日が来ると思いますし、ある日突然閃いて理解できるようになることって意外に多いと思います。
そういう閃きは2,3日で来ることもあれば1年たってから来ることもあると思うので、丁寧に一つずつ勉強するとか誰か友達に聞いてみるとかセミナーをやるとかそうやっていくことが大事だと思います。
そんな風にコツコツとやってみたり、ひとまず諦めて先に進んで、いつか戻った時に何となく分かって、それを繰り返してようやく分かってとしていけばそれだけで随分楽しいと思います。

Q. どうもありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

2011年(平成21年) 12月 インタビュー実施