浜向 直(准教授・解析系)

2015年10月13日

①ご出身はどちらですか?

生まれは富山県の氷見市というところです。高校は富山県立高岡高校の理数科で、それから東京大学の理科I類に入学して、そのまま学部、修士、博士と東大にいました。

②高校のときから理数科ということですが、いつ頃から数学に進もうと思いましたか?

小学校の頃は算数ですが、何となく数学が好きだなと思ったのは小学校の高学年の頃ですかね。でもそのときは小学校の先生になりたいなと思っていて、中学校のときは中学校の数学の先生になりたいと思って、高校のときは高校の数学の先生に…、と進んでいって今に至ります。人に勉強を教えることは昔から好きでした。

③どのような研究をされていますか?

専門は解析学の非線形偏微分方程式です。微分方程式というのは方程式を満たす解、ちゃんと言うと関数を見つける問題なのですが、例えば、今はこういう状態であるものが、一日後や一年後など、時間がある程度経過したときにどういう状態になっているか、ということを数学を使って言い当てるというのが微分方程式を解くということです。
僕は特に形の動きに興味があって、今この瞬間こういう形であったものが、時間が経つとどういう形に変化しているか、という問題を考えています。

―例えば雪だるまをつくったときにこの気象だと何時間後にどうなるか…とかそういうことでしょうか?

まさにそうですね。今の問題を数学で解くと、雪だるまがあって、最初の直径がこれくらいだったとしましょう。雪がある割合で降っていたとすると、雪だるまの大きさの変化の割合が分かりますね。そうすると何時間後にはどれくらいの大きさになっていますか、という問題が数学を使えば分かりそうです。
そういうののもう少し難しいことをやっています。

④どのような大学生活を送っていましたか?

授業にはちゃんと出ていましたね。真面目だったのかなと思います。
それ以外だとサークル活動ですかね。クイズサークルに入っていました。昔からクイズ番組を見るのが好きだったので、大学に入ったら絶対クイズをやろうと思っていました。覚えることは割と好きだったので知識や雑学の吸収というか…、数学ではあまり使わない頭の部分ですよね。
あとは、長期休暇中には塾講師のアルバイトをしていました。プリントをたくさん作ってましたね。

⑤まわりには就職をする人も多かったと思いますが、なぜこの道を選びましたか?

最初から研究者を目指していた訳ではないですが、修士に入って研究して、まだまだやりたいなということもあったし、そのためには2年じゃ短いなと感じました。あとやはり研究自体が面白かったので、続けて行きたいと思いましたね。

⑥学者さんになることに対して不安はなかったですか?

ありました。正直今も不安です。けど、良い意味でモチベーションに変えられたらとは常に思っています。

⑦行き詰ったときはどう乗り越えていますか?

例えば数学をやっている中でもいくつか研究の話題があって、これが行き詰ったらちょっと話題を変えてみて、別のことを考えてみたり。あるいは自分の研究でなくても、周りの人と話してみて、その人がどんなことをやっているのかを聞いてみたり。研究集会やセミナーにも足を運んでみたり。そういう数学の中での気分転換しています。
数学は一人で計算して結果を出す個人戦のように思われがちですが、他の研究者とコミュニケーションを取るのもとても大事なことだと思います。会話の中で得られる情報はとても多いですし、僕が持っていない知識や考え方を聞いたらそれがまたヒントになって研究ができるということもあるので、一人で閉じこもらないようにしています。

⑧勉強で躓いてしまった学生にアドバイスはありますか?

やってすぐに結果が出なかったら確かにショックなんですけど、そこは力になっていると信じて、焦らず。
気付かないうちに自分自身が成長していることは、どんなことでもあると思います。数学でも、昔頑張って理解した証明が自力で再現できたり、何でこんな議論が必要になるか自分で分かったりすることがありますが、僕にとってはそれが数学をやっていて成長を実感できる嬉しい瞬間です。

⑨数学に行こうか迷っている学生さんに何かアドバイスはありますか?

数学に限らず分野の選択に悩んでいる場合は、そんなに慌てて決める必要もないんじゃないかと思います。色々見ているうちに、惹かれるものに出会えるかもしれません。僕も今の研究分野に進んだのはたまたまで、学部3年のときに参加したセミナーで先輩の話を聞く機会があって、そのときに面白いなと思った内容がそのまま今の研究内容になっています。
それと、数学をすると言っても他の知識が必要となることもありますし、実際僕も材料科学などの分野の問題から動機を得て研究をしています。早くに一つに決めないで、色んな講義に出てみたり、自分と別の興味を持った人と話したりしてたくさん知識を吸収しておくと、きっと将来役に立つと思いますよ。

2015年(平成27年) 10月インタビュー実施