数学連携研究センター活動実績(2009年度より2013年度まで) 掲載します

2013年12月26日

数学連携研究センター活動実績(2009年度より2013年度まで)

数学連携研究センターは2013年3月31日をもって設立より5年を経過し、更に5
年間の継続を決定している。2013年度までの活動実績をまとめる。

教育研究

  1. 数学連携サロンをセンターが主催し、数学・数理科学と諸科学の連携研究を推進した。これは主に学内の部局間交流を主体としたセミナーである。
  2. RCIM Letters, RCIM Proceedingsを発行し、大学院生、若手研究者への数学連携の具体的な指針としている。
  3. 2012年度から文部科学省「数学と諸分野・産業との連携プロジェクト」の一環として、委託事業「数学・数理科学イノベーション研究推進プロジェクト」を統計数理研究所、東京大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、明治大学と共にセンターで共同実施することになった(5年間。予算は統計数理研究所で一括管理)。
  4. H21-22年度JST先端計測・機器開発プログラムにおいて「複雑系科学に基づく経年変化の計測と予測に関する調査研究」をセンター名で申請、採択され、センター名で実施し大きな成果が挙がりJST事後評価で高い評価を得た。また、今般の創成研究機構における外部評価でもこの事業にS評価が与えられた。
  5. 2010年度Human Frontier Science Program (HFSP)にセンター名で米英の研究者らと共同申請し、30倍の難関を突破し採択され、センターで実施している。その間接経費はセンターに入っている(2013年度で終了)。
  6. 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構から委託事業をセンターが請負い、数学ポータル構築を行った。
  7. 新日本製鐵株式会社から委託事業をセンター名で請け負い、焼結工程の燃焼・電熱現象の数学モデルの開発に関する研究を行った。
  8. センター兼務教員が編集委員となり、兼務教員が執筆する「連携する数学」
    シリーズ(共立出版)の出版が決定した。数学連携研究センター名で出版し、
    北大に数学連携研究センターが設立されたことを巻頭で説明する。数学の他
    分野への応用をそれぞれの研究を基に執筆し、数学の学生が他分野に興味を
    持つように仕向けていくことを目的としたシリーズである。この活動は数学・
    数理科学を基にした高度な学際研究による基礎科学の発展のための活動の一
    環として位置付けられる。

運営

  1. センターの運営は運営委員会と兼務教員会議によって実施している。
    兼務教員は発足当初18名(理学研究院11、電子研5、工学研究院1、人獣1)
    であったものが、2013年度現在は26名(理学研究院15、電子研6、工学研究科2、情報科学研究科1、先端生命1、人獣1)に拡充、徐々に学内連携の範囲を拡大して運営している。また、しばしばメイル討論を個別に行い意見調整を行っている。運営委員会で当該年度の実績報告、会計報告、次年度の活動方針、予算案などを審議決定している。兼務教員会議では運営委員会で決定された方針に基づいて、活動の具体が議論され、決定、実施される。また、兼務教員会議において運営委員会ではかられるべき議題が議論される。いずれの会議でもセンター長が議長を務め会議をリードしている。 
  2. RCIM Letters, RCIM Proceedings発行の責任者である編集委員長をセンター長以外から決め、これらの編集、発刊に当たっている。編集会議は別途行っている。数理連携セミナーである数学連携サロンの開催は兼務教員からの申し出によって行っている。これらすべての運営業務を補佐するために事務補助員を一名雇用している。

その他

  1. 文科省研究振興局基礎研究振興課に数学イノベーションユニットが設立され、数学と産業・諸分野の連携研究に関する文科省内の政策提言体制が整った。当センターはこの設立に深くかかわるとともに、日本全体の数学・数理科学と諸分野の連携研究に対し重要なパートナーの一つとしてさまざまな提言を行っている。
  2. センターが主導して、数学専攻と情報科学研究科が協力して実質的かつ中長期的な観点から大学院教育連携の取り組みを開始した。

