卒業生の声 小田文仁さん(1992年度修了)

私は富山商船高等専門学校で数学教員をしています(注:所属は執筆時のものです)。北海道教育大学函館分校を卒業した私は,北大修士課程に2年間在籍していました。その後,熊本大学大学院博士課程に進学しましたが,就職するまでの3年間は日本学術振興会特別研究員として再び北大に所属していました。

現在の修士課程の特色のひとつとされている「資格試験制度」を私は経験していないので,数学研究(修士論文)について述べたいと思います。

基本的には指導教員の先生の指示に従って進めてゆくべきものであると思いますが,ほんの少しでも自分のオリジナリティー(と感じられるもの)を含んでいるようなものにしたいと考えることは,「数学を行なう」者としては極めて自然なことだと思います。私は決して論文数の多い者ではありません(だからこそ以下のように考えるのかもしれません)が,そのためにはやはり「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」的研究方法が,多くの数学専攻学生に当てはまる対処法であろうと考えています。本や論文を読んでいてギャップを埋めるときも,セミナーで話すときの準備も,修士論文の準備も極言すればそのあたりにたどり着くことでしょう。

アドバイスとしてはオリジナリティーのかけらも感じられないものになってしまったことは否めないので,北大出身のある数学者の言葉を引用することで勘弁していただきたいと思います。「初等幾何を復活させるべきですね。なぜなら,人生のあらゆる問題は1本の補助線を引くことで解決できるのだから...」

[山形大学理学部数理科学科 准教授]
(執筆時の所属:富山商船高等専門学校)