ピササマースクール報告会

2016年11月30日

ピサ大学システムとの交流を基盤とするガリレオ・プロジェクトは、スーパーグローバル大学創成支援を受けて、2014年11月にスタートしました。今年(2016年)の夏には、ピサ大学教員3名と北大教員3名が共同で集中講義を行い、数学教室の院生も多数参加しました。
このサマースクール参加者の報告会をまとめたものがこちらです。海外での思わぬ体験談がたくさん詰まっています!是非ご覧ください。

参加者:新村貴之さん(M2)、福田一貴さん(M2)、水戸部絵理さん(M1:数学の他、経済のサマースクールにも参加)
聞き手:事務スタッフ

●まず、どうしてピサに行こうと思ったのか、そのきっかけを教えてください。

福:去年サマースクールを北大でやって、今年はピサであるというのは知ってました。それで先生から「こういうのがあるから応募してみたら?」って言われて。イタリア行く機会もなかなかないので、これを機に留学してみようかな、と応募しました。

新:僕も去年のサマースクールに出ていて、その時に「来年はイタリアにおいでよ」って言ってもらって。

水:私も先生に勧められました。最初は英語も数学も心配だったから迷ったんですけど、「せっかくだから行ってみなよ」って言われて。あとは海外行ってみたいなって気持ちもあったので。

●ピサに行く前の印象はどうでした?

福:行く前一番心配だったのはやっぱり英語でした。長期で海外に行くっていう経験がなかったのと、あとイタリア(ヨーロッパ)の生活スタイルがどんな感じかわかっていなかったので、その辺も不安でした。
でも、数学に対する不安はそんなになかったです。テーマも、最初からどんなのがあるのかは聞いていて、例えばブレインマスモデルについてとか、偏微分方程式に関連する講義など、なんかこれ面白そうだなっていうのが幾つかあったので。

水:サマースクールの本日程の方は自分の専門と全然違うものだったので、単位とれるかな、とか不安だったんですけど、もう1つの経済サマースクールの方は自分の専門だったので、わりと楽しみで。やっぱり英語は不安でした。不安すぎて英会話教室通ってました(笑)

福:英会話は俺も今年の4月から通った(笑)

水:しゃべれなかったらどうしよう、コミュニケーションとれなかったらどうしようって。

新:それ(英会話)はだいぶ活きてたよね。
僕も、数学に対する不安がなかったっていうのは福田君と同じだったんですけど、僕の場合は海外に行くっていうのが初だったので・・・まあかなり不安でしたね。でも1人で行くわけじゃなかったから。結構どうにかなるかなって感じだったかな。

福:僕は別日程で1人ぼっちだったから(到着するまで)すごい大変でしたけど、駅とか空港で、現地の人に道聞いたりして。イタリア人は親切な人が多いなって思いましたね。困ってたら結構声かけてくれる人とかいて。日本人よりそういうウェルカム精神が強い人が多いなという印象を受けました。

●英語の講義はどうでした?

福:スライドで、英語でパッパパッパどんどん進んでいく講義スタイルのはついていくのが大変でしたけど、板書で行われるタイプのものだと、書くスピードと話すスピードが大体合ってるので、そんなに苦ではなかったですね。研究会とかでも数学の英語を聞くのは慣れていたのでノートもしっかり取れました。

新:数学英語は割とどうにかなるんですよね。聞き覚えがあるし、日本語の本でも横に英語での表記があったりするから。ただそれと、そもそも内容として理解できるかどうかはまた別問題なんだけど(笑)。でも言語の壁っていうのは、講義に関しては思ったよりは何とかなる。

水:私は前半の方は、やっぱり自分が聞いたことがない数学英語が結構出てきてキツかったなとは思ったんですけど。でも自分の専門の方は聞き覚えもあるし、見たこともあるから何とか。
むしろ英語の方が理解できる組み立てになってるっていうか。普段日本語で勉強してると、日本語だと難しいんですよ、言葉自体、専門用語が。その理解できない単語が、英語だとすごいすっきりするものとかあって。それだとわかりやすくて逆に自分の専門の方は理解が深まって良かったかな。

●6個の講義のうち何個とるんでしたっけ?

水:3つです。選び方は自由。勿論3つ以上出てもいいです。

福:あとはワークショップの中からも1人2つ取らなきゃいけなくて。
今回の講義は、ピサ大の先生が3人と、北大の先生が3人だったんですけど、せっかくピサに行くってことで、僕はできるだけイタリア人の先生の講義を受けるようにしました。今回行われた科目のどれもが、普段の講義ではあんまり扱われないような内容で、このサマースクールだから学べた、っていうのが大きな収穫かなって思います。

●普段ここでやるものではなく?

福:そうですね。普通の講義ではやらないような、聞いたことないような内容だったので。もちろん先生方の専門の大きな枠の中ではあるんでしょうけど、僕達が普段聞いていたようなものではなくて、もっと専門的な内容だったので。このサマースクールならではのトピックが多かったかな。

水:人を惹きつけるような面白いタイトルのものとか結構あったり。面白いモデルを扱ってたり。

新:分野が結構まざってた。たとえば幾何と偏微分方程式って、なかなか普段の講義だと一緒にやるっていうのが難しいけど、たぶん今回のスクールだからかな、みたいな感じでした。

水:私は、経済サマースクールが後半にあって、月~金、朝から晩までずっと講義。問題演習の時間もあって、解説を聞くだけじゃなく、発表や質問、話し合いもできてすごく有意義だった。

福:それにポスター発表もあったよね。(※注)行く前に自分の研究、もしくはゼミなどで勉強したことを各自でポスター作って持って行きました。事前に一番準備しないといけないことだった。
※ポスター発表またはショートトークのどちらかを選択

●そのポスターはどんな形で発表したの?