数学連携研究センターを取り巻く状況と事業計画

数学連携研究センターを取り巻く状況を踏まえ、2014年度からの事業計画を記
載する。

センター兼務教員の研究レベルが極めて高いことは、例えば数学・数理科学の科研費採択率を見れば明らかである。北大は5-6位であるが、当センターは東大を抜いて1位である。まず、当センターができたことによって、数学連携に関する北大のステイタスは上がり、ビジビリティーは高まった。学内での数学連携共同研究もセンターを中心に行われ、部局間を数学・数理科学で結びつける横糸の役割を果たしている。また、情報科学研究科と数学専攻が大学院教育連携を行うように主導し“化学反応”が起きやすいようにするなど、触媒の役割も果たしている。この5年間に、JST、情報システム研究機構や企業からの受託研究を学部をまたがって実施し成功させた。このように、当センターは学内共同教育研究施設としての役割を果たしてきた。また、2012年度から文部科学省からの委託事業を国内の複数の機関と共同して受託し今後5年間共同研究を行うことになった。これは当センターが、北大の目玉施設の一つとして認知され、近い将来における数学・数理科学連携拠点の一つの候補になりうることを示している。当センターの今後の方針は学内連携を人文社会科学にまで拡張し、より全学的に意義のある組織にすること、さらに広く日本国内、あるいは海外も視野に入れた数学・数理科学連携拠点を構築することである。そのためには、兼務教員だけの組織では不十分である。センター業務に専念できる複数の専任ポストが必要である。これは以下の運営費獲得を定常的にするためにも必要な措置である。現在のような兼務教員だけの組織では、外部資金の間接経費をセンターに定常的に流すことは困難を極める。教員は本務所属として外部資金を獲得することを半ば義務化されており、特別な場合を除いて兼務であるセンター所属として外部資金を獲得することはないからである。兼務教員にも間接経費がある一定の割合で与えられる仕組みがあれば可能になってくるが、そのような仕組みはない。

尚、主要他大学において、当センターと類似のセンターが次々と立ち上がり、それらには専任が配属されたり、予算措置がなされたりしている。このことを認識し、今後のセンターの活動方向を熟慮することが重要である。

事業計画

  1. 数学と諸分野の連携拠点を目指す事業
    数学と諸分野の連携研究を模索するセミナー(数学連携サロン) 

    諸分野との連携の可能性を数理科学の立場から模索するquestセミナーと諸分野の立場から数学との連携の可能性を模索するセミナーを行い、連携共同研究を推進する.

    連携分野と数学の連携研究成果報告会(諸分野連携研究集会) 

    センター活動の一環として連携研究の成果発表を行う.
  2. 連携研究成果の活動報告事業
    数学連携研究センターの活動の活動報告の発行(RCIM Letters) 

    諸分野との連携によって得られた成果報告書の発行(RCIM Proceedings) 

    数学と諸分野の連携成果のアウトリーチ活動としての一般向け公開シンポジウム 

    数学連携研究センターの活動として得られた結果を一般向け(高校生)に
    公開する.これにより,数学が他分野や社会とどのように関連しているのか
    広報活動を行う.
  3. 諸分野との連携研究を促進する事業
    数学何でも相談箱の設置(Web上に設置し,常時質問を受け付ける,連携シーズ) 

    諸分野の研究者が必要とする数学者と研究交流を持つきっかけとなる相談箱を設置する.これにより潜在的に数学を必要としているが,相談する数学者を見つけることができていない諸分野の研究者を発掘し連携共同研究を推進する.

    数学者と諸分野の研究者が共同研究を開始する場合の事務サポート(連携
    研究サポート,随時) 

数学連携研究センター評価結果

2012年10月に実施された創成研究機構評価委員会による外部評価の結果、数学
連携研究センターは全体評価 S(最高評価)を獲得した。詳細は以下PDFを参
照。

○数学連携研究センター 評価結果

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