研究の目標・ねらい

流線形=効率的デザイン,
「渦」=エネルギー効率を下げる厄介者…が従来の一般的なイメージ.

いえいえ,実は「」はとってもエコであるかもしれないのです.

流れの流線と物体境界が一致する「流線形」

 古典的な流体力学の理論によれば,流れの流線と物体境界が一致する「流線形」(右図)は理想的な形として,航空機の翼の形だけでなく,現代においては効率的デザインを表す基本的概念の一つとなっています.それは同時に,流れが乱れて物体境界から生成される「」は抵抗を増加させる厄介者であるとの見方と表裏一体をなしています.しかし,近年,昆虫の飛翔・魚類の遊泳などの研究が進み,従来の翼理論では捉えられない事実が指摘されています.それは,生命体の移動においては,彼らは敢えて体を動かして渦を生成することで,その生成渦と境界の相互作用により効率的推進力を得ているというものです.

 本CREST構想では,この事実を受け「渦と境界の相互作用」の研究を力学系理論・数理流体力学・大規模数値計算によって統合的に推進し,“流線形=効率的デザイン,渦の生成=厄介者”という従来のパラダイムを転換し,エネルギー効率のよい新しい空力特性の実現・環境と調和したエコデザインにつながる新概念の樹立を目指すものです.

「渦・境界相互作用」は多くの現象の背景にあるキーコンセプトです