阿部眞尊(2012年度学部4年)

Q. まず出身高校を教えて下さい。

出身高校は北海道札幌国際情報高等学校です。

Q. 数学科に入ろうと思った理由と、数学に興味を持った理由は何ですか?

数学の厳密な議論が好きだったことと、数学の言葉を使って身の回りの事柄を記述できると知ったからです。小さい頃から算数や数学が好きで、一番得意な科目でもありました。ですが高校で物理にも興味を持ち、大学に入ってからはどちらを専門にしようかと迷っていました。そんなときに2年生の前期の授業で「数学3」と「現代数学への招待」があったのですが、「数学3」で定義から厳密に理論を組み立ててゆく様を授業の中で実感しまして、その凄さを感じました。そして「現代数学への招待」で《対称性》という言葉が出てきたのですが、そのことが数学の《写像》という言葉を使って正確に表現されるということを知りました。身近な事柄である《対称性》を《写像》という数学の言葉で記述できることを知り、ますます数学に興味を持ちました。

Q. 高校の時の数学と今言った話と、何かギャップみたいなものや驚きはありましたか?

そうですね、高校の先生も定義のところをしっかりと教えてくださったので、僕はそこまでギャップというものは感じませんでした。例えば大学に入ってからの大きな関門のひとつとしてイプシロン-デルタ論法があると思うのですけれど、高校の数学Ⅲの授業で数列が収束するということを、単純に近づくということではなくて、イプシロンなどの言葉を用いてこのように考えるのだよと教えていただいていました。ですから、数学の世界は高校の時からそのような感じのものであると僕は思っていたため、あまりギャップというものは感じませんでした。

Q. そうですか。さきほどと少し話はかぶるのですが、2年生後期から数学専門の講義になりましたが、その前後でどんな違いがありましたか?

内容がより厳密に議論されていき、あいまいさが全く無いということを感じました。あとは演習の授業がはじまって、問題を自分で考えて解くということを通じて、講義で学んだ内容をより深く理解できました。

Q. では数学で興味がある分野と、何故興味があるのか理由を教えてください。

解析系に興味があります。現在は関数解析学と作用素環論を学んでいます。何故解析系に興味を持ったかといいますと、2年生後期から専門科目が始まって、専門基礎科目が3年前期くらいまでで一段落するのですが、その1年間で学んだ4つの大きな分野(代数、幾何、解析、数理科学)の中で解析系が一番合っているな、と勉強していて思いました。また、3年後期からの講読のコースが始まって、そこで関数解析学というものがあるのを知り、今まで学んだ事のない内容だったので挑戦してみようと思いました。

Q. どんな本を読んだんですか?

講読の時はペダーセン先生著の「Analysis Now」という本を読みました。

Q. 北大数学科の特色がありましたら教えてください。

まず学習環境がとても充実していると思います。とくに図書館は和書洋書に限らずとても多くの書籍があり、調べ物をする際にとても便利な所だと思います。あとは授業の方面ですと、基礎数学の授業が充実しているということがあげられます。線形代数学や微分積分学は1年生の教養から学んでいますが、もう一度基礎からはじめてくれますので、自分が理解していることの確認や、理解が不足している部分の補足などができたので、このような授業を設けてくれるというのは僕にとって大変ありがたかったです。

Q. 大学院に進学されると思いますが、将来の進路について何か考えていたら教えて下さい。

とりあえず修士課程を北大で過ごさせていただく予定です。まだその先については今の所は決めかねています。まずは修士課程に全力を注ぎ、その過ごし方で今後の進路も大きく変わってくると思います。ですから、修士課程での時間を実りあるものにしたいと思っています。

Q. 最後にまだ進路の決まっていない1年生や後輩達に向けてアドバイスがありましたらお願いします。

自分の本当に学びたいと思うような分野に出会うことはなかなか難しいと思います。自分の進む道がなかなか定まらない時は僕自身も不安でした。ですが自分が学びたいと思うことを探し続けていれば、ふとした瞬間に面白いと思うきっかけがあると僕は思います。その面白いと思った内容は周りの人にとっては取るに足らないものかもしれませんが、そのきっかけを掴むことができれば自分の学びたいと思う分野はこれだと決めることができ、自分の進む道をしっかりと見据えることができると思います。ですから、もし少しでも興味がある分野があれば積極的に触れて、きっかけを掴める機会を数多く作ってほしいと思います。

Q. どうもありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。

2012年(平成24年) 10月 インタビュー実施