卒業生の声 田名井晋太朗さん(2006年度修了)

皆さん、こんにちは。私は、埼玉県の高校卒業後、北海道大学理学部数学科に入学しました。北海道大学を卒業後、北海道大学大学院理学研究科数学専攻に進学し、2006年3月に卒業しました。2006年4月に島津製作所に技術職として入社し、現在は医療機器のソフトウェア開発を行っています。

大学院では、数学基礎論を学び、修士論文のテーマはゲーテルの不完全性定理でした。当時の北海道大学では数学基礎論を専攻している研究者が少なく、研究自体は大変なものでしたが、ご指導くださった担当教官の支えがあったため理解を深めることができました。またそのおかげで、自分が納得できる修士論文を書き上げることができました。

残念ながら、現在の仕事において、数学基礎論の理論を直接生かすことはまずありません。しかし、数学を学んだことで、論理的思考、具体的な事象を抽象化する能力、忍耐力が身に付きました。これらの能力は今の仕事に欠かすことができない私の武器でもあります。特に物事を抽象化する能力は数学を学ぶことで鍛えられました。

物事を抽象化するということは、現在の私の仕事でとても重要なことです。例えば、製品開発時に問題が起こったとします。その問題点を抽象化し問題が起こった理由を理論立てし、その理論をもとに問題点を改善します。その際、他の製品に同じような問題が潜んでいないかを同じ理論で検証することができるようになります。数学出身のエンジニアの強みはここにあると思っています。

ゆったりと時間が流れる北海道で、整然とした理論をじっくり学ぶことができたのは、私にとって大変有意義でした。そこで培った能力を、人の命を救うことに役立てたいと思い、島津製作所に入社しました。現在においては、さらに必要なスキルを身につけるため日々精進しています。

皆さんには、わからないことをしっかり理解できるまで悩み、考えることをお勧めします。北海道大学数学教室がその手助けになることは、私の経験上疑うことのない事実です。日本の未来を北海道大学数学教室から一緒に発信していきませんか。