水:授業の最後、講義が終わった夕方くらいに1時間、2時間くらいの枠が取ってあって、自分のポスター貼って。先生方が好きに見て回って質問したり。

福:うちの卒業研究みたいに。

水:初めての経験だったので、もう緊張しすぎて。行きの飛行機の中で、何質問されるかなと考えて全部用意しました。英語で答えられないと思って全部英文で起して(笑)

●予想通りのこと聞かれた?

水:予想内のこともあったけど、予想外のことも・・・。「どうしよう、何て言えばいいんだろう」って思ったけど、自分がポスターに書いた英語を見ながら、これだったらこう伝えれば伝わるかなー?っていうアドリブみたいなのでも対応できたし、結局はやってしまえば何とかなるんだなって(笑)

●みんなが泊まったところはホテルとか寮だったの?

福:いや、違いますね。一軒家みたいなところですね。4人ずつに別れて。

●じゃあ、全部自分達で生活する感じで。

福:基本自分たちで全部でした。洗濯機あるかどうかとか、事前情報がなくて。ホテルじゃないので、できるだけ色々用意していこうって、みんな結構準備が大変で。
行ってみたらwi-fiが使えないことが一番不便でしたね。家にはインターネット環境がなくて、連絡手段が学校に行かないとない。そういうところが海外はちょっと不便だなって。

新:結果的にはいらなかったけど、最初シーツもないって言われて。

水:シーツ持ってくように言われました。

●え!!持って行ったの!?

水:持って行きました!洗面器も(笑)。結局は、近くにスーパーがあって全部売ってたから、なくても問題なかったかなって。

新:でもそっちはさ、スーパーが結構近くてよかったよ、こっちはスーパー遠かった。(笑)

●大学の雰囲気はどうでした?

水:ああ、大学全然違った!

福:それ結構大きかったんですよ。北大っていうか日本の大学みたいに、ここからここまでが敷地です、っていうのがないんです。

水:キャンパスがないんです。

●え?

水:建物の中にちょっとずつ埋まってて。例えば、そのビルがどこかの保険会社のビルでその中の一部に学校が入ってます、みたいな。

福:そういう所が街の至る所にあって、ピサ大の数学科の建物があります、学食はここにあります、って。だからどこからどこまでが【ピサ大】じゃなくて、そこら辺にピサ大の建物がある。敷地って概念がないんですよ。

新:あれは不思議だったね。

福:あとは通学路からピサの斜塔が見えたとか。

新:最初は感動したよねー。

福:ピサの斜塔は近くにあって、すぐ歩いて行けるんですけど、その中のカンポサントっていう納骨堂の中に、すごいでっかい石像があって、この偉い人誰なんだろうねって言ってたら、フィボナッチ数列で有名なフィボナッチで。「あのフィボナッチだぁ!!!」って結構テンション上がりました。

新:ピサ出身だったんだっけ?ピサで有名な数学者です。

福:街の中にいろんな学者の石像があったりしてやっぱり学問の町だなと思いました。

●向こうの学生さんたちとの違いを感じることあった?

福:講義中でも質問する学生が多いですね。日本人はシャイだから疑問に思ったこと質問しないけど、彼らはDo you have any questions? って聞かれたらすぐ質問する。みんな積極的で。だから仲良くなって色々連れて行ってくれたりして。アクティブ。

新:すごい気さくだよね。

水:女子が半分くらいいたので、女の子の友達、いっぱいできました。

福:イタリアはそんなに、女子が数学苦手とかそういうのないみたいで。そこは日本とちょっと違うよね。

●実際に行ってみて自分が変わったなって思うことは?

福:外国人の学生とコミュニケーションとったり、議論したりすることに抵抗とか恐れがなくなりました。
最近僕は、英語でディスカッションする機会が結構増えてるんですけど、自分の意見を何とかして伝えるってことに抵抗もなくなりましたし、割とスムーズになりましたね。行ってる間に英語もちょっと上達したなって思います。

水:行くまでよりも、もっと勉強頑張ろう!って意欲が出ました。周りの子のレベルが高いし、モチベーションがすごく高くて自分の研究が好きな人がすごく多かったので、もっと頑張んなきゃな、みたいな気持ちになったり。

新:海外っていう概念自体の抵抗は前よりはだいぶ薄くなったというか。あとはもうちょっと英語勉強すれば良かったなって思いましたね。

●来年のサマースクールにも参加したいですか?

福:そうですね。来年は北海道であって、向こうで仲良くなった友達とかも来るって言ってたので、是非おもてなしして、色々連れて行ってあげたいし。
みんな:うんうん。

福:このプログラムは始まったばっかりで、これからも続けて行きたいって先生方もおっしゃっていたし、海外の大学とコラボレーションして何かやるって結構独自の取組みだと思うんですよね。だから数学科の1つの特徴としてどんどん続けていって欲しいと思います。






 

